住宅ローンを検討中の方で「500万円ある借金を住宅ローンに組み込んで一本化したい」「住宅ローンに上乗せしたお金で借金を返済したい」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一本化できれば、借金+住宅ローンの支払いをするより、月の返済額も低くなり負担が減るのでは?と期待してしまいますよね。
しかし結論からお伝えすると、住宅ローンに借金額を上乗せした一本化は難しいです。可能性はゼロではありませんが、上乗せすることでデメリットもあります。
本記事では借金500万円を住宅ローンに上乗せするのが難しい理由と一本化の方法、デメリットなどを解説していきます。
借金500万円を住宅ローンに上乗せできない理由
冒頭でもお伝えしたとおり、借金500万円を住宅ローンへ上乗せした形の一本化は簡単なことではありません。
まず大前提として住宅ローンは、住宅を購入するためのローンであるため住宅以外の使い道でローンを組むことができないのです。
住宅ローンの規定上、住宅購入に関連する事務手数料などの諸費用はOKでも、全く関係ない借金は対象外となります。
しかし、不動産業者の中にはどんなことをしてでも物件を売りたいという業者も少なくありません。銀行や保証会社には内緒で「住宅本来の金額に借金額を上乗せして借りられる」と持ちかけてくる業者もいます。
万が一上乗せが審査中にバレると当然審査落ちしますが、審査に通り後からバレた場合は家を失うことになりかねません。
また、「住宅ローン減税」や「返済不能に陥るケース」があるなど、注意すべき点もあります。以下で解説しますのでよく確認しておきましょう。
住宅ローン減税に注意
通称「住宅ローン減税」は正式には「住宅借入金等特別控除」といい、住宅ローンの負担を軽減する制度です。住宅ローンを借りて住宅を取得した人を対象に、10年間所得税の控除が受けられるというものです。
増築・一定規模のリフォーム、省エネ・バリアフリー改修など100万円以上の工事費も対象となります。
しかし、この控除を受けられるのはあくまでも住宅を取得するために借りた住宅ローンが対象です。もし2,500万円の物件+500万円の借金上乗せ=3,000万円を借りた場合、住宅ローン減税の申請がややこしくなります。
何も考えずに3,000万円で申請すると、不正利用となり脱税という犯罪を犯すことになります。
借入金額が多くなり返済不能に陥る可能性がある
住宅ローンに借金を上乗せするもう1つの注意点が「返済不能に陥る可能性がある」ことです。
住宅ローンに借金を組み込めば、それだけ借入額が増えるということ。借入額が増えれば金利負担も増しますし、減給や失業など深刻な経済危機に見舞われた場合はたちまち返済不能に陥ってしまうでしょう。
最悪、せっかく手に入れたマイホームを手放さなければならない事態に陥ります。無計画な借金上乗せはデメリットが大きいため、絶対にやめましょう。
目的別ローン(住宅ローン)とフリーローンは性質が違う
前述したように住宅ローンは住宅に関連する借入しかできません。このように使い道が決まっているローンを「目的別ローン」といいます。
《目的別ローンの種類》 |
ブライダルローン、カーローン、歯科ローン、教育ローン、住宅ローン |
一方で、用途が決められていないローンが「フリーローン」です。フリーローンは、借りたお金を何に使っても自由ですから、借金の返済に充ててもOKです(事業性資金としての利用は不可)。
《フリーローンの種類》 |
カードローン、フリーローン |
フリーローンは使用用途が自由ですから、教育や車の購入に利用してもいいのでは?何が違うの?と感じる方もいらっしゃると思います。
しかし、目的別ローンとフリーローンの決定的な違いは金利です。目的別ローンは金利がフリーローンよりも圧倒的に低く設定されていますから多額の借金だとしても無理のない返済計画が立てられます。
例えば、三井住友銀行の教育ローンなら無担保の変動金利で3.475%となっています。しかし、カードローンの金利は100万円以上の借入で年利12%〜15%、100万円未満なら18%ほどが相場となっています。
このように、目的別ローンとフリーローンは金利に大きな差がありますから、目的に合わせた選択をしなければなりません。
ろうきん住宅プラス500なら借金の上乗せができる
先ほどから住宅ローンに借金の上乗せはできないとお伝えしていますが、実はろうきんが提供する「住宅プラス500」なら住宅ローンに最高500万円まで上乗せして借り入れることができます。
しかも、上乗せした分の使い道は自由。カードローンやクレジットカードの借金や新居で新たに使用する家具・家電の資金にも使用できます。
「住宅プラス500」を利用するメリットは、さまざまな借金を一本化できることです。返済期間は40年とかなり長期的なプランが立てられますから月々の返済を抑えられます。
また、「団体信用生命保険料が無料」「融資の申込みにかかる取扱手数料は無料」などのメリットもあります。
しかし「住宅プラス500」にもデメリットがありますので要注意です。
- 早期売却したら売却価格では足りなくなる
- 担保評価の低い物件は利用できない
住宅プラス500では本来の物件の価値+借金500万円を上乗せしますから、売却時の金額では足りなくなる恐れがあります。
借りた時点でオーバーローンの状態ですから、早期に家を手放す際は、購入額より高い金額で物件を売却しなければ借金が残ってしまうのです。また担保評価の低い物件は、諸費用を含めた金額の借入が厳しくなりますので注意しましょう。
借金500万円が住宅ローン審査に与える影響
住宅ローンを検討中の方にとって、借金500万円がどれほど審査に影響を与えるのか気になっている方も多いでしょう。借金500万円は、よほど年収が高い方以外は住宅ローン審査に大きな影響を与えます。
というのも、住宅ローンの審査で重要視される項目の1つに「年収に占めるローンの年間返済額の割合=返済比率」があるからです。返済比率には住宅ローン以外のローン(車・教育・カードローン・クレジットカードのリボ払い)も含まれます。
《返済比率の求め方》
住宅ローン年間返済額+住宅ローン以外の返済額➗申し込み人の年収×100
上記の式で算出された数字が25〜35%以内に収まっていることが審査に通過するラインとなっています。
年収が高く返済比率が30%以内であれば、借金500万円が審査に与える影響は少ないのですが、収入が低く返済比率が35%を超えていれば審査通過はかなり厳しいものとなるでしょう。
借金500万円あるひとが住宅ローンに通るには?
前述したように年収に対して借金500万円の返済負担が大きい場合は審査に通過しません。そこで、少しでも住宅ローン審査に通るように、2つの対策をご紹介します。
頭金(自己資金)を用意する
まず1つ目は、頭金(自己資金)を用意することです。頭金を入れればそれだけ借入金額が減りますから、フルローンを組むより返済比率が低くなるはずです。
ただ、頭金を入れても借金500万円のせいで返済比率が35%を超えてしまうとあまり意味がありません。この場合は、頭金に入れるのではなく借金を返済した方が賢明でしょう。
頭金を入れるのか、返済するのか、いずれにしても自己資金が必要です。
住宅ローン比較サービスを受けてみる
次におすすめしたい対策が「住宅ローン比較サービス」を利用することです。住宅ローンは基本的に申し込みしなければ結果がわかりません。
しかし住宅ローンの申し込みは手続きするものが多く、提出書類の用意など手間がかかります。ようやく申請が終わったかと思えば審査落ち。息つく暇もなく再審査を申し込む銀行を探さなければならないため大変です。
こんなとき住宅ローン比較サービスを利用するとき入力した申し込み内容を元に、審査に通過する可能性の高い銀行を提案してもらえます。
「住宅ローン比較サービス」については、次項で詳しく解説しますのでチェックしてみてください。
住宅ローンの審査に不安を感じたら住宅ローン比較サービス「モゲチェック」
「モゲチェック」とは住宅ローンを利用者に代わって一括比較し、 毎月の返済額や総返済額を抑えたり、 良い条件で借りられる銀行を提案してくれるオンラインサービスです。
入力時間はおよそ5分で今よりも返済額が減らせる金融機関の提案を受けることができます。登録情報と銀行の審査基準をもとにあなたにピッタリの銀行を選んでくれる上、なぜその銀行がおすすめなのかのコメント付き。
AIが判定したその銀行の審査に通る確率も表示してくれますから、銀行選びの目安にピッタリです。しかも借りる金額やシミュレーションした返済額、銀行ごとの金利・条件なども比較できます。
気になる銀行があればスマホからそのまま申し込み可能。メッセージ機能を使えば住宅ローンのプロ「モゲチェックアドバイザー」へ相談や質問ができます。最安金利0.3%台の銀行も紹介してくれますから初めての住宅ローン選びにピッタリです。
住宅ローンは後悔することが多いため、できるだけ多くの金融機関から自分の条件にあった銀行を選びましょう。
まとめ
本記事では借金500万円を住宅ローンに上乗せできるのか?その方法やデメリットについて解説しました。
住宅ローンは目的別ローンですから、住宅以外の使い道でローンを組むことができません。もし不動産業者から「上乗せできます」と言われたら絶対に利用しないようにしましょう。住宅とは関係のない金額を含めて住宅ローン減税を申し込むと、脱税の恐れがあります。
このような事態に陥らないためにも借金は堅実に返し、自己資金などを貯めてから住宅購入を考えた方が無難でしょう。