不動産投資がキャッシュフローがメインではないため、たとえ一時マイナスになったとしても最終的に売却益によってどれくらい利益があげられるかで判断するのが鉄則です。
しかし、マイナスになりすぎてしまうとそれはそれで問題があります。
なぜなら、不動産投資の場合、マイナスを支払う年月が長いのでその間に支払いが厳しくなってしまい、渋々手放さなければならないケースも多々あるためです。
そのため、キャッシュフローはマイナスになったとしても自分で毎月きちんと支払える程度の金額であることが大前提になります。
また、キャッシュフローは不動産の種類によって変わります。
その理由は先ほど比較した2つの不動産のように初期費用の有無やキャッシュフローが新築や中古などで変わってくるためです。
一般的に資産性の高い新築はマイナス気味に、資産性の低い中古木造アパートなどはプラスになる傾向があります。
資産性の低い中古木造アパートなどは、キャッシュフローが大きい分、建物の資産性がないため売却時には解体して土地しか売れないというケースが多々あります。
売却益があまり望めない上に、解体費用がかかってくるため、今まであげたキャッシュフローによる利益でこれらを賄う必要があります。
一方で資産性の高い新築マンションは、初期費用などがかかる上に管理費などが高くキャッシュフローによる利益はあまり望めませんが、売却時に高く売れるというメリットがあります。
また、資産性が高いため売れやすいというメリットもあります。
様々な場合を想定して、次のようなキャッシュフローであれば、それぞれ一般的であると言えるでしょう(※2017年9月現在)
不動産投資には、資産性はあるがキャッシュフローが悪いもの、資産性はないがキャッシュフローが良いものがあります。
例えば前者を選べばキャッシュフローはマイナスになってしまいますが、後者と一緒に組み合わせて行うことでキャッシュフローを改善することも可能です。
このように1つの不動産だけではなく、2つ以上の不動産を組み合わせることによってキャッシュフローを改善しながら、より賢い不動産投資を行うことが可能になります。
しかし、中古物件を中心に販売している不動産会社は中古物件を、新築物件を中心に販売している不動産会社は新築を販売しようとします。
そのため不動産会社が主催したり、協賛する不動産投資セミナーなどでは、こういった「中古と新築の組み合わせ」という提案は出て来にくくなります。
情報が偏ってしまっている可能性が高いです。
こういったフラットで有益な提案をしてもらうためには、不動産会社が絡んだセミナーではなく、資産運用全般について教えてくれる第三者機関に相談した方が良いと言えます。
キャッシュフローは確かに大切ではありますが、不動産投資はそもそもキャッシュフローで利益をあげる投資ではありません。
目先の利益を追求したいという方にはあまりおすすめできない投資です。
一方で、将来に備えた資産形成の準備をしていきたい方には最適な投資の1つと言えるでしょう。
不動産投資で大切なのはキャッシュフローが多いか少ないかではなく、トータルでどれくらい資産を形成できるか、利益をあげられるかです。
キャッシュフローが高いといっていい物件とは限らないので注意しましょう。
あくまでトータルの利益を調べるための1つの判断指標がキャッシュフローであって、これがすべてではないということをよく理解しておくことが重要です。