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ラーメン構造と壁式構造の2つの見分け方|それぞれのメリット・デメリット

2020 10.21この記事はPRを含みます

特性が異なる「ラーメン構造」と「壁式構造」

建物の構造にはラーメン構造と壁式構造の代表的な2種類があります。

近年自宅をリノベーションする人が多くなってきていますが、リノベーションの際に問題になるのが建物の構造です。建物の構造にはラーメン構造と壁式構造の2種類があり、それぞれ特徴やリノベーションなどを行う際の自由度も異なります。

この記事では建物のラーメン構造と壁式構造について詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

ラーメン構造とは

ラーメン構造とはどのような構造なのでしょうか。

自宅をリノベーションする上で、自宅の構造について詳しく理解しておくことは重要です。自宅がラーメン構造なのか壁式構造なのかによって、リノベーションできる範囲やリノベーションの方針なども異なってきます。

ここではラーメン構造のメリットやデメリットについてご紹介しますので、ラーメン構造の建物をリノベーションしようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

ラーメン構造のメリット2つ

ラーメン構造のメリットについてご紹介します。ラーメン構造とはドイツ語の「枠」を意味する「ラーメン」から名付けられた構造です。柱と梁を使って建物を支える構造のため、壁を必要としないという特徴があります。

ラーメン構造は柱と梁を剛接合によって強力に接合することで耐震性を高める構造で、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物に主に利用されています。ラーメン構造のメリット2つについてご紹介していきます。

メリット1:間取り変更リノベーションをしやすい

ラーメン構造は壁を必要としないため、間取り変更リノベーションがしやすいというメリットがあります。

ラーメン構造は柱と梁によって構築されています。そのため、建物の構造に影響を与えない軽鉄やボードなどで作られた壁であれば、自由に取り外したり移動することも可能です。

また、リノベーションの際に実際に壁を取り外す場合も簡単に作業ができるため、思い切った自由度の高い間取り変更が可能です。

メリット2:広く使うことができる

ラーメン構造は空間を広く使うことができるというメリットがあります。ラーメン構造は柱と梁により構成され、接合部を剛接合することで耐震性の強度を高めています。

ラーメン構造なら建物の構造上、分厚い壁は特に必要としていないため、壁を薄くしたり壁の数を減らすことも可能です。そのため、壁式構造よりも広い居住空間を生み出すことができるでしょう。

ラーメン構造のデメリット2つ

ラーメン構造のデメリットについてご紹介します。

他の構造よりもメリットの多いラーメン構造ですが、一方でデメリットもあります。ラーメン構造は柱と梁により構成されていることによるメリットが多いですが、その特徴がデメリットになっている点もあります。

ここではラーメン構造のデメリット2つについてご紹介していきますので、メリットだけでなくデメリットについても把握するようにしましょう。

デメリット1:柱や梁が出っ張り目立つ

ラーメン構造は柱や梁が部屋に出っ張って目立つというデメリットがあります。

ラーメン構造の場合、どうしても建物を支えている頑丈な柱や梁が部屋の中にも張り出してしまいます。そのため、インテリア的に出っ張っている部分を邪魔に感じたり、間取りよりも実際の部屋が狭く感じることがあります。

また、張り出している柱や梁のせいで部屋に圧迫感があったり、柱が邪魔になって家具を上手く配置できないということもあります。

デメリット2:比較的コストがかかる

ラーメン構造は比較的コストがかかるというデメリットがあります。ラーメン構造はメリットが多い構造ですが、壁式構造など他の構造と比較するとコストがかかっているため、建築費用も高くなるといわれています。

また、先にご紹介したラーメン構造のデメリットである部屋に柱や梁が出っ張っている部分は「逆梁工法」や「逆梁アウトフレーム工法」によって出っ張りを無くすことが可能ですが、その分さらにコストが高くつくことになりそうです。

壁式構造とは

壁式構造とはどのような構造なのでしょうか。

次に壁式構造について解説していきます。壁式構造は柱や梁でできているラーメン構造とは違い、壁によって建物を支えています。また、ラーメン構造と異なり、中低層の建物に用いられる構造です。

ここでは壁式構造のメリットやデメリットについてご紹介しますので、壁式構造の建物をリノベーションしようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

壁式構造のメリット3つ

壁式構造のメリットについてご紹介します。

壁式構造は壁を使って建物を支える構造となっています。壁式構造は壁で建物を支えるため、縦横からかかる力に強い、耐力壁という鉄筋コンクリート製の分厚い壁が用いられるという特徴があります。

壁式構造は耐震性にも優れていますが、構造上、高層になると強度が保てません。そのため、主に5階以下の建物に用いられます。ここでは壁式構造のメリット2つについてご紹介していきます。

メリット1:すっきりとした空間に

壁式構造は部屋に出っ張りがないためすっきりとした空間になるというメリットがあります。

ラーメン構造のデメリットとして室内に柱や梁が出っ張るため目立つというものがありますが、壁で建物を構成している壁式構造は柱や梁を使用していないため、部屋に出っ張りはありません。

そのため居住空間がすっきりとした印象になり、家具も間取り通り思った場所に配置しやすいです。

メリット2:断熱性・防音性がよい

壁式構造は断熱性や防音性がよいというメリットがあります。壁式構造で用いられている耐力壁は非常に厚みがあり、断熱性に優れています。そのため、冷暖房が効率よく利用できます。

また、壁が厚いため音を遮断する能力も高く、防音性に優れている点はメリットだと言えるでしょう。

メリット3:建物が強固で耐震性に優れている

壁式構造は建物が強固で耐震性に優れているというメリットがあります。

ラーメン構造は接合部を剛接合することで耐震性と強度を高めていますが、柱や梁という「線」で建物を支えています。一方、壁式構造は耐力壁という「面」で構成されているため、ラーメン構造よりも丈夫で、耐震性に優れています。

壁式構造のデメリット2つ

壁式構造のデメリットについてご紹介します。

壁式構造はラーメン構造と比較して、部屋に柱や梁などの張り出した部分がないため部屋を広々と使うことができ、さらに頑丈な壁でできているため耐震性にも優れているというメリットがありました。しかし壁式構造にもデメリットは存在します。

ここでは壁式構造のデメリット2つをご紹介しますので、デメリットについてもしっかり把握するようにしましょう。

デメリット1:間取り変更の自由度が低い

壁式構造は間取り変更の自由度が低いというデメリットがあります。壁式構造は壁によって建物を構築しており、壁が建物を支えています。そのため、壁式構造はリノベーションの際にも壁を撤去することができず、間取り変更の自由度は低めです。

ただし、全ての壁が建物を支えているとは限らないため、軽鉄やボードなどの簡易的な壁であればラーメン構造と同じく取り外したり移動することは可能です。

デメリット2:窓やドアなどが制限される

壁式構造は窓やドアなどのサイズが制限されるというデメリットがあります。壁式構造は壁により建物を支える構造になっているため、鉄筋コンクリートの耐力壁は窓やドアといった設備の開口部のサイズや場所、数などが制限されます。

そのため、風通しを良くしたり日光を取り込むために、窓の場所を変えたり窓を大きくしたいというようなケースでも、リノベーションは難しいでしょう。

ラーメン構造と壁式構造の見分け方2つ

ラーメン構造と壁式構造を見分ける方法があります。

一般的に、物件情報として公開されている情報にはRC造やSRC造、鉄筋などの建材による構造種別、何階建ての建物なのかという情報や、築年数しかありません。しかし対象の建物がラーメン構造なのか壁式構造なのか見分ける方法はあります。

ここではラーメン構造と壁式構造の見分け方2つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

見分け方1:階数で確認する

ラーメン構造と壁式構造の見分け方は建物の階数です。

前述のとおり、壁式構造は高層になると強度が保てないため、高い建物を建築するのには不向きです。また、建築基準法施行令によって、壁式構造の建築物は一定の基準を満たさない限り5階以下に制限されています。

そのため、6階以上のマンションなどであれば、ラーメン構造で建築されている可能性が高いと考えられます。

建築基準法施行令-電子政府の総合窓口ー

見分け方2:間取り図から判断

ラーメン構造と壁式構造の見分け方は間取り図です。

不動産サイトに掲載されている間取り図の中には、ラーメン構造の特徴である部屋の隅の柱の出っ張りが書かれている場合があります。そういった場合はラーメン構造だと判断してよいでしょう。

ただし、間取り図は簡略化して書いてあるケースがあるため、間取り図に出っ張りがないからといって壁式構造だと判断することは難しいでしょう。

壁式構造の防音性はラーメン構造と違いはあるの?

壁式構造でもラーメン構造でも防音性には大きな違いはありません。

壁式構造は防音性に優れていますが、ラーメン構造の方が防音性が低いというわけではありません。むしろ、壁式構造かどうかではなく、建物が鉄筋コンクリート造なのか木造なのかといった構造種別の方が防音性に大きく影響するでしょう。

一般的な生活音程度であれば、木造よりも鉄筋コンクリ―ト造や鉄骨鉄筋コンクリート造の方が防音性に優れています。

壁式構造はラーメン構造に比べて壁が厚い

壁式構造はラーメン構造に比べて壁が厚いです。

壁式構造は壁を使って建物を支える構造になっているため、耐力壁という鉄筋コンクリート製の厚みのある壁を使って建築しています。そのため、ラーメン構造よりも音を遮断する性能に優れています。

一般的には壁が分厚い分、軽鉄やボードなどで簡単に壁が作られているラーメン構造よりも断熱性にも優れてると言えるでしょう。

間取りのリノベーションなら構造の違いを知っておこう

ラーメン構造と壁式構造の違いを知り、リノベーションに役立てるようにしましょう。

建物には代表的な構造としてラーメン構造と壁式構造がありますが、構造の違いによって部屋の見た目や耐震性などの基本的な機能以外に、リノベーションできる範囲にも違いがあります。

ぜひこの記事でご紹介したラーメン構造と壁式構造の違いやメリットデメリットなどを参考に、自宅の間取りをリノベーションしてみてはいかがでしょうか。

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