更地にかかる固定資産税とは?更地にするメリット3つと負担を減らす技を紹介
2020 10.21この記事はPRを含みます
固定資産税とは?
固定資産税とは、毎年1月1日付けで所有する土地や建物及び償却資産の所有者に対して課税される地方税です。
建物は居住用の家の他、アパートやマンション、工場や倉庫などで、事業用の償却資産には店舗や事業用に使用する設備や器具、ビニールハウスなどが含まれます。固定資産税は固定資産評価額を基に計算され、空き家も課税対象です。
土地や建物は固定資産税の他に、市街化区域内であれば都市計画税も課税されます。
更地とはどういう状態のこと?
更地は建物などが建っていない未利用の土地で、すぐに家が建てられる状態の非住宅用地です。
市街化区域では、耕作されていない畑や山林は整地しなければ利用できないので、更地には該当しません。また、借地権など設定されている場合も更地ではありません。建ぺい率や容積率の法的な規制があっても、自由に家が建てられる土地を指します。
固定資産税は土地の状況によって変わる
固定資産税等は家屋だけでなく土地(住宅用地及び非住宅用地)にも適用されます。
空き家は居住していなくても維持管理に費用が必要なので、「住宅用地の軽減措置特例」によって一般住宅と同じように固定資産税と都市計画税が敷地の広さによって一定の割合で減額されます。
更地は空き家と違い軽減措置が適用されないので、宅地用の土地の固定資産税と都市計画税が課税されます。
空き家のままの場合の固定資産税
空き家のままでも住宅用地特例が適用され、固定資産税と都市計画税の基準となる課税標準額が3分の1に減額され負担額が減ります。
都市計画税は土地の広さが変わっても減税額は同じですが、固定資産税は敷地面積が200㎡(約60坪)までの場合、6分の1に減額されます。
適切な管理がされていない場合は空き家対策特別措置法により「特定空き家」に指定され、固定資産税と都市計画税の減額対象から除外されます。
更地にした場合の固定資産税
更地にすると住宅が建っていないので、住宅用地特例の対象外になり、従来の固定資産税と都市計画税が課税されます。
住宅用地特例は、土地を住宅用に利用していることで適用されます。更地は利用されていないので、住宅用地として認められません。
更地にしたら住宅用地特例の減額分がなくなるので、固定資産税と都市計画税は住宅があった頃と比較して3倍から敷地面積によっては6倍に上がることもあります。
更地にするメリット3つ
更地にした場合のメリットは、空き家の維持管理が必要なくなることや、すぐに売却できることです。
空き家は維持管理する費用負担だけでなく、倒壊の危険や周囲に迷惑をかける恐れがあります。解体費用はかかりますが、自治体によっては空き家解体に補助金を給付することもあります。
更地にするメリット1:空き家の倒壊を防ぐことができる
更地にすると空き家の倒壊を防ぎ、周辺への危険がなくなることです。
管理が不十分な空き家は倒壊の危険の他、台風や強風によって建物の一部が飛散する可能性もあり、周辺住民にとっては安心できません。火災の発生や衛生面、景観を損ねるなど問題も多く抱えています。
倒壊や飛散によって周辺住民に迷惑をかけると補償問題が発生するので、更地にすることでトラブルを回避できるでしょう。
更地にするメリット2:買い手が付きやすい
更地にすると、住宅の新築や駐車場など思い通りに利用できるので、買い手が付きやすくなるといわれています。
更地の価格が建付地より上がる理由は、すぐに新築できることです。建物は中古住宅として他の物件と比較され、土地価格との合計額も安くなってしまいます。
アパートや賃貸駐車場として経営したり、不動産会社が購入して注文住宅を建て土地付建物として販売したりすることもできます。
更地にするメリット3:補助金を受け取れる
空き家を解体して更地にすると、解体費用の補助金や助成金を受け取れます。
空き家の解体、撤去費用を負担するのは大変ですが。自治体によって補助金や助成制度があります。固定資産税などの滞納があったり、地域外の解体業者に依頼したりすると補助金の対象外になる場合もあるので、解体前に確認が必要です。
補助金や助成金は解体作業が終了した後の支払った領収書が申請に必要なので、支払いが完了するまで受け取れません。
固定資産税を抑える方法
更地や空き家の固定資産税を少なくする方法は、売却や土地活用です。
固定資産税を安くするためには、建物ごと土地を売却するとよいでしょう。売却できない時には、賃貸物件として貸し出します。
更地は土地活用が可能で、アスファルト舗装をして賃貸駐車場や、太陽光発電システムで収益を上げることもできるでしょう。
売却
空き家付き土地や更地の売却は、固定資産税だけでなく維持費も一切かからない方法です。
建物ごと売却すると、空き家の解体費用も維持費も負担がなくなります。更地より値段は安くなりますが、売却することは可能です。不動産会社と相談して土地として売却し、解体費用を差し引いた金額を受け取ることもできます。
売却後は金銭的な負担もなくなりますが、周辺住民への気づかいもなくなり安心できるでしょう。
土地活用
空き家付き土地や更地は土地活用で収益を上げて、固定資産税を抑えることもできます。
空き家のまま賃貸物件として貸し出す他、更地にアパートやマンションを建てて経営することも可能です。プレハブ小屋や自動販売機を設置すると、更地として課税対象にならないといわれています。
更地と建物付きの土地では固定資産税の計算方法が異なるので、税金を減らすことができるでしょう。
土地活用の主な例1:賃貸物件
建物をそのまま利用したり、リフォームや新築したりして賃貸物件として経営すると、新たな収入源になります。
賃貸物件の維持管理は管理会社に委託すれば、遠くに住んでいても経営可能です。業務用の償却資産なので固定資産税を経費として計上でき、建築中から更地としての課税対象から外れるので税金額を減らすことができるでしょう。
土地活用の主な例2:駐車場
更地の土地活用の例として、駐車場に貸し出す方法があります。
更地と駐車場では固定資産税の課税額が異なり、減税効果も期待できます。自分で経営するより、貸駐車場業者や不動産会社に管理を委託すると費用はかかりますが、安心して任せられます。また、近くの事業者専用に貸し出すと一括で管理と利用料回収ができます。
アスファルト舗装は費用がかかり固定資産税も高いですが、賃料アップが可能になるでしょう。
土地活用の主な例3:太陽光発電システム
地方では借り手が少ないので、更地を太陽光発電システムに利用して活用できます。
賃貸アパートやマンション、駐車場に不向きな土地や、需要が少ない土地は太陽光発電システムに利用すると、売電による収入が得られます。自宅近くであれば、発電した電気の利用も可能です。
維持管理や修繕費用もほとんどかからず、保険に加入すれば落雷など自然災害による修繕も賄えるといわれているので、一度業者に相談してみるとよいでしょう。
困った時の相談場所
空き家や空き地のことで困った時の相談場所は、行政とハウスメーカーです。
行政は国土交通省の推進する空き家・空き地の流通を活性化する取り組みの中で、相談窓口を開設しています。全国版空き家・空き地バンクを構築して、ハウスメーカーが運用を行う取り組みも始まっています。
多くのハウスメーカーが空き家の貸し出しや売却、土地活用の相談を積極的に行っているので、気軽に相談できます。
行政
各自治体では、空き家・空き地の無料相談窓口を開設しています。
過疎に悩む地方では、空き家を登録して個人の移住や企業の進出受入れを積極的に行っている自治体も多くあります。持ち主は登録するだけで、自治体が希望者に斡旋します。地方以外の都市部でも自治体に相談窓口はあり、空き家の活用や解体費用の補助金や助成金の相談ができます。
NPO法人が空き家の相談窓口を開設して、自治体との橋渡し役を担うこともあります。
ハウスメーカー
多くのハウスメーカーで、空き家や空き地の活用に関する相談ができます。
ハウスメーカーの強みは、相談を依頼すると貸し出しの提案や売却など面倒見の良いことです。自社の管理物件として定期的に空き家の手入れや空き地の草刈りなど、契約が成立するまで責任をもって対応してくれます。
手数料はかかりますが、賃貸物件の管理業務や解体業者との契約などをしてくれるので安心でしょう。
固定資産税を学んで賢く土地活用!
空き家のままにしておくと固定資産税は減額対象になりますが、維持管理の費用がかかるので、有効な土地活用で固定資産税を少なくするとお得です。
空き家を更地にすると、減額対象から外れるので固定資産税が何倍にもなります。更地で放置するより賃貸住宅や駐車場経営、太陽光発電システムに利用し、減税と同時に収入も増やしていくために固定資産税を学んで、賢く土地活用をしましょう。