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源泉あり・源泉なし特定口座のデメリット|選ぶポイント3つもあわせて解説

2021 08.3この記事はPRを含みます

目次

特定口座とは?

特定口座とは、投資家が簡単に確定申告や納税をできる口座のことをいいます。証券口座を作る場合は特定口座か一般口座かを選択し、また特定口座でも「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」も選択します。

 

一般口座では確定申告をすることが前提ですが、特定口座の場合は、源泉徴収ありならば確定申告をしなくても済みます。ただし、源泉徴収ありを選択した場合も損失がある場合には確定申告をした方が得するケースがあります。

特定口座を開設するには

特定口座を開設するには証券会社の申し込みページから入って申し込み手続きを行います。なお、特定口座を開設するには証券会社に「特定口座開設届」と、マイナンバーカードと住民票、免許証などの本人確認書類のコピーを提出する必要があります。

 

株取引では、一般口座と源泉あり特定口座、源泉なし特定口座、NISA口座の4つがあり、どの口座を開設する場合もマイナンバーまたは本人確認書類のコピーの提出が必要となります。

特定口座には源泉ありと源泉なしがある

特定口座には源泉ありと源泉なしがあり、源泉ありの場合は基本的に確定申告が不要になります。源泉なしの特定口座を選択した場合には証券会社から売却損益の計算はしてもらえますが、税金計算と納税はしてもらえないので自分で確定申告しなければなりません。

 

対して源泉ありの特定口座の場合は売却損益計算と納税をあらかじめしてもらえるので、確定申告が不要ですが、売却損が多い場合には確定申告をすると得する場合もあります。

特定口座制度

源泉あり特定口座のメリット4つ

源泉徴収ありの特定口座にはいくつかのメリットがあります。

 

ここでは源泉ありの特定口座のメリットを4つみていきます。これから、証券口座を作成する予定の方は以下の源泉あり、なしの特定口座のメリット・デメリットを比較し、ご自分の状況に照らし合わせてご検討ください。

源泉あり特定口座のメリット1:扶養から外れない

源泉あり特定口座のメリットに扶養から外れないことがあります。源泉なし特定口座または一般口座の場合は、株取引で一定の利益が出た場合は必ず確定申告をしなければなりません。

 

その場合、利益が所得水準に合算され配偶者控除や国民健康保険料にも影響することになります。このようなことがないよう源泉あり特定口座を選び、確定申告をしないようにすればいくら利益を出しても扶養から外れることがないということになります。

源泉あり特定口座のメリット2:同一口座なら税金を取り戻せるケース

源泉あり特定口座のメリットに同一口座なら税金を取り戻せるケースがあるということがあります。源泉ありの特定口座の場合、利益に対して都度税金が徴収されますが、同年に同じ証券口座で損を出してしまった場合は損益を通算して、徴収された税金が取り戻せます。

 

源泉ありといっても同じ口座で取引していれば損益通算できますが、逆に言えば複数の証券口座では損益通算できないということもいえます。

源泉あり特定口座のメリット3:確定申告が不要

源泉あり特定口座は確定申告が不要です。源泉ありの特定口座では、利益が出れば税金が徴収されるので確定申告が不要となり手間が省けます。また扶養に入っている場合は、確定申告すると株取引した分が合計所得金額に合算され扶養から外れることがあります。

 

確定申告することによって損益通算できたり複数口座の損益を合算できるメリットはありますが、源泉ありの特定口座では確定申告をすることによるデメリットを回避できます。

源泉あり特定口座のメリット4:確定申告をする場合も簡単

源泉ありの特定口座のメリットに確定申告をする場合も簡単ということがあります。源泉ありの特定口座の場合は、「特定口座年間取引報告書」が交付されるため、これを利用することで簡単に確定申告を行うことができます。

 

源泉徴収ありなので、納税の計算も既にされているので、確定申告の書類も計算間違いなどなく記入できます。

源泉あり特定口座のデメリット3つ

源泉ありの特定口座のメリットをみてきましたが、デメリットもあります。ここでは源泉あり特定口座のデメリットを3つご紹介します。

 

これから証券口座を作るという方は、源泉あり特定口座のメリットとデメリットをよく確認して、どの口座にするかをご検討ください。

源泉あり特定口座のデメリット1:必要がないのに源泉徴収をされる

源泉あり特定口座のデメリットに必要がないのに源泉徴収されるということがあります。

 

給与所得者や年金所得者であれば、給与収入2,000万円以下かつ給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の場合、また、公的年金等による年間の収入金額が400万円以下である場合は、その年金以外の所得の合計額が20万円以下の場合控除となるため所得税について確定申告義務不要となるにもかかわらず、源泉徴収あり特定口座を選択した場合は利益がいくらかにかかわらず税金が徴収されてしまいます。

 

源泉徴収ありの特定口座の場合は確定申告が不要となる代わりに、所得税を納める必要がない部分まで納税しなければならなくなるということです。

源泉あり特定口座のデメリット2:納めなくてもいい税金を徴収されるケース

源泉あり特定口座のデメリットに、納めなくてもいい税金を徴収されるケースがあるということがあります。

 

源泉あり特定口座を選択した場合、同じ証券口座内であれば損益通算して、最終的な利益のみに納税することになりますが、証券口座を複数持つ場合には損益通算をできず、他口座で損失を被っていて本来は所得税を納める必要がないのに、一律で源泉徴収されるということがあります。

 

複数口座の損益通算は確定申告するしかなくなります。

源泉あり特定口座のデメリット3:特例措置を受ける時は確定申告が必要

源泉あり特定口座のデメリットに特例措置を受ける時は確定申告が必要ということがあります。

 

特例措置とは、譲渡損失の繰り越し控除制度などで、これは確定申告をすることにより受けることができるものなので、源泉ありの特定口座で確定申告をしない場合には受けることができません。

 

源泉なしの特定口座であれば、確定申告によってこの特例措置を受けられる可能性があります。

特例の概要

源泉なし特定口座のメリット3つ

ここまで源泉あり特定口座のメリットとデメリットをみてきましたが、源泉なし特定口座にもメリットがあります。

 

ここでは源泉なし特定口座のメリットを3つご紹介します。源泉ありとなしの違いに注目して、ご参照ください。

源泉なし特定口座のメリット1:納める必要のない税金を払わなくて済む

源泉なし特定口座のメリットに納める必要のない税金を払わなくて済むということがあります。源泉なし特定口座の場合は、原則として確定申告を行うことになります。

 

確定申告した場合は、複数の口座を持っていたとしても損益通算を行うため、納める必要のない税金を支払わなくて済みます。また確定申告を行うため大きな損失を被った場合には特例措置によって譲渡損失繰越控除制度の適用を受けられる可能性があります。

源泉なし特定口座のメリット2:比較的楽に確定申告ができる

源泉なし特定口座のメリットに比較的楽に確定申告ができるということがあります。源泉なし特定口座の場合は、年間取引報告書が発行されるので、面倒な計算が不要で、比較的簡単に確定申告を行うことができます。

 

特に株の売買を複数回行っている人の場合は、確定申告用に取引を自分で計算するのは大変ですが、取引報告書によって煩雑な計算処理を行わずに済むのは大きなメリットといえるでしょう。

源泉なし特定口座のメリット3:確定申告が不要な場合

源泉なし特定口座のメリットに、確定申告が不要な場合があります。

 

源泉なし特定口座で確定申告が不要な場合とは、給与所得者の場合は給与の年間収入金額が2,000万円以下かつ給与の支払を1か所のみから受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の場合です。

 

源泉あり特定口座を選択している場合は給与所得者の場合は20万未満では納税の義務がないにもかかわらず税金が徴収されます。しかし、源泉なし特定口座の場合は納税されないため、申告不要な場合は源泉あり特定口座よりお得な場合があります。

源泉なし特定口座のデメリット4つ

源泉なし特定口座にはデメリットも存在します。源泉ありに比べてデメリット部分も多く、その人がどういった状態(扶養されているかなど)によってどちらを選べば得するかが変わります。

 

ここでは源泉なし特定口座のデメリット4つをご紹介します。

源泉なし特定口座のデメリット1:確定申告が必要な場合

源泉なし特定口座のデメリットに確定申告が必要な場合があります。源泉なし特定口座の場合は基本的に確定申告が必要ですが、前述にもあるように給与所得者で20万円までは確定申告は不要で、それを超えれば必ず確定申告が必要になります。

 

源泉あり特定口座であれば確定申告そのものが不要ですので、源泉なしでは確定申告の手間がかかることになります。

源泉なし特定口座のデメリット2:扶養者から外れる場合

源泉なし特定口座のデメリットに扶養者から外れる場合があります。源泉あり特定口座では確定申告の必要がないことから、配偶者控除や扶養控除を適用されている場合でも解除されることはありません。

 

しかし、源泉なし特定口座の場合には確定申告することにより配偶者控除や扶養控除の有無を判定する合計所得金額に譲渡益が含まれます。そのため、源泉なし特定口座では確定申告によってこれらの控除が外れる可能性があります。

源泉なし特定口座のデメリット3:国民健康保険料の額に影響が出る可能性

源泉なし特定口座のデメリットに国民健康保険料の額に影響が出る可能性があるということがあります。

 

国民健康保険料は世帯総所得や人数によって金額がきまりますが、源泉なし特定口座で確定申告をして世帯総所得が増えてしまった場合は、国民健康保険料も高くなってしまう可能性があります。

源泉なし特定口座のデメリット4:対応していないサービスもある

源泉なし特定口座のデメリットに対応していないサービスもあることがあります。金融機関によって源泉なし特定口座は対応してない場合もあります。

 

大手ネット証券は基本的に源泉徴収ありとなしどちらも対応していて選択可能ですが、最近できたサービスなどの場合は源泉なし特定口座に対応できていないところもあります。

 

もし、源泉なし特定口座を利用したい場合には、サービス申し込み前に利用可能か否かを確認するようにしましょう。

特定口座の源泉あり・源泉なしを選ぶポイント3つ

特定口座の源泉ありと源泉なしのメリットとデメリットをそれぞれみてきましたが、どちらを選択すればいいかわからないという人もいるでしょう。

 

そこで、ここでは特定口座の源泉ありと源泉なしを選ぶポイントを3つご紹介します。以下の基準で、どこに重点を置いて考えるかでどちらを選ぶべきかがわかるでしょう。

特定口座を選ぶポイント1:確定申告に手間をかけたくないか

特定口座の源泉の有無を選ぶポイントは確定申告に手間をかけたくないかです。源泉ありの場合は、証券会社が所得税を源泉徴収してくれるため基本的に確定申告が不要で、それまで株取引の損益計算など面倒なことをせずに済みます。

 

また、損失を翌年に繰り越したい場合も証券会社が年間取引報告書を作成してくれるので、簡単に確定申告が可能です。初めて投資する方や確定申告はしたくないという場合は源泉ありを選ぶといいでしょう。

特定口座を選ぶポイント2:本気で投資をしたいか

特定口座を選ぶポイントに、本気で投資したいかがあります。源泉なし特定口座の場合、納税を取引のたびに行う必要がなく利益確定したお金を再投資に回すことが可能になるメリットがあります。

 

そのため、本気で投資したいという人の場合は源泉なし特定口座の方がメリットが大きいといえるでしょう。

特定口座を選ぶポイント3:扶養控除の適用を受けているか

特定口座を選ぶポイントに扶養控除の適用を受けているかがあります。源泉ありで株取引の利益確定した場合、源泉徴収されるので確定申告をする必要がありません。

 

そのため、扶養控除が摘要されている場合にいくら株で利益を出していようとも確定申告をしなければ扶養控除を受けることができます。しかし、源泉なし特定口座を選択すると、決められた利益以上出れば必ず確定申告するため、扶養控除を外れる可能性があります。

特定口座のそれぞれのメリットとデメリットを知ろう

特定口座の源泉ありと源泉なしのメリット・デメリットをみてきましたが、株取引を行っている人がどんな状況なのかにより、どちらを選べばいいかが分かれることがわかりました。

 

個人の場合は源泉ありの特定口座を選ぶ人が大半ですが、どの程度の株取引を本気でやりたいかにより、源泉なし特定口座の方が都合がいい場合もあります。特定口座のメリット・デメリットをよく知って、自分の状況を考えて選択するようにしましょう。

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