仮想通貨の相場は、常に変動しています。
そのため、その時の気分で注文を入れると、損をするかもしれません。
このようなリスクを低減する手法が、テクニカル分析です。
価格のトレンドを分析できるため、客観的なトレードが可能となります。初心者でも活用できるため、覚えておきたい手法です。
この記事では、仮想通貨のテクニカル分析のメリット・デメリットや分析手法を解説します。
※以下の情報は、全て2022年4月現在の情報です。
目次
仮想通貨のテクニカル分析とは
テクニカル分析とは、株式取引やFXトレードで用いられるチャート分析の手法です。
変動する相場価格のなかから法則を見つけ出し、将来の価格を予測できます。
もちろん、仮想通貨取引にも応用可能です。
多くの仮想通貨取引所では、テクニカル分析のツールが用意されています。テクニカル分析の知識があれば、これらのツールを有効に活用できます。
過去の傾向から値動きを予測する
テクニカル分析を用いれば、過去のデータから未来の値動きを予測できます。
世界情勢や個別銘柄に関するニュースなど、仮想通貨の相場に影響を与える要因はさまざまです。それら全ての情報を分析することは、現実的ではありません。
そこで登場する手法が、テクニカル分析です。
テクニカル分析なら、値動きのデータのみをもとに考察ができます。世界情勢や個別銘柄のニュースには左右されない、客観的な分析手法です。
過去の膨大な価格データから傾向を導き出したものが、テクニカル分析の手法となりました。投資家の心理や市場の流れを抽象化して、現代のチャートに置き換えられます。
多様な分析手法が確立されている
多角的に相場を分析できる点も、テクニカル分析の特徴です。
テクニカル分析には、数多くの分析手法が存在します。
相場の転換点を見つける手法や投資家の心理を読む分析など、多種多様です。
相場はとても複雑なため、単一の手法だけでは読み解けません。 そこで、複数の分析手法を駆使して、さまざまな角度から分析を行います。
このように、数多くの手法が用意されている点も、テクニカル分析の特徴です。
仮想通貨のテクニカル分析のメリット
仮想通貨取引におけるテクニカル分析のメリットを紹介します。
テクニカル分析は、仮想通貨取引におけるメジャーな分析手法です。さまざまなメリットがあるため、広く活用されています。
誰でも平等に参加できる
初心者であっても、機関投資家と同じデータを元に分析できる点がメリットです。
テクニカル分析で必要となるデータは、過去の相場価格のみとなります。誰でも入手できるデータであるため、情報の優位性が存在しません。
相場を左右する重要な情報は、機関投資家のような大口のトレーダーがいち早く入手します。一方で個人の投資家には、そのような重要な情報は届きません。
しかしテクニカル分析なら、個人投資家が不利な立場に置かれることはなくなります。
投資の初心者であっても簡単にデータを入手でき、機関投資家と同じ立場で分析ができるのです。
分析に必要なデータが少ない
価格のデータさえあれば分析ができる点も、メリットです。
相場に影響を与える要因は、数多くあります。世界各国の情勢や仮想通貨に関するニュースなど、幅広い範囲から情報収集を行い多角的に分析する必要があります。
ただ、それらの情報を総合的に分析するには、高度な分析能力が必要です。
一方で、テクニカル分析では、分析対象は一つしかありません。値動きのデータに向き合うだけで傾向がつかめるため、とてもシンプルです。
またテクニカル分析は、 仮想通貨の業界に精通していなくても取り組めます。
株式投資やFXの経験があれば、テクニカル分析の技術を活かしてすぐに仮想通貨トレードに参入できます。
このように、仮想通貨に関する知識の有無に関わらず、トレードできる点がメリットです。
客観的な判断がしやすい
客観的な判断によって投資決定を下せる点も、メリットです。
政府首脳の発言やニュースなどの情報源は、人によって解釈が異なります。分析した人によって、判断が大きく変わるため、初心者には難解です。
また、仮想通貨に関するニュースに対して、マーケットが予想外の反応を示す場合もあります。
このような理由から、世の中の情勢を根拠とした投資判断は困難です。
一方でテクニカル分析は、このような主観的な判断は少なくなります。
過去の傾向やトレンドに基づいた分析ができるため、初心者であっても客観的な判断が可能です。
仮想通貨のテクニカル分析のデメリット
テクニカル分析のデメリットを紹介します。
広く活用されているテクニカル分析ですが、決して万能ではありません。
テクニカル分析による判断だけを頼りに投資すると、思わぬ損失を被ります。
テクニカル分析のデメリットも認識したうえで、上手に活用しましょう。
社会情勢が反映されない
テクニカル分析では、社会情勢やニュースによる影響は反映されません。
テクニカル分析は、過去の価格チャートにのみ焦点をあて、売買の傾向を掴む手法です。そのため、突発的な政治判断や社会情勢の影響は織り込めません。
しかし仮想通貨の世界では、突発的な法改正やルールチェンジによって、相場が大きく変動します。
加えて仮想通貨の相場においては、仮想通貨愛好家の存在も重要です。銘柄ごとに熱心な愛好家がおり、彼らの気運によって特定の銘柄が躍進する局面もあります。
このような特殊な環境であるため、テクニカル分析だけでは価格の推移を読み間違える可能性があります。
セオリーから外れることもある
テクニカル分析で傾向をつかんでも、必ずしもセオリー通りにはなりません。
テクニカル分析は過去のトレンドから、その傾向を予測するための手法です。実際の投資環境とは異なるため、予測された方向と異なった動きをする可能性があります。
加えて、機関投資家などの大口トレーダーは、わざとテクニカル分析に逆らった動きをする局面があります。この場合は、セオリー通りに動いた投資家が損失を被るのです。
このように、テクニカル分析で傾向が掴めたからといって、必ずしもその通りに相場が動くとは限りません。
テクニカル分析で得られた結果は、数ある可能性の中の一つと考える姿勢が重要です。
仮想通貨のテクニカル分析の手法
テクニカル分析の手法を紹介します。
テクニカル分析には、トレンド分析とオシレーター分析という2種類の区分があります。
状況に応じた分析手法の使い分けが重要です。
トレンド分析
トレンド分析とは、チャートの上昇・下降傾向を判断する手法です。
直近までの動きをもとに、どちらの方向に進むのかを予測します。チャートの傾向や売買の転換点を見つけるための手法です。
移動平均線
出典:https://www.bybit.com/ja-JP
移動平均線とは、一定期間の価格の平均値を算出し、連続した線を描く手法です。
日々の取引では、細かな変動が絶えず発生しています。移動平均線は、この変動をなだらかにし、チャート全体のトレンドを捉える手法です。
平均する取引期間が長いほど、変化の緩やかなチャートとなります。
移動平均線と価格チャートを重ね合わせると、相場の拮抗するラインが分かりやすくなります。
移動平均線は、テクニカル分析の中でも代表的な手法です。そのため、さまざまな分析で活用されます。
ボリンジャーバンド
出典:https://www.bybit.com/ja-JP
ボリンジャーバンドとは、移動平均線と標準偏差を組み合わせた分析手法です。
移動平均線の上下に標準偏差を描き、チャートが変動する範囲を予測します。直近の価格変動幅をもとに、将来の価格の到達点を限定する手法です。
統計学上では、チャートの変動値はボリンジャーバンドの範囲内に高確率で収まると言えます。
このため、急な乱高下が発生しない限りは、チャートの推移先をある程度の予測幅に限定できます。
パラボリック
パラボリックとは、買いポジションと売りポジションの転換点を見つけるための手法です。
相場の中では、売買のどちらか一方が続く局面があります。これが、チャートにおけるトレンドです。
パラボリックを用いると、連続したトレンドの中から転換点の推測ができます。
トレンドの波を放物線で結びチャートを重ねると、トレンド転換のサインを見つけられます。
パラボリックは、大きな相場変動がある局面で有効な分析手法です。一方で、短期的な売買トレンドが発生する場面では、効果を発揮できません。
MACD
MACD(マックディー)は、トレンドの転換点を見つけるための手法です。
MACDでは、平均期間の異なる二つの移動平均線を用います。この移動平均線では、直近の価格データのほうに重きが置かれます。
二本の移動平均線の乖離や交差の具合によって、転換点の判断が可能です。
オシレーター分析
オシレーター分析とは、相場の変動率の大きさを判断する指標です。
変動の大きさから、売られすぎや買われすぎといったトレーダーの購買状況を判断します。
サイコロジカル・ライン
サイコロジカル・ラインとは、投資家の心理状況を分析するための手法です。
人間の心理として、上昇や下落が連続すると転換点の到来を期待します。この心理を数値化した手法が、サイコロジカル・ラインです。
たとえば、上昇トレンドが続く局面では、下落に対する警戒感が起こります。サイコロジカル・ラインでは、トレンドが連続して発生する回数が重要です。
相場が連続して一方向に動くと、反発する可能性が高いと判断できます。このような心理状況を数値で表したものが、サイコロジカル・ラインです。
ストキャスティクス
ストキャスティクスとは、現在の価格が、売り時なのか買い時なのかを判断する指標です。
ストキャスティクスでは、一定期間の間に記録された高値と安値に注目します。高値と安値と比較して、現在の相場が妥当であるのか判断できます。
ストキャスティックスでは、2本の指標が必要です。具体的には、相場の変化に即座に反応する指標と、緩やかな反応を示す指標の二つです。
この二つの指標から、売られ過ぎや買われすぎのサインを発見します。
RSI
出典:https://www.bybit.com/ja-JP
RSIは、売買の動きの強さを相対的に数値化する手法です。
一定期間の変動幅を考慮して、仮想通貨が売られすぎなのか買われすぎなのかを判断します。
ただし、RSIは相対値のため個別の変動幅は分かりません。RSIの値はあくまで、売買の強さを示す指標です。
またRSIは、どの期間に着目するかによって、結果が大きく異なります。
短期間の指標と長期間の指標では、RSIから読み取れるシグナルが変わってしまいます。そのため、他の手法による多角的な検証が必要です。
RCI
RCIは、相場の過熱感を可視化する分析方法です。
特定期間の終値を高い順に並べ、日付と終値の相関関係を分析します。この順序によって、売られすぎなのか買われすぎなのかの判断が可能になるのです。
何日もの期間にわたって連続して価格が上昇する局面では、「買われすぎ」の判定が下ります。
RCIは相場の過熱感を直感的に確認できるため、初心者にとっても有用な指標です。
テクニカル分析ができるおすすめの仮想通貨取引所
テクニカル分析機能が充実している仮想通貨取引所を紹介します。
テクニカル分析を用いるには、複雑な計算式が必要です。しかし、仮想通貨取引所の機能を使えば、そのような計算をせずともテクニカル分析できます。
ここで取り上げる仮想通貨取引所は、すべて金融庁に登録された信頼できる金融業者です。日本語での操作が可能で、初心者であっても簡単にテクニカル分析ができます。
Coincheck(コインチェック)
Coincheck(コインチェック)には「トレードビュー」という表示方法があります。
このトレードビューとは、リアルタイムでチャートを見ながら分析できる機能です。
テクニカル分析の手法を選択するだけで、それぞれのグラフが表示されます。
トレードビューを活用すれば、初心者であっても簡単にテクニカル分析を行えます。
運営会社 | コインチェック株式会社 |
取扱銘柄数 | 16銘柄 |
最大レバレッジ | 1倍 |
販売所手数料 | 無料 |
取引所手数料 | 無料 |
入金手数料 | コンビニ入金
3万円未満の場合:770円(税込) 3万円以上30万円以下の場合:1018円(税込) |
クイック入金 | 3万円未満の場合:770円(税込)
3万円以上50万円未満の場合:1018円(税込) 50万円以上の場合:入金額×0.11%+495円(税込) |
出金手数料 | 407円(税込) |
最低取引単位(ビットコイン) | 0.005BTC |
bitFlyer(ビットフライヤー)
bitFlyer(ビットフライヤー)には、高度な取引に対応したbitFlyer Lightning(ビットフライヤーライトニング)という機能があります。
ビットフライヤーライトニングでは、専門的なテクニカル分析やトレードが可能です。
このビットフライヤーライトニングのメリットは、トレーダーのレベルに合わせて表示内容を変更できる点です。
ビットフライヤーライトニングには、3つのモードがあります。専門的な解析モードから、簡易的なモードまであり、どのレベルの投資家にも最適です。
初心者向けのライトモードならシンプルな画面で、チャートの傾向を簡単に把握できます。
ビットフライヤーライトニングなら、初心者から上級者まで幅広く対応できます。
運営会社 | 株式会社bitFlyer |
取扱銘柄数 | 15銘柄 |
最大レバレッジ | 2倍 |
販売所手数料 | 無料 |
取引所手数料 | 0.01%〜0.15% |
入金手数料 | 銀行振込:無料(振込手数料は負担あり) |
クイック入金 | 住信SBIネット銀行の場合:無料 |
出金手数料 | 220円〜770円(税込) |
最低取引単位(ビットコイン) | 0.001BTC |
以下の記事では、ビットフライヤーライトニングに関する詳しい解説をしています。
bitFlyer Lightning/ビットフライヤーライトニングの使い方を解説
DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
DMM Bitcoin(DMMビットコイン)は、チャート分析機能が充実しています。
チャート画面のレイアウト変更も可能で、プロ投資家のような本格的な環境を構築できます。
またDMM ビットコインでは、スマートフォンのアプリでも、テクニカル分析が可能です。
パソコン版に劣らぬ機能が搭載されており、外出先でもスマートフォンからテクニカル分析ができます。
あらゆる環境でトレードをする上級者に、おすすめの取引所です。
運営会社 | 株式会社DMM Bitcoin |
取扱銘柄数 | 15銘柄 |
最大レバレッジ | 2倍 |
販売所手数料 | 無料 |
取引所手数料 | 無料 |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料 |
最低取引単位(ビットコイン) | 0.0001BTC |
BITPOINT(ビットポイント)
BITPOINT(ビットポイント)にはTradingViewという機能があり、リアルタイムのチャート分析が可能です。
代表的なテクニカル分析の手法が選択でき、クリック一つでさまざまな指標を表示できます。
また、ビットポイントは取引所で扱う銘柄が豊富です。ゲーム用の通貨やインフラ系の銘柄も数多く上場しています。
これらの銘柄についてテクニカル分析を用いてトレードしたい人に、おすすめの取引所です。
運営会社 | 株式会社ビットポイントジャパン |
取扱銘柄数 | 12銘柄 |
最大レバレッジ | 1倍 |
販売所手数料 | 無料 |
取引所手数料 | 無料 |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料 |
最低取引単位(ビットコイン) | 0.0001BTC |
テクニカル分析を駆使して仮想通貨投資をしよう
テクニカル分析の手法について、紹介しました。
テクニカル分析は、仮想通貨投資の初心者にも馴染みやすい分析手法です。
過去の価格データさえあれば分析ができるため、覚えておけばさまざまな局面で活用できます。
投資判断には、人間の心理状況が大きく影響します。そのため、勘のみを頼りに取引をすると、大きな損失を被る可能性があるのです。
そのような事態を避けるには、テクニカル分析が有効です。
客観的にチャートを分析できれば、冷静な投資判断ができます。
テクニカル分析にはさまざまな手法があるため、まずはいくつかの手法を実際に使ってみましょう。
今回紹介した仮想通貨取引所でも、テクニカル分析を支援するツールが充実しています。
仮想通貨取引所の口座は無料で開設できるため、 この機会に口座を開設しテクニカル分析に挑戦してみましょう。