仮想通貨ヴィチェーン（VET）は、中国の企業が開発したビジネス向けの銘柄です。
巨大企業も支援しているため、今後の動向が注目されています。
しかし、まだマイナーな銘柄であるため、日本ではほとんど流通していません。
そこでこの記事では、仮想通貨ヴィチェーン（VET）の特徴やメリット、デメリットをわかりやすく解説します。
この機会に、仮想通貨ヴィチェーン（VET）への投資に挑戦しましょう。
※以下の情報は、全て2022年7月現在の情報です。
目次
仮想通貨ヴィチェーン（VET）の特徴
仮想通貨ヴィチェーン（VET）の特徴を説明します。
この銘柄は、ビジネス用途のブロックチェーン「VeChainThor」の基軸通貨です。
VeChainThorブロックチェーンとは、中国企業が主体となって開発されているプロジェクトです。
企業活動の新たなプラットフォームを目指して設計されたため、他の銘柄にはないさまざまな特徴があります。
一つひとつ説明します。
企業活動に活用される銘柄
解説者
企業活動では日々、膨大な件数のデータ処理や支払い業務が発生します。これらの業務をブロックチェーン技術で効率化しようという構想は、以前より存在しました。
しかし、ビットコイン（BTC）やイーサリアム（ETH）のような既存のブロックチェーンでは、通信速度やガス代の課題があります。
そのため従来のブロックチェーンでは、ビジネスへの応用ができませんでした。そこでこの問題を解決すべく誕生した仮想通貨が、ヴィチェーンです。
補足担当者
今後、仮想通貨ヴィチェーンが多くの企業で採用されれば、広く社会に普及する可能性があります。
複雑な業務にも対応できる設計
仮想通貨ヴィチェーン（VET）は、高度なスマートコントラクトにも対応できます。
ビジネスにおける業務フローは複雑で、企業によって工程が異なります。
そのため従来のスマートコントラクトでは、高度な業務フローを網羅できませんでした。
これに対して、VeChainThorブロックチェーンでは、柔軟なトランザクションの構築ができます。
企業ごとに異なる会計処理やサービス設計も、スマートコントラクトで処理が可能です。
企業のあらゆる業務がスマートコントラクトで実行できれば、ビジネスはさらに加速します。
たとえば、客先へ原材料をトラックで搬入するたびに製品代金を受け取る、といったフローも可能です。
現在のビジネスでは掛売りが一般的なので、入金までのタイムラグが存在します。しかし、 ブロックチェーン技術によって即時入金ができるようになれば、資金効率は格段に向上します。
このようにビジネスの流れをスマートコントラクトとして処理できる点が、ヴィチェーンの強みです。
自由度の高いガス代
仮想通貨ヴィチェーン（VET）では、ガス代の負担者を指定できます。
一般的な仮想通貨では、ガス代の設定は変更できません。そのため、自社のサービスに合わせた運用は不可能です。
一方で、VeChainThorブロックチェーンでは、企業ごとの仕組みに沿ったガス代の設計ができます。
たとえば運営者側が、サービス利用者のガス代を支払う設計も実現できます。
企業がブロックチェーン上で自社サービスを展開するには、設計時の自由度の高さが必須です。
VeChainThorブロックチェーンでは、あえて柔軟性を残した仕組みになっているため、企業にとって最適なサービスを開発できます。
このように、企業の求める柔軟な設計ができる点も、ヴィチェーンの特徴です。
仮想通貨ヴィチェーン（VET）のメリット
仮想通貨ヴィチェーン（VET）のメリットと将来性について説明します。
この銘柄はビジネスシーンに特化して開発されたため、従来の仮想通貨にはない以下の強みがあります。
詳細は、次の通りです。
企業の不正防止に活用できる
仮想通貨ヴィチェーン（VET）を活用すると、公正なビジネスを実現できます。
解説者
ビジネスの現場では、不正防止や透明性の確保が大きなテーマとなります。
産地偽装やデータ改変といった不正行為が行われると、会社の信用が失墜するためです。
しかし、このような問題もVeChainThorブロックチェーンを導入すれば解決します。
たとえば、製造業でヴィチェーンを導入すると、原料の購入から出荷までの流れを記録できます。
補足担当者
また、複数の企業を横断する生産工程であっても、製品の信頼性を保証できます。
原材料から消費者への製品納入まで、サプライチェーンの追跡も可能です。
このように、ビジネスにおける信頼性の担保にヴィチェーンが役立ちます。
スケーラビリティが大きい
ヴィチェーン（VET）のブロックチェーンは、スケーラビリティの大きさもメリットです。
ビジネス現場でやり取りされるデータ量は膨大です。それらのデータを遅滞なく処理できるように、高い拡張性を備えています。
VeChainThorブロックチェーンでは、コンセンサスアルゴリズムにProof-of-Authority（POA）を採用しています。
解説者
一部のバリデーターに権力が集中する一方で、迅速なデータ処理が可能となります。
ヴィチェーンは企業で使用される前提のため、特定の管理者に権限を集中させても問題ありません。
補足担当者
企業のプラットフォームとして用いられるためには、遅滞のない高速データ処理が求められます。
VeChainThorブロックチェーンはこれらの要求を満たしており、ビジネスへの展開が可能です。
複数の処理を実行できる
ヴィチェーン（VET）のブロックチェーンでは、一つのトランザクションで複数の処理を実行できます。
従来のブロックチェーンよりも高度な処理を実行できるため、ビジネスにおける業務フローをブロックチェーン上に再現できます。
ビジネスの現場では、社内外の枠を越えた幅広い部門間の連携が必要です。
そのため、ひとつのトランザクションで複数タスクを処理できるブロックチェーンが求められます。
VeChainThorブロックチェーンではこのようなニーズにも対応しており、実際の業務フローをトランザクションに反映できます。
このような理由から、ヴィチェーンはビジネスシーンでの利用に最適です。
仮想通貨ヴィチェーン（VET）のデメリット
仮想通貨ヴィチェーン（VET）のデメリットについて説明します。
この銘柄はビジネスシーンに特化したため、一般的な利用用途では使いにくい以下の特徴があります。
詳細は、次の通りです。
これらのデメリットを認識した上で、ヴィチェーンを入手しましょう。
上場している仮想通貨取引所が少ない
仮想通貨ヴィチェーン（VET）のデメリットは、上場する取引所が少ない点です。
解説者
加えて、ヴィチェーンは日本の取引所でも扱っておらず、日本人にとって馴染みがない点もデメリットです。
この銘柄は、中国国内での利用を前提に開発されました。そのため、多数の中国企業がこのプロジェクトを支援しています。
中国では国際的な仮想通貨銘柄の流通が禁止されました。そのため、このヴィチェーンは、中国国内を中心として普及すると予測されます。
しかし、欧米諸国がこの流れに追随し、ヴィチェーンを導入するかは不透明です。
補足担当者
このように、ヴィチェーンは上場する取引所の少なさがデメリットです。
利用環境が限られる
解説者
一般的な銘柄ではNFTやDeFi分野が盛り上がっており、個人投資家も次々と参入しています。
この個人投資家の存在によって、仮想通貨業界にブームや文化が形成されてきました。
これに対してヴィチェーンでは、個人投資家も携われるサービスがあまりありません。
そもそも、ビジネス用途で作られたプラットフォームであり、個人が気軽に楽しめるサービスがないためです。
将来的には、企業が開発したサービスにより、個人投資家がVeChainThorブロックチェーンに触れる可能性は考えられます。しかし、これにより文化やトレンドが生まれるかは不透明です。
このように現時点では、個人投資家がヴィチェーンを入手しても利用できる環境がありません。
そのため個人投資家にとっては、市況の相場が上昇するまでヴィチェーンを保有し続けるしか選択肢がない状況です。
補足担当者
仮想通貨ヴィチェーン（VET）の導入事例
仮想通貨ヴィチェーン（VET）の導入事例を紹介します。
公正な企業取引を実現するため、以下の分野での活用が期待されています。
詳細は、次の通りです。
食品・飲料メーカー
仮想通貨ヴィチェーン（VET）は、食品や飲料メーカーへの導入が期待されます。
解説者
加えて、保管温度や製造条件といった製造プロセスもブロックチェーンに記録できます。
食品業界では、産地偽装がたびたび問題となります。このような課題も、ヴィチェーンを導入すれば解決が可能です。
複数の企業をまたいだ取引であっても、途中経過がブロックチェーンに記録されるため、不正の余地がなくなります。
またブロックチェーンに記録された情報は第三者でも検証できるため、透明性の高いサプライチェーンを構築できます。
高級ブランドメーカー
ヴィチェーン（VET）は、高級ブランドメーカーでの展開も期待されています。
ブロックチェーン技術の活用によって、真贋の鑑定が容易になるためです。これにより、偽ブランド品の撲滅にも効果を発揮します。
製造から販売、中古市場までの流れを可視化できるため、正規品を確実に消費者に届けられます。
近年では、ブランド品の偽物が精巧に作られるようになったため、一般消費者による判別が困難です。
しかし、ブロックチェーン技術と真贋鑑定との組み合わせによって、偽ブランド品の流通を阻止できるようになります。
自動車販売会社
ヴィチェーン（VET）は、自動車販売の分野にも利用できます。
中古自動車の市場では、走行距離の改ざんが後を絶ちません。なぜなら、走行距離が少ない車両ほど価値が高く、高値で取引されるからです。
このような問題も、ヴィチェーンの導入によって防止できます。
なぜなら、ブロックチェーンに車両の個体情報と走行距離を記録できるためです。
補足担当者
記録の改ざんができなくなるため、公正な中古車市場を実現できるのです。
仮想通貨ヴィチェーン（VET）の2つの銘柄
ヴィチェーン（VET）のブロックチェーンでは、以下の2種類の銘柄を利用します。
それぞれ機能が異なるので、使い分けが必要です。
VET
ヴィチェーン（VET）は、ブロックチェーンにおけるメインの通貨です。
VeChainThorブロックチェーンでは、ヴィチェーンを介して金銭のやり取りをします。もちろん、仮想通貨取引所で他の銘柄へのトレードも可能です。
ブロックチェーンを支えるメインの銘柄で、仮想通貨取引所で入手できます。
VTHO
VTHOは、VeChainThorブロックチェーンでトランザクションを実行する際に必要なトークンです。そのため、特定のブロックチェーン操作が行われた後にバーンされます。
VTHOは、ヴィチェーン（VET）所有者に対して支給されます。
仮想通貨ヴィチェーン（VET）の買い方
仮想通貨ヴィチェーン（VET）の買い方を紹介します。
ヴィチェーンは、海外取引所にのみ上場している銘柄です。そのため、国内取引所を経由したトレードが必要となります。
ヴィチェーンの購入までには、以下のステップがあります。
- 国内仮想通貨取引所で仮想通貨を購入する
- Binance（バイナンス）のウォレットアドレスを確認する
- 国内仮想通貨取引所からBinance（バイナンス）へ送金する
- Binanceでヴィチェーン（VET）と両替する
詳細な手順は、次の通りです。
①国内仮想通貨取引所で仮想通貨を購入する
まず、国内の仮想通貨取引所で仮想通貨を入手します。
国内取引所では、ヴィチェーン（VET）は入手できません。そこで、日本円で入手できるメジャーな銘柄を介して、ヴィチェーンを入手します。
解説者
なおビットコインは、Coincheck（コインチェック）から入手できます。
②Binance（バイナンス）のウォレットアドレスを確認する
続いて、国内仮想通貨取引所からBinance（バイナンス）へ仮想通貨銘柄を送付します。
Binanceとは、海外の仮想通貨取引所です。国内の取引所よりも取り扱っている銘柄数が多く、ヴィチェーン（VET）も入手できます。
解説者
国内取引所からの送金にあたって、Binance（バイナンス）のウォレットアドレスを確認してください。
ウォレットアドレスとは、仮想通貨における口座番号の役割をする文字列です。
なお、Binanceの口座を持っていない場合には、先に口座開設をしましょう。
以下の記事では、口座開設の方法を詳しく解説しています。
Binance（バイナンス）の口座開設・登録方法を画像付きで解説
Binanceにログインをして、トップページ右のアイコンをクリックします。
▲出典：Binance（以下同じ）
「ウォレット」から「フィアットと現物」を選択します。
「フィアットと現物」で、Binanceの口座残高が表示されました。
ここで入金する銘柄を選び「入金」をクリックします。
これにより、仮想通貨の入金画面が表示されました。
この画面で、入金したい銘柄が指定されているかを確認しましょう。
仮想通貨の世界では、銘柄ごとにウォレットアドレスが異なります。万が一、入金する銘柄とウォレットアドレスが一致していない場合、資金が失われます。
補足担当者
問題がなければ、ウォレットアドレスをコピーします。
続いて、国内仮想通貨取引所の画面で送金操作を行います。
③国内仮想通貨取引所からBinance（バイナンス）へ送金する
国内仮想通貨取引所で入手した仮想通貨を、Binance（バイナンス）のウォレットへ送付します。
ここでは、Coincheck（コインチェック）を例に解説します。
まず、Coincheckにログインしトップ画面を開いてください。
▲出典：Coincheck（以下同じ）
送金画面が表示されるため、送金する通貨を指定してください。
宛先の欄に、Binance（バイナンス）でコピーしたウォレットアドレスを間違えずに貼り付けます。
国内仮想通貨取引所では、送金先の名称や受取人の属性についての情報が必要です。ここでは「本人への送金」を選択してください。
最後に、Binance（バイナンス）への送金額を入力します。
確定する前に、銘柄やウォレットアドレスに間違いないか確認しましょう。初めて送金操作をする場合には、 まず少額でのテスト送金をおすすめします。
送金を確定すると、Binanceへの送金処理が開始されます。
送金には時間を要するため、30分程度の待ち時間が必要です。
④Binanceでヴィチェーン（VET）と両替する
最後に、Binance（バイナンス）でヴィチェーン（VET）と両替をします。
Binanceのウォレットを確認し、送付した仮想通貨が着金したか確認してください。
着金したコインをコンバートにより、ヴィチェーン（VET）に両替します。
トップ画面の 「トレード」から「Binance Convert」を選択してください。
この「Binance Convert」とは、Binanceの両替所です。
振替元には、手元にある銘柄を指定します。そして振替先には、ヴィチェーン（VET）を選択してください。
コンバージョンを実行すると、ヴィチェーンへの両替が完了します。
これで、Binanceの口座にヴィチェーンが入金されました。
仮想通貨ヴィチェーン（VET）の取引にチャレンジしよう
仮想通貨ヴィチェーン（VET）について、解説しました。
この銘柄は、一般にはそれほど浸透していません。しかし、ビジネスに特化した銘柄であり、社会基盤として広く普及した際には大きな将来性を期待できます。
ブロックチェーン技術は、今後の生活のありとあらゆる場面で活用されると考えられています。もちろんビジネスシーンにおいても、ブロックチェーン技術は重要です。
VeChainThorは、ビジネスにおける複雑なプロセスを処理できるように開発されており、大きな可能性を秘めています。
この機会に、新進気鋭の仮想通貨ヴィチェーンへの投資に挑戦しましょう。
