仮想通貨は投資銘柄としても注目を集めており、仮想通貨取引で稼ぐ人も増えています。
しかし、仮想通貨の短期トレードで儲けようとする場合、常にチャートを観察する必要があり面倒に感じている方も多いのではないでしょうか?
そんな人におすすめなのが、仮想通貨の自動売買です。24時間、自動で仮想通貨を売買してくれるので、常にチャートを観察する必要がなく、楽に投資ができます。
仮想通貨の自動売買について「どんな仕組み?」「システムに任せて大丈夫?」と不安を感じている方のために、仕組み・メリット・注意点・システムの導入方法について詳しく解説します。
※以下の情報は、全て2022年4月現在の情報です。
目次
仮想通貨の自動売買の仕組み
仮想通貨の自動売買は、仮想通貨の取引用に事前に組んだアルゴリズムによって、24時間チャートを分析し、最適なタイミングで仮想通貨を売買してくれるものです。
本来の仮想通貨取引では、人がリアルタイムで相場を確認して、タイミングを見て売買します。
この方法の場合、チャート分析の知識や経験が必要です。さらに、仮想通貨取引所は24時間稼働しているため、常にPCの画面を確認する必要があり、効率の悪い作業と言えます。
そこで登場したのが仮想通貨の自動売買ツールです。
自動売買ツールには、売買用のbotが組み込まれており、「何がどうなったときに売る・買う」などのルールを設定しています。
自動売買ツールはネットワークを介して仮想通貨取引所と連携しており、仮想通貨の相場が設定したルールに合致したタイミングで、自動的に取引が実施される仕組みです。
さらに、botが蓄積したデータを分析する、自動分析ツールも登場しており、より高い精度で自動売買ができます。
また、自動売買ツールを自作して取引することも可能です。
仮想通貨の自動売買を利用するメリット
仮想通貨の自動売買を利用するメリットは次の5点です。
- 時間がない人でも投資に挑戦できる
- 投資の知識がなくても稼げる
- 複数の銘柄に投資できる
- 複数の取引所で取引できる
- 人間の感情に惑わされない
一つずつ解説します。
時間がない人でも投資に挑戦できる
仮想通貨の自動売買ツールを使えば、忙しくて時間がない人も仮想通貨投資に挑戦できます。
仮想通貨取引所は24時間稼働しており、最適なタイミングで売買するためには常にチャートを見ておく必要があります。
自動売買ツールを使えば、チャートを見る時間がない人でも、最適なタイミングで仮想通貨を売買できるため便利です。
投資の知識がなくても稼げる
仮想通貨の自動売買ツールを使えば、投資の知識がなくても、投資で稼げます。
投資で成果を出す場合、投資や投資銘柄に関する知識や、経験から得られる感覚を求められます。
一方、自動売買は、これまでに蓄積した無数のデータをもとに、最適な方法で投資をしています。
したがって、投資の知識が少ない初心者の人でも、稼げる可能性があります。
複数の銘柄に投資できる
仮想通貨の自動売買ツールを使うことで、複数の銘柄に投資できます。
投資でリスク分散する方法の一つは、複数の銘柄に投資することです。価値の上がる銘柄にだけ投資することは基本的に不可能であるため、複数の銘柄に投資することで、価値が下がって大損するリスクを回避しています。
しかし、複数の銘柄への投資は、確認するチャートが増えるため、一人の人間が対応するには限界があります。
そこで、自動売買ツールを使えば、複数の銘柄にも対応可能です。
複数の取引所で取引できる
仮想通貨の自動売買ツールは複数の取引所に対応しています。
仮想通貨の取り扱い銘柄は、取引所によって異なります。
仮想通貨投資をする際、複数の銘柄への投資はリスク分散になるため、複数の取引所を登録して利用できる点はメリットです。
また、取引所の価格差を利用する投資法のアービトラージを利用する際は、複数の取引所の利用が必須です。
人間の感情に惑わされない
仮想通貨の自動売買ツールを使うと、取引する際に人間の感情に惑わされません。
価格チャートを見ながら投資をしていて、価格が上昇すると、事前に売却のタイミングを決めていても「もう少し価格が上がるはず。あと少し。」と欲が出てしまいがちです。
売却せずにいると、価格が急落して、まったく儲けがないこともあります。
自動売買ツールを使えば、事前に設定したタイミングで取引が成立するため、人間の欲に惑わされて、利益が出るチャンスを逃すことはありません。
仮想通貨の自動売買を利用する際の注意点
次に仮想通貨の自動売買を利用する際の注意点を理解しておきましょう。
注意点は次の3つです。
- 急な価格変動に追いつけない場合がある
- 自動売却ツールの利用コストや作成時間がかかる
- 絶対に利益が出るわけではない
それぞれ解説します。
急な価格変動に追いつけない場合がある
仮想通貨の自動売買ツールは、急な価格変動に追いつけない場合があります。
価格チャートの動きから取引のタイミングを決定するのが、自動売買ツールです。
仮想通貨の価格は、ニュースなどで話題になり突然変化することがあります。自動売買ツールは世間のニュースまでは確認していないため、突然の価格変化に対応できません。
自動売買ツールの利用コストや作成時間がかかる
仮想通貨の自動売買ツールを利用する際、利用コストが発生します。
また、自動売買ツールを自作してコストを抑えることもできますが、自作するための知識の習得や制作時間を考えると、結果的にコストがかかります。
取引での利益が少ない場合、ツールの利用料の方が高い場合もあるためご注意ください。
絶対に利益が出るわけではない
仮想通貨の自動売買ツールを使ったからといって、絶対に利益が出るわけではありません。
botに設定する条件によっては、利益が出ないこともあります。
一度条件を設定したら完了ではなく、いくつかbotを用意して利益を得られる条件を探す必要があります。
仮想通貨を自動売買する方法
ここまで読んで、実際に仮想通貨を自動売買してみようと考えている方もいるでしょう。
仮想通貨を自動売買する方法は大きく2種類ありますので、それぞれ紹介します。
自動売買ツールを利用する
1つ目は、自動売買ツールを利用する方法です。
仮想通貨の自動売買のためのツールが販売されているので、PCにインストールして使用します。
自動売買ツールを利用する際の、主な利用手順は次の通りです。
- 自動売買ツールをインストール・サービスに登録する
- 仮想通貨取引所の口座開設
- botを選ぶ
- 自動売買を開始
自動売買botを自作する
2つ目は自動売買botを自作する方法です。
仮想通貨取引所は、API(Application Programming Interface)を公開しています。
プログラミングができる人は、APIを利用して、自動売買botを自作可能です。
ただし、プログラミングの知識やトレードの知識が必要なので、自作する難易度は高いでしょう。
自動売買ツールを選ぶときのポイント
自動売買ツールを使いたい人向けに、ツールを選ぶときのポイントを紹介します。
ポイントは次の3点です。
- ツールの利用料
- ツールの開発会社の信頼性
- 対応している取引所
それぞれ解説します。
ツールの利用料
自動売買ツールを選ぶ場合は、利用料を確認しましょう。
利用料が高いと、投資で出た利益よりも利用料の方が高くなり、ツールを導入した意味がありません。
投資金額が多ければ利用料は気になりませんが、投資額が少ない場合は追加投資の検討も必要です。
また、ツールの安さと性能の高さはトレードオフなため、状況に合わせて最適なツールを選びましょう。
ツールの開発会社の信頼性
ツールの開発会社が信頼できるか、確認してから利用しましょう。
自動売買ツールには、購入したけどまったく使えないといった、詐欺まがいの商品もあります。ツールの開発会社や販売元が信頼できるか、確認が必要です。
具体的には、住所や連絡先、代表のプロフィールなど企業の詳細を確認します。さらに、企業名やツール名でWeb検索し、評判や口コミを見ておきましょう。
詐欺ではないにしても、「全然使えなかった」という状況を回避できます。
対応している取引所
自動売買ツールが対応している取引所を確認しましょう。
取引所によって取引手数料が異なるため、仮想通貨投資で利益を出す場合、取引所選びも重要な要素です。選択した自動売買ツールが、利用したい取引所に対応しているか確認しましょう。
また、複数の取引所の利用は、複数銘柄への投資が可能となりリスク分散になります。
仮想通貨のアービトラージをする場合は、複数の取引所の利用が必須です。利用できる取引所が少ないと不便なので、確認が必要です。
自動売買botを自作する方法
続いて自動売買botを自作したい人向けに、自作する方法を紹介します。
手順は次の通りです。
- 仮想通貨取引所の口座開設
- 仮想通貨取引所からAPIを取得
- システムを構築する
詳しく解説します。
仮想通貨取引所の口座開設
まず、仮想通貨取引所の口座を開設します。
仮想通貨の自動売買ツールを自作する場合、仮想通貨取引所のAPI(Application Programming Interface)を利用するのが一般的です。APIについては後述します。
APIを利用するためには口座開設が必須です。
Coincheck(コインチェック)やbitFlyer(ビットフライヤー)、bitbank(ビットバンク)など、大半の取引所はAPIを提供しています。取り扱い銘柄や手数料などを指標にして、選びましょう。
取引所の口座開設及びAPIの利用は無料なため、安心して使えます。
仮想通貨取引所からAPIを取得
次に仮想通貨取引所からAPIを取得します。
API(Application Programming Interface)とは、取引所が提供している機能を、自作のツールで使えるようにするためのものです。プログラミングのコードが表示され、それを利用します。
APIを利用することで、自動売買ツールと仮想通貨取引所を連携し、自動で取引が可能です。
基本的には、仮想通貨取引所のマイページにAPI取得の方法やリンクが記載されています。
選んだ取引所の操作方法に従って、APIを取得しましょう。
システムを構築する
最後にシステムを構築します。
システムとは、自動売買を実施するためのプログラミングのコードです。
一般的に、サーバーサイド言語と呼ばれるプログラミング言語(Python、Node.js、PHP、Ruby等)を用いて自動売買ツールを作成します。
自動売買ツールを自作するときの仮想通貨取引所の選び方
自動売買ツールを自作する際、利用する仮想通貨取引所の選び方にもポイントがあります。
ポイントは次の4点です。
- API提供の可否
- 手数料
- 最小取引数量
- 取扱銘柄
それぞれ解説します。
API提供の可否
まずはAPI提供の可否を確認します。
多くの仮想通貨取引所は、APIを提供していますが、中には提供していない取引所もあります。
APIを提供していない取引所では自作の自動売買ツールを利用できないので、必ず確認しましょう。
手数料
2つ目のポイントは手数料です。
仮想通貨を取引する際、取引所ごとに設定された手数料を支払う必要があります。手数料が高いと利益が小さくなるため、できるだけ手数料の低い取引を選びましょう。
手数料と一口に言っても、現物取引の販売所、現物取引の取引所、レバレッジ取引ごとに別々に設定されています。スプレッドやレバレッジ手数料がかかる場合もあるため注意が必要です。
また、送金手数料や日本円の入出金手数料がかかる取引所もあります。
最小取引数量
3つ目は取引所の最小取引数量です。
仮想通貨を取引する際の最小取引数量は、取引所ごとに設定されています。ビットコインを例にすると、0.0000001BTCの取引所があれば、0.001BTCの取引所もあります。
取引方法によっても設定数量は異なるため確認が必要です。
最小取引数量が大きいと、自動売買ツールがうまく機能しなかったときの損失のリスクが大きくなります。
自動売買ツールを作成したあと、動作確認をおこなうことを考えると、できるだけ少ない数量で取引できる取引所をおすすめします。
取扱銘柄
4つ目は取扱銘柄です。
取引所によって取扱銘柄が異なります。ビットコインやイーサリアムなど、主要銘柄は取り扱っている取引所が多いですが、他のアルトコインの取り扱いはさまざまです。
仮想通貨投資に慣れると、複数銘柄に投資してリスク分散する場合もあるため、取り扱い銘柄の多い取引所をおすすめします。
仮想通貨の自動売買におすすめの国内取引所
前述した、取引所の選び方を踏まえて、おすすめの国内取引所を紹介します。
すべてAPIを提供しています。
bitbank(ビットバンク)
bitbank(ビットバンク)は取引時にMakerになると、報酬を得られるためお得です。
取扱銘柄数 | 13種類 |
口座開設手数料 | 無料 |
入金手数料 | 無料
|
出金手数料 |
|
取引プラットフォーム |
|
最低取引数量(ビットコインの場合) |
|
取引手数料 |
※スプレッドあり
|
送金手数料(ビットコインの場合) | 0.0006BTC |
レバレッジ | 取り扱いなし |
アプリ対応 | iOS、Android |
bitFlyer(ビットフライヤー)
bitFlyer(ビットフライヤー)は最小取引数量が小さいので利用しやすいです。
取扱銘柄数 | 15種類 |
口座開設手数料 | 無料 |
入金手数料 |
|
出金手数料 |
3万円以上…440円
3万円以上…770円 |
取引プラットフォーム |
|
最低取引数量(ビットコインの場合) |
|
取引手数料 |
|
送金手数料(ビットコインの場合) | 0.0004BTC |
レバレッジ | 2倍 |
アプリ対応 | iOS、Android |
Coincheck(コインチェック)
Coincheck(コインチェック)は、取扱銘柄が豊富です。
取扱銘柄数 | 17種類 |
口座開設手数料 | 無料 |
入金手数料 |
3万円~30万円…1,018円
3万円~50万円…1,018円 50万以上…入金金額の0.11%+495円 |
出金手数料 | 407(税込) |
取引プラットフォーム |
|
最低取引数量(ビットコインの場合) |
|
取引手数料 |
|
送金手数料(ビットコインの場合) | 0.0005BTC |
レバレッジ | 取り扱いなし |
アプリ対応 | iOS、Android |
Huobi Japan(フォビジャパン)
Huobi Japan(フォビジャパン)では、そこでしか取り扱っていない銘柄もあるため、気になる方はご確認ください。
取扱銘柄数 | 14種類 |
口座開設手数料 | 無料 |
入金手数料 |
|
出金手数料 | 330円 |
取引プラットフォーム |
|
最低取引数量(ビットコインの場合) |
|
取引手数料 |
※スプレッドあり
※スワップ手数料あり |
送金手数料(ビットコインの場合) | 0.0005BTC |
レバレッジ | 2倍 |
アプリ対応 | iOS、Android |
仮想通貨を自動売買するシステムを導入して投資に挑戦しよう
今回は仮想通貨の自動売買について解説しました。
仮想通貨を自動売買するシステムを導入すれば、忙しくてチャートを確認する時間がない人でも、仮想通貨投資に挑戦できます。
ただし、導入コストもかかるためご注意ください。
自動売買ツールを自作するには、仮想通貨やプログラミングの深い知識が必要です。知識がない人は既存の自動売買ツールを探してみてください。