「ビットコインをコツコツ積み立てたい」という人におすすめなのが、ドルコスト平均法による投資です。
ドルコスト平均法では、一定金額・一定間隔で株や仮想通貨を購入します。たとえば「毎月30日に1万円分のビットコインを買う」といった運用です。
ドルコスト平均法による積立投資は、一度に大量に購入するやり方よりも低リスクです。価格変動が激しいビットコインと相性が良く、簡単なため注目されています。
本記事ではドルコスト平均法の特徴を紹介します。毎月自動で積み立てができる取引所も紹介するので、ぜひビットコイン投資に挑戦してみましょう。
※以下の情報は、すべて2022年7月現在のものです。
目次
ビットコイン投資のドルコスト平均法とは
ドルコスト平均法とは、一定の価格で定期的に株や仮想通貨を購入する投資手法です。
投資において安く買うことは基本中の基本ですが、価格の上限や底がわからない状況で、適切に購入時期を判断するのは難しいです。
そこで注目されているのが、ドルコスト平均法です。ドルコスト平均法を使えば、投資の知識がゼロの人でも、迷わず通貨を購入できます。時間を分散することで通貨の購入価格が安定し、不利になりにくいこともわかっています。
解説者
ビットコインをドルコスト平均法で積み立てるメリット
ビットコインをドルコスト平均法で積み立てるメリットには、以下のようなものがあります。
それぞれ見ていきましょう。
時間分散により大きな損をしにくい
ビットコインをドルコスト平均法で購入すると、大きな損をしにくくなります。時間分散により購入金額が平均的になるためです。
ビットコインをはじめとする仮想通貨は、価格の変動幅が大きな資産です。たとえばビットコイン価格は、2021年12月1日では「1BTC=約650万円」ですが、2022年7月1日には「1BTC=260万円」まで下がっています。
価格変動幅が大きい資産を、ある時期にまとめて購入すると、購入価格が偏ってしまいます。購入するのが有利なタイミングならお得ですが、不利なタイミングなら大損です。
ドルコスト平均法にもとづいて、少額を長期間積立てる投資を行えば、大きく損をするリスクが少なくなります。
心理的・時間的な負担が少ない
ビットコインの積み立てにドルコスト平均法を活用すれば、心理的・時間的な負担を減らせます。
通常の方法でビットコインを購入しようとすれば「少しでも安いタイミングで買いたい」と感じるものです。それにより、パソコンの画面から離れられなくなる人もいます。
まとめて購入した後に価格が安くなると「投資に失敗したかもしれない」と、不安に襲われて仕事やプライベートに集中できなくなる恐れもあります。
しかし、ドルコスト平均法にもとづいて、購入タイミングと購入金額を決めておけば、過度に不安になることはありません。
解説者
少額から投資できる
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立ては、少額からでも始められます。毎月1万円などからコツコツ積み立てられます。
投資金額が少額なら、投資開始時の金銭的負担が少ないです。金銭的にあまり余裕がなくても、無理なくはじめられます。
投資金額が少額であれば、短期的に稼ぐことは難しいでしょう。しかし、仮想通貨は長期的な値上がりが期待されるため、長い目で見れば少額であっても、大きな利益を得られる可能性があります。
ビットコインをドルコスト平均法で積み立てるデメリット
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立てには、以下のようなデメリットもあります。
ドルコスト平均法は比較的人気の高い投資方法ですが、すべての人に向いているわけではありません。デメリットを確認して、自分に向いている手法かどうか考えてみてください。
短期的な利益は狙いにくい
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立ては、短期的な利益獲得には向いていません。ドルコスト平均法は、低リスクな長期投資の手法であるためです。
ドルコスト平均法による積立投資では、頻繁に売却は行いません。しかし「安値で買って高値で売る」という取引を積極的に行うほうが、リスクは高いものの、利益は増やしやすいと言えます。
そのため、ドルコスト平均法による積立投資は、短期的な利益を狙いたい人には向いていません。短期での利益獲得を目指すなら、手数料が安く、レバレッジをかけられる仮想通貨FXなどを利用しましょう。
機会損失につながりやすい
ビットコインをドルコスト平均法で購入することは、機会損失にもつながります。ドルコスト平均法では、一定の間隔で一定額を購入しますが、有利なタイミングを見計らって購入したほうが、購入価格を低く抑えやすいです。
そのため、相場を読める人にはドルコスト平均法は向いていません。
ただし、通常の投資を行うと、感情に引きずられてしまうようなら、ドルコスト平均法を用いましょう。購入タイミングと購入金額が決まっていれば、迷うことなく取引を行えます。
補足担当者
必要な手数料額が大きい
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立てでかかる手数料額は、大きくなる傾向にあります。
ドルコスト平均法では、時間を分散させて何度も購入します。手数料は購入の度に発生するので、ドルコスト平均法を行うと、何度も手数料を払わないといけません。
価格変動リスクの大きい仮想通貨投資では、手数料による出費よりも、価格の乱高下によるリスクのほうが大きいため、ドルコスト平均法は非常に有効な手法です。
しかし、以下のように費用削減や収益獲得ができる取引所の利用をおすすめします。
- 手数料が少ない
- スプレッドが狭い
- 保有資産を低リスクで運用できる
なお、手数料の一種である「スプレッド」については、「仮想通貨(ビットコイン)のスプレッドとは?6つの取引所を比較!」を参考にしてください。
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立てのシミュレーション
ドルコスト平均法を利用すれば、大きく損をしにくいとお伝えしました。実際に損をしにくいかどうかを、以下の条件で行ったシミュレーションで確認してみましょう。
- 期間:2021年7月1日から2022年6月30日
- 投資額:毎月1万円
- 購入タイミング:毎月月末
1年間の積み立ての結果は以下のとおりです。
購入タイミング | 1BTCの価格
(千の位を四捨五入) |
7月31日 | 457万円 |
8月31日 | 519万円 |
9月30日 | 490万円 |
10月31日 | 699万円 |
11月30日 | 649万円 |
12月31日 | 533万円 |
1月30日 | 444万円 |
2月28日 | 499万円 |
3月31日 | 556万円 |
4月30日 | 490万円 |
5月31日 | 406万円 |
6月30日 | 270万円 |
平均購入単価:501万円 |
購入するのが最もお得なタイミングは2022年6月30日で「1BTC=270万円」、最も損なタイミングは2021年10月31日で「1BTC=699万円」でした。
ドルコスト平均法を用いた場合の平均購入単価は「1BTC=501万円」と、大きく損をしていないことがわかります。
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立てがおすすめな人
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立てがおすすめなのは、以下のような人です。
それぞれ解説します。
リスクの軽減を重視する人
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立ては、リスクの軽減を重視する人におすすめです。
ドルコスト平均法を用いた投資では、短期的な利益獲得は難しいものの、時間分散によりリスクを軽減できます。
積立金額を1万円など少額に設定すれば、さらにリスクを下げられます。「無理のない金額でビットコイン投資をしてみたい」という人は、ドルコスト平均法による積立投資をはじめてみましょう。
時間をかけずに投資したい人
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立ては、時間をかけずに投資したい人におすすめです。
決まったタイミングで決まった金額分を購入するだけなので、購入タイミングや購入金額で悩むことはありません。自動投資を活用すれば、初期設定をするだけで、毎月自動で積立投資が可能になります。
「平日は仕事、休日は家事で忙しい」「趣味に時間を使いたい」という人には、ドルコスト平均法による積立投資がおすすめです。
長期保有目的で購入したい人
ビットコインを長期で保有したい人にも、ドルコスト平均法による積立投資は向いています。
ドルコスト平均法は、時間分散によりリスクを軽減する投資方法です。ドルコスト平均法による投資を長期で行えば、よりリスクを減らせます。
ドルコスト平均法による投資は、これから仮想通貨をはじめる人に、とくにおすすめです。ドルコスト平均法を用いれば、知識がなくても低リスクな投資ができるためです。
長期保有目的であっても、相場を読める人なら、都度購入タイミングを考えたほうが将来的な利益は高まります。しかし、相場を読み慣れていないなら、時間分散をするほうが無難です。
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立てにおすすめの国内取引所
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立てをするなら、以下の取引所がおすすめです。
いずれの取引所も毎月自動で積み立ててくれる機能があります。それぞれ紹介します。
bitFlyer(ビットフライヤー)
ドルコスト平均法でビットコインを積み立てたい人には「bitFlyer(ビットフライヤー)」の利用をおすすめします。
「かんたん積立」という機能を使えば、自動で積み立てができます。かんたん積立の特徴は以下のとおりです。
最低積み立て金額 | 1円 |
取り扱い通貨 | 15種類 |
積み立て頻度 | ・毎日1回
・毎週1回 ・毎月2回(15日と30日) ・毎月1回 |
手数料 | ・積立手数料:無料
・スプレッド:あり |
※2022年7月現在
注意したいのは、販売価格に含まれている取引所の利益分「スプレッド」が発生する点です。1回あたりの購入金額が少ないと損をしやすいので、bitFlyerのかんたん積立を利用するなら、1回1万円など、ある程度の金額を設定するのがおすすめです。
Coincheck(コインチェック)
「Coincheck(コインチェック)」には、自動で投資を行える「Coincheckつみたて」という機能があります。ドルコスト平均法でビットコインを積み立てたい人には、Coincheckつみたての利用をおすすめします。
最低積み立て金額 | 1万円 |
取り扱い通貨 | 16種類 |
積み立て頻度 | ・毎日1回
・毎月1回 |
手数料 | ・積立手数料:無料
・スプレッド:あり |
※2022年7月現在
「bitFlyer(ビットフライヤー)」同様、Coincheckでも手数料は無料ですが、手数料の一種の「スプレッド」は発生します。この点は理解しておきましょう。
Coincheckでは、一定期間通貨を預け入れることで利息を得られる「レンディング」も利用できます。投資した資産を運用したい人に、Coincheckはおすすめです。
Binance(バイナンス)
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立ては、海外大手取引所「Binance(バイナンス)」でも可能です。自動で積み立てができる「自動投資」という機能の概要を紹介します。
最低積み立て金額 | 1ドル |
取り扱い通貨 | 63種類 |
積み立て頻度 | ・毎日1回
・毎週1回 ・2週に1回 ・毎月1回 |
手数料 | 0.2% |
※2022年7月現在
Binanceと多くの国内取引所では、積み立て機能に以下のような違いがあります。
Binance | 多くの国内取引所 | |
メリット | ・手数料が安い
・取り扱い通貨が多い ・購入した通貨は自動で運用される |
・日本円で入金できる |
デメリット | ・日本円に対応していない
・国内取引所から通貨を送る必要がある |
・スプレッドが発生する |
Binanceを使った積立投資は操作が複雑なものの、メリットが多いです。「多少操作が大変でもお得に積み立てたい」という人には、Binanceがおすすめです。
リスクを減らしたい人にはドルコスト平均法によるビットコイン積み立てがおすすめ
ドルコスト平均法によるビットコイン積み立ては、仮想通貨投資のリスクを減らしたい人におすすめです。仮想通貨は価格の変動が激しい資産ですが、購入時期を分散させることにより、取得価格で損をしにくくなります。
「bitFlyer(ビットフライヤー)」や「Binance(バイナンス)」など、仮想通貨を自動で積み立ててくれる取引所も多いです。興味がある人はそれらの取引所を通じて、ドルコスト平均法によるビットコイン積み立てにチャレンジしてみましょう。