外国人への賃貸需要が増えている?外国人が好む物件と注意点5つ
2020 10.21この記事はPRを含みます
日本で暮らす外国人が増えている
近年、ますます増加傾向にあるのが日本での外国人居住者です。2019年4月に新しい在留資格を創設した改正入管法が施行されたこともあり、今後もその傾向は高まると言われています。
そこで、急速に需要が増えているのが外国人向けの賃貸です。特に東京や大阪、福岡などの大都市でその需要は年々増加傾向にあります。
この記事では、外国人に好まれる賃貸物件や貸し出す際の注意点、また外国人向けの賃貸をするメリットについて紹介します。
外国人が好む賃貸物件とは?
外国人が好む賃貸物件の条件は、アクセスの良さやセキュリティ、日当たりなど日本人入居者と変わらない点に加え、いくつか外国人ならではの評価の基準があるようです。
具体的には、欧米の大都市のように自然と都会が共存しているエリアや、和室や日本家屋など歴史や日本文化を感じる物件の人気があります。また、語学学校がたくさんあるエリアや外国人移住者が多い地域を好んで選ぶ人もいると言われています。
外国人の好む設備
部屋の設備に関して言うと、外国人移住者は家具付きの賃貸物件を好む傾向にあると言われています。
外国人にとって日本での新生活は、ただでさえ膨大な初期費用がかかってしまうものです。その上、家具を一から全て自分で揃えるとなると更に大きな出費となるので、家具や家電付きの賃貸が人気のようです。
また、外国では家具が付いている賃貸物件が当たり前という国も多くあり、そういったところも理由の一つと言えるでしょう。
外国人へ賃貸物件を貸すときの注意点5つ
外国人移住者に賃貸物件を貸す場合、どうしても文化や習慣の違いから様々なトラブルが発生すると言われています。空室を埋めるために外国人を受け入れたものの、対策不足や説明不足で結果的にアパートの経営が苦しくなってしまったという例も多くあるようです。
ここでは代表的な5つの注意点を紹介しますので、ぜひ外国人入居者受け入れ時の参考にしてみてください。
注意1:ゴミ捨て
ゴミ捨てにおけるトラブルは、代表的なもののうちの一つです。それぞれの国でゴミ出しのやり方やルールが違うため、日本のルールを理解してもらっていないと大きなトラブルに発展する可能性があります。
ルールを守らない外国人入居者が多くなると、ゴミ捨て場が汚くなったり異臭がしたりという問題に繋がることもあるでしょう。日本では決められた日時にしかゴミを出せないこと、また分別の仕方など入居時にしっかりと説明しておくべきです。
注意2:又貸し
外国ではシェアハウスの文化が一般的だったり、近年では旅行者に自分の部屋を貸す民泊のようなサービスが人気ということもあり、又貸しをする外国人居住者が多くいるようです。毎日代わるがわる色んな国の外国人が出入りしているとなると、近隣の住民も不安に思うでしょう。
外国人居住者には、又貸しが禁止されていることはもちろん、どういった行為が又貸しにあたるのかよく説明することが重要だと言われています。
注意3:臭い
外国人居住者の中には、料理や食事の際に自身の国の食材や香辛料などを使う人も多く、その中には臭いが強烈なものも多くあるようです。また、毎日シャワーをしたり髪を洗ったりする文化がない国もあり、独特の体臭が気になることもあります。
その国独自の食材や文化のことはなかなか注意をしにくい部分もあり、難しい問題となっています。できるだけ同じ地域・国の人を同フロアに入居させるなど、工夫をした方がいいかもしれません。
注意4:勝手に国に帰る
外国人入居者の中には、日本での生活が上手くいかなくなった、母国の家族に緊急のトラブルがあったなどの理由で、突然の無断退去をしてしまう人もいるようです。こうなると、最終的に数ヶ月分の家賃を払ってもらえなかったということにもなりかねません。
こういった状況を避けるためにも、日頃から日本での緊急連絡先をきちんと確認しておく、入居時に無断帰国の場合のペナルティを説明するなどして対策しておいた方が良いでしょう。
注意5:家賃不払い
家賃不払いは頻繁に起こるトラブルのうちの一つで、平気で数ヶ月滞納する外国人居住者もいるようです。
滞納者本人に対して督促をし、それでも支払われない場合は退去勧告をすることもできますが、実際は家賃を払ってもらえないまま退去させるのは収入面で大きなマイナスになるため、退去勧告のタイミングは難しいところです。
また、家賃滞納が数ヶ月続いた後に無断帰国に繋がるという例も多く、注意が必要と言われています。
外国人へ賃貸を貸すときのリスクを回避するには?
文化や言語の違い、また保証人の有無などによって外国人に賃貸を貸す際にはさまざまなリスクが発生する可能性があると言われています。ただ、事前に入居者を念入りに審査したり、リスク回避のためのサービスを利用することでそのリスクは軽減できるとも考えられています。
ここでは外国人入居者を受け入れる際に伴うリスクを回避する3つの方法を具体的に紹介します。
在留資格を確認する
外国人入居者の在留資格に関しては、必ず念入りに確認しましょう。
近年、不法滞在者や不法就労者は増加傾向にあり、大きな社会問題となっています。万が一そういった方を受け入れてしまうと、管理している賃貸物件が不法滞在者の受け入れ先とみなされ、貸主が罰に問われる可能性もあります。
リスクを避けるためにも在留資格や在留カードの期限、パスポートなどはしっかりと確認した上でコピーを取っておくといいでしょう。
保証会社を利用してもらう
来日したばかりの外国人は、基本的に日本に家族や親戚がいないため、賃貸契約時に保証人を付けることは非常に難しいと言われています。
そこで利用してもらいたいのが保証人代行サービスを提供している保証会社です。保証会社を通すことで、日本国内の緊急連絡先を確保しておいてもらえたり、万が一の無断退去の際に家賃を立て替えてもらえたりと、リスクを回避できる可能性が高くなると言われています。
外国人スタッフのいる不動産会社にお願いする
外国人入居者受け入れの際に起こる問題の一つとして言葉の問題が考えられます。来日した外国人の中にはまだ日本語の読み書きが十分にできず、重要事項や注意点などを理解できないまま契約してしまう人もいるようです。
そこで、外国人スタッフや英語が堪能なスタッフが常駐する不動産会社を利用するのがおすすめです。契約手続きやルール説明を代わりに行ってもらうことで入居者の理解不足によるトラブルを避けることができるでしょう。
外国人向け賃貸をするメリット4つ
外国人入居者の受け入れには注意点やリスクもありますが、しっかり対策をした上で貸し出すことで大きなメリットがあると言われています。
ここでは、外国人向け賃貸をするメリットを4つ具体的に紹介します。
メリット1:空室が決まりやすくなる
まずメリットの一つとして挙げられるのが、外国人に向けて賃貸を貸し出すことで空室が決まりやすくなることでしょう。これは単純にターゲットが広がることに起因していて、日本に数百万人住んでいると言われる外国人をターゲットに加えることでチャンスが大幅に増えます。
また、日本人のように年度始めに合わせて引っ越しをするということもないので、一般的な繁忙期や閑散期に左右されず取り込みができる可能性もあります。
メリット2:居住年数が長い
外国人にとって、賃貸物件を探すことは言葉の問題や保証人を付けることができないという点から非常にハードルが高く、入居までにかなりの時間がかかる可能性もあります。そのようにしてなんとか入居できた物件ですので、日本人と比べて長く住んでくれる傾向にあるようです。
日本人と違って選り好みができない状況ということもあり、特に大きな問題がなければすぐに引っ越し先を探されるような心配もないでしょう。
メリット3:紹介が多い
日本に住んでいる外国人は外国人同士で独自のネットワークを持っていることも多く、一度「外国人受け入れ可能な物件である」と認識されると口コミがどんどん広がる可能性も高くなります。
また、外国人入居者が帰国する際に友人や同僚など別の外国人入居者を紹介してくれることも多く、空室率を低く保てる可能性がある点は賃貸経営者にとって大きなメリットと言えるでしょう。
メリット4:相場より割高でも決まる
日本人と比べて入居可能な物件が圧倒的に少ない外国人移住者の場合、多少周辺の相場より高めの賃貸物件でも即決してくれる可能性が高いです。
また、家具や家電を備え付ける、日本の歴史や文化を感じられる内装にリフォームするなど、外国人好みに工夫することで相場より高い家賃を得られる可能性もあるでしょう。
外国人向けの賃貸の需要は外国人人口増加により増えている
外国人への賃貸物件の需要や、受け入れのメリットについて紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
今後、日本は更に少子高齢化が進む傾向にあり、外国人労働者の受け入れはますます進むと言われています。それに伴い、東京都や大阪府のような大都市圏だけではなく、日本中で外国人向けの賃貸の需要が増える可能性があるかもしれません。
新たなビジネスの一つとして、外国人向けの賃貸の運営を考えてみてはいかがでしょうか。