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年金はもらえないと考える人の3つの理由とは?年金不安への対策方法5つを紹介

2020 10.21この記事はPRを含みます

現役世代は将来年金をもらえない?

「年金を支払っても将来もらえない」「年金が2割減る」「日本の年金制度は崩壊している」など、年金に関するネガティブな情報を目にすることがあり、不安に感じている方も多いでしょう。

結論からお伝えすると、日本の年金制度には、少子高齢化に対応するためのさまざまな仕組みがあるため、破綻しないとの試算が出ています。

なぜ年金に関するネガティブな情報がなくならないのか、また、年金不安への対策をご紹介します。

年金の種類

はじめに、日本の年金に関する基本的なことを確認しておきます。

日本の年金は2階建てといわれていて、20歳以上が全員加入する国民年金と、会社員が加入する厚生年金があります。また、老後の生活保障をさらに充実させることを目的に、退職金を年金として受け取る企業年金もあります。

年金額は、保険料を納めた期間などによってひとりひとり異なります。毎年送付され「ねんきん定期便」などで確認することができます。

日本の公的年金は「2階建て」 | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省

国民年金

国民年金は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての人が加入するもので、保険料の納め方で3種類分かれます。

第1号被保険者は、個人事業主・学生などで、自分で納めます。第2号被保険者は、サラリーマンなど会社に勤める人です。厚生年金保険制度を通じて国民年金に加入するので、給与から天引です。

第3号被保険者は、第2号被保険者の配偶者で、保険料は配偶者が加入する年金制度が負担します。

公的年金の種類と加入する制度|日本年金機構

厚生年金

サラリーマンなど厚生年金保険に加入している人は、厚生年金保険制度を通じて国民年金に加入しています。国民年金の給付である基礎年金に上乗せして厚生年金を受け取ることになります。

厚生年金保険料は給与から天引きされるため、どのくらい支払っているのか把握していない方もいるでしょう。毎月の給与明細で確認しておくことをおすすめします。

厚生年金保険|日本年金機構

企業年金などその他の年金

企業年金は、公的な年金にプラスして受けることができる年金で、サラリーマンの方の老後の生活保障を充実させるためのものです。

種類はさまざまなものがあり、確定給付企業年金・確定拠出年金・厚生年金基金・中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度があります。

自営業の方が、公的年金にプラスして老後の保障を充実されたいときには、国民年金基金や個人型確定拠出年金iDeCoへの加入が可能です。

第1章 企業年金って何でしょう? ─ 第1部 企業年金の基礎知識 ─ 企業年金|知るぽると
イデコ公式サイト|個人型確定拠出年金iDeCo【公式】

年金がもらえないと考える人の3つの理由

年金がもらえない理由1:少子高齢化

少子高齢化が進み、高齢者人口は2040年頃まで増え続け、一方、現役世代は急速に減少すると予測されています。そのため、「年金制度は破綻している」「もらえない年金を払いたくない」といった声が聞かれます。

年金不安の根拠として、「65歳以上の高齢者1人を15~64歳の現役世代2人で支える」という事実が挙げられ、このことが、「支払った年金を将来もらえないのでは」という不安につながっているのです。

年金がもらえない理由2:受給年齢の引き上げが進んでいる

老齢年金の受給開始年齢は65歳ですが、繰り下げ受給といって66歳以降70歳までの間にすると受給額を増額できます。この繰り下げ受給の開始年齢が、2022年4月からは、75歳までに引き上げられることになっています。

受給年齢自体は引き上げられていませんが、受給額が増額される繰り下年齢が引き上げられたことで、「年金受給年齢ますます引き上げられ、もらえないのでは?」という心配の声が出てきているのです。

広報誌「厚生労働」2020年7月号 TOPICS

年金がもらえない理由3:もらえたとしても支払い額より少なくなる

「年金を払ったとしてももらえないのでは?もらえたとしても、払った分もらえないからそんなのでは?」という声もあります。しかし、公的年金制度は世代間扶養を基本とする仕組みであるため、損得で考えるものではないでしょう。

公的年金の損得計算をあえてしたとしても、平均的に長生きすれば支払った保険料の総額より生涯受け取る年金額の合計の方が大きくなり、損するような制度にはなっていないと考えられます。

公的年金制度に関する考え方|平成13年9月 厚生労働省年金局

年金制度は破綻しないと考えられる2つの理由

さまざまな不安の声が聞かれる年金制度ですが、国民年金は国の公的年金制度であるため、破綻する危険性は少ないと考えてよいでしょう。理由は、 十分な年金積立金を保有していることと、年金制度の破綻は国の破綻を意味するからです。

また、人口や経済が見通し通りになっているかどうかを5年に一度検証し、保険料を見直す「財政検証」が義務づけられ、直近では2019年に公開されています。

将来の公的年金の財政見通し(財政検証) |厚生労働省

年金制度は破綻しない理由1:年金積立金の存在

年金支払いに使われなかった残りのお金は、年金積立金として運用されています。年金積立金管理運用独立行政法人によると2019年度末の年金積立金の運用資産は150兆円を越えています。保険料収入・税金からの負担が2年間ゼロであっても、年金を払い続けられる額といえます。

株式市場が低迷すると「年金積立金減少」のニュースが聞かれますが、もともと余ったお金の運用なので心配ないでしょう。

2019年度の運用状況|年金積立金管理運用独立行政法人

年金制度は破綻しない理由2:国の負担増

年金給付は、巨額な国の負担といえます。仮に国が年金を支払い続けることが困難となり、年金制度を破綻させたとしても、国には国民の最低限度の生活を保障する義務があるため、代わりに生活保障費が増加することになると考えられます。

少子高齢化など、不安要素はありますが、現在の年金制度を定期的に見直しながら存続させていく方が現実的でしょう。

年金の不安への対策方法5選

年金制度が破綻し、年金をもらえないようなリスクは限りなく小さいと考えても、給付水準が下がる可能性はあります。そこで老後の保障をより手厚くするためにできることを5つご紹介します。

安心して暮らせる老後のために、今から準備を検討してみてはいかがでしょうか。

厚生年金に加入する

日本の年金制度は2階建てのため、会社に勤めると厚生年金に加入することになります。厚生年金は2階建ての部分ですので、支払いは増えますが、将来受給する金額は増えます。

とはいうものの、自営業・フリーランスの方がこの対策を使うことは難しいといえます。厚生年金に加入することを考えるより、過去に会社勤めしたことがある方は、将来厚生年金からどのくらい受給できるのか把握しておくとよいでしょう。

iDeCo

将来に向けてコツコツ貯金をするのもよいですが、老後のための資金を増やすのであればiDecoがおすすめです。iDecoは掛金を自分で拠出し、自分で決めた運用方法で運用し、60歳以上に受け取る私的年金制度です。

iDeCoのメリットは税制優遇が有ることです。掛金は全額所得控除で、運用益は非課税、受給時には所得控除を受けられます。ご自身で老後の余裕資金を準備したいのであれば、おすすめします。

イデコ公式サイト|個人型確定拠出年金iDeCo【公式】

つみたてNISA

つみたてNISAは、投資信託への投資から得られる分配金・譲渡益が最長20年間非課税となる、長期・積立・分散投資を支援する制度です。

つみたてNISAは、iDeCoと異なりいつでも引出しできるので、老後の資金に特化したものではありませんが、将来のさまざまな資金ニーズに向けて、税制上優位に積み立てできるものです。

つみたてNISAの概要 : 金融庁

国民年金保険料をきちんと払う

基本的なことになりますが、国民年金保険料をきちんと払うことが将来の安心につながります。免除・猶予・ガクトクを受けた方は将来受け取る年金額が減額されますが、10年以内であれば保険料をさかのぼって支払う追納も可能です。

国民年金は税金が半分投入されますし、支払った保険料は全額所得控除され、受給時は公的年金等控除の適用を受けることができます。民間の保険より有利ですので、保険料はきちんと支払いましょう。

厚生労働省 国民年金「免除・猶予制度」2018年度版

家計を見直し支出を抑え余剰資金で安心資産を作る

豊かで余裕のある老後を送るためには、国民年金だけでなく、自分で老後に向けた資産形成を行なう必要があります。将来のために積み立てるには、余裕資金の捻出が必要です。

毎月の家計の支出内容を把握し、必要のない支出は削減するなど、将来にむけた資産形成に取り組むことをおすすめします。

「年金をもらえない」と決めつけるのは避けよう

年金は国が運営している年金制度で、税金が投入され、掛金が全額所得控除となるなどメリットは大きいといえます。

少子高齢化などの不安から「年金をもらえない」と決めつけ、年金の支払をしないと、いざ老後を迎えたときに後悔する可能性が高いと考えます。

国の年金制度を理解し、年金保険料を支払い、老後に向けた準備をしっかり行ないましょう。

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