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マンションにかかる修繕積立金とは?修繕積立金の相場と値上がり傾向の理由6つ

2021 06.2この記事はPRを含みます

マンションにかかる修繕積立金とは

マンションにかかる修繕積立金とは、住み始めてから先の長い間に、老朽化などで修繕が必要になる時に備え、計画立てて積み立てる維持費です。分譲マンションのような区分所有建物に住んでいる場合は、徴収があることが多いです。

 

同じマンションに住んでいても、階層や延床面積によって修繕積立金は異なります。さらに、修繕積立金とともに管理費が請求されることもあります。

 

修繕積立金は値上げされることもあるため、要注意です。

管理費と修繕積立金の違い

マンションにかかるお金の代表例と言えば、管理費と修繕積立金です。

 

管理費と修繕積立金の違いは、日々の生活の維持に用いられるものか、長期的な計画に基づいて用いられるものかという違いになります。

 

マンションにかかる費用は、初期費用の頭金や住宅ローンのみではありません。マンションを購入する場合は、マンションにかかる管理費や修繕積立金のことも考えておく必要があるでしょう。

管理費

管理費とは、マンションにおける日々の生活を維持するためのお金です。管理人がいる場合は、管理人の人件費が管理費から支払われています。

 

管理費の多くは、日常管理面で使われます。管理人の維持費のほか、日常の清掃やエレベーター、防犯カメラの設備点検、宅配ロッカーの整備なども管理費で賄われます。

 

なお、一般的な管理費の相場額は、月額15,000円程度であることが多いでしょう。

修繕積立金

修繕積立金は、長期修繕計画書に書かれている修繕工事や建築診断などに使われます。建物の老朽化などで修理する必要がある箇所は、修繕積立金を使って直すことが多いです。

 

修繕積立金は、10年や13年周期で行われる大規模修繕を予め想定して集められます。修繕積立金は、管理組合が了解すれば震災や火災などの損壊を直すために取り崩すことができます。

 

急な取り崩しの場合は、管理組合の総会決議で決まることが多いでしょう。

修繕積立金のチェック方法

ここからは、修繕積立金のチェック方法をご紹介します。まず、中古マンションを買う場合は、修繕積立金に不足がないかを確認することが大切です。

 

実際に、長期修繕計画上の修繕積立額が不足しているマンションも多く、仲介会社を利用する場合は、重要事項に関わる調査報告書で修繕積立金がチェックできます。

 

管理に関する複数の書類は、自分の目でしっかりと確認しましょう。

長期修繕計画書

長期修繕計画書は、分譲マンションの老朽化の対策をするために立てられる修繕計画のことです。大規模修繕について、どの時期にどの程度の費用で実施するかは、予め決められています。

 

大規模修繕の実施時期だけでなく、費用についても予め決めておく必要があります。さらにマンションによっては、駐車場収入の剰余金が修繕積立金に組み入れられることも多いです。

 

長期修繕計画の作成は、管理組合の義務とされている場合もあります。

収支決算書

収支決算書は、マンションの会計報告書の1つです。収支決算書としては、賃借対照表や収支決算書、もしくは収支報告書が制作されます。

 

なお、管理組合の会計は、管理費会計と修繕積立金会計に分けられます。修繕積立金の賃借対照表、収支決算書を確認するようにしましょう。

 

収支決算書を見る際は、同じ項目で前期実績と当期実績を比較して、大きく変わっている箇所がないかを調べるといいでしょう。

修繕積立金の相場

「平成30年度 マンション総合調査」によると、修繕積立金の相場の平均額は、月12,154円です。

 

修繕積立金の相場は、購入当初に比べ、建物が古くなるにしたがって値上がりをします。

 

建てた当初は、どこにどれほどの修繕が必要になるかの予測はつきません。建物が古くなってから必要な金額が見えてくるので、その後の改定で金額に変動があるという事を念頭に置いておきましょう。

修繕積立金の適正金額

修繕積立金の適正金額は、国土交通生省が発行しているマンション修繕積立金に関するガイドラインを元に計算できます。適正額の計算式は、(200円×占有床面積) + (9,000円×機械式駐車場数÷住戸数)です。

 

例えば占有床面積70㎡、機械式駐車場台数20台、総住戸数80戸に住んでいると仮定します。上記の計算式に当てはめると16,000円程度です。

 

現状は、適正価格以下の徴収額のことが多いでしょう。

修繕積立金が値上がり傾向の理由6つ

近年、マンションの修繕積立金は値上がり傾向にあります。ここからは、修繕積立金が値上がり傾向にある理由をご紹介していきます。

 

先述のとおり、修繕積立金はマンションに住んだ後で値上がりすることも少なくありません。修繕積立金が急に値上がりした際に、どのような理由で値上がりしたのかを考えるきっかけにしてください。

修繕積立金が値上がり傾向の理由1:相場が上昇したため

修繕積立金が値上がり傾向にある理由の1つ目は、相場が上昇したためです。日本では高齢化が進み、今後マンション修繕に関わる労働人口が減ることが予想されています。

 

そのため、修繕費も当初よりも値上がりする可能性が高いとされています。人件費の高騰に備えるために、多くのマンションが修繕積立金を値上げした結果、他のマンションの修繕費も値上がりする傾向にあります。

修繕積立金が値上がり傾向の理由2:段階増額積立方式のため

修繕積立金が値上がり傾向にある理由の2つ目は、「段階増額積立方式」が採用されているためです。多くのマンションでは、建物劣化状況に応じて、5年や10年など決められた期間で修繕費の金額を見直しています。

 

段階増額積立方式のマンションの多くは、新築で購入した場合は修繕積立金が低く設定されています。後に大幅な値上げがされることも少なくないため、新築でマンションを購入する予定の人は注意してください。

均等積立方式

均等積立方式とは、毎月同じ金額を支払う方法です。最初に必要な修繕金を決めておき、計画期間で金額を割り、毎月支払う金額を決定していきます。

 

国交省のガイドラインでも、均等積立方式で修繕積立金を決めることが望ましいと提示されています。しかし、長期修繕計画の見通しが甘く、修繕費用が高騰した場合に対応できないというデメリットがあります。

 

将来的に修繕費が不足した場合は、値上げされることも多いと考えましょう。

修繕積立金が値上がり傾向の理由3:管理会社に全て任せているため

修繕積立金が値上がり傾向にある3つ目の理由は、管理会社に全て任せているためです。分譲マンションの多くは、分譲マンションを作った企業のグループ会社が管理を担当します。

 

もともと価格競争する相手がないため、割高な修繕積立金を請求されても受け入れてしまう人も多く見られます。

 

その点を踏まえ、最近では管理会社の見直しをするマンションも増えています。管理会社はどこなのかは、事前に知っておくと良い情報です。

修繕積立金が値上がり傾向の理由4:計画にない修繕を実施するため

修繕積立金が値上がり傾向にある理由4つ目は、計画にない修繕を実施するために値上げする必要があるからです。

 

マンションが作られてから時間が経てば、計画外のバリアフリー工事やグレードアップ工事が必要なこともあります。

 

特にグレードアップ工事は長期修繕計画に組み込まれていないことが大半のため、当初よりも修繕積立金が高くなる傾向にあります。

 

また、予測できない地震や火事で修繕が必要になることも少なくありません。

修繕積立金が値上がり傾向の理由5:適正金額より低く設定されている

修繕積立金が値上がり傾向にある理由5つ目は、適正金額より低く設定されているからです。そもそもが適正金額より低く設定されているため、将来の修繕費が足りず、値上がり傾向になります。

 

特に、国土交通省のガイドライン作成前の中古マンションの場合は、適正金額が現在のマンションよりも低く設定されている場合が多いです。

 

その結果、将来的に費用が少なくなって値上がりしてしまうことも少なくありません。

修繕積立金が値上がり傾向の理由6:修繕積立金が不足しているため

修繕積立金が値上がり傾向にある6つ目の理由は、修繕積立金が不足しているからです。築年数の経過に伴い、想定していなかった大きな修繕の実施が必要になれば、積立金のみでは足りない可能性が高くなります。

 

さらに、マンションの管理組合は、銀行でローンを組んで不足分を補うことがあります。

 

その場合も修繕積立金から返済するため、修繕積立金を値上げせざるを得ない状態の場合も少なくありません。

修繕積立金の注意点5つ

ここからは、修繕積立金の注意点をご紹介します。

 

先に触れたように、マンションを購入する場合は、購入にかかる費用だけでなく修繕積立金のことも考えて購入する必要があります。

 

また、現在マンションに住んでいる場合は、修繕積立金の値上げに関して無条件に受け入れるのではなく、「なぜ値上げしたのか」あるいは「値上げしなくてもいい方法がないか」などを考えることが大切です。

修繕積立金の注意点1:物価上昇に際しての値上がり

修繕積立金の注意点の1つ目は、物価上昇に際しての値上がりです。入居後に物価が上昇すれば、それに伴った積立金の値上げをする場合があります。

 

もちろん、将来的に物価が上昇することは、修繕積立金の計画を立てる際に多少は考えられています。しかし、将来的にどの程度上昇するかは、誰にも分かりません。

 

マンション購入者は、物価上昇に備えて対策を取ることが大切です。

修繕積立金の注意点2:修繕積立金は安ければ良いわけではない

修繕積立金は、安ければ良いというわけではありません。積立金が低く設定されていれば、将来の修繕工事費用が不足する可能性が高くなると考えましょう。

 

相場以上に修繕積立金が低い分譲マンションは、要注意です。周りのマンションと比較して、適正な金額かどうかを確かめることがおすすめです。

 

また、そのマンションを管理している会社が分かる場合は、何故この金額なのかを尋ねてみてもいいでしょう。

修繕積立金の注意点3:積立金不足で追加料請求の可能性がある

マンションによっては、積立金不足で追加料請求の可能性があります。特に、修繕積立金が安く設定されているマンションでは、最終的に追加料金を支払わないと修繕費が足りないという事例が多く見られます。

 

あまりに高い修繕積立金も問題ですが、後日追加料が請求されないかどうかもよく考えてから、マンションを購入するのがおすすめです。

修繕積立金の注意点4:築年数が長いほど金額が上がる

修繕積立金の注意点は、築年数が長いほど金額が上がることです。築年数を重ねることで修繕箇所が増えていくため、修繕積立金も上がってきます。

 

中古マンションを購入しようと考えている人は、注意するようにしましょう。過去の修繕履歴や修繕積立計画を確認して、近々修繕計画が立てられていないか調べておくことをおすすめします。

 

購入してすぐに大規模修繕があれば、急に修繕費がかかることもあります。

修繕積立金の注意点5:共用設備が揃っている場合にも気をつける

共用設備が充実しているマンションは、他のマンションに比べて維持費や、修繕費がかかります。維持費を少しでも少なくしたい場合は、共用設備が少ないマンションを選びましょう。

 

一般的に共用設備に関する費用は管理費から賄われることが多いですが、共用部分のリフォームなどであれば、修繕積立金から賄われます。

修繕積立金の価格が妥当か見極めよう

修繕積立金の価格は、妥当かどうかを見極めることが大切です。

 

現在安くても将来的に値上がりする可能性が高いため、組合や管理会社に修繕積立金に関する考え方をしっかり聞き、納得した上で購入するようにしましょう。

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