賃貸不動産経営管理士とは?資格取得のメリット・資格試験概要を解説
2020 06.4この記事はPRを含みます
賃貸不動産経営管理士とは
賃貸不動産経営管理士とはアパートやマンションなどの賃貸住宅を管理する専門的な知識や技能を持つ専門家のことです。
貸主に対して賃貸住宅管理に係る重要事項を説明したり、賃貸住宅の管理受託や契約に関する重要な書類などへの記名や押印をします。
また、事務所ごとに1名以上の賃貸不動産経営管理士などの必置義務があったり、制度や法の改正などによって、その役割の重要性は高まっています。
賃貸住宅管理業者登録制度
国土交通省によって、賃貸住宅管理業の登録制度が平成23年12月に創設されました。賃貸住宅管理業登録制度とは、賃貸住宅管理業務に一定のルールを定めることで借主と貸主の利益を保護することが目的の制度です。
また、登録事業者を公表することで、借主側は管理業者や物件選択の判断材料の1つにすることもできます。この制度が創設されたことで、賃貸不動産経営管理士の役割の重要性が増すことになりました。
賃貸不動産経営管理士の役割
住宅関連の問題は起こってしまうと大きくなってしまうことが多いです。そのため、賃貸不動産経営管理士の行う賃貸住宅の管理に関する重要事項の説明や契約書の署名捺印などの業務は紛争の未然防止や適切な管理を行うために必要です。
また、上記で述べた通り賃貸住宅管理業者登録制度が創設されたことで、賃貸不動産経営管理士の役割の重要性が増しました。さらに、他にも賃貸不動産経営管理士の重要性を高めている要素があります。
賃貸住宅管理業者登録制度においての役割
賃貸住宅管理者登録制度によって、賃貸不動産経営管理士の役割は重要性を増しました。しかし、平成23年12月に賃貸住宅管理者登録制度が創設されてすぐに賃貸不動産経営管理士の重要性が増したというわけではありません。
賃貸不動産経営管理士の役割は重要性が増したのは、平成28年9月に賃貸住宅管理業者登録制度が改正されたことで、賃貸不動産経営管理士に重要な役割が付与されたことがきっかけとなっています。
役割1:重要事項の説明と書面への記名・押印
先に述べた通り、賃貸不動産経営管理士の大切な業務の1つとして、賃貸住宅管理に関する重要事項の説明や書面への記名と押印があります。
専門的な知識を持った賃貸不動産経営管理士が重要事項について、しっかり説明と確認をすることで住宅に関する問題が起きて紛争など、事が大きくなってしまうようなことを未然に防ぎます。
役割2:管理受託契約書の記名・押印
賃貸不動産経営管理士は賃貸住宅管理に関する重要な書類をいろいろと取り扱う事になります。そのため、賃貸住宅管理に関する重要事項の書面への記名と押印だけでなく、賃貸住宅の管理受託契約書の記名と押印も行います。
賃貸住宅の管理受託契約書は、貸主と管理受託契約が成立した際に交わす重要な書類です。賃貸不動産経営管理士は契約成立後、契約書を作成して記名と押印を行います。
役割3:登録業者は事務所ごとに1名以上配置
先に述べた通り、賃貸不動産経営管理士の登録業者は事務所ごとに1名以上配置する必要があります。
ただし、正確には賃貸不動産経営管理士ではなく、賃貸不動産経営管理士等の配置が必要となります。賃貸不動産経営管理士等とは、賃貸不動産経営管理士だけでなく、一定の実務経験者のことも指します。
一定の実務経験者とは管理事務に関し6年以上の実務経験者のことを指し、賃貸住宅管理業者登録規程の第七条にも定められています。
住宅宿泊事業法(民泊新法)における役割
2018年に民泊新法が施行されたことで、これまでよりも簡単に有料で一般住宅に旅行者を泊める民泊ができるようになりました。しかし、簡単になったと言っても、民泊に利用できる施設や建物を所有していればすぐに民泊が始められるというわけではありません。
また、民泊に利用する住宅のオーナーから管理委託を受ける管理業者は住宅宿泊管理業に該当します。この住宅宿泊管理業を行うためには、ある条件を満たす必要があります。
役割4:個人の住宅宿泊管理業者としての登録要件
住宅宿泊事業者は管理業務を住宅宿泊管理業に委託することが義務付けられています。住宅宿泊管理業を行うための登録が必要です。
どの条件もそれほど難しいものではありませんが、その条件の中に、個人の場合であれば、住宅の取引又は管理に関する2年以上の実務経験、宅地建物取引士、管理業務主任者(マンション管理士は含まない)、賃貸不動産経営管理士のいずれかを満たす必要があります。
法人の場合は、また条件が変わります。
賃貸不動産経営管理士の立場別のメリット
賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業者登録制度の創設や改正、民泊新法の施行、不動産管理の重要性の高まりなど、いろいろな要素によって、その役割の重要性が高まってきました。
そのため、賃貸不動産経営管理士の需要も高まってきていて、資格を取ることのメリットも大きくなってきています。
また、賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産経営管理士としてどのような立場で業務を行うかによっても得られるメリットが異なります。
1:不動産者
賃貸不動産経営管理士は、アパートやマンションなどの賃貸住宅の管理に関する専門的な知識や技能を持つ専門家のことです。また、貸主との間で交わす重要な書類のやりとりもします。
そのため、賃貸不動産経営管理士が不動産業者として業務を行えば、業務範囲の幅を大きく広げることができます。また、賃貸不動産経営管理士ということで、家主や入居者の信頼を得やすくなるというメリットもあります。
2:不動産関連業務の方
賃貸不動産経営管理士は不動産関係の会社でなければ活躍できないというわけではありません。
どのような会社でも、社宅や新規店舗、不動産関連部門の創設や事業拡大など、いろいろな形で不動産関連の業務が必要となることがあります。
これらのときに、賃貸不動産経営管理士の資格があれば、業務を行いながら専門分野の知識を高めることも可能です。また、事業内容によっては、従業員に資格取得を促す会社もあります。
3:賃貸物件のオーナー希望者
副業や節税対策などで不動産投資を始める人もいます。しかし、家賃収入が目的の不動産投資であれば、不動産や投資、経営などに関する多くの知識が必要となります。
賃貸不動産経営管理士では、建物管理や空室対策、節税対策などの賃貸経営に必要な知識を身につけることができます。また、所有する物件の自主管理のレベルを上げることも可能で、長期的に安定した賃貸経営が行いやすくなります。
4:学生・主婦・一般の社会人の方
先に述べた通り、賃貸不動産経営管理士の需要は高まっています。そのため、賃貸不動産経営管理士の資格を持っていれば、就職や転職などに有利となることがあります。
また、住宅の知識を持つことで、住宅問題を回避することができます。他にも、部屋を借りたり、物件の購入を検討する際に、不動産会社の営業トークを見抜いたりすることもできるようになるので、日常生活の中でも、役に立つ知識を身につけることができます。
賃貸不動産経営管理士の資格試験と対策
賃貸住宅管理業者登録制度の創設や改正、民泊新法の施行、不動産管理の重要性の高まりなど、いろいろな要素によって、賃貸不動産経営管理士の役割の重要性が高まっています。
そのため、賃貸不動産経営管理士の需要は多くなってきていて、賃貸不動産経営管理士の資格を取得しようとする人も増えてきています。
賃貸不動産経営管理士になるためには、賃貸不動産経営管理士試験に合格し、登録手続きを行う必要があります。
資格試験日程
賃貸不動産経営管理士試験の受験資格は特にありません。賃貸不動産経営管理士試験は年に1回で、毎年11月中旬頃に行われます。受験料には12,000円(税別)が必要となります。
多少の変更はありますが、主な実施地域は札幌、仙台、東京、横浜、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄です。
試験は毎年11月中旬頃に行われますが、合否発表までは少し期間があり、翌年の1月中旬頃になります。
受験対策講座
賃貸不動産経営管理士の需要は高まっています。そのため、賃貸不動産経営管理士の資格試験を受ける人も増えてきています。
また、賃貸不動産経営管理士の資格試験を受ける人が増えたことで、多くの受験対策講座も開かれるようになりました。
賃貸不動産経営管理士試験の受験対策講座には、ビジネススクールやWEB講座などがあり、それぞれ内容や講座回数や期間などが異なるため、自分に適したものを選ぶ必要があります。
賃貸不動産経営管理士の資格試験概要と対策
先に述べた通り、賃貸不動産経営管理士の需要は多くなってきていて、賃貸不動産経営管理士の資格を取得しようとする人も増えてきています。また、賃貸不動産経営管理士試験を受ける人が多くなったことで、受験対策講座なども増えてきています。
受験対策講座では公表されている試験内容だけでなく、過去の出題傾向などから次回の試験での出題予想をして、対策を立てているものも多くあります。
資格試験実施要領
賃貸不動産経営管理士試験の試験内容は、賃貸管理に関する実用的な知識の必要レベルを持っているかどうか判断するための内容となっています。
その内容には「賃貸住宅管理業者登録制度」、「管理業務の受託」、「借主の募集」、「賃貸借契約」、「管理実務」、「建物・設備の知識」、「賃貸業への支援業務」などについて関する事項となっています。
また、2018年の賃貸不動産経営管理士試験の全体合格率は50.7%でした。
受験対策講座
公式テキストを使用した賃貸不動産経営管理士講習も行われています。講習は2日間に渡って行われ、多少の変更はありますが、札幌、仙台、東京、横浜、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄など、全国で実施されています。
この講習修了者が賃貸不動産経営管理士試験を受験する場合は、出題40問のうち、4問が免除されます。その有効期間は2年です。定員に達した時点で受付終了となるので注意が必要です。
賃貸不動産経営管理士の資格取得を目指そう
賃貸不動産経営管理士とはアパートやマンションなどの賃貸住宅を管理する専門的な知識や技能を持つ専門家のことです。賃貸不動産経営管理士の需要は高まっていて、資格取得を目指す人も増えてきています。
賃貸不動産経営管理士の資格があれば、仕事に役立てたり、就職や転職に有利になったり、日常生活でもいざというときに非常に役立つ知識を身につけておくことなどができるので、頑張って資格取得を目指しましょう。