キャピタルゲインの対象4選|キャピタルゲインの特徴4選や計算の仕方も紹介
2021 06.2この記事はPRを含みます
キャピタルゲインについて
キャピタルゲインとは、自身が保有している資産の購入価格と売却価格の差額によって得られる収益のことです。おもな保有資産として、株式や債券などの金融商品が挙げられます。
キャピタルゲインの例として、株価50万円で購入した株式が55万円の時に売却した場合、5万円の収益を得られます。このように、購入した金融商品が値上がりした時点で、売却した利益を得ることがキャピタルゲインです。
キャピタルロスについて
キャピタルロスとは、保有資産の購入価格と売却価格の差額によって失った損失のことです。「キャピタル(capital)」とは資産・資本のことを指し、「ロス(loss)」には損失の意味があります。
例えば、50万円で購入した株式が45万円に値下がりした場合、5万円の損失が発生したことになり、この損失をキャピタルロスと言います。
キャピタルゲインとインカムゲインの違いについて
キャピタルゲインとインカムゲインの違いとして「収益を得るタイミング」が挙げられます。「収益を得るタイミング」とは、キャピタルゲインとインカムゲインで収益を得られる時期の違いを指します。
キャピタルゲインは「資産の売却時に得られる収益」ですが、インカムゲインは「資産の保有中に得られる収益」です。インカムゲインの具体例としては、不動産投資の家賃収入や株式の配当金、利付債券や銀行預金の受取利息などがあります。
キャピタルゲインの対象4選
キャピタルゲインとは、資産の購入価格と売却価格の差額で生じる収益を指します。資産の売買によって得られる資産として挙げられるのは、不動産投資、投資信託、株式投資、預金です。ここでは、それぞれの資産の特徴や注意点について解説します。
キャピタルゲインの対象1:不動産投資
キャピタルゲインの対象となる不動産投資は、不動産の売買によって生じる利益のことを指します。不動産とは、土地および土地に定着している物のことです。定着物としては、建物、橋、石垣、立木を指します。ただし、不動産の中で家賃収入はインカムゲインになります。
また、キャピタルゲインの不動産投資は売買金額が高額のため、利益額は大きくなりますが、高リスクなので注意が必要です。
キャピタルゲインの対象2:投資信託
投資信託がキャピタルゲインの対象になる理由は、投資信託の売買によって利益が生じる可能性があるからです。ただし、投資信託の購買時よりも、売却額が値上がりしている必要があります。
投資信託とは金融商品の1種で、投資家から集めたお金を資金として専門家が株式や債券に投資・運用するものです。そして専門家が株式や債券を運用した結果を、投資額に応じて投資家に分配する仕組みになっています。
分配金はインカムゲインになりますが、投資信託の売買によって得た収益はキャピタルゲインです。また、投資信託は長期保有が前提となっていますが、ケースによっては途中で売買することがあります。
キャピタルゲインの対象3:株式投資
株式投資がキャピタルゲインの対象になる理由は、株式の売買によって収益が得られる可能性があるからです。ただし、株式の購入額よりも売却額が値上がりしていなければなりません。株式投資でキャピタルゲインを得るためには、株価や企業の動向を分析する必要があります。
株とは企業の資金調達の1つです。投資家が株を購入することで、企業は資金を集めることができ事業を拡大できます。また、利益の一部を配当金や優待として、投資家に還元している企業もあります。
キャピタルゲインの対象4:預金
預金の場合「外貨預金」がキャピタルゲインの対象になります。「外貨預金」とは外国の通貨で預金することで、為替レートによって利益が生じる可能性があるため、キャピタルゲインの対象になるのです。
外貨預金は、預入時と払戻時の為替レートの変動によって利益を生じます。例えば、1ドル=100円で預入をスタートし、払戻時に1ドル=110円になっていれば利益を得られます。外貨預金は日本円での預金とは異なるので注意が必要です。
キャピタルゲインの特徴4選
キャピタルゲインの特徴を4つ紹介しましょう。今回は「大きく利益が得やすい」「利益が生まれるか予想ができない」「利益か損失かは資産を売らないとわからない」「元本が割れる危険性がある」の特徴について解説します。
キャピタルゲインとはどのようなものか理解するとともに、メリットとデメリットについて知っておくことが大切です。
キャピタルゲインの特徴1:大きく利益が得やすい
キャピタルゲインの特徴の1つに、大きな利益を得やすいというメリットがあります。特に、株式の売買では株価の動きによって大きな利益を得る可能性があるでしょう。
配当金などのインカムゲインの場合、年利数パーセントの利益です。しかし、株式の売却益によるキャピタルゲインは、株価の値上がり次第で、数十パーセント、あるいは数倍の利益を得る可能性があります。
キャピタルゲインの特徴2:利益が生まれるか予想ができない
キャピタルゲインの特徴の1つに、利益が生まれるか予想できないことが挙げられます。キャピタルゲインは資産の値上がり利益のため、資産が確実に値上がりするかどうかを保証できません。
例えば、株式の場合、株価が上昇することもあれば下降することもあります。いくら株価が上昇しても、利益を確定させなければ、いつの間にか株価が下降してしまう可能性があるでしょう。
キャピタルゲインの特徴3:利益か損失かは資産を売らないとわからない
キャピタルゲインは売却益になるため、資産を売らなければ利益を得られるかどうかわからないという特徴があります。
例えば、保有している株式の株価が上昇している場合、売却して初めて利益が確定します。そのため、保有している資産で最終的に利益を得られるかどうかは、売却時にどれだけ値段を上げているかがポイントです。
キャピタルゲインの特徴4:元本が割れる危険性がある
キャピタルゲインは元本割れのリスクがあるので、投資に安全性を求める人は注意が必要です。キャピタルゲインは、金融商品を安く買って高く売ることで利益を得る投資方法です。そのため、購入額よりも安い価格で売却してしまうと元本が割れてしまいます。
資産は経済変動や経営不振、自然災害など予測できないことで変動する可能性がありますので、投資するときはキャピタルゲインのリスクやデメリットを理解することが大切です。
キャピタルゲインの課税に関して
キャピタルゲイン課税とは、債券や株式などの有価証券が値上がりしたときに課せられる税金です。日本では「譲渡所得」に分類され、所得税・住民税・復興特別所得税が課せられます。
ただし、復興特別所得税は課税期間が設けられており、2013年1月1日から2037年12月31日までの期間、所得税に上乗せされています。
例えば、キャピタルゲイン課税の内、投資信託と株式は申告分離課税で一律20.315%です。では、どのようなタイミングで課税されるのか解説しましょう。
課税のタイミング
キャピタルゲインが課税されるタイミングは「資産の売却時」になり、所得は「譲渡所得」に分類されます。株式や投資信託の譲渡所得は申告分離課税になるので、一律20.315%です。一方、不動産の場合は所有期間によって税率が異なるので注意しましょう。
不動産は5年以上所有していると長期譲渡所得となり、税率は22.1%です。また、短期所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得となり、41.1%の税率になります。
キャピタルゲイン課税は売却時に課せられる税金のため、利益が確定していない含み益の段階では課税されません。
キャピタルゲインの計算の仕方
キャピタルゲイン課税のためにも、どれだけ利益を得たのか把握する必要があります。一方、
キャピタルロスがおこっている場合は損失を知っておくことも大切です。今回は、キャピタルゲインの収益と損失の計算方法について解説します。
収益
キャピタルゲインの収益の計算方法は、「売却価格-購入価格-手数料-税金」になります。資産運用は手数料や税金が発生するので、単純に「売却価格-購入価格」にはならないため注意してください。
譲渡損
譲渡損が発生した場合、つまりキャピタルロスでは「売却価格-購入価格-手数料」という計算式になります。キャピタルロスが発生した場合は課税されないため、このような計算式になります。譲渡損を計算するときは注意が必要です。
キャピタルゲインについて理解し上手く活用していきましょう
資産運用するときは、金融に関する正しい情報を入手した上で、自己責任に基づいて活用することが大切です。税金や課税制度については、変更する可能性もあるので自分で確認するよう心がけてください。
投資する人は誰もが、収益つまりキャピタルゲインを得たいと考えているでしょう。うまく運用できれば、大きな利益を得る可能性もあるでしょうが、一方では損失を被るかもしれません。
今回はキャピタルゲインの概要や特徴、課税や計算方法について解説しました。メリットやデメリットを十分に理解した上で、慎重に運用してください。