2020年12月に国内の取引所に続々と上場されて、話題となった銘柄テゾス(XTZ)を知っていますか?
テゾスは、国家レベルで認められている、数少ない仮想通貨です。たとえば、フランスの中央銀行と、デジタルトークンの開発で連携しています。
今回の記事では、テゾスの特徴と、保有するメリットとデメリット、価格動向や購入方法などを、網羅的に解説していきます。
※以下の情報は、全て2022年2月現在の情報です。
目次
テゾス(XTZ)の基本情報
テゾス(XTZ)は、コンセンサスアルゴリズムと、ブロックの形成方法特徴のある仮想通貨です。
以下の表に、テゾスの基本情報をまとめました。(2022年2月21日時点)
仮想通貨銘柄 | テゾス |
ティッカーシンボル | XTZ |
開発者 | アーサー・ブレイトマン氏、キャスリーン・ブレイトマン氏 |
取引開始年月 | 2017年7月 |
時価総額 | 約3408億円 |
価格 | 約388円 |
コンセンサスアルゴリズム | LPoS(リキッド・プルーフ・オブ・ステーク) |
発行上限 | 100億枚 |
<h2>テゾス(XTZ)の特徴</h2>
テゾス(XTZ)には以下の4つの特徴が存在します。
- LPoS(リキッド・プルーフ・オブ・ステーク)を採用している
- 独自のスマートコントラクトを採用している
- アップデートにハードフォークを必要としない
- ブロック生成者「ベイカー」が存在する
テゾス特有のものばかりなため、他の通貨との差別化が図れています。
LPoS(リキッド・プルーフ・オブ・ステーク)を採用している
テゾス(XTZ)は、コンセンサスアルゴリズムにLPoS(リキッド・プルーフ・オブ・ステーク)を採用している仮想通貨です。
普通、仮想通貨取引では、マイニングと呼ばれる取引承認を行います。この仕組みが、コンセンサスアルゴリズムです。
コンセンサスアルゴリズムは、仮想通貨ごとに異なります。主なものは、以下の通りです。
- ビットコイン(BTC)の場合:PoW(プルーフ・オブ・ワーク)
- イーサリアム(ETH)の場合:PoS(プルーフ・オブ・ステーク)
- テゾス(XTZ)の場合:LPoS(リキッド・プルーフ・オブ・ステーク)
LPoSは、取引データの承認を行うマイナーを、通貨保有者から選出する仕組みであるPoSから派生したものです。
LPoSでは、マイナーになるための条件として、通貨保有量を厳しく設定しています。
一方、テゾスを少しだけ保有している者は、マイナー候補に自分の保有分を委託することによって、取引承認に参加することができる仕組みです。これによって、LPoSでは多くの通貨保有者が取引承認に参加できます。
LPoSを採用している仮想通貨は、現状多くありません。
独自のスマートコントラクトを採用している
テゾス(XTZ)は、イーサリアム(ETH)の代名詞であるスマートコントラクトを採用していますが、内容に独自性があります。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上の取引に関するデータをあらかじめプログラミングしておくことで、自動履行が可能になる仕組みのことを言います。
テゾスでは、Formal Verification(フォーマル・バリフィケーション)を導入しており、取引データを数学的アプローチから検証して、エラーが少ない正確な取引承認を可能にしています。
アップデートにハードフォークを必要としない
テゾス(XTZ)は、プラットフォームのアップデートを行うときに、ハードフォークを必要としないため、それによるデメリットを回避することができます。
仮想通貨は定期的なアップデートのためにハードフォークを行うことで、利用者のアクセス集中に伴う手数料の高騰や取引の遅延の発生を抑えています。
一方で、ハードフォークには、分岐前の通貨価値が下落してしまう、価格が乱高下してしまうというデメリットがあります。
たとえば、ビットコイン(BTC)は取引速度の改善のために2017年にハードフォークを行い、ビットコインキャッシュ(BCH)との分断を経験しました。
テゾスは、このように通貨の分断を伴うことなくアップデートが可能なので、比較的安定した通貨であると言えます。
ブロック生成者「ベイカー」が存在する
テゾス(XTZ)のブロック生成は、8,000XTZを保有しているブロック生成者である「ベイカー」が行います。ベイカーによるブロック生成の報酬は、16XTZに設定されています。
しかし、8,000XTZというと、2022年2月時点で310万円が必要になってくるため、誰もがベイカーになれるわけではありません。
一方で、ベイカーの条件に満たない人でも、ベイカーに対して投票権を託すことで、手数料として報酬がもらえます。参加する全員に、積極的な参加が期待されています。
テゾス(XTZ)のメリット
テゾス(XTZ)には、以下の3つの保有するメリットがあります。
- ステーキングサービスを受けることができる
- NFT市場への参入で価格上昇が期待できる
- セキュリティが高い
キャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙える可能性を秘めているのは、大きなメリットと言えるでしょう。
ステーキングサービスを受けることができる
テゾス(XTZ)を保有するメリットとして、ステーキングサービスによるインカムゲインが挙げられます。
先述の通り、テゾスはベイカーと呼ばれるブロック生成者になることで、利回り6.75%~10.60%の報酬を得ることができます。
海外の仮想通貨取引所である、Binance(バイナンス)やCoinbase(コインベース)などで、ステーキングサービスが受けられます。すべての取引所でテゾスのステーキングサービスが受けられるわけではないため、注意が必要です。
NFT市場への参入で価格上昇が期待できる
テゾス(XTZ)は、「tzcolor」と呼ばれるNFT分野のプロジェクトを進めています。tzcolorとは、色自体をNFT化して市場に流通させることを目的としたプロジェクトです。
NFT分野のブロックチェーンには、イーサリアム(ETH)が広く利用されてきました。しかし、NFT電子市場「Rarible」が、テゾスのブロックチェーンを採用したことを発表するなど、NFT分野で実用化の実績が積み上げられています。
今後もNFT分野への参入が進むことで、テゾスの需要が高まると、価格上昇の可能性があるでしょう。
セキュリティが高い
テゾス(XTZ)はセキュリティの高さが魅力です。
テゾスは、スマートコントラクトにFormal Verification(フォーマル・ベリフィケーション)を採用しています。取引検証の妥当性を検証することで、不正アクセスやエラーへの耐性を高めているのです。
テゾス(XTZ)のデメリット
メリットの多いテゾス(XTZ)ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 時価総額がすでに高い銘柄である
- ネガティブな印象を持つ人も存在する
- ボラティリティ(変動率)が高い
以下、詳しく見ていきましょう。
時価総額がすでに高い銘柄である
テゾス(XTZ)は時価総額がすでに高い銘柄であり、伸びしろが小さい可能性があります。
多くの投資家は、将来性が高い新興市場への投資によって、大きな値上がり益を狙っています。
しかし、テゾスの市場規模ランキングは、現在44位です(2022年2月21日時点)。過去には、10位にランクインしたこともあるほど、時価総額や知名度が大きい仮想通貨と言えます。
そのため、短期的に10倍~100倍に伸びるような値上がりを狙う銘柄ではなく、ステーキングサービスの利用や、長期保有によって、じっくりと利益を伸ばしていくことに向いた銘柄です。
仮想通貨市場において、すでにビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のような安定感があるということは、大きな値上がり益を上げることを狙う投資家にとっては、デメリットと言えるでしょう。
ネガティブな印象を持つ人も存在する
テゾス(XTZ)には、ネガティブな印象を持つ人もいます。2017年に、アメリカの証券取引法違反の疑いで集団訴訟の対象になったためです。
この背景には、テゾス財団がICOによる資金調達として、「未登録証券」と黙してテゾスの販売を行っていたことがあります。
裁判は3年以上に渡って続けられ、2020年3月に和解金2,500万ドル(約26億円)の支払いによる和解が成立しています。
投資家の中には、この訴訟によってテゾスの印象が良くない方もいるでしょう。こうしたネガティブな過去が、テゾスの成長を阻害する可能性もあります。
ボラティリティ(変動率)が高い
テゾス(XTZ)は、市場規模が大きい仮想通貨銘柄でありながらボラティリティ(変動率)が大きいのが特徴です。
仮想通貨は全体的にボラティリティが高い市場ですが、その中でもテゾスは流通量がビットコイン(BTC)ほど高くないため、特に一日の値幅が大きくなる傾向があります。
投資タイミングを誤ると大きな含み損を抱えてしまうことも考えられるため、ドルコスト平均法で高値掴みのリスクを減少させるなど、テゾスの特徴を踏まえた投資を心がける必要があるでしょう。
テゾス(XTZ)の価格動向
以下のチャートは、テゾス(XTZ)の価格推移を示したものです。(2022年2月21日時点)
▲出典:CoinMarketCap
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/tezos/
テゾスは2014年にホワイトペーパーが作成されました。しかし、実際にローンチされたのは2018年でした。ローンチ後は、高いボラティリティを保ちながら、50円~500円の幅で推移しています。
2021年に入ってからは価格の大きな上昇が見られ、2021年5月、11月と立て続けに史上最高値を更新して行きました。
価格上昇の要因は、テゾスの新規上場と言ったイベントのほかに、仮想通貨市場やNFT市場への注目度の高まりが挙げられます。
テゾス(XTZ)の将来性が期待できる理由
テゾス(XTZ)の将来性は以下の理由で期待できると考えられます。
- 中央銀行からお墨付きをもらっている
- 新規参入のNFT市場で結果を出している
- 複数のプロジェクトで実用化が進んでいる
テゾスプラットフォームを利用した様々なプロジェクトの存在が、将来の価格上昇への期待感につながっていると言えます。
中央銀行からお墨付きをもらっている
テゾス(XTZ)は、フランスの中央銀行が発行することを目指しているデジタル通貨「CBDC」の実証実験に採用されています。
CBDCは、中央銀行が発行する法定通貨を、デジタル通貨としてテゾスプラットフォームを利用してトークン化することで達成できます。
現在は銀行決済などの実用化に向けて実証実験が進められている最中です。将来テゾスプラットフォームを使っているCBDCの実用化が発表されたときに、テゾスの大きな値上がりが期待できます。
新規参入のNFT市場で結果を出している
テゾス(XTZ)はNFT市場の分野への進出を積極的に行っており、今後の活躍が期待されています。
実際に、NFT電子市場「Rarible」では、テゾスのブロックチェーンの採用が発表されました。今後も他のNFTプラットフォームで、テゾスが採用され、価格が上昇することが期待できます。
複数のプロジェクトで実用化が進んでいる
テゾス(XTZ)は、知名度の高い企業との共同プロジェクトを数多く手がけ、その実用化を進めています。
レーシングマシンの開発を手がけるレッドブル・レーシング・ホンダは、テゾスのブロックチェーンを使って、レーシングマシンのデジタルコレクションNFTの発売を公表しました。
また、フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルグループでは、テゾスのブロックチェーンから6億円相当のセキュリティトークンを発行したことを発表しています。
複数のプロジェクトが世界中で開発されており、今後もテゾスプラットフォームを使ったプロジェクトの実用化のニュースが聞かれることでしょう。
アップデートによる市場価値の増加が期待できる
テゾス(XTZ)は、そのアップデートにより、今後も価格上昇が期待できます。
たとえば、2020年11月には、送金手数料の削減と遅延の解消を目的としてアップデートが行われました。
テゾスはハードフォークを伴わないアップデートが可能なため、今後も利用者の拡大による新たな問題点が生まれたとしても、アップデートで解消していくとみられています。
テゾス(XTZ)の価格に影響する要因
テゾス(XTZ)の価格変動は、以下の4つの要因によって影響を受ける可能性が高いです。
- デジタル通貨「CBDC」が実用化されるか
- ステーキングサービスの広がりがあるか
- NFT市場の動向
- アップデートが実行されるかどうか
テゾスプラットフォームが関与しているプロジェクトの成功が、テゾスの価格上昇の鍵となっています。
デジタル通貨「CBDC」が実用化されるか
テゾス(XTZ)のプラットフォームが採用された、フランスの中央銀行が開発中のデジタル通貨「CBDC」が実用化されるか否かが、テゾスの今後を左右するとみられています。
将来的に実用化が進めば、他の国家の中央銀行も、テゾスプラットフォームを利用したCBDCの作成に動き出す可能性もあります。
しかし、CBDCには、取引に関するプライバシーが中央銀行によって管理されうるという問題点や、サイバー攻撃の脅威がますます増えていくのではという懸念点が挙げられています。
開発の過程で問題点が浮き彫りとなったり、プロジェクトが未達成のまま終了してしまったりすると、すでに期待感が織り込まれている市場が、大きな暴落を迎えることもありえるでしょう。
ステーキングサービスの広がりがあるか
ステーキングサービスの広がりは、テゾス(XTZ)の価格に影響を与えるでしょう。
ステーキングサービスによって、市場に流通している通貨の量が減ると、テゾスの通貨としての価値が高まり、価格が上昇する可能性があります。
現在、海外の仮想通貨取引所を除くと、国内の仮想通貨取引所でテゾスのステーキングサービスを提供しているのはGMOコインのみです。ステーキングサービスを提供する取引所の拡大が、テゾスの価格にも影響を与えることになるでしょう。
NFT市場の動向
NFT市場の動向が、テゾス(XTZ)に与える影響も無視できません。
現在のNFT市場の主流のブロックチェーンは、イーサリアム(ETH)です。テゾスは、NFT市場に参入してまだ間もないため、NFT電子市場「Rarible」でのブロックチェーンプラットフォームの採用による実績があるものの、イーサリアムの牙城を崩すには至っていません。
仮に、テゾスがイーサリアムの現在のシェアを脅かす存在にまで成長した場合、価格高騰への期待もできるでしょう。
アップデートが実行されるかどうか
テゾス(XTZ)で予定されているアップデートが、実行されるかどうかも、価格に影響するでしょう。
テゾスには、すでにいくつかのアップデートが予定されています。一例を挙げると、現在のテゾスは「エミー+」と呼ばれるアルゴリズムを採用していますが、今後のアップデートによって「エミー*」と呼ばれるアルゴリズムに切り替わります。
このアップデートによって、取引の処理速度が半分になり、高速のテゾスの取引が可能です。
今後、こうしたアップデートが効果的に行われて、競合の仮想通貨を抑えることができるかどうかが、テゾスの価格に大きな影響を及ぼします。
テゾス(XTZ)の価格予想
将来への期待が高まるテゾス(XTZ)ですが、さまざまな価格予測がたてられています。
海外の仮想通貨メディアの予測を見ていきましょう。
Digitalcoin(デジタルコイン)の予想
Digitalcoin(デジタルコイン)は、仮想通貨をはじめとする経済トピックスを伝える海外のメディアです。
以下の表に、Digitalcoinが予測しているテゾス(XTZ)の価格をまとめました。
2021年 | 7.93ドル |
2022年 | 9.10ドル |
2025年 | 17.05ドル |
2028年 | 23.18ドル |
テゾスは、独自のコンセンサスアルゴリズムの採用や、ハードフォークを伴わずにアップデートが可能なところが評価されて、短期的にも長期的にも価格の上昇が予測されています。
Crypto Coin Society(クリプトコイン・ソサイエティ)の予想
Crypto Coin Society(クリプトコイン・ソサイエティ)は、海外の仮想通貨専門メディアです。テゾス(XTZ)の長期保有によって、4年間で約3倍の価格上昇が見込まれると予測しています。
根拠としては、ステーキングサービスによるインカムゲインとサービス拡大による市場価値の高まりです。
また、ハードフォークによる下落リスクが低いために、安定感のある仮想通貨として評価の対象になっています。
Previsioni bitcoin(プレビジョン・ビットコイン)の予想
Previsioni bitcoin(プレビジョン・ビットコイン)は、アメリカの大手仮想通貨予測サイトです。独自のアルゴリズムを使用して今後も価格予測をたてています。
テゾス(XTZ)への見解を、以下の表でまとめました。
2021年 | 4ドルから7ドルに上昇傾向で推移 |
2022年 | 2月から3月にかけて大きく上昇し、5月まで上昇局面が続く見通し |
2023年 | 4.3-12.71ドル付近の価格の乱高下を予測 |
長期的な予測としては、テゾスの価格成長は止まらないことが期待できる内容です。
予測サイトの長期見通しは、災害や金融危機のような予期せぬショックがない限り、正確に投資家心理を反映している場合が多いため、参考にすることをおすすめします。
テゾス(XTZ)を購入できるおすすめ取引所:bitFlyer(ビットフライヤー)
テゾス(XTZ)の取引におすすめの国内仮想通貨取引所は、bitFlyer(ビットフライヤー)です。
ここでは、ビットフライヤーの詳細情報について解説していきます。
bitFlyer(ビットフライヤー)は、2020年12月からテゾス(XTZ)の取り扱いを開始しています。テゾスの取引は、1円という少額から可能です。
国内最大級の流通量を誇る取引所で、セキュリティ性も高く、取引を始めるには最適と言えます。
名称 | bitFlyer(ビットフライヤー) |
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取り扱い通貨 | 15種類 |
最低取引額 | 100円 |
販売所手数料 | 0円 |
取引所手数料 | 0.01%~0.15% |
入金手数料 |
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出金手数料 | 220円~ |
送金手数料 |
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安全性/セキュリティ | コールドウォレット/マルチシグ/二段階認証/SSL |
運営企業 | 株式会社bitFlyer |
実用化が進むテゾス(XTZ)に投資しよう
テゾス(XTZ)は、独自のコンセンサスアルゴリズムを持ち、ハードフォークを伴わずにアップデートが可能という特徴を持っています。
他の仮想通貨との差別化が図れているうえ、実用化のためのプロジェクトが進行しているため、将来の価格上昇に期待がかかる仮想通貨です。
これを機に、是非テゾスへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。