ビットコインキャッシュ(BCH)は、ビットコイン(BTC)のアップデートの段階で分離して生まれた仮想通貨です。
ビットコインを上回る性能を備えていることから、将来性が期待される仮想通貨の1つとされています。
今回の記事では、ビットコインキャッシュの特徴と、保有するメリットとデメリット、価格動向や購入方法などを網羅的に解説していきます。
※以下の情報は、全て2022年2月現在の情報です。
目次
ビットコインキャッシュ(BCH)の基本情報
ビットコインキャッシュ(BCH)は、その名の通り、仮想通貨の王様であるビットコイン(BTC)のルーツを持つ仮想通貨です。
そのため、コンセンサスアルゴリズムや発行上限枚数の設定など、基本的な仕組みは非常によく似ています。
ビットコインキャッシュの基本情報を、以下に表でまとめました。(2022年2月16日時点)
仮想通貨銘柄 | ビットコインキャッシュ |
ティッカーシンボル | BCH |
開発者 | アモーリ・セシェ氏 他 |
開発年 | 2017年8月 |
時価総額 | 約7,500億円 |
価格 | 約38,000円 |
コンセンサスアルゴリズム | PoW(プルーフ・オブ・ワーク) |
発行上限 | 2,100万 BCH |
ビットコインキャッシュ(BCH)の特徴
ビットコインキャッシュ(BCH)には、以下のような特徴があります。
- ビットコインからハードフォークして生まれた通貨
- スマートコントラクトを実装している
- 送金速度が速く手数料も安い
- マイニング難易度を調整するアルゴリズムを採用している
ビットコイン(BTC)から分離して独立した通貨ならではの共通点と、ビットコインにはない独自の強みが特徴です。ここでは、特徴を詳しく解説していきます。
ビットコインからハードフォークして生まれた通貨
ビットコインキャッシュ(BCH)は、2017年8月1日にビットコイン(BTC)からのハードフォークによって誕生しました。
ハードフォークとは、機能や仕組みの改善を目的とした、仮想通貨のネットワークの大幅なアップデートのことを言います。
もともと、ビットコインにはスケーラビリティ問題と呼ばれる、取引者数の増加による取引の遅延が発生していました。
そのため、ビットコインは、取引データを圧縮する方向へと開発が進められていきます。
しかし、一部の開発者の中で、取引データを格納するブロックの大きさを大きくすることで、スケーラビリティ問題を解決しようとする意見が生まれました。
この意見の対立によって、ビットコインとビットコインキャッシュに分離したのです。
大容量のブロックサイズを有している
上述の通り、ビットコインキャッシュ(BCH)は、取引データを格納するブロックの容量を大きくするという方向で、スケーラビリティ問題を解決しようとしています。
以下の表は、ビットコインキャッシュとビットコイン(BTC)のブロックサイズと、承認速度の違いをまとめたものです。(2022年2月16日時点)
通貨名 | ブロックサイズ | 取引承認速度 |
ビットコイン(BTC) | 1MB | 10分間 |
ビットコインキャッシュ(BTH) |
|
10分間 |
ビットコインキャッシュのブロックサイズは、分離当初は8MBでした。
これは、ハードフォーク前のビットコインと比べて、8倍の処理速度を実現していることを意味しています。
さらに、2018年5月のアップデートで、32MBまで容量を大きくしました。
スマートコントラクトを実装している
ビットコインキャッシュ(BCH)は、2018年5月のアップデートで、スマートコントラクトを導入しています。
スマートコントラクトとは、送金などの取引情報をブロックチェーン上で承認する際に、あらかじめ一定の取引に必要な契約内容をプログラミングしておくことで、自動で契約の履行を行うことができる仕組みのことです。
スマートコントラクトと言えば、イーサリアム(ETH)を連想する方も多いのではないでしょうか。
イーサリアムプラットフォームのスケーラビリティ問題を解決したのも、このスマートコントラクトの仕組みでした。
ビットコイン(BTC)にルーツを持つ通貨でありながら、イーサリアムの特徴を持つという点は、大きな特徴の一つと言えるでしょう。
マイニング難易度を調整するアルゴリズムを採用している
ビットコインキャッシュ(BCH)は、マイニングの難易度を調整するアルゴリズム「DAA(Difficulty Adjustment Algorithm)」を採用して、ビットコイン(BTC)で生まれた課題を克服しています。
マイニングとは、取引を承認する行為のことを指します。
マイニングを行ったマイナーと呼ばれる技術者は、報酬として通貨を受け取ることができるため、世界中でマイニング競争が繰り広げられているのです。
ビットコインのマイニングには難易度があるため、難易度が易しくなったタイミングで競争が激化するといった問題があります。
しかし、ビットコインキャッシュのマイニング調整アルゴリズムでは、難易度を緩やかに低下させていくため、競争の激化が抑えられるのです。
ビットコインキャッシュ(BCH)のメリット
ビットコインキャッシュ(BCH)に投資することによるメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 半減期が到来している
- 基軸通貨としての需要が高まっている
- 送金速度が速く手数料も安い
以下で詳しく見ていきましょう。
半減期が到来している
ビットコインキャッシュ(BCH)は、すでに半減期が到来していて、価格の上昇が見られています。
半減期とは、取引データの蓄積により、ブロックの量が一定数を超えたことで、マイニング報酬が自動的に半減するタイミングのことです。
半減期には、世の中に供給される仮想通貨の量が減っていくため、希少価値が高まり、一般的に通貨価格が上昇すると言われています。
投資家としては、半減期による通貨価格の上昇が期待できることが、大きなメリットと言えるでしょう。
基軸通貨としての需要が高まっている
ビットコインキャッシュ(BCH)は、すでにいくつかの仮想通貨取引所で基軸通貨として利用されています。
今後も基軸通貨としての需要が高まることが期待されており、価格上昇が期待できます。
基軸通貨とは、取引所の基本的な通貨交換の単位として採用されている通貨のことです。
取引所で基軸通貨として利用されているのは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)が代表的です。
ビットコインキャッシュは、それらに並ぶ形で、需要が高まっているのです。
送金速度が速く手数料も安い
ビットコインキャッシュ(BCH)は、送金速度の速さや手数料の安さなど、実需にも優れた特徴を持っています。
送金通貨として考えた際の、ビットコイン(BTC)との比較を表にしました。(2022年2月16日時点)
通貨名 | 送金にかかる時間 | 送金にかかる手数料 |
ビットコイン(BTC) | 約15分 | 数百円~数千円 |
ビットコインキャッシュ(BCH) | 約3分 | 数円~数十円 |
決済手段や送金手段として、ビットコインキャッシュの利用が進めば、知名度が拡大して値上がりが期待できます。
ビットコインキャッシュ(BCH)のデメリット
ビットコインキャッシュ(BCH)には、仕組みや機能面のメリットが多い一方で、以下のようなデメリットも存在します。
- ハッキングや不正アクセスのリスクがある
- 半減期にマイナーが撤退する可能性がある
- 高性能な競合通貨の出現リスクがある
特徴としては、仮想通貨への投資による一般的なリスクがあります。
ハッキングや不正アクセスのリスクがある
他の仮想通貨と同じように、ビットコインキャッシュ(BCH)には、ハッキングや不正アクセスのリスクがあります。
そもそも仮想通貨は、実体がないネットワーク上の通貨です。
そのため、ハッキングや不正アクセスによって仮想通貨の盗難や消滅がある可能性は否定できません。
また、悪意を持ったマイナーがハッシュレートの50%以上を保有したときに、取引データの改ざんや操作が可能になってしまうというリスクも存在します。
こうした問題は、時価総額が小さい新興の仮想通貨のみならず、ビットコインキャッシュも同じであるということを理解しておく必要があります。
半減期にマイナーが撤退する可能性がある
ビットコインキャッシュ(BCH)は、半減期にマイナーが撤退してしまう可能性があります。
先述の通り、ビットコインキャッシュには、半減期という、マイニング報酬が半減するタイミングが存在します。
半減期には、仮想通貨の供給量が少なくなるために、希少価値が高まるというメリットがありますが、そのタイミングでマイナーが撤退する可能性もあります。
既存のマイナーは、マイニング報酬が半減したビットコインキャッシュよりも、マイニング報酬が多く想定されている他の仮想通貨のマイナーになることも考えるでしょう。
もしも一斉にマイナーが撤退すると、仮想通貨の価値が下がってしまうことがあります。
高性能な競合通貨の出現リスクがある
ビットコインキャッシュ(BCH)よりも、高性能な競合通貨が出現するかもしれません。
ビットコインキャッシュが、ビットコインから分離したという話は先に述べました。
今後、より優れた新興通貨が現れる可能性は高いです。
競合通貨の存在は、仮想通貨市場全体で見たときに、ビットコインキャッシュの相対的な価値を下げることにつながります。
ビットコインキャッシュ(BCH)の価格動向
ビットコインキャッシュ(BCH)は、どのような価格動向を見せているのでしょうか。
以下のチャートは、ビットコインキャッシュが2017年に誕生してから、現在までの価格推移です。(2022年2月16日時点)
出典:CoinMarketCap
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoin-cash/
ビットコインキャッシュの直近の価格推移は、下落傾向が続いています。
2018年には、仮想通貨バブルにより他の仮想通貨と同様に、大きな価格の上昇が見られました。
その後は、2021年の上昇まで、価格は低迷しています。
2021年には、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった、主要な仮想通貨の価格上昇とともに、ビットコインキャッシュも価格を上げています。
他の仮想通貨との相関関係が高いと言えるでしょう。
ビットコインキャッシュ(BCH)の将来性が期待できる理由
ビットコインキャッシュ(BCH)の将来性が期待できる理由として、主に以下の2つが挙げられます。
- 決済通貨として普及する可能性がある
- 世界的大企業のマイニング参入が見られる
以下で、詳しく見ていきましょう。
決済通貨として普及する可能性がある
ビットコインキャッシュ(BCH)は、決済通貨として普及する可能性があります。
ビットコインキャッシュは、ビットコイン(BTC)から、決済通貨としての機能がグレードアップしている通貨です。
そのため、実際に決済通貨として利用している店舗や地域があります。導入例は、以下の通りです。
- PayPal決済
- クロアチアを拠点に小売業を営む「Konzum」のオンラインショッピングでの決済
- アメリカの映画館チェーン「AMCエンターテインメント・ホールディングス」のオンライン決済
現在、オンラインショッピングの決済を中心に、ビットコインキャッシュの利用は拡大しています。
今後も、決済手段にビットコインキャッシュを導入する、企業や地域が現れる可能性は高いでしょう。
世界的大企業のマイニング参入が見られる
ビットコインキャッシュ(BCH)のマイニングには、中国大手のBitmain社や、Amazonも参入しています。
大企業のマイニング参入によって、マイニングの難易度は上がっており、ブロックチェーンプラットフォーム全体の、安定性や安全性の向上につながっています。
世界的企業の参入のニュースは、ビットコインキャッシュにとって追い風になるでしょう。
ビットコインキャッシュ(BCH)の価格に影響する要因
将来性が期待できるビットコインキャッシュ(BCH)ですが、今後の価格変化には、以下の4つが影響してくると見られます。
- 基軸通貨として採用されるか
- 決済通貨として普及するか
- 半減期の到来時期がいつになるのか
- 規制緩和がいつになるのか
ビットコインキャッシュに期待が高まる分、本当に実現するかどうかが、価格を大きく左右するでしょう。
基軸通貨として採用されるか
ビットコインキャッシュ(BCH)の価格変化の一因は、基軸通貨として採用されるかどうかです。
現在では、多くの仮想通貨取引所が、ビットコイン(BTC)を基軸通貨に採用しています。
一方、一部の海外仮想通貨取引所は、ビットコインキャッシュ(BTC)の安定性と安全性を認めて、基軸通貨として採用し始めているのです。
今後も基軸通貨採用の流れが続くかどうかが、ビットコインキャッシュの価格に影響するでしょう。
決済通貨として普及するか
ビットコインキャッシュ(BCH)が決済通貨として普及するかどうかも、価格を占う指標の一つです。
先述の通り、ビットコインキャッシュは、ビットコイン(BTC)よりも優れた送金速度と送金手数料の安さを実現しています。
その結果として、オンライン決済大手企業であるPayPalがビットコインキャッシュを決済通貨に採用したり、国内でも楽天Payアプリの電子マネーチャージにビットコインキャッシュが利用できたりと、実用化の動きは加速しています。
今後の決済通貨としての普及によって、通貨の流動性が増し、通貨価値が上昇することが期待できるでしょう。
半減期の到来時期がいつになるのか
ビットコインキャッシュ(BCH)の半減期のタイミングも、通貨価格に影響するでしょう。
ビットコインキャッシュは、半減期に市場の通貨量が減り、希少価値が上昇するというポジティブなシナリオが想定されます。
一方で、半減期にマイナーにとっての魅力度が低下することで、マイナーが一斉に撤退して通貨価値が低下するという、ネガティブなシナリオもあるでしょう。
半減期は、ビットコイン(BTC)を参考にすると、以下のような規則性があると考えられます。
- 4年ごとに半減期を迎える
- 21万枚のマイニング報酬提供ごとに半減期を迎える
ビットコインを前身に持つビットコインキャッシュも、この規則性を踏襲しており、次回の半減期の到来は2024年ごろと考えられています。
市場価格がその予測が外れることを織り込んでいなかった場合、大きな価格の下落または大きな上昇局面を迎えることになるでしょう。
規制緩和がいつになるのか
規制緩和のタイミングも、ビットコインキャッシュ(BCH)の価格に大きく影響します。
たとえば中国政府は、ビットコインキャッシュを含む仮想通貨のマイニングに、規制をかけています。
また、韓国政府もマイニング規制を設けているほか、アメリカ政府も仮想通貨の交換業者に対して規制を進める方向です。
これら規制の主な目的は、仮想通貨の交換業者や取引所を装った詐欺やマネーロンダリングから国民の保護です。
しかし、先進国や技術力のある国の開発者や企業からのマイニングが行われないと、仮想通貨は成長が抑制されてしまいます。
今後、安全性を確認しつつ、規制緩和が行われる可能性もあるでしょう。
このように、世界的に仮想通貨に対しての規制が強化されている中で、規制緩和のタイミングがあれば、ビットコインキャッシュの価格は大きく上昇するでしょう。
ビットコインキャッシュ(BCH)の価格予想
ビットコインキャッシュ(BCH)の価格は、どのように予想されているのでしょうか。
これまで仮想通貨価格を予測してきたAIであるWebBotや、世界的に影響力を持つ投資家の発言を取り上げます。
WebBotの予測
WebBot(ウェブボット)の将来予測によると、ビットコインキャッシュ(BCH)の価格は、大手決済企業のサービス導入やSNSでの盛り上がりを受けて、上昇する見通しです。
WebBotとは、株価の値動きをSNSや掲示板の動向などから分析して予測するAIのことです。
Microsoftのコンサルタント経験がある、クリフ・ハイ氏が開発しました。
2017年から2018年の価格上昇の際は、WebBotの価格予測が的中した時期もありましたが、反対に予測を下回った時もありました。
WebBotの指標は、一つの参考としてとどめておきましょう。
個人投資家の発言
ビットコイン(BTC)関連のスタートアップ成功者である、エンジェル投資家のロジャー・バー氏は、「ビットコインキャッシュ(BCH)はビットコインの派生ではなく、オリジナルのコインである」と発言しています。
ビットコインキャッシュは、ビットコインと相関関係が高いとされていました。
ビットコインキャッシュが、多くの個人投資家から独立した仮想通貨であると認められれば、将来的にはビットコインと乖離した値動きを示すことになるかもしれません。
ビットコインキャッシュ(BCH)を購入できるおすすめ取引所
ビットコインキャッシュ(BCH)は、国内でも多くの仮想通貨取引所で取引できます。
以下は、すべてビットコインキャッシュの取扱いがある、金融庁登録済みの仮想通貨取引所です。
- Coincheck(コインチェック)
- bitFlyer(ビットフライヤー)
- DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
- bitbank(ビットバンク)
- FTX Japan
- Houbi Japan(フォビジャパン)
金融庁登録済みの仮想通貨取引所は、セキュリティの面でも高いクオリティを実現しているため、安心してビットコインキャッシュの取引が行えます。
ビットコインキャッシュ(BCH)に投資しよう
ビットコインキャッシュ(BCH)はビットコイン(BTC)からハードフォークによって生まれた仮想通貨です。
しかし、ビットコインにはないスマートコントラクトの実装や、ブロックサイズの拡大による取引データ容量の上限増加など、ビットコインキャッシュ独自の進化を遂げています。
現在、ビットコインキャッシュの実用化が進められているため、絶好の投資タイミングであると言えるでしょう。
是非一度、ビットコインキャッシュへの投資について、検討してみてはいかがでしょうか。