ファクトム(FCT)は、電子データを記録して保管する分散型のプラットフォーム「Factom(ファクトム)」で使用される仮想通貨です。
ファクトムを扱ってる取引所は日本にもあり、ファクトムの購入を検討している方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ファクトムの特徴・価格推移・今後の見通し・ファクトムを購入できるおすすめの取引所を詳しく解説するので、ぜひ取引の参考にしてください。
※以下の情報は、全て2022年2月現在の情報です。
目次
プラットフォーム・ファクトムの特徴
▲出典:FACTOM PROTOCOL https://www.factomprotocol.org/
ファクトムは、ブロックチェーン技術を使って、電子データを分散管理するための仕組みを提供するプラットフォームです。
2018年より、プロジェクトがコミュニティへとオープンソース化され、現在は「Factom Protocol(ファクトムプロトコル)」の名称で運営されています。
そんなファクトムには次の特徴があります。
- 電子データを管理するプラットフォーム
- 2つのプロジェクトで注目を集めた
- 国や大企業と提携している
- セキュリティ性が高い
- 2種類のトークンを発行している
順番に解説します。
電子データを管理するプラットフォーム
ファクトムは、電子データを管理するためのプラットフォームです。
ブロックチェーン技術を使用し、電子データを分散管理することで、安全性の高い管理システムの構築を目指しています。
既存の中央集権的なデータ管理システムでは、データを管理している会社がハッキングなどの被害に遭うと、情報漏洩やデータの改ざんにつながるリスクがあるものです。
一方、ファクトムの場合は、ブロックチェーン技術により、データを分散管理しているため情報漏洩や改ざんのリスクを軽減しています。
また、データを分散して保管することで、管理コストの低減も可能です。
2つのプロジェクトで注目を集めた
ファクトムは、次の2つのプロジェクトで注目を集めました。
- dLoc:医療記録管理システム
- ファクトハーモニー:住宅ローンデータ管理プロジェクト
それぞれ紹介します。
dLoc
dLocは、カルテ・出生証明書・手術への同意書など、医療現場で使用するデータを、一括管理するプラットフォームです。
従来、医療現場のデータは医療機関ごとにそれぞれ管理されていましたが、一括管理することで、医療情報を簡単に共有できるというメリットがあります。
dLocでは、スマートロックと呼ばれるシステムが導入されており、セキュリティも万全です。dLocステッカーと呼ばれるQRコードを読み込むことで、医療データにアクセスできます。
ファクトムのブロックチェーン技術を使用し、個人情報などが含まれる重要な医療情報が漏洩するリスクを低減しているのです。
ファクトハーモニー
ファクトハーモニーは、借金の状況・収入状況・資産情報・ローン申請情報など住宅ローンに関するデータを管理するプラットフォームです。
ブロックチェーン技術を使って、データを分散管理することで、安全かつ利便性を向上させた使い方を実現しています。
不動産売買の際にも、データを簡単にチェックできるため、コスト削減が可能です。
国や大企業と提携
ファクトムは、国や大企業と提携しています。過去に報じられた実績としては、ビルゲイツ財団・マイクロソフト・米国エネルギー省(DOE)などがあります。
ただし、ファクトムは、開発を行なっていたファクトム社が解散したため、2020年からプロジェクトの進捗状況が不透明な状況です。現在、提携している企業も不明であるため、利用する際は注意してください。
セキュリティ性が高い
ファクトムは、セキュリティ性が高く、安心です。
具体的には、次の4段階の確認プロセスによるコンセンサスプログラムを導入しています。
- プロセスリスト
- 議事録
- Factomブロック
- アンカー
データの認証ルートが、ビットコインとイーサリアムのブロックチェーンに公開されることで、、侵入不可能なセキュリティを実現しています。
2種類のトークンを発行
ファクトムは、ファクトム(FCT)とエントリークレジットの2種類のトークンを発行しています。
以下では、それぞれについて解説します。
ファクトム(FCT)
FCTは、仮想通貨取引所での取引を目的に作られたトークンです。ファクトムを利用するためには、まず、取引所でFCTを購入します。
FCTは、日本ではCoincheck(コインチェック)で取引できます。無料で口座開設できるので、この機会に口座開設してみてはいかがでしょうか。
FCTの時価総額ランキングは、968位で、順位は低下傾向です。と徐々に下がっており、世界での24時間の取引高は約18,000円ほどであるため、需要の高い通貨とは言えませ。
FCTの特徴を、以下にまとめました。(2022年2月18日時点)
通貨名 | Factom(ファクトム) |
シンボル | FCT |
価格 | 約117円 |
時価総額ランキング | 968位 |
主な取引所 | Coincheck |
公式サイト | FACTOM PROTOCOLの公式サイト |
▲引用:CoinMarketCap https://coinmarketcap.com/ja/
エントリークレジット
エントリークレジットは、ファクトムのプラットフォーム内で使用するトークンです。
取引所での取り扱いはなく、ファクトムのプラットフォームで、FCTをエントリークレジットに交換できます。
エントリークレジットの用途は、ファクトムの利用時の手数料の支払いなどがあります。
ファクトム(FCT)のこれまでの価格推移
仮想通貨のファクトム(FCT)の将来性を考察する前に、これまでの価格推移を確認します。
2016年から2022年の価格推移
まず、2016年から現在(2022年)までの、ファクトム(FCT)の長期的な価格推移を見てみましょう。
▲出典:TradingView https://jp.tradingview.com/
上記の画像は、2016年1月から2022年2月にかけての、米ドルに対するファクトム(FCT/USD)の価格チャートです。
ファクトムは、約1ドルで取引を開始し、2017年から2018年にかけて仮想通貨バブルの波にのり、最大で約57ドルまで価格が高騰しました。その後は、バブルが崩壊し価格が減少しています。
2018年末から2019年にかけては、ファクトムのプロジェクトがオープンソース化されたことで期待値が高まり、約10ドルまで価格が上昇しました。
2019年以降は、ファクトムプロジェクトを主導していたファクトム社(Factom.Inc)が解散したこともあり、価格減少が続いています。2022年2月時点では、約1ドルまで価格が下がっている状況です。
直近1年間の価格推移
続いて、ファクトム(FCT)の直近1年間の価格推移を見てみましょう。
▲出典:TradingView https://jp.tradingview.com/
上記の画像は、2021年2月から現在(2022年2月)にかけての、米ドルに対するファクトム(FCT/USD)の価格チャートです。
2021年5月までは、仮想通貨市場の影響を受け、最大で約2.8ドルまで価格が上昇しました。この時期は、DeFiやNFTに注目が集まり、仮想通貨市場全体の価格が上昇したため、ファクトムの価格も上昇しています。
その後は、反動で価格が下がりましたが、9月にかけて再び価格が上昇しています。この理由は、ビットコインの価格高騰と、しばらく進捗状況が不透明だったファクトムのプロジェクトが再開したためです。
ファクトムを含むアルトコインは、ビットコインの価格変動の影響を受ける傾向があります。そのため、ビットコインの価格が上昇したタイミングで、ファクトムの価格が上昇しました。
また、ファクトムは、運営会社のファクトム社が倒産したことで2019年から活動状況がわからない状態が続いていました。
しかし、2021年になり、ファクトムの運営がコミュニティに引き継がれ、今後のロードマップが公開されたこともあり、価格上昇に繋がっています。
ただし、プロジェクトの大きな動きが見られないため、ファクトムの価格は徐々に減少し、現在は約1ドルで推移しています。
ファクトム(FCT)の将来性が不安視される理由
仮想通貨のファクトム(FCT)の特徴やこれまでの価格推移がわかったところで、将来性について考えてみましょう。
結論から言うと、FCTの将来的な価格上昇の期待値は低いと言えます。
その理由は、次の3点です。
- プロジェクトの動向が不透明
- 市場の影響が少ない
- 上場している取引所が少ない
それぞれ解説します。
プロジェクトの動向が不透明
ファクトム(FCT)の将来が不安な1つ目の理由は、ファクトムの活動の動向が不透明であることです。
もともと、ファクトムを運営していたファクトム社は2020年に解散しており、2020年から2021年にかけて、ファクトムのプラットフォームの活動状況がわからない状態でした。
2021年に入ると、ファクトムはプラットフォームがオープンソース化されていたこともあり、コミュニティ(非営利団体)が運営を再開しています。
しかしその後も、仮想通貨ファクトム(FCT)の価格に影響するほどの大きな動きはありません。
2021年の第3クオーターからのロードマップも公開されていますが、目立った動きはなく、Twitterの更新も数ヶ月に1度であるため、今後の動向に期待できない状況です。
市場の影響が少ない
ファクトム(FCT)の将来が不安な2つ目の理由は、FCTが市場の影響をあまり受けていないことです。
これまでの価格推移で解説したように、2021年の前半は仮想通貨市場の影響を受けて、FCTの価格も上昇しました。
しかし、2021年後半は、市場の影響が小さくなっているように見えます。
2021年10月から11月にかけて、ビットコインが史上最高値を更新し、多くのアルトコインの価格も上昇する中で、FCTの価格上昇は1.5%ほどにとどまりました。
上場している取引所が少ない
ファクトム(FCT)の将来が不安な3つ目の理由は、上場している取引所が少ないことです。
FCTを取り扱っている、国内の仮想通貨取引所はCoincheck(コインチェック)のみです。
海外取引所に目を向けても、FCTは2016年から発行されているにもかかわらず、取り扱ってる取引所は多くありません。
取引所が少ないということは、FCTの流動性が低いことを意味し、価格上昇が期待できないと言えます。
ファクトム(FCT)の価格を上昇させる要因
仮想通貨のファクトム(FCT)に対して、ネガティブな意見を述べましたが、価格上昇が全く期待できないわけではありません。
FCTの価格を上昇させる要因として、次の3点が考えられます。
- 大企業との提携
- 仮想通貨取引所への新規上場
- サービスの普及
それぞれ解説します。
大手企業との提携
大手企業との提携が、ファクトム(FCT)の価格を上昇させる可能性があります。
ファクトムは、過去にマイクロソフトや米国エネルギー省(DOE)などと業務提携していました。
同じように、大手の企業との提携が発表されると、投資家からの注目が集まり、FCTの価格が上昇する可能性があります。
仮想通貨取引所への新規上場
仮想通貨取引所への新規上場も、ファクトム(FCT)の価格を上昇させる要因となりえます。
FCTは、仮想通貨の中でも比較的歴史が深いにもかかわらず、取り扱っている取引所が少ない状況です。
今後、Binance(バイナンス)やBybit(バイビット)など、世界的にユーザーを持つ仮想通貨取引所に上場することがあれば、FCTの価格が上昇する可能性があります。
取引所に上場した際に、価格が上昇した事例は多いため、気になる方はFCTの動向を確認しておきましょう。
サービスの普及
サービスの普及も、ファクトム(FCT)の価格を上昇させる可能性が高いでしょう。
FCTはブロックチェーン技術を使って、データの分散管理を目指していますが、世間的には自社でデータ管理している企業が多い状況です。
今後、データの分散管理が当たり前になると、FCTにも注目が集まり、価格が上昇する可能性があります。
ファクトム(FCT)の買い方
ファクトム(FCT)の将来性について理解できたところで、価格が下がっているタイミングで購入しておこうと考えている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、FCTの購入方法を紹介します。
現在、国内の仮想通貨取引所でFCTを扱っているのは、Coincheck(コインチェック)のみです。今回はCoincheckでのFCTの購入手順を紹介します。
ファクトムは次の手順で購入できます。
1. Coincheck(コインチェック)の口座を開設する
まずCoincheck(コインチェック)の公式サイトにアクセスします。
「会員登録」をクリックして、Coincheckの口座を開設しましょう。
口座開設の手順は、以下の記事で紹介しているのでわからない方は参考にしてください。
2. 日本円を入金する
次に日本円を入金します。
2022年2月時点で、ファクトム(FCT)の金額は、117円ほどで推移しているため、購入する数量に合わせて日本円を入金しましょう。
入金方法は、以下の記事で紹介しているのでわからない方は参考にしてください。
3. ファクトム(FCT)を購入する
最後にファクトム(FCT)を購入します。
Coincheck(コインチェック)では、販売所形式と取引所形式の2つの方法で、FCTを購入できます。
販売所形式で購入する場合は、Coincheckのホーム画面左側のメニューから「販売所(購入)」を選択して取引をします。
「FCT」を選択し、数量を入力して、「購入する」をクリックすると即時購入できます。
取引所形式で購入する場合は、Coincheckのホーム画面に移動します。
通貨を「FCT」にして、レートを選択、注文量を入力後、注文するをクリックします。
取引が成立すると、FCTの購入が完了です。
ファクトム(FCT)に関するよくある質問
ファクトム(FCT)に関するよくある質問に回答します。
ファクトムが終わりと言われているのはなぜ?
ファクトムの開発を担当していたファクトム社(Factom.Inc)が解散したため、「ファクトムは終わりだ」と言われています。
2020年4月に、ファクトム社は運用資金不足のため解散しました。
ただし、ファクトムのプラットフォームは、ファクトム社が解散する前にオープンソース化され、コミュニティ運営されていたため、継続して利用できる状態です。
しかし、ファクトム社の倒産後は、しばらくロードマップやSNSが更新されない時期が続いたため、「ファクトムは終わった」と言われるようになったのです。
ファクトムのサービスは利用できないの?
ファクトムのサービスは現在も利用できます。
上述したように、ファクトムを運営していたファクトム社は解散しましたが、ファクトムはオープンソース化されコミュニティにより運営されているためです。
気になる方は、FACTOM PROTOCOLのホームページをご確認してみてください。
現在は誰がファクトムを運営している?
ファクトムはコミュニティの参加者によって運営されています。
ファクトムは、オープンソース化されているため、誰でも運営に参加できる状態です。トークンを使ったガバナンス投票によって、プロジェクトの活動方針を決定しています。
気になる方は、FACTOM PROTOCOLのホームページをご確認してみてください。
ファクトム(FCT)の取引は慎重に判断すべき
今回はファクトム(FCT)について詳しく解説しました。
ファクトムを開発したファクトム社は倒産しており、現在はコミュニティの参加者により運営されている状況です。
一時期は、ファクトムの運営状況がわからなくなり、今後の動向が不安視されていましたが、2021年からロードマップが公開され、活動が再開しています。
ファクトム(FCT)の価格は減少傾向が続いていますが、今後価格が上昇に転じる可能性もあるため、興味がある方は慎重に動向を確認しておきましょう。
そんなFCTを取り扱っている国内取引所は、Coincheck(コインチェック)のみです。
FCT以外にも多数の銘柄を取り扱っていますので、この機会に口座開設して、取引に挑戦してみてはいかがでしょうか。