「デジタルシルバー」と呼び名が付くほど、仮想通貨市場で確かな地位を確立しているライトコイン(LTC)を知っていますか?
ライトコインは、時価総額1位のビットコイン(BTC)の技術を応用して開発された、決済手段としての高い機能を持った通貨です。
今回の記事では、ライトコインの特徴と、保有するメリットとデメリット、価格動向や購入方法などを網羅的に解説していきます。
※以下の情報は、全て2022年2月現在の情報です。
目次
ライトコイン(LTC)の基本情報
ライトコイン(LTC)は、仮想通貨の中では比較的歴史があります。
市場規模上位のビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に次いで、仮想通貨市場を代表する銘柄です。
以下の表は、ライトコインの基本情報についてまとめています(2022年2月21日時点)。
仮想通貨銘柄 | ライトコイン |
ティッカーシンボル | LTC |
開発者 | チャーリー・リー氏 |
開発年 | 2011年 |
時価総額 | 約12,850円 |
価格 | 約9045億円 |
コンセンサスアルゴリズム | PoW(プルーフ・オブ・ワーク) |
発行上限 | 8,400万枚 |
ライトコイン(LTC)の特徴
ライトコイン(LTC)には、以下の6つの特徴があります。
- 「デジタルシルバー」と呼ばれている
- 発行上限枚数がビットコイン(BTC)の4倍
- 決済手段としての機能が突出している
- segwit(セグウィット)を導入している
- ライトニングネットワークの導入が予測されている
- 匿名性を高めている
仮想通貨市場を代表する銘柄の一つとして、知名度だけでなく機能面も優れている仮想通貨です。
「デジタルシルバー」と呼ばれている
ライトコイン(LTC)の別名は、「デジタルシルバー」です。
金や銀はすでに世の中に存在する量が決まっているため、インフレに強いという特徴があります。そのため、仮想通貨においても通貨の発行枚数がすでに決まっているビットコイン(BTC)を「デジタルゴールド」と呼ぶことがあります。
対して、ビットコインの技術を応用して作られたのがライトコイン(LTC)であるため、こちらを「デジタルシルバー」と呼んでいるのです。
ライトコインはその異名からも確認できるように、価値保存手段として期待されている仮想通貨と言えます。
発行上限枚数がビットコイン(BTC)の4倍
ライトコイン(LTC)は、ビットコイン(BTC)の問題点を解消するために、仕組みは残しつつも機能を向上させて作り出された仮想通貨です。
相違点の一つとして発行上限枚数が挙げられます。
通貨名 | 発行上限枚数 |
ビットコイン(BTC) | 2,100万枚 |
ライトコイン(LTC) | 8,400万枚 |
ライトコインの発行上限枚数は、ビットコインに比べて4倍です。これにより、ブロック生成速度も、4倍速くなっています。
決済手段としての機能が進化している
ライトコイン(LTC)は、日常の決済手段としての利用を念頭に置いて開発が進められてきました。
ビットコインでは、ブロックチェーン上の取引の承認に時間を有してしまうトランザクション問題がありましたが、ライトコインでは改善されています。
通貨名 | 承認速度 |
ビットコイン(BTC) | 約10分 |
ライトコイン(LTC) | 約2.5分 |
ライトコインでは、ビットコインよりも4倍近い処理速度の高速化に成功しています。そのため、ビットコインよりも決済通貨としての機能面が向上していると言えるでしょう。
segwit(セグウィット)を導入している
2017年5月ライトコイン(LTC)は、segwit(セグウィット)と呼ばれるシステムをすべての仮想通貨の中ではじめて導入しました。
segwitとは、「Segregated Witness」の略語のことで、「分離された署名領域」という意味です。これにより、使用容量を節約することが可能になっています。
使用容量が節約されると、取引データの処理が高速化されるため、ライトコインは取引の遅延が発生しにくい仮想通貨となりました。この特徴は、ライトコインの決済手段への採用につながっています。
ライトニングネットワークの導入が予測されている
ライトコイン(LTC)には、ライトニングネットワークという仕組みを採用して、データ処理の高速化と手数料の低下を実現しています。
ライトニングネットワークとは、ブロックチェーンの外側にあるオフチェーンでデジタル取引を行い、その結果をブロックチェーンに記録することで取引の承認を行う、という仕組みのことです。
利用者が拡大しているビットコイン(BTC)では、取引の都度ブロックチェーンに記録をしていくため、アクセスが集中すると遅延がありました。
一方のライトコインは、ライトニングネットワークの導入によって、ビットコインが達成できなかった送金速度の達成や、安価な送金手数料の実現を可能とさせたのです。
匿名性を高めている
2022年2月のアップデート「ミンブルウィンブル(MWEB)」によって、ライトコイン(LTC)は匿名性の高い仕組みを獲得しています。
ライトコインに法定通貨のような代替可能性を持たせることで、取引にかかる情報を非公開にしました。
ライトコインは、ミンブルウィンブルによって、プライバシー機能の高い仮想通貨となったのです。
ライトコイン(LTC)のメリット
ライトコイン(LTC)を保有するメリットは、以下の3つがあります。
- 半減期に希少価値が高まる
- 決済通貨としての需要が高まり価格上昇が見込める
- ホワイトリストに載っている
値上がり益の他に安全性が大きなメリットと言えるでしょう。
半減期に希少価値が高まる
ライトコイン(LTC)は、ビットコイン(BTC)と同様に、4年に1度の頻度で半減期を設けています。
半減期とは、通貨の供給が多くなりすぎて通貨価格の価値が下がることを防ぐために、マイニング報酬を半減させる期間のことです。
半減期には、マイニング報酬の減少に伴って、市場に出回るライトコインが少なくなることから、価格が上昇する可能性が高いと考えられています。
実際に、ライトコインは2019年8月に半減期の到来が予測されていたため、その前の時期から価格が5倍近く上昇しました。
次回、2023年に到来すると予測されている半減期によって、ライトコインの価格上昇が再び見られる可能性があります。
決済通貨としての需要が高まり価格上昇が見込める
決済通貨として世界的にライトコイン(LTC)が流通することになると、需要の増加とともに値上がりが期待できます。
先述の通り、ライトコインはビットコイン(BTC)の4倍の処理速度を実現しているため、決済能力の面では優位に立っていると言えます。
決済管理を行う企業がライトコインの導入を発表したり、実際に企業間取引などでライトコインの決済が一般化したりすると、大きな価格上昇の可能性があります。
ホワイトリストに載っている
ライトコイン(LTC)は、ホワイトリストに載っている、知名度が高い仮想通貨です。
ホワイトリストとは、金融庁が登録している国内の仮想通貨交換業者が扱う仮想通貨のことです。
現在、世界中で多くの仮想通貨が生まれており、取引も活発に行われています。その中でも、ホワイトリストに登録されている仮想通貨は、金融庁によるチェックを突破しているため、国内の流通量が多い傾向があります。
ライトコインは、金融庁のお墨付きを得ており、比較的安全に保有、取引できる仮想通貨です。
ライトコイン(LTC)のデメリット
値上がりへの期待と安定性というメリットがあるライトコイン(LTC)ですが、以下のようなデメリットも存在します。
- ボラティリティ(変動率)が大きい
- ビットコイン(BTC)の暴落に巻き込まれる可能性がある
- すでに知名度が高い銘柄である
ビットコインとの関係性や収益性の限界がデメリットであると言えるでしょう。
ボラティリティ(変動率)が大きい
ライトコイン(LTC)は、ボラティリティの高い仮想通貨です。
先述の通り、ライトコインは、2019年に8月の半減期の影響を受けて、約5倍の大きな価格上昇を経験しました。
短期間で大きな価格上昇と下落を示しているライトコインは、底値で購入できたら急騰の可能性がありますが、高値掴みした場合に資産が0になる可能性もある、ボラティリティの高い投資商品です。
仮想通貨の中では比較的安定しているとはいえ、リスクの大きい資産であることを理解しておきましょう。
ビットコイン(BTC)の暴落に巻き込まれる可能性がある
ライトコイン(LTC)は、ビットコイン(BTC)から決済手段としての機能を改良されて作り出された仮想通貨であるため、値動きが近くなる傾向があります。
特にビットコインは、仮想通貨の王様と称されるほど、知名度や流通量ともに市場のトップシェアを誇る仮想通貨です。
そのため、ビットコインや仮想通貨市場においてマイナスな要因が発表されると、ライトコインに問題が無くても下落に転じる可能性は高いと言えます。
すでに知名度が高い銘柄である
ライトコイン(LTC)は、通貨価格が1万円台を大きく突破している、すでに知名度が高い仮想通貨です。
時価総額約9,045億円で、仮想通貨市場におけるランキングでは20位に位置しています。
そのため、短期的に大きな値上がりをするのは、半減期や決済手段としての重要な発表があるときなどのイベント時に限られる可能性があります。
大きく稼ぐ可能性が他の仮想通貨に比べて小さいという点が、デメリットと言えるでしょう。
ライトコイン(LTC)の価格動向
ここからは、ライトコイン(LTC)の過去の価格動向について解説していきます。
以下のチャートは、2013年後半から現在に至るまでのライトコイン(LTC)の円建ての価格推移を示しています。(2022年2月21日時点)
▲出典:CoinMarketCap
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/litecoin/
ライトコインが大きな値動きを示したのは、2018年初頭、2019年中旬、2021年初頭と終盤の4つの時期です。
2018年初頭には、仮想通貨バブルによってほとんど無名だったライトコインにもビットコイン(BTC)の派生商品という視点から注目が集まり、一時4万円台を突破するなど大幅な価格上昇を見せています。
2019年中旬には、8月の半減期の到来によって価格上昇への期待感が高まるなか、価格も上昇していきます。
2021年に入ってからは、過去最高値を記録するなど、大きな価格変動を伴いながら、ビットコインと同様の値動きを示している傾向にあります。
ライトコイン(LTC)の将来性が期待できる理由
ライトコイン(LTC)の将来性が期待できる理由は、以下の2つです。
- 決済通貨として実績がある
- ライニングネットワークを導入する可能性が高い
詳しく見ていきましょう。
決済通貨として実績がある
ライトコイン(LTC)は、決済手段として、ビットコイン(BTC)よりも優れたシステムと実績を保持しています。
実際に、アメリカの大手決済サービス企業PayPal(ペイパル)が、ライトコインを含む仮想通貨の決済サービスと保有のための、ウォレットサービスを開始することを発表しました。
今後もPayPalに続き、仮想通貨での決済サービスを展開する企業は増えていくことが予測されています。
また、ライトコインの決済手段の導入に関して、市場の期待感も高まりを見せています。
2021年9月に、アメリカの大手小売企業Walmart(ウォルマート)が、ライトコイン財団との連携により、決済手段としてライトコインを採用するというフェイクニュースが世界中に広がりました。
これにより、一時約30%もの値上がりが発生しています。フェイクニュースだったとは言えライトコインの決済サービス導入への期待感の高さがうかがえる事例です。
今後も、ライトコインによる決済サービスの展開を発表する企業が現れると、価格上昇が期待できるでしょう。
ライニングネットワークを導入する可能性が高い
ライトコイン(LTC)の開発を進めるライトコイン財団は、2018年にすでにライトニングネットワークの運用実験に成功しています。
ライトニングネットワークは、ライトコインの取引データの簡略化によって決済速度や決済に必要な手数料が安くなる仕組みのことです。
ライトニングネットワークの導入によって、ライトコインの決済通貨としての利便性がさらに高まり、決済需要の拡大が訪れるでしょう。
ライトコイン(LTC)の価格に影響する要因
ライトコイン(LTC)の今後の価格推移に影響を及ぼす可能性のある要因として、以下の4つが挙げられます。
- 決済通貨としての普及が進むかどうか
- ハードフォークによる要因
- ビットコイン(BTC)の価格動向
- 開発している技術の導入があるか
ライトコインは、今後の実用化の進展やアップデートの結果によって、その後の価格変動が決まってくるでしょう。
決済通貨としての普及が進むかどうか
ライトコイン(LTC)の決済通貨としての普及が進むかどうかが、ライトコインの今後を左右するでしょう。
ライトコインの決済スピードは、ビットコイン(BTC)の約4倍の成績を誇ります。
しかし、ライトコインが開発されて以降、決済機能に優れた仮想通貨は数多くリリースされています。競合する通貨に対して、優位性を保てるかどうかによって、将来のライトコインの価格は決定されてくるでしょう。
決済サービス企業PayPalによるライトコイン決済の導入は、ライトコインが世の中に認められる機会となりました。今後も、ライトコインとの連携を発表する企業が現れるかに、注目が集まるでしょう。
ハードフォークの影響
ハードフォークの影響も、今後のライトコイン(LTC)の価格を変動させる一因となるでしょう。
ビットコインの仕組みを引き継いでいるライトコインは、ブロックチェーンのアップデートのときにハードフォークを必要とします。
ハードフォークは、アップデートの内容への期待感から価格が上昇するというメリットがある一方で、旧通貨への関心度が下がることで下落に転じる可能性があるというデメリットがあります。
ビットコイン(BTC)はこれまで、決済機能の向上や取引速度の改善のためのアップデートで、数々のハードフォークを行ってきました。
結果として、ビットコインはビットコインキャッシュ(BCH)やビットコインゴールド(BTG)といった仮想通貨と分裂しています。
ライトコインもハードフォークによって、どのような値動きを見せるのか、大きな注目が集まるでしょう。
ビットコイン(BTC)の価格動向
ライトコイン(LTC)の価格は、ビットコインの価格変動に影響されるでしょう。
ライトコインは、ビットコイン(BTC)との相関関係が非常に強い銘柄です。ライトコインが過去最高値を更新した、2018年初頭、2021年初頭、2021年終盤は、いずれもビットコインが過去最高値を記録した時期でもあります。
一方で、仮想通貨バブルの崩壊とともに価格の下落が起きた2018年の後半や、2021年11月以降の下落の際にも、2つの銘柄は同様の値動きを示していました。
仮想通貨の価格推移を予測するCoin Price Forecastによると、ビットコインは、2022年度以降短期的にも長期的にも価格が上昇すると予測されています。
ライトコインもビットコインの価格予測に従って、値動きに注目が集まるでしょう。
開発している技術の導入があるか
ライトコイン(LTC)は、開発段階の技術の全面的な導入が実現するかどうかによって、大きく価格変動が生じるでしょう。
ライトコインは、これまでにライトニングネットワークの実装やMimbleWimble(ミンブルウィンブル)のメインネットリリースなどを行ってきました。
ライトコイン財団が2019年に、ミンブルウィンブルの導入に関する発表を行ったときには、ライトコインの価格が大きく上昇しました。
試験導入段階の新技術の導入や、関連する論文・ニュースの発表は、ライトコインの価格自体に大きく影響します。
ライトコイン(LTC)を購入できるおすすめ取引所2選
ライトコイン(LTC)が購入できるおすすめの仮想通貨取引所は、以下の2つです。
- Coincheck(コインチェック)
- DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
どちらも金融庁登録済みの実績がある国内の仮想通貨取引所です。ここからは、ライトコインを取り扱うおすすめの仮想通貨取引所について、紹介していきます。
Coincheck(コインチェック)
Coincheck(コインチェック)は、ライトコイン(LTC)を含む17種類の仮想通貨への投資ができる取引所です。
ボラティリティが高いライトコインへの積み立て投資や、貸仮想通貨サービスによって利益を出すこともできます。
コインチェック株式会社は、証券大手マネックスグループの傘下に位置しているため、セキュリティが高いのも特徴です。
名称 | Coincheck(コインチェック) |
---|---|
取り扱い通貨 | 17種類 |
最低取引額 | 500円~(BTCの場合) |
販売所手数料 | 0円 |
取引所手数料 | 0円 |
入金手数料 | 銀行振込:無料
クイック入金:770円~ コンビニ入金:770円~ |
出金手数料 | 407円 |
送金手数料 | BTC:0.0005BTC
ETH:0.005ETH |
安全性/セキュリティ | 二段階認証/SSL/本人確認 |
運営企業 | コインチェック株式会社 |
DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
DMMBitcoin(DMMビットコイン)は、これまで行ってきたライトコイン(LTC)の信用取引に加えて、2021年9月から現物取引を開始しています。
国内ではほとんど見られない、ライトコインに最大2倍のレバレッジをかけて取引を行うことができる取引所です。
名称 | DMM Bitcoin(DMMビットコイン) |
---|---|
取り扱い通貨 | 14種類 |
最低取引額 | 10 QTUM |
販売所手数料 | 無料 |
取引所手数料 | DMMビットコインでは取引所を完備しておりません。 |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料 |
送金手数料 | 無料 |
安全性/セキュリティ | コールドウォレット/二段階認証/SSL |
運営企業 | 株式会社DMM Bitcoin |
「デジタルシルバー」ライトコイン(LTC)に投資しよう
ライトコイン(LTC)は、仮想通貨時価総額1位のビットコイン(BTC)の技術を応用して開発された仮想通貨です。
金や銀といった採掘量が決まっているコモディティ商品と同様に、発行上限枚数があらかじめ決まっているライトコインは、「デジタルシルバー」と呼ばれ、将来の値上がりへの期待感が高まっています。
また、実際に決済通貨として機能がビットコインよりも優れていることから、実用化への注目も高まっており、長期的な価格上昇が見込まれる仮想通貨です。
ライトコインへの投資は、国内の仮想通貨取引所を利用することで簡単に行うことができます。
是非あなたもライトコインへの投資を始めてみてはいかがでしょうか。