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不動産アセットマネジメント業務委託が行われた3つの背景|気になる重要事項とは?

2020 06.4この記事はPRを含みます

アセットマネジメントとは?

アセットマネジメントとは、資産所有者や投資家の代わりに株式や債券、不動産や公共資産などの管理・運用を代行し、利益を最大化する業務のことです。

アセットマネジメントは金融業界で投資信託と投資顧問とに分かれ投資用不動産の管理・運用を投資家に代わって資産全体の価値を維持向上させるために計画を策定し、実行していきます。

アセットマネジメントをおこなう人のことを、アセットマネージャー(AM)と呼び
アセットマネージャーが手掛けた不動産を、現場で実際に運用・管理するプロパティマネジメント(PM)と呼びます。

AMとは?

「AM」とは不動産ファンドで不動産売買や賃貸借の運用業務をおこなう専門家のことで「アセット・マネジャー」の略です。

「AM」は投資家や投資ファンドから委託を受けて、不動産物件の投資・売却の意思決定を行い次の業務を担当する「プロパティ・マネジャー」に不動産管理を委託し、指示を出す仕事を行います。

具体的には運用対象となる物件を検討し、物件買付のために所有者と交渉し調達することなどです。

PMとは?

「PM」とは「AM」から委託を受けた不動産ファンドの投資対象物件を、現場で管理・統括する役割で「プロパティ・マネジャー」の略です。

不動産経営に関する不動産管理やテナント募集などの業務をオーナーに代わっておこなう仕事です。

具体的には不動産に関しての定型業務ではなく、一棟一棟の物件それぞれの事情に合わせ収益が出るようサポートを行います。

アセットマネジメントの役割

アセットマネジメントの役割はオーナーに代わって不動産の収益を出すことです。

オーナー個人が多くの不動産を管理するのに限界が出てきます、そのような場合に、専門的知識を活かし運用を代行し、資産を最適に運用し収益が出るようにすることが主な役割です。

そのためには 投資家ニーズをしっかり把握し、ニーズに合ったファンドを企画・開発、不動産の買い付けやファンド化し販売や管理など幅広い業務をこなし不動産の収益を増やしていく大事な役割があります。

不動産アセットマネジメント業務委託が行われた3つの背景

不動産アセットマネジメント業務委託が行われた3つの背景として「金融商品取引業の登録免除する規定」・「金融商品取引法の制定」・「SPCの法的位置付け」があります。

その理由は不動産の個別運用によるリスクを解消するため、不動産をもっと有効活用して投資効率を上げるためSPCが投資運用業の登録をしなくても、スキームが構築できるようにする必要性から、法によってSPCが求められる投資運用業登録を避け、コストを削減することが背景にあります。

行われた背景1:金融商品取引業の登録免除する規定

不動産アセットマネジメント業務委託が行なわれた背景に「金融商品取引業の登録免除する規定」があります。

内容の概略はファンド運用権限の外部委託においてファンドの運営者が、ファンドの出資財産の運用権限を外部委託した場合、ファンドの運営者自身が、ファンドの自己運用について投資運用業登録をおこなう義務は免除されるということなどです。

行われた背景2:金融商品取引法の制定

不動産アセットマネジメント業務委託が行なわれた背景に「金融商品取引法の制定」があります。

内容の概略は投資家による投資性の強い有価証券の発行や売買などの金融取引を公正なものとし、投資家の保護や経済の円滑化を図るために定められた法律で、インサイダー取引など不公正取引への厳正な対応などが定められています。

行われた背景3:SPCの法的位置付け

不動産アセットマネジメント業務委託が行なわれた背景に「SPCの法的位置付け」があります。

SPC とは「Special Purpose Company」の略称で、直訳すれば「特別の目的を持った会社」ということで不動産における特別な目的とは、資産を取得し投資家に分配することです。

たとえば債権や不動産などの資産を証券の形に変えて投資家に販売し、その資産を保有・運用することで収益を上げ投資家に分配することなどです。

しかしSPCは原則として投資運用業の登録をする必要があり、登録のためには人的要件や、5,000万円の最低資本金などの財務的要件がありますが、SPCが第三者であるアセットマネジャーへ運用権限の全部を委託する場合、SPCが適格機関投資家など特例業務をおこなう場合、2層構造ファンドの特例を活用する場合には免除されます。

不動産においてのアセットマネジメントの重要事項4つ

不動産においてのアセットマネジメントの重要事項として「投資目的に沿ったリスクとリターンのコントロール」・「資産価値の評価」・「投資内容や投資先の分散」・「投資期間の設定」の4つがあげられます。

不動産アセットマネジメント業務委託により、専門的知識を活かし株式や債券、不動産や公共資産などの管理・運用を代行し、資産所有者や投資家などからの委託に対し資産を最適に運用し収益が出るようにするために求められる4つの重要事項です。

重要事項1:投資目的に沿ったリスクとリターンのコントロール

不動産においてのアセットマネジメントの重要事項として「投資目的に沿ったリスクとリターンのコントロール」が必要です。

「投資目的に沿ったリスクとリターンのコントロール」とは、 委託を受け、不動産等の資産の形成から運用、保全、管理を行なう際に、投資目的に沿ったリスクやリターンを投資先の分散、投資期間の設定等でコントロールし、収益が上がるようにすることです。

重要事項2:資産価値の評価

不動産においてのアセットマネジメントの重要事項として「資産価値の評価」が必要です。

不動産において「資産価値の評価」とは土地と建物を分けて算定することが多く、土地の場合には立地や区画形質、また建物の場合には立地やデザイン、建築年数や管理状態などによって評価されます。

重要事項3:投資内容や投資先の分散

不動産においてのアセットマネジメントの重要事項として「投資内容や投資先の分散」が必要です。

「投資内容や投資先の分散」とは資産運用をおこなう場合に投資に影響を与える要因が多く正確に予測することは非常に困難なため、投資対象を分散し多様化させることで、資産運用に伴う価格変動リスクを低減させて収益を上げるために有効な方法です。

重要事項4:投資期間の設定

不動産においてのアセットマネジメントの重要事項として「投資期間の設定」が必要です。

「投資期間の設定」とは債券などの金融商品を、同じタイミングでまとめて購入するのではなく、投資期間をいろいろなタイミングに設定することでリスクを減らすことができます。

不動産においてのアセットマネジメントの受託の方法2つ

不動産においてのアセットマネジメントの受託の方法には「信託による方法」と「受委託の契約による方法」の2つあります。

アセットマネジメントの信託契約とは投信・投資ファンドと呼ばれ主として信託業法によって規制され、受委託契約とは投資信託の運用と資産を保管・管理する契約で金融商品取引法や宅地建物取引業法などによって規制されます。

不動産においてのアセットマネジメントの受託については、投資不動産の選定や売買だけでなく、不動産の収益性を左右する賃料の設定やテナントの選定などが大事な業務になります。

受託の方法1:信託による方法

信託による方法とは、信託投資などをおこなう際に、投資信託会社などの投資をおこなう側の委託会社と、信託銀行などのような委託を受ける受託会社との間で結ばれる契約方法のことです。

具体的には委託者から信託された財産を管理・運用する契約で、受託者は委託者が決めた目的に沿って、信託された財産を管理・運用しその結果発生した利益を受益者に還元することです。

信託銀行や信託会社が実施しており、たとえ受託会社の倒産などがあったとしても、会社自体の資産と預託された資産は別管理のため、預託された資金は保護されます。

受託の方法2:受委託の契約による方法

受委託の契約による方法とは投資信託の運用の指図や管理をおこなう業務契約と投資者から集めたファンドの資産を保管・管理する業務契約の受託契約方法です。

具体的には不動産を持っている人が不動産に対する専門的知識を持ち実績のある会社などに対し不動産など資産の販売や管理などに関して要望などを委託し、受託した会社は要望などをもとに資産を的確に運用し収益が出るように契約する方法です。

アセットマネジメントとPMの役割4つ

アセットマネジメントとPMの役割には「物件買付のための交渉」や「アセットマネジメントが決定した戦略の実行」、「出口戦略の策定」や「売却先との交渉」の4つがあります。

いずれも不動産管理やテナント募集などの業務をオーナーに代わっておこなう仕事で大事な役割です。

PMの役割1:物件買付のための交渉

PMの役割である「物件買付のための交渉」とは買い付けとは、物件購入の申し込みのことです。

口約束の交渉では問題発生が多く、売買を仲介する不動産会社に購入希望金額や支払い方法など記載した「買付証明書」を提出し物件買い付けの意思表示をし、正式な買い付けの交渉をおこなうことです。

PMの役割2:アセットマネジメントが決定した戦略の実行

PMの役割である「アセットマネジメントが決定した戦略の実行」とは、PMが委託を受けた不動産ファンドの投資対象物件を、AMが決定した戦略により現場で実行する役割のことです。

戦略には賃貸管理業務や月次報告書作成業務、建物修繕や設備更新提案業務などがあります。

PMの役割3:出口戦略の策定

PMの役割の「出口戦略の策定」とは、AMが決定した戦略の実行を行いながら現場における資産価値を高めるなどの積極的な戦略を策定することです。

PMはエンドユーザーと接しており、求められる物件の要求や魅力を理解していることから的確な出口戦略を策定することが大事な役割になっています。

PMの役割4:売却先との交渉

PMの役割の「売却先との交渉」とは売却先と有意義な交渉を行う役割のことです。

売却先との交渉は心理戦です、強引な値引きや無理な要求の時は交渉を中止することも必要で、ポイントを押さえたうえで交渉を進めていくことが大事な役割になります。

アセットマネジメントを理解しよう

アセットマネジメントを理解することで、不動産売買や賃貸借の運用業務などをスムーズにおこなうことができます。

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