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アパートの法定耐用年数とは|建物の寿命との違いや耐用年数の対象物6つ

2020 06.4この記事はPRを含みます

アパートの耐用年数とは?

建築物の「耐用年数」とは、法定耐用年数(新築物件の減価償却)・物理的耐用年数(建物性能の寿命)・経済的耐用年数(中古物件の残存価値)を表わす用語であり、使い方によって意味や定義が異なります。

アパートやマンションなどの呼称は法的に明確な区分がありませんが、一般的にアパートは2階建て木造や軽量鉄骨造の建物、マンションは3階建て以上の鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物を指す場合が多いといえます。

法的耐用年数と建物寿命の違い

アパートの法定耐用年数とは、新築建物の構造形式や建築材料などによって定められた耐用年数を意味し、その期間にわたって建物の取得費用を減価償却費として損金処理することがでる年数をいいます。

一方のアパートの寿命とは、建築形式や建築材料など性能特性の違いによる物理的耐用年数を意味しますが、実用上は日常的な維持管理や定期的なメンテナンスを実施することによって、耐用年数が延長する場合が多いとされています。

法定耐用年数:【国税庁】

アパートの法定耐用年数の考え方3つ

アパートの法定定耐用年数は、不動産登記法の「建物の種類(主たる用途)、構造、床面積」の記載事項に則って区分されていますが、アパートなどの集合住宅は一戸建住宅と同じカテゴリーに分類されています。

「建物の構造」は建築形式や建築材料によって区分されていますが、同じ構造の建物でも損耗度が少ないアパートや事務所などより損耗度の激しいホテルや店舗などの法定耐用年数の方が短く設定されています。

不動産登記法:【法務省】

アパートの法定耐用年数の考え方1:建物の用途や構造

アパートの法定耐用年数は、建物の種類(主要な用途)と構造(構造形式や建築材料)によって異なります。

例えば、アパートなどの共同住宅の法定耐用年数は比較的長く、不特定多数の人によって混雑する頻度が高い旅館・ホテル・店舗などの公共施設の法定耐用年数の方が短く設定されています(テーブル1参照)。

また、アパートなど同じ用途の共同住宅でも、建物の構造の違いによって法定耐用年数が異なります(テーブル2参照)

(テーブル1) アパート ホテル 飲食店 店舗
軽量鉄骨造(鉄骨厚み:3~4mm以下) 27年 24年 24年 27年
(テーブル2) 建築材料(鉄骨厚み) 法定耐用年数
軽量鉄骨造 3mm以下 19年
木造 22年
中量鉄骨造 3mm~4mm以下 27年
重量鉄骨造 6mm以上 34年
鉄筋コンクリート造 47年
耐用年数(建物/建物附属設備):【国税庁】

アパートの法定耐用年数の考え方2:資産の種類

アパートなどの集合住宅の法定耐用年数について、建物の本体とは別個に主要な付帯設備などの資産に係る法定耐用年数が定められています。

アパートの主要な付帯設備の法定耐用年数は、給排水設備・電源供給設備(蓄電池電源設備を除外)・ガス供給設備は17年、エレベーターは15年、消火・排煙設備は8年となっていため、アパートの物理的耐用年数を延長するためには計画的な保守点検が重要なポイントといえます。

減価償却資産の耐用年数表

アパートの法定耐用年数の考え方3:融資期間

金融機関の新築アパートに対する金融機関の融資期間は、基本的に不動産登記事項の「建物の用途や構造」で定められた法定耐用年数の範囲を越えて融資を受けられることがありません。

なお、住宅性能表示制度の劣化対策等級の取得によって「長期優良住宅」の評価が得られ、金融機関の信頼性が向上して融資期間の延長が認められることも可能です。ちなみに、この制度は新築物件だけでなく中古物件の融資にも適用されています。

アパートの法定耐用年数と対象6つ

法定耐用年数が適用されるのは、アパートの建物本体と主要な付帯設備などの固定資産が対象となりますが、その期間にわたって減価償却費を計上することによって所得税の軽減効果が得られます。

ここでは、法定耐用年数の対象となる建物構造と付帯設備について、その概要についてご紹介いたします。

固定資産税:【不動産ジャパン】

法定耐用年数と対象1:木造

法定耐用年数の対象1は、建築物の主要構造部(柱・梁・桁など)に木材を用いる「木造(木質構造)」形式の建物です。

木造建築の代表的には、日本の伝統的な軸組式(在来工法)や北米発祥の壁式(ツーバーフォー)があります。また、天平時代に建てられた東大寺・正倉院などに見られる線状材を井桁状に積み上げる組積式(校倉造:あぜくらづくり)があります。

法定耐用年数と対象2:鉄骨(S造)

法定耐用年数の対象2は、建築物の主要躯対に鉄材や鋼材を用いる「鉄骨造」形式の建物ですが、最近はほとんど鋼鉄を用いることから「鋼構造」と呼ばれるようになっています。

基本的に鉄骨造(S造)は、鉄骨の厚みが6mm以上の柱と梁を剛接合した「重量鉄骨ラーメン構造」の形式の建物を指すものですが、S造の中には鉄骨厚みが3mm以下の軽量鉄骨造、3~4mmの中量鉄骨造と呼ばれる形式もあります。

不動産基礎知識:【宅地宅建協会】

法定耐用年数と対象3:鉄筋コンクリート(RC造)

法定耐用年数の対象3は、コンクリートの芯材に鉄筋を埋め込んだ「鉄筋コンクリート造」形式の建物ですが、英語の「補強されたコンクリート(RC:Reinforced-Concrete)」に由来してRC造と呼ばれています。

鉄筋コンクリート造の建物は、大きくラーメン構造と壁式構造の2つに分けられますが、最近の技術進化によって「高強度コンクリート」を用いた高層ビルが建てられています。

法定耐用年数と対象4:鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)

法定機耐用年数の対象4は、鉄筋コンクリートの芯部材に鉄骨を内蔵した「鉄骨鉄筋コンクリート造」形式の建物ですが、コストが嵩むため専ら超高層ビルの建設に用いられる建築形式です。

鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄骨(S)を内蔵する鉄筋コンクリート(RC)という意味からSRC造とも呼ばれています。鉄筋コンクリート造に比べ耐震性能に優れていることから、高層~超高層の建物に向いた形式といわれています。

法定耐用年数と対象5:電気設備や給排水設備などの建物設備

法定耐用年数の対象5は、建物本体以外にも建物に付属しているさまざまな付帯設備があります。

法定耐用年数の対象他なる建物の付帯設備には、火災報知器などの消防設備・都市ガス供給設備・電源や照明などの電気設備・上水や下水などの給排水設備などのほか、建物の外周に付属する外壁・門扉・雨水溝・舗装などの外構設備が含まれます。

耐用年数(建物/建物附属設備):【国税庁】

法定耐用年数と対象6:家具や電気機器・通信機器などの器具備品

法定耐用年数6は、建物全体のネットワークでつなぐ有線や無線のLAN設備や配線工事などがあります。

LANを構成する設備一括した減価償却資産とする場合は6年、若しくはLANを構成する設備を個々の設備として減価償却する場合の2つの方法から選択することができます。ちなみに、光ケーブル単体の耐用年数は10年間が適用されます。

LAN設備の耐用年数:【国税庁】

アパートの法定耐用年数の注意点3つ

アパートを経営している人にとって、建物の法定耐用年数が過ぎた場合の対処の仕方は悩ましいものですが、そのような事態に陥る前に注意すべき点を知っておくことがとても大事なことです。

注意点1:耐用年数を超えると評価額がゼロになる

法定耐用年数を過ぎたアパートは「評価額がゼロ」になるため、例外なく金融機関の融資が無くなること知っておくことが肝心です。

一般的に建物の建替か大規模修繕を選択する必要がありますが、回収目処が立たない物件に融資する金融機関はありません。

注意点2:土地に価値があるかどうか

法定耐用年数を過ぎたアパートでも、金融機関が融資を続けて支援してくれる唯一の条件は、アパートの立地条件がずば抜けて良いか、または土地そのものに価値がある場合に限られます。

注意点3:耐用年数は実際の建物寿命とは異なる

アパートの建物の法定耐用年数は、アパートなどの法定耐用年数は、建物の構造形式や建築材料によって最短の19年~最長の47年まで幅があります。

建物の物理的耐用年数は、こまめな修繕やメンテナンスによって伸ばすことも可能であることから、日頃の努力を怠らないことが大事なことです。

減価償却資産の耐用年数:【財務省】

アパートの法定耐用年数について知ろう!

アパート経営にとって新築時の法定耐用年数が気になりますが、金融機関の融資期間は耐用年数以下の融資しか行わないのが常識です。

アパート経営にとって定期的な修繕やメンテナンスなどの費用捻出が大事なことであり、そのためにも法定耐用年数について知っておくことが重要です。

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