用途地域とは?不動産投資を考えるなら知っておきたい13の地域とその特徴
2020 06.29この記事はPRを含みます
用途地域とは?
不動産投資を始めようとしている方や不動産の購入を考えている方なら、用途地域という言葉を耳にすることもあるでしょう。
用途地域とは、都市計画法に基づき用途によって都市を13の地域に区分したエリアのことで、建築できる建物の種類や大きさなどのルールを定めたものです。
不動産を購入する前には、建物の種類や規模が地域と合っているかなど、その地域の用途地域について確認をしておくようにしましょう。
用途地域の指定のない区域もある
都市計画法に基づき、地域ごとで用途地域が定められていますが、すべての地域で用途地域の指定があるわけではありません。
用途地域を確認できるマップを見ると、用途地域は地図で色分けして表されていますが、なかには色が塗られていない地域があります。色分けされていないところは、その地域が用途地域に指定されていないことを表しています。
すべての地域が、用途地域に指定されているわけではないことも知っておきましょう。
系統別の用途地域13個
用途地域と一言でいっても、用途地域の種類は1つではありません。
用途地域は住居系、商業系、工業系の3つに大別され、さらにそれぞれで区分された13地域に分けられています。
では、その13地域とはどのようなものなのでしょう。それぞれの特徴とともに見ていきましょう。
8つの住宅系
用途地域のなかで8つの区分がされている地域が住居系の用途地域です。8つの住居系の地域は住環境が優先される地域で、住宅を中心とした建築物を建てることができ、基本的には工場や商業施設などを建てることはできません。
では住宅系の用途地域にはどのような特徴とルールがあるのでしょう。1つずつ見ていきましょう。
住宅系1:第一種低層住居専用地域
第一種低層住居専用地域は低層住宅のための地域で、建てられる建物の高さに制限があります。
この地域には一戸建ての住宅のほか賃貸住宅やマンションを建てることができます。また、小中学校や50㎡以下の店舗も建てることができます。
駅から離れた閑静な地域が指定されていることが多いため、閑静な住環境を求める方におすすめの地域といえます。
住宅系2:第二種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域は、主に低層住宅のための地域です。
この地域は、第一種低層住居専用地域と同様に高さの制限があり、建てられる建物も同じですが、150㎡までの店舗を建てることができるためコンビニや飲食店が建てられます。
第二種低層住居専用地域は、住宅街でありながら小さな店舗もある環境のため、住環境と利便性を兼ね備えた環境を求める方におすすめです。
住宅系3:第一種中高層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅のための地域です。
この地域では建物の高さ制限はなく、住宅以外にも幼稚園から大学などの教育施設や病院などの建物を建てることができます。このほかにも、神社仏閣や500㎡までの店舗も建てられます。
高さ制限がないため、分譲マンションの購入を考えている方や買い物など利便性がある地域での物件の購入を考えている方におすすめの地域です。
住宅系4:第二種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域は、主に中高層住宅のための地域です。
この地域では第一種中高層住居専用地域と同様、病院や大学などの建物の建築ができるほか、1,500㎡以下の店舗や事務所も建てることができます。そのため、第一種中高層住居専用地域よりも利便性が高いともいえます。
中規模な商業施設があるため、利便性のある地域の住居を探している方や事務所を探している方におすすめの地域です。
住宅系5:第一種住居地域
第一種住居地域は、住居環境を守るための地域です。上記に説明した地域に建てられる建物に加え、3,000㎡以下の店舗や事務所、ホテルなどを建てることができます。
上記の地域と比較すると駅から近い場所が指定されていることが多く、商業施設が建ち並んでいることが多いため、利便性の高い生活を考えている方やシングル用の物件を探している方におすすめの地域です。
住宅系6:第二種住居地域
第二種住居地域は、主に住居環境を守るための地域です。第一種住居地域と同様の建物を建てられるほか、10,000㎡以下のカラオケボックス、ボーリング場やスケート場などの娯楽施設を建てることができます。
ほかの地域と比べても賑やかな地域となり、買い物以外にも遊ぶことができる施設も増えるため、シングルや新婚夫婦などの二人暮らしでの物件を探している方におすすめの地域です。
住宅系7:準住居地域
準住居地域は、沿道で自動車関連の施設などと立地と調和した住環境を保護する地域で、国道や幹線道路沿いなどがこの地域に指定されています。
準住居地域では、150㎡以下の自動車修理工場や車庫など自動車に関連する施設のほか、倉庫や200㎡未満の映画館や劇場などの娯楽施設を建てることができます。
国道や幹線道路が近く分譲マンションが建っていることも多いため、車での移動が多い方や分譲マンションを探している方におすすめです。
住宅系8:田園住居地域
田園住居地域は、低層住宅と農業が調和した住環境を守るための地域です。この地域では第一種低層住居専用地域と同じような制限はありますが、住居以外にも幼稚園から高校までの教育施設や図書館、病院や神社仏閣などを建てることができます。
田園住居地域の特徴として、住宅以外に農産物の直売所や農家レストランなどを建てられる点が挙げられます。自然を感じられる住環境を求めているという方におすすめの地域といえるでしょう。
2つの商業系
用途地域のなかで2つある商業系の地域は、商業施設が優先される地域です。商業系の地域では、住民が買い物をしたり遊びを楽しめる商業施設が建ち並びますが、住宅を建てることもできるため、利便性を考えている方におすすめの地域です。
では、商業系の地域にはどのようなルールと特徴があるのでしょう。それぞれ見ていきましょう。
商業系1:近隣商業地域
近隣商業地域は、近隣の住民が日用品などの買い物をするための地域です。
この地域では店舗や事務所のほかに、映画館や劇場など制限されずに建てることができます。また、床面積150㎡以下の工場で危険性や環境悪化の恐れがない小規模な工場を建てたり、300㎡以下の自動車修理工場を建築することもできます。
生活の利便性を求める方や、この地域の商業施設へ通勤するという方におすすめの地域でもあります。
商業系2:商業地域
商業地域は飲食店や百貨店、銀行などが集まる地域で、近隣商業地域よりも制限が緩和されています。商業施設以外にも小規模な工場を建築することができ、住宅ももちろん建築することもできます。
ターミナル駅周辺の地域が指定されることが多く、ほかの用途地域と比較してもさまざまな種類の建物を建てることができるので利便性が高いです。
住環境より利便性を求めているという方におすすめの地域です。
3つの工業系
用途地域のなかで3つある工業系は、主に工場を優先して建てられる地域です。工場優先とはいえ住宅を建てることも可能ですが、後に説明する工場専用地域には住宅を建てることはできません。
では、工業系の地域にはどのような特徴とルールがあるのでしょう。それぞれで見ていきましょう。
工業系1:準工業地域
準工業地域は、軽工業工場やサービス施設などが所在する地域です。この地域では、危険性と環境悪化が大きいもの以外の工場であれば、ほとんどの工場を建てることができます。
工場以外では住宅のほか、ボーリング場や映画館といった娯楽施設、病院や教育施設なども建設することが可能で、地域内の工場で働く方や生活の利便性を求める方におすすめの地域といえるでしょう。
工業系2:工業地域
湾岸地域に指定されることが多い工業地域は、工場であればどんなものでも建てることができる地域です。
工場以外にも住宅や店舗を建てることはできますが、病院や学校などの教育施設、ホテルや映画館といった商業施設は建てることはできません。
湾岸地域であるため、住宅であれば高層マンションが建つことが多く、こういった物件を探している方におすすめの地域です。
工業系3:工業専用地域
工業専用地域は、工場のための地域です。どのような工場であっても建てることができますが、住宅や店舗、学校などの教育機関、病院やホテルなどを建てることはできません。
工業専用地域には住宅を建てることはできないため、賃貸住宅などで不動産投資を考えている方には不向きな地域といえるでしょう。
用途地域の調べ方
全国各地にある用途地域ですが、購入を考えている物件や場所の用途地域はどうやって調べていけばいいのでしょうか。
用途地域を調べる方法は2つあり、どちらの方法もそれほど苦労せずに調べることができます。では、用途地域を調べる方法とはどのようなものでしょう。用途地域の調べ方について見ていきましょう。
インターネットを使う
用途地域の調べ方1つ目は、インターネットでの検索機能を使う方法です。インターネットで検索をする際、市区町村名と用途地域を入力することでその地域の用途地域を検索することができます。
各自治体のホームページで公開されていることが多く、インターネットなら簡単に用途地域を確認することができるので、用途地域を調べる際にはインターネットを利用してみるといいでしょう。
用途地域マップを使う
用途地域の調べ方2つ目は、用途地域マップを使って調べる方法です。用途地域マップは、各自治体の窓口で閲覧することができるため、購入予定の地域の自治体に問い合わせてみるといいでしょう。
窓口に行けば、都市計画図など用途地域がわかる地図を確認することができますが、役所など実際に足を運ばなければいけない手間がかかるため、インターネットで調べてもわからないときや問合せが必要なときにはおすすめの調べ方です。
不動産購入前にその土地の用途地域を調べよう
用途地域について見ていきました。用途地域とは、都市をいくつかの種類に区分して生活環境や業務における利便性をよくしていくためのルールです。
そのため、地域によって住環境や生活上の利便性が異なります。また、すべての地域が用途地域に指定されているわけではなく、用途地域に指定されていない地域もあります。
不動産投資を始める前には、購入を考えている地域が用途地域と合っているのかどうかを確認するようにしましょう。