浄化槽の汲み取り義務とは|汲み取りが必要な場合2つと汲み取り費用
2024 06.21この記事はPRを含みます
浄化槽の汲み取り義務がよくわからないんだよね。
そうなんだ。浄化槽の汲み取り義務について教えるね。
ありがとう、先生!汲み取りが必要な場合と汲み取り費用についても知りたいな。
なるほどね。汲み取りが必要な場合と汲み取り費用もあわせて教えるね。
浄化槽とは
生活をしていると、トイレやお風呂、台所などから生活排水が出ます。生活排水が流れる先は基本的に下水道、コミュニティ・プラント、浄化槽のいずれかになります。
浄化槽は家庭の敷地内に設置されている設備なので、身近な汚水処理施設です。浄化槽は生活に欠かせない水を処理する設備なので、どのような物かよく把握しておくようにしましょう。
合併浄化槽
浄化槽には2種類あり、合併浄化槽はその1つです。合併浄化槽はトイレや台所、お風呂などで出た生活排水や汚水を処理する浄化槽です。合併浄化槽に流した生活排水は、主に微生物の力を使って綺麗に処理してから流すようになっています。
以前までは設置に大きなスペースを必要としましたが、現在では小型化が進んでいます。
単独浄化槽
浄化槽には合併浄化槽以外に、単独浄化槽という種類もあります。単独浄化槽と合併浄化槽は仕組みの違いもありますが、大きな違いとして単独浄化槽はトイレの汚水だけを処理するということがあります。
ただし、この単独浄化槽は平成13年4月1日の浄化槽法を改正によって新設することが禁止となっています。また、浄化槽法では他にもいろいろな規制がされています。
浄化槽は維持点検・汲み取り義務がある
浄化槽は生活排水を綺麗に処理して流すという設備なので、その機能が発揮できない状態では、汚れた水を流すことになります。そのため、浄化槽は正しく機能が発揮できているのか点検と清掃を行うことが義務付けられています。
また、浄化槽法によって正しく浄化機能が発揮されているのか法定検査を受ける必要があります。法定検査は使い始めて3ヶ月〜5ヶ月以内に受ける「設置後等の水質検査」と毎年行う「定期検査」があります。
下水道整備区域は下水道に切り替える義務
先に述べた通り、単独浄化槽は浄化槽法によって、新しく設置することが原則できません。これは単独浄化槽は下水道や合併処理浄化槽で処理された場合よりも、8倍も汚れた状態で水を流してしまいます。
そのため、すでに単独浄化槽が設置されている場合は、下水道に接続するか、合併浄化槽に転換する必要があります。
また、区域によっては下水道法によって、一定期間内に下水道に接続することが義務付けられている場合もあります。
浄化槽の汲み取りが必要な場合2つ
浄化槽は汚れた水を処理して綺麗にして流すための設備です。そのため、浄化槽が十分な機能を発揮するためには定期的な清掃が必要となります。
浄化槽では、生活排水によって浄化槽内に汚泥や泥の塊などが生じてしまいます。これらは汲み取りをして清掃をしないと、浄化槽が十分な機能を発揮しなくなったり、悪臭を放つようになったりなどします。また、定期的な汲み取り以外にも、汲み取りが必要となることもあります。
1:定期清掃は年1回以上
浄化槽は汲み取りをして、清掃をしないと、その機能を十分に発揮できなくなってしまうことがあります。そのため、年1回以上の定期清掃の実施が義務づけられています。また、処理方式によって、その定期清掃の期間が変化することもあるので注意が必要です。
全ばっ気方式は約半年に1回以上
全ばっ気方式は昭和56年以前に市販されていた古い規格の単独浄化槽です。古いタイプの浄化槽なので、浄化力が弱く、泥の溜まりも早いです。
そのため、全ばっ気方式の浄化槽の場合は1年に1回の定期清掃ではなく、半年に1回ほどの清掃が必要となります。
分離接触ばっ気方式は毎年1回
分離接触ばっ気方式は、ばっ気室というスペースに接触材を設置して、接触材に付着している微生物によって汚物を処理します。
分離接触ばっ気方式も全ばっ気方式と同様に単独浄化槽ですが、全ばっ気方式よりは性能が高いです。そのため、定期清掃は1年に1回です。ただし、合併浄化槽ほどの浄化力はなく、台所やお風呂などの生活排水までは対応できません。
2:浄化槽の解体時も汲み取りが必要
家を取り壊したり、下水道に切り替えたりなどする場合には、浄化槽を解体する必要があります。しかし、浄化槽には生活排水が溜まっている状態です。
そのため、そのまま解体してしまうと、溜まった生活排水が地下に流れて、地下水や土などに悪影響を与えてしまう可能性があります。
最悪の場合は不法投棄と判断されてしまうこともあるので、解体前には最終清掃、汲み取りが必要となります。
浄化槽の清掃・汲み取り費用
浄化槽は、その機能を保つために定期的な清掃と汲み取りが必要となります。浄化槽は個人ではできないため、業者に行ってもらう必要があります。
業者に依頼するので、当然ながら費用も発生します。浄化槽の清掃や汲み取り費用は、浄化槽のタイプや容量、地域や業者などによって変わりますが、ある程度の費用の目安はあります。
全ばっ気タイプ
浄化槽の清掃・汲み取り費用は条件によって大きく異なります。そのため、浄化槽の清掃・汲み取り費用は自治体のホームページや自治体が発行している浄化槽保守点検業者名簿から業者を確認して、問い合わせをしてみましょう。
目安としては5人槽であれば清掃・汲み取り費用は2万円〜5万円ほどです。
分離・分接タイプ
分離・分接タイプであっても、浄化槽の清掃・汲み取り費用は条件によって大きく異なることに変わりはありません。そのため、自治体のホームページや浄化槽保守点検業者名簿から業者を確認しましょう。
また、5人槽であれば清掃・汲み取りの費用の目安は2万円〜5万円ほどですが、7人槽や10人槽など大きくなるにつれて、その費用は高くなっていきます。
下水道・浄化槽・汲み取り式のランニングコストの違い
下水道、浄化槽、汲み取り式で、それぞれランニングコストに違いがあります。家族の人数や月の水の使用料、地域や浄化槽の容量など、いろいろな条件によってランニングコストは変わってきます。
そのため、下水道、浄化槽、汲み取り式のどれが良いかは条件によって異なってきます。ただし、ランニングコストの目安を把握すれば、どれが適しているのか判断しやすくなります。
浄化槽
浄化槽の場合は、清掃や保守点検の費用が必要となります。また、電気代や法定検査の費用も必要となります。これらの費用は環境省のアンケートによると、5人槽の規模で、清掃25000円、保守点検18000円、電気代11000円、法定検査5000円がかかっていると結果が出ています。
そのため、5人槽の規模であれば、年間で約59000円のランニングコストがかかることになります。
汲み取り式
汲み取り式の場合は汚水の汲み取り費用がかかります。汚水の汲みは月に1回ほどの頻度で行います。その量の目安は大人1人が1ヶ月で出す汚水量は約120Lほどです。
汲み取り費用は自治体によって異なるため、ホームページで確認するか問い合わせをしてみましょう。東京都八王子市の場合では1回の汲み取りに4000円(貸家やアパート等にお住まいの方は申請により2000円)かかります。(2024年6月現在)
下水道
下水道の場合は、下水道料金が費用として発生します。上下水道の料金は地域によって異なるため、ホームページなどで確認してみましょう。
東京都水道局によると、5人家族で1ヶ月の平均使用水量が28.5m³です。また、下水道料金の早見表では、使用水量が2ヶ月で60m³の場合は消費税を含んで7216円となっています。1ヶ月ではこの半分となるので、下水道料は1ヶ月30m³で約3108円となります。
浄化槽は定期的な清掃・汲み取りが必要であることを把握しよう
浄化槽は生活排水や汚水を綺麗に処理して流してくれる設備です。そのため、清掃や汲み取りが不十分ではその機能を十分に発揮できないこともあります。
浄化槽の機能を保つためにも定期的に清掃、汲み取りが必要となります。また、浄化槽法によって定期的な清掃や汲み取りは義務とされていて、法定検査も必要となります。浄化槽にはいろいろなタイプとルールがあるので、これらは把握しておくようにしましょう。
また、浄化槽に関する記事を以下のリンク先にまとめていますので、興味がある方はご参照ください。
浄化槽ブロアの交換は規模によっては自分でできる|維持管理3つの義務
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