三為業者とは？三為業者に依頼するメリット5つとデメリットを見極めるポイントを紹介

2020 10.21この記事はPRを含みます

三為とは？

不動産業者の中には三為業者（さんためぎょうしゃ）」という業者がいますが、これは「第三者のために契約をする不動産業者」のことを意味しています。簡単にいうと三為業者の三為とは、第三者のため、ということです。

これだけ聞くと悪いイメージはないように見えますが、実際には三為業者には悪いイメージを持っている人がいるようです。それはなぜなのか、三為業者について見ていきましょう。

第三者契約

三為業者の「第三者契約」とは、通常は売り主と買い主の間で契約することを、三為業者をはさんでそれぞれに契約することです。

第三者契約の場合、売り主は買い主と直接契約を結ぶことはありません。それはつまり、実際の取引価格を知らされないということでもあります。三為業者、いわゆる三為屋は売り主と契約しさらに買い主とも契約する、第三者のための契約をする不動産業者のことです。

中間省略登記

「中間省略登記」とは、AさんからBさんへ売却、BさんからCさんへさらに売却が行われた際、Bさんへの売却とBさんが売却した登記を省略する、という登記方法です。

中間省略登記ではBさんの登記が省略されますから、登記上はAさんからCさんへ名義が移転した形となります。かつては中間省略登記がよく行われていたのですが、現在は禁止されているので行われていません。

中間省略と新中間省略の違い

「新中間省略」は中間省略が中間者の登記を省略するのとは違い、「第三者のためにする契約」と明らかにして契約するか、売買契約を結んだ後に買い主としての地位を譲渡するという方法の2つがあります。

中間省略登記が禁止されたことにより、こういった登記法が多用されるようになりました。三為業者と呼ばれる不動産業者はこれらのどちらかの方法により、第三者のために契約をしています。

三為業者に依頼するメリット5つ

三為業者と言うと、悪いイメージを持っている人が多いでしょう。しかし、三為業者を利用することがデメリットばかりかというと、そんなことはありません。今でも三為業者が活用されているのは、そこにメリットがあるからなのです。

ここからは、三為業者に依頼する際の5つのメリットについて紹介します。

三為業者に依頼するメリット1：リフォームの手間がかからない

三為業者に依頼することで得られるメリットとして、購入する物件に「リフォーム」が必要だった場合、三為業者側が行ってくれるので買い主側にはリフォームの手間がかからないことがあります。

中古の物件を購入する際、リフォームが必要となる場合があります。三為業者に依頼した場合は、必要なリフォームは終えた段階で売りに出していますので、改めてリフォームする必要はないことがほとんどでしょう。

三為業者に依頼するメリット2：仲介手数料がかからない

三為業者には「仲介手数料」がかからない、というメリットがあります。

これは、三為業者が仲介している訳ではないからでしょう。三為業者を利用すれば、名義変更の手続きやそれに伴う費用が発生しないことも、メリットと言えるでしょう。

三為業者に依頼するメリット3：金融機関で融資付けされている場合がある

三為業者を依頼する場合のもっとも大きなメリットの1つが、取引する物件がすでに「金融機関から融資付けされている」ため、融資をスムーズに受けられる点でしょう。

本来なら金融機関での融資の申し込みに手間がかかりますが、三為業者は提携している金融機関ですでに融資付けが済んでいます。またフルローンやオーバーローンといった審査が厳しい融資であっても、三為業者の提携金融機関なら融資を受けられる可能性があります。

三為業者に依頼するメリット4：融資付けが厳しい物件でも融資を受けられる場合がある

三為業者に依頼するメリットには、三為業者が提携する金融機関から融資を受けられることがあります。そのため、本来なら融資が難しい物件でも対応できる場合があります。

例えば、区分マンション仲介のように融資付けが難しい物件でも、三為業者に依頼すれば融資付けされた状態で入手できる、ということです。希望している不動産取引の物件で融資付けが厳しい場合は、三為業者に依頼することを検討してみてもよいでしょう。

三為業者に依頼するメリット5：お得な物件がある場合も

三為業者に依頼する場合、当然ながら物件価格は三為業者の利益も加わったものになるため割高になる傾向がありますが、中には安く購入されて、お得な価格で販売されている物件もあるでしょう。

物件の購入や売却に慣れている三為業者により割安で購入された物件なら、利益を上乗せしても他の業者から購入するより安い場合がある、ということです。物件価格の相場をよくチェックしてみましょう。

三為業者に依頼するデメリット

ここまでは三為業者のメリットについて紹介してきました。しかしながら、三為取引・三為契約にはあまりよいイメージがないこと、悪質な業者がいるということも事実でしょう。紹介してきたメリットも、逆にデメリットになることがない訳ではありません。

三為業者には、買い主本人ではないため実際の物件価格が分からないことや、提携金融機関があるけれど金利が高く利用しにくい、といったデメリットがあるでしょう。

三為業者のイメージが悪い理由とは？

三為業者のイメージが悪い理由は、利益上乗せのために物件を安く買いたたこうとしたり、買い急がせたり、かつて不動産取引で問題となったことがあるからでしょう。

お得に購入できるということは、売った方は安く売ってしまったということです。とにかく早く契約させようと買い急がせる傾向があり、「かぼちゃの馬車」問題では虚偽記載で実際の家賃とは違う金額を記載していたなど、数々の問題がありました。

悪徳三為業者に狙われやすい人の特徴

三為業者は違法なことをしている訳ではありませんが、何も考えず利用しては悪徳な業者に騙されるケースがあります。

こういった悪徳三為業者に狙われないために、実際にどのような人が狙われているのかというと、まずは不動産投資について詳しくない人、そして不動産についての相場観がない人でしょう。

不動産初心者のセミナーに参加するような場合は、とくに注意が必要です。うまい話に飛びつかないようにしましょう。

三為業者を見極めるポイント

悪質な三為業者に騙されないために、狙われやすいターゲットを知っておくとともに、そういった業者が使いやすいセールストークを把握しておくとよいでしょう。

かつてよく使われていたのは、「満室保証」や「修繕費は売り主負担なのでかからない」、そして「買い急がせる」行為です。相手が悪徳三為業者かどうか見極めるために、相手の言動にはよく注意を払いましょう。

「満室保証」を出してくる業者

「満室保証」とは、購入した物件に空室が出てもある程度家賃を保証してくれるというもので、一見して良いサービスのように見えますが、かつて「かぼちゃの馬車」で問題となりました。

満室保証と言われていても当の会社が倒産してしまったり、家賃の減額交渉をされたりして、当初の予定通りの保証を受けられなかったという問題です。

買い急がせる業者

「この物件は今しか買えません」というように、買い急がせる業者は注意した方がよいでしょう。確かに、人気のある物件は早く押さえないとダメな場合がありますが、そうではない物件でも買い急がせる業者があります。

どうして買い急がせるのか、それは期限を短くすることで相手が調べる時間をなくすこと、判断力を鈍らせるためでしょう。本来なら物件購入は慎重に検討しなければならないのに、急がせてその時間を作らせないようにしているのでしょう。

三為業者について知っておこう！

今回の記事では三為業者についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。三為業者のイメージは悪いものが多いのですが、決してメリットがないという訳ではありません。しかし悪徳な三為業者がいることも事実なので、しっかり知識や相場観を身つにけておくことは必須です。

三為業者について調べ、知識を持つことで悪徳な業者に騙されず、上手く活用していけるようになりましょう。