当座預金と普通預金の違い11選|当座預金における仕訳3選なども紹介
2023 11.8この記事はPRを含みます
当座預金とは
預金にはいくつか種類がありますが、よく見聞きするものとして当座預金と普通預金があります。普通預金は普段よく利用されているものですから馴染みもありますが、当座預金は見聞きはするけれど利用したことがない方が多いでしょう。
当座預金とは、個人事業主や企業が業務上の小切手や手形の支払いに使用される預金のことです。
今回は、当座預金と普通預金の違い11選や当座預金における仕訳3選などを紹介していきます。
当座の意味とは
当座預金がどういうものであるかは先程、簡単に説明しましたが、そもそも当座という言葉にはどのような意味があるのでしょう。
当座とは、「すぐその場」や「即座」、「しばらくの間」、「一時」などを意味しています。
当座と言う言葉の使い方としては、「当座をしのぐ」や「当座の間に合わせ」などがあります。
普通預金とは
当座預金や当座という言葉の意味を紹介してきましたが、ここで普通預金がどういうものかを説明していきます。
普通預金とは、ATMでお金の預け入れや引き出しが自由に行え、給与の振込や家賃、公共料金などの引き落とし口座としても多くの方に利用されているものです。
普通貯金は個人が開設して利用するだけでなく、業務用として開設することもできるのでビジネスの場でも利用されています。
当座預金と普通預金の違い11選
ここまで当座預金とはどういうものか、普通預金とはどういうものかを大まかに紹介してきました。
当座預金の特徴は業務上の手形や小切手の支払いに使われているということであり、それが普通預金との違いでもあります。しかし、当座預金と普通預金の違いそれだけではありません。
当座預金と普通預金には細かな違いがいくつかあります。ここからは、当座預金と普通預金の違い11選を紹介していきます。
当座預金と普通預金の違い1:審査による違い
当座預金と普通預金の違いに、審査による違いがあります。
金融機関ごとに基準に違いはありますが口座を開設するためには、必ず審査が行われています。普通預金の口座を開設する場合にも審査が行われていますが、審査基準は比較的緩くなっており誰でも簡単に口座を開設可能です。
当座預金の場合は、手形や小切手の支払ができるなど普通貯金にはない制度があるので、審査は厳しく行われています。
当座預金と普通預金の違い2:利用者の違い
利用者も当座預金と普通預金では違います。
普通貯金は、個人だけでなく個人事業主や法人まで幅広い方が利用することができますが、当座預金は利用者が限定されています。
当座預金は、小切手や手形を支払うための資金を預けておくための口座ですから、企業や一部の個人事業主が利用者です。
当座預金と普通預金の違い3:ATM利用による違い
当座預金と普通預金の違いとして、ATM利用による違いもあります。
普通預金の口座をお持ちの方は普段、金融機関やコンビニにあるATMで現金を自由に出し入れしているでしょうが、当座預金ではATMを使って現金を出し入れすることができません。
現金を当座預金に入金する場合は当座預金入金帳を利用する必要があり、出金する場合には口座振替をする必要があり、普通預金とは違いがあります。
当座預金と普通預金の違い4:利息が違う
当座預金と普通預金の違いには、利息の違いもあります。
普通預金はお金を口座に預けておくと、数パーセントの利息が付くようになっていますが、当座預金は利息が付きません。
どうして当座預金は利息が付かないかというと、臨時金利調整法という法律で利息をつけることが禁止されているからです。当座預金と普通預金との違いには、利息が付かないということがあります。
当座預金と普通預金の違い5:限度額による違い
当座預金と普通預金の違いには、現金を引き出せる限度額による違いもあります。
普通預金から現金を引き出す場合には、引き出すことができる限度額がATMの場合、1日100万円など決められていますが、当座預金には限度額が設定されていません。
当座預金のお金は企業などの営業のための資金として使われているため、1日に動かさなければならない金額が大きくなるため、限度額が設定されておらずいくらでも引き出すことができます。
当座預金と普通預金の違い6:手形や小切手による違い
先程も述べましたが、当座預金と普通預金の大きな違いとして手形や小切手が使えるか使えないかによる違いがあります。
当座預金は手形や小切手の支払いをするための口座ですが、普通預金は手形や小切手の支払いはできません。
企業は多額の現金を持ち歩くことにはリスクが伴いますので、手形や小切手を利用できる当座預金を開設しているケースが多いです。
当座預金と普通預金の違い7:手数料による違い
手数料による違いも当座預金と普通預金の違いのひとつです。
普通預金は指定されたATM以外からの引き出しや時間外にATMを利用すると手数料がかかってしまいますから、場所や時間を考えて現金を引き出しているという人も多いでしょう。
しかし当座預金では手形や小切手の支払いのためにも現金を引き出すことにも手数料がかかりません。手形や小切手を利用して手数料を支払わずに決済することができます。
当座預金と普通預金の違い8:保護の限度による違い
当座預金と普通預金の違いには、保護の限度による違いもあります。
金融機関が万が一、経営破たんや倒産してしまったりした場合、預金保険機構からの保証を受けることができるようになっていますが、普通預金の場合はペイオフ制度により1000万円までしか保証されません。
しかし、当座預金の場合には保証額に限度はなく、経営破たんしたり倒産したとしても全額保護されるという特徴があります。
当座預金と普通預金の違い9:観察調査による違い
行動観察調査による違いも当座預金と普通預金の違いのひとつです。
当座預金にも普通預金にも行動観察調査はありますが、当座預金は約200万円というのに対して、普通預金は3名、1日観察となっており違いが見られます。
当座預金と普通預金の違い10:貸越契約による違い
当座預金と普通預金の違いには、貸越契約による違いもあります。
普通預金は残高が0円になってしまうと引き出しや振込が不可能となりますが、当座預金には残高が不足しても限度額内であれば支払できるという制度があります。
これが当座貸越契約です。事前に金融機関と貸越契約を結んでおけば残高以上の小切手を出したとしても不足分を金融機関に肩代わりしてもらえ不渡りを防ぐことができます。
当座預金と普通預金の違い11:口座開設の費用による違い
最後に紹介する当座預金と普通預金の違いには、口座開設の費用による違いがあります。
普通預金の口座を開設したことがある方なら分かると思いますが、普通預金の口座を開設する場合には費用は一切かかりません。
ですが当座預金の口座を開設する時には開設費用がかかる場合があり、いくらかかるかは金融機関により違います。一般的に普通預金は口座開設費用はかからず、当座預金は口座開設費用がかかると覚えておきましょう。
当座預金における仕訳3選
最後に、当座預金における仕訳3選を紹介します。
仕訳とは、簡単に説明すると取引の記録を原因と結果にわけて仕訳帳に記載していくことです。仕訳は簿記の基礎であり複式簿記では「借方」と「貸方」を記載します。左が「借方」で右が「貸方」です。
資産が増えたら借方に減ったら貸方に、負債が減ったら借方に増えたら貸方に、純資産が減ったら借方に増えたら貸方に、収益が減ったら借方に増えたら貸方に、費用が増えたら借方に減ったら貸方に記載するルールです。
当座預金における仕訳1:現金での取引をする場合
最初に紹介するのが現金での取引を仕訳する場合です。現金20,000円を当座預金に入金した場合の取引例で紹介していきます。
現金を入金するということは当座預金の残高が増えると同時に現金という資産が減るということを意味します。ですから仕訳帳の左側の借方に当座預金・20,000円と記載し、右側の貸方に現金・20,000円と記載しましょう。
逆に当座預金から現金を引き出す場合には借方と貸方の記載が逆になります。
当座預金における仕訳2:手形での取引をする場合
次に手形での取引をする場合です。20,000円の商品を仕入れ、手形を出し支払った場合を例にして紹介していきます。
手形債務が増えたと同時に仕入した商品が増えたということになります。
仕訳帳の借方に仕入・20,000円と記載し、貸方に支払手形・20,000円と記載し、手形は期日になると決済されるので、期日が来たら借方に支払手形・20,000円と記載し、貸方に当座預金・20,000円と記載しましょう。
当座預金における仕訳3:小切手の取引きをする場合
最後に小切手の取引の場合です。会計上、小切手を振り出した時には当座預金で仕訳を行いますが、他社が振り出した小切手は現金として仕分けします。
20,000円の商品を仕入れ、小切手を振り出した場合は、借方に仕入20,000円と記載し、貸方に当座預金20,000円と記載しましょう。
当座預金について理解しましょう
今回は、当座預金とはどういうものか、普通預金とはどういうものか、両者の違いなどについて紹介してきました。
当座預金は、法人や個人事業主が手形や小切手の決済口座に使用するために開設されているもので普通預金のように個人から法人まで幅広く利用されているものではありません。
これからビジネスをはじめようとしている人は違いを理解しておくようにしましょう。
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