kinple金融(kinyu-)の世界をsimpleに

木造アパートの耐用年数|耐用年数を超えた場合の問題点と対処法3つ

2020 06.4この記事はPRを含みます

木造アパートの耐用年数とは

木造アパートの耐用年数としてよくあげられるのは「法定耐用年数」であり、そこでは木造建築での家屋の耐用年数と、鉄筋コンクリート造りの家屋や建物向けの耐用年数などと、その設計の種類によって分けられています。

アパートや住宅などに見られる木造建築による家屋の耐用年数は基本的に「22年」と定められ、また鉄筋コンクリート造りによる建物の場合は軽量鉄骨造も含め、「19年から34年」とされています。

そもそも耐用年数とは

耐用年数というのは家屋・建物に限って規定されるものではなく、船舶や機械設備などを含め、一般の固定資産に含まれる所有物にも採用される年数のことになります。

一般には「減価償却資産が利用に耐える年数」のことをあげて言われ、長期年数と短期年数に分けられる場合が分野によっては認められ、経済的・環境的に価値がどれくらいあるかという用途別での計算の基礎を土台とします。

耐用年数

会計上の耐用年数

一般企業が財務諸表を掲示する段階に際し、固定資産に耐用年数を決定する場合は、企業環境や固定資産の利用状況の変化や過程を検討して決定することになります。

その上では、同じ資産価値を保有する企業が複数あったとしても、企業の利用の状況によって耐用年数は異なることになり、このような場合に企業の個別状況を反映して決定される耐用年数を個別的耐用年数と規定されます。

法定耐用年数

耐用年数というのは本来、期間の長短によって納税額に影響を及ぼすことになるため、法人税法においては、一般の恣意性を排除する目的を持ち、「資産の種類」「構造」「用途」別に耐用年数を詳細に定めることになります。

規格的に固定資産・資産の耐用年数を扱うことにより、税法で規定される耐用年数を「法定耐用年数」と定める上で、法定耐用年数と会計上の耐用年数は一致しない場合も果たしてあります。

法定耐用年数の決められ方

一般に言われる法定耐用年数の決められ方では、その固定資産(家屋・建物・設備)などに関する構造・用途内容によって特定の年数が求められることになります。

木造アパートの場合は特に木造建築の上物としての価値がどれだけあるか、その木造アパートの内装・外観をはじめ、将来的な資産価値がどれくらいあるかをまず検討した上で、一般の木造アパートに課される法定耐用年数の規定試算によって指定されます。

資産の構造により定められる

耐用年数というのはそもそも「固定資産(物件)に関する老朽化を見越した上での使用年数」とほぼ同義となるため、木造アパートの場合でも鉄筋コンクリート造りの家屋の場合でも変わらず、リフォームする以前の家屋状況が耐用年数を決定する際の基本価値となります。

その場合、木造アパートの耐用年数では一般に22年という数字が割り出されますが、その用途や環境によって認められた場合、その耐用年数には変動が出てきます。

資産の種類・用途ごとに定められている

木造アパートと言っても、そのアパートの空間・内装・外観をもって、どのような住み方をするかという個別の使用目的があります。工場に隣接する場合は倉庫代わりに使われたり、また個別に見られる家宅においても物置やアトリエ代わりに使われたりします。

その場合の個別での使用目的によって耐用年数の試算も大きく変わり、また木造アパートにしても部位によって鉄筋が使用されることもあるため、見積もりは緻密になります。

耐用年数の使われ方3つ

さてここからは、実際に社会において採用されている耐用年数の種類や計算の仕方をはじめ、木造アパートの場合や鉄筋コンクリート造りの家屋・建物との違いなどの観点から確認していきましょう。

耐用年数の求め方は先述のように、その家屋・建物・設備の使用目的や用途によって大きく変わるもので、また使用頻度などによっても累算計上において耐用年数の見積もりは変わります。

1:減価償却の計算

減価償却によって割り出される耐用年数というのは、木造アパートでも鉄筋コンクリート造りの家屋の場合でも、それぞれの家屋・建物の使用価値が経年によって(使用によって)次第に減少する過程を見越した上で、補強・新設を加味した累乗計算となります。

つまり木造アパートの場合で言えば、その木造アパート使用価値が経年において減少するため、修理・改善などを兼ねた上で資産価値を計上する形となります。

2:融資期間の計算

どんな種類の家屋・物件にしても、将来的な修理・補強・リフォームなどをプランニングする場合には、そのために必要となる費用を融資の形で計上することが通常となるでしょう。

その辺りの一般の融資期間においても耐用年数を加味した上で、その融資期間が(各種銀行・融資機関から)どの程度の信用と継続性をもって賄ってもらえるか、といった観点を先に踏まえて計上します。

3:実際に使える年数

木造アパートでも鉄筋コンクリート造りの家屋の場合でも、実際にその家屋・環境が使用できるものでなければ所有者にとって意味がないものとなります。その辺りにもきちんと配慮した上で、耐用年数の計上では「将来的な耐用年数」の計算が重要になります。

つまり、先でご紹介しました修繕・リフォームプランニング・融資機関の信頼性を加味した上で、その建物の実質の使用度を割り出す上で計上される耐用年数の計上となります。

アパートの構造と耐用年数

木造アパートの耐用年数はその構造と家屋の種類そのものによって大きく変わるもので、一般にはどの場合でもとりあえず「22年」という年数値で取り決められていますが、場合によっては軽量鉄骨造の場合も見られるため、その際には年数に変動が出てきます。

そのような、木造アパート・鉄筋コンクリート造りの家屋の場合でも構造や設計段階の情報をインプットしておく必要があるため、基本的な耐用年数の計上を把握しましょう。

木造

まず通常の木造アパートの耐用年数の場合ですが、この場合は一般に規定された「22年」が一応の法定耐用年数として定められています。しかしこの場合でも、そのアパートの周囲の環境や使用頻度、また目的・用途によって変わることがあるため留意が必要です。

木骨モルタル造

次に、木骨モルタル造の場合の家屋(木造アパート・軽量鉄筋コンクリート造りの家屋)の場合ですが、この場合の法定耐用年数は一般に規定されていません。この木骨モルタル造の場合も基本的には通常の木造アパートの耐用年数と同じに見られるのが通底とされます。

ただしこの場合でも、利用目的・用途・周囲の環境などによって耐用年数の割り出し方に変動が認められるため、然るべき役所などでその辺りの相談をすることが大切です。

rc造

「rc造」というのは一般的に鉄筋コンクリート造りの家屋・建物のことを指しており、この場合の耐用年数は「47年」(1998年の税制改正により)と定められています。

しかし、鉄筋コンクリート造りの家屋・建物の場合は木造アパートの場合に比べてその用途が著しく異なる傾向があるため、その点を鑑みる上で、耐用年数の算出においては将来的な所有者ニーズを的確に把握する姿勢が認められます。

src造

次に「src造」の場合ですが、これも基本的には「鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC)造」の家屋・建物と同じ耐用年数の計上となるため、鉄筋コンクリート(RC)造の場合と同じく「47年」とされています。

この他に重量鉄骨造の家屋・建物の場合は「34年」、軽量鉄骨造の場合は最長で「27年」とそれぞれ耐用年数が定められており、これらの算出法から見ても木造アパートの場合とは大きく変わる点が見て取れます。

中古の木造アパートの残存耐用年数

まず「残存耐用年数」というのは、それまでに誰かが使っていた木造アパートや軽量鉄筋コンクリート造りの家屋の場合に採用されるもので、その後の将来的な家屋そのものの資産価値・使用過程老朽耐性に配慮した上での耐用年数の計上となります。

そのため「残存耐用年数」は基本的に中古物件の木造アパート・鉄筋コンクリート造りの家屋の場合にのみ採用され、その場合の耐用年数の算出法も把握しておきましょう。

法定耐用年数内の場合

木造アパートの場合は、基本的に一般の耐用年数「22年」が大きく変動することがないため、たとえば前オーナーが10年間使用していた場合なら、その残存耐用年数は「12年」という単純な見極めから始まります。

もちろんそれだけで耐用年数の全体が計上されるのではなく、その現状に見られる木造アパートの状況・用途を果たせるかどうかの見積もりなども含め、あらゆる角度からの調査がなされます。

耐用年数を超えたアパートの場合

耐用年数を超えたアパートの場合は基本的にその物件の資産価値は「ゼロ」となり、法定においても中古物件として売買することはできません。物件そのものに価値がなくなるということは、当然、融資もできないということで、取引そのものができなくなります。

そのためこのような場合、それが木造アパートでも鉄筋コンクリート造りの家屋の場合でも、再び売買できる状態に戻すことが先決となり、リフォームが必要になります。

耐用年数を超えた木造アパートの問題点

耐用年数を超えた木造アパートの問題点は幾つもあげられますが、まずそのままの状態では金融機関からの融資を受けることができず、法律上でも資産価値がなくなるため、取引そのものに大きな支障が出ることになります。

そのため、基本的には木造アパートでも鉄筋コンクリート造りの家屋の場合でも売買はできませんが、その担保として土地を差し出す形で金融機関から融資を受け、その場合は取引が可能になります。

金融機関の融資を受けられない

木造アパートの場合・鉄筋コンクリート造りの建物の場合でも同じく、資産価値ゼロの物件に融資してくれる銀行や金融機関はどこにもないでしょう。これは建物・家屋そのものへの融資ができないということで、上物物件に対する信用の問題になります。

そのため、上物をメインにする上で取引を継続する場合には、まず業者側(不動産)で物件のリフォームや新築なりが必要となる上で、余計に資金がかかることになります。

土地で融資を受ける

上物そのものへの融資・信頼がどうしてももらえず、さらにリフォームするにも資金が不足している場合には、その土地を担保に融資を受けることはできます。この方法は現代でも多くの不動産によってなされますが、それでもやはり少々のリフォームは必要となります。

この場合の土地を担保にする行為は、まず上物のリフォーム代を工面するためのものであることが多く、特に木造アパートの場合は必須の融資となる傾向性があります。

耐用年数の超えた木造アパートの対処法3つ

さてここからは、それまで使用し続けてきた上で「耐用年数が超過してしまった木造アパート」の例を取って、その場合の対処法を3つの点から確認していきましょう。

耐用年数が超過してしまうということは、そのまま取引物件としての資産価値はゼロということになり、また新たな工面・創意をもって取引に対応できる物件へのリフォームが必要になります。

1:建て替える

中古物件での木造アパートなどには特に多く見られる状況ですが、少々のリフォームでは取引物件とするのに追い付かない場合、いっそのこと新築の形で建て替えるほうが優位になる傾向が見られます。

リフォームする場合には、それぞれの家屋・環境・用途などによって当てられる修理費や改善費用が多大にかかることが多く、さらに余計な支出によっても「中古物件」という看板を外せないことに大きなネックが見られます。

2:リフォームを行う

木造アパートを建て替えせずにリフォームのみで再び取引物件とする場合は、物件そのものの老朽がまず少ないことが必須条件となり、その木造アパートが建てられて年数がそれほど経過しておらず、さらに残存耐用年数が最低でも5年以上ある場合になるでしょう。

物件取引する場合は、もちろんその物件情報を隅々まで顧客に掲示する必要があるため、その際に老朽具合・経年劣化などがわかると、それだけで売れない場合が多いです。

3:売却する

先述でご紹介しました2つの方法のいずれにしても適応できない場合、また買い手が付かない場合には、いっそその物件を何の修繕もしないまま売却するか、少々リフォームした上で別企業などに売却するなどの方法があります。

リフォームするにも費用が掛かるし、またずっと売れ残りのままでは形状維持費がものすごく掛かることになるため、手放すほうが賢明な判断となる場合もよくあります。

建物を残したままアパートを売却する

いわゆる上物取引の形での物件売却ですが、この場合の特典は「何の手も施さずにそのまま利益に置き換えられる」という点にあり、条件としては、確実に購入してくれる顧客がいることになります。

それも早期の段階で購入してくれる顧客の確保が必須の条件となり、あまり期間が長引いてしまうことによって、耐用年数が費やされていき、さらには買い手が付かなくなる上で維持費のほうがどんどん出費されることになります。

アパートを取り壊してから売却する

一度更地にしてからその土地を主な取引材料にする方法ですが、一般にはこちらの方法が多く採用されており、またこちらの売却方法のほうが多くの買い手が早期の段階で見付かることが多いでしょう。

上物の取り壊しに際しても業者依頼に関する費用・期間がかかることになるため、買い手(顧客)のほうでそれを賄うのは億劫となります。その点を排除した上での売却となるため、木造アパートの場合は特に勧められます。

木造アパートの耐用年数について知って対応しよう

いかがでしたか、今回は「木造アパートの耐用年数|耐用年数を超えた場合の問題点と対処法3つ」と題し、「木造アパートの耐用年数」についての詳細情報をはじめ、耐用年数を超えた場合の問題点・対処法をご紹介しました。

木造アパートの場合はその耐用年数が一般的に「22年」と決められていますが、これは使用目的や環境によって変わることがあります。その辺りをしっかり把握しておき、自己ニーズに即した取引をしましょう。

\ お金の勉強をしよう/
ページの先頭へ