ヘッジファンドとは?ヘッジファンドの要点や投資するメリット、投資手法を徹底解説!
2023 12.7この記事はPRを含みます
ヘッジファンドとは?
「ヘッジファンド」という名前は多くの人が聞いたことはあるかもしれませんが、その実態についてはよくわからない人も多いのではないでしょうか。
「ファンド」とは、投資家から資金を集めて投資し、得た利益を分配するという仕組みです。さらに「ヘッジファンド」とは、相場が変動しても利益を追求できることを目的とした仕組みです。
ヘッジ(hedge)は英語で「避ける」という意味があります。相場が下落した時の損失を「避ける」という意味も含まれています。
ヘッジファンドの要点5つ
ヘッジファンドとは何か、という点に関しては、具体的にどのような特徴があるのか、その要点を抽出することで理解しやすくなると思います。
そこで、ヘッジファンドの特徴について主な要点を5つほど以下に紹介します。
ヘッジファンドの要点1:ヘッジファンド投資をしている主な企業の業種
ヘッジファンドを投資対象としている企業は国内系・外資系を合わせてさまざまな業種が存在しています。
主な業種としては、銀行や保険会社など金融機関系列の資産運用会社、アセットマネジメント企業、投資信託・投資顧問会社、債券専門運用会社、などを挙げることができます。
ヘッジファンドの要点2:ヘッジファンド投資を行う企業に投資する投資家の層
ヘッジファンドは私募投資信託であり、公募投資信託のように誰でも投資できるものではなく、限定された投資家しか投資できません。
つまり、ヘッジファンド企業への投資家とは、相応の投資経験があり、投資可能な資産規模も大きなサイズであることが特徴と言えます。
なぜ富裕層が多い?
ヘッジファンドへの投資は、投資経験が豊富で投資金額も大きいことが必要になりますので、多くの顧客が富裕層に属していると考えられます。
前述した公募投資信託に比べると、投資に参加するハードルは遥かに高いものとなっているのが現状です。
ヘッジファンドの要点3:ヘッジファンド投資を行う企業に投資するメリット
ヘッジファンド投資企業に投資をするメリットにはさまざまなものが考えられますが、ローリスク・ハイリターンの実績、リスクを抑制した運用が可能、ハイレベルのマネージャーに運用を任せることが可能、といった主に3つのメリットを挙げることができます。
それぞれのメリットについて、その意味を簡単に説明します。
ヘッジファンドに投資するメリット1:低リスクで高いリターンの実績がある
ヘッジファンドへの投資については、他人資本を利用することや先物取引などを活用したりレバレッジを効かせたりすることで、多額の運用益を得られる仕組みを動かしている、と言えます。
その一方で、運用担当者自身も出資しているケースが多いこと、さまざまな運用手法を組み合わせていること、中長期的な視点で安定的な運用が可能なことから、比較的低リスクでの運用がなされていると言えます。
つまり、ヘッジファンドには低リスク高リターンの運用実績があり、それが信頼の源泉になっていると言えるのです。
ヘッジファンドに投資するメリット2:リスクを抑えた運用を行える
リーマンショックのような世界的な金融危機が起きる以前は、「分散投資が安全」という考え方が一般的でした。しかし実際は、株以外にも不動産や鉱物、原油までもが一気に下落し、分散した意味がない、という結果が多数見られました。
ヘッジファンドは絶対利益を追求するファンドです。相場の変動に強いと言われる理由は、一般の投資家とは違う独自の基準で銘柄を選んでいるという点にあります。
一般の相場から独立しているため、世界規模で相場が下落してもリスクを抑えられる可能性が高いのです。
ヘッジファンドに投資するメリット3:トップレベルのマネージャーに任せられる
せっかく投資をするのであれば利益を追求するのは当然です。一般の投資家は自分の資産を元手に、自分の力で相場を読んで株取引などを行うことが多いでしょう。
しかし、富裕層であればヘッジファンドに投資することが可能になります。ヘッジファンド投資を行っている企業には、優秀なファンドマネージャーが所属していることが多いようです。
投資をする際には自分で知識を持つことも大切ですが、ファンドマネージャーの力を借りることによって、より確実性のある資産運用ができることになります。
ヘッジファンドの要点4:ヘッジファンド投資の最低投資単価
ヘッジファンドへの最低投資金額とはいったいいくらくらい必要なのでしょうか。
ヘッジファンド投資の最低投資単価は、一般的には、100万USドル(約1億円)と言われています。しかし、リーマンショック後は大幅にその価格は下がり、1000万円ほどになったとも言われています。
公募投資信託などと比較すると、1000万円もかなり高いハードルだと言えるでしょう。
ヘッジファンドの要点5:投資家への成功報酬は?
ヘッジファンドの投資家への報酬とは、どのようになっているのでしょうか。
ヘッジファンドは、原則として、成功報酬制度を設けています。出資者は固定手数料として2~5%、成功報酬として値上がり益の20~30%、と運営担当者と事前に約束することが多いようです。
ヘッジファンドの投資手法6選
ヘッジファンドの投資にはさまざまな戦略や手法が生み出されていますが、それらの中でも代表的な5つの投資手法について、以下に説明します。
ヘッジファンドは、世界中におけるさまざまな投資対象を調査・検討し、これがベストと思う資産の組み合わせ(ポートフォリオ)を組成して、投資手法を実践しているのです。
ヘッジファンドの投資手法1:高レバレッジで取引する
ヘッジファンドの投資手法の特徴は「高レバレッジの取引」という点を挙げることができます。
高レバレッジとは、金融機関などからお金を借りて投資金額を増やして投資をするということを指しており、例えば株の信用取引やFX取引などは高いレバレッジを利用した取引手法だと言えます。
しかし、最近では高レバレッジ取引のリスクの高さが嫌煙され、ヘッジファンドで退潮傾向の投資手法になっているようです。
ヘッジファンドの投資手法2:株式の場合は両建ての投資スタイルが多い
ヘッジファンドが株式に投資する場合には「両建て」スタイルが多いようです。
両建てとは株式の売りポジションと買いポジションの両方を保有する投資手法のことです。
一見損得がないように思うかもしれませんが、株価の方向性が見極めにくいような場合に両建てのポジションを保有しておけば、一方に相場が動いた時に含み損を抱えた方のポジションを損切って、含み益のポジションをそのままに取引を継続することが可能になります。
つまり、両建てはリスクを抑えて取引に参加することが可能な方法であると言えるのです。
ヘッジファンドの投資手法3:複数の戦略を組み合わせている
ヘッジファンドの投資手法の特徴としては、複数の投資戦略を組み合わせている、という点があります。
このような投資戦略を「マルチ・ストラテジー」と呼んでおり、安定収益を選好する投資家を中心に出資金額が増加しています。
具体的なマルチ・ストラテジーの投資手法とは、割安な株のロング(買い)ポジションと割高な株のショート(売り)ポジションを組み合わせる「株式ロングショート」というものがあります。
また、個別企業におけるイベント(重要な意味を持つ企業の具体的な活動)を投資のきっかけとする「イベントドリブン/合併裁定」などのいくつかの戦略を組み合わせるケースを挙げることができます。
ヘッジファンドの投資手法4:コンピューターを使った高速な先物取引
ヘッジファンドでは近年HFT(High Frequency Trade、高頻度取引)という取引手法が広がっています。
HFTとは、先物取引などにおいて、コンピューターで統計学的に過去の値動きを分析して、1秒間に数千回という高い頻度の取引を実行することを言います。
相場に流動性をもたらし、値動きがゆるやかになるというメリットもあると言われています。
ヘッジファンドの投資手法5:企業の重要なイベントに焦点を当てて投資する
上述の通り、企業の重要なイベントに焦点を当てて投資する手法のことを「イベントドリブン型」と呼んでいます。
具体的には、企業の経営に多大な影響を及ぼすことになる買収・合併(M&A)や業務・資本提携、といったイベントが生じた場合に発生する株価の誤謬(ミス・プライス)を収益のチャンス(機会)とする投資戦略のことです。
例えば、M&A案件が公表されて両社の株価が大きく変動した際に、M&Aが無事に成立すれば合併比率の理論株価に落ち着くと考えて、割高な方の企業の株を売って割安な方の企業の株を買うような方法です。
また、経営不振などを理由に割安になっている企業の株式などを安く購入して、価格が回復した際に売却益を得る手法を挙げることもできます。
ヘッジファンドの投資手法6:裁定取引を行う
ヘッジファンドの取引手法としては裁定取引(アービトラージ取引)を挙げることもできます。
裁定取引とは、前述した両建て取引の1種で、理論値が割安な株や債券を購入して、理論値が割高な株や債券を売却(空売り)する投資手法のことを言います。
もし、市場が大きく変動した場合でも、一方のポジションがリスク回避(ヘッジ)の役目を果たすことになるので、損失をミニマイズできるというメリットがあります。
ヘッジファンドとは相場に影響されないように行う投資方法である
ヘッジファンドとは、極力リスクを回避して高い収益を上げることを目的とするファンドのことです。
さまざまな投資手法が存在しており、それらを駆使して投資家に収益を還元することになるのですが、自分が投資するヘッジファンドがどのような投資方針や投資手法を採用しているのかを確認しておくことは極めて重要かつ必要です。
ヘッジファンドに関する記事を以下のリンク先にまとめていますので、興味がある方はご参照ください。
退職金のおすすめの運用方法6つ|国債やヘッジファンドについても解説
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