ビットコインの仕組みとは?特徴や既存通貨との違いを初心者に解説

仮想通貨(暗号資産)の知名度が高まりを見せています。その代表格であるビットコインを保有している人は、年々増加傾向です。

そんな中で、ビットコインに興味はあるものの、どんな仕組みで流通しているのかわからずに、購入を躊躇している方も多いのではないでしょうか。

ビットコインは、日本円や米ドルのような既存の通貨とは全く異なる仕組みの上で成り立っています。日本銀行が発行しているわけでもなければ、銀行に預けることもできません。

本記事では、ビットコインの流通の仕組み・既存の通貨との違いや特徴・ビットコインのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

※以下の情報は、全て2022年3月現在の情報です。

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ビットコインとは?

通貨名 ビットコイン
シンボル BTC
総発行枚数 2,100万枚
価格 4,851,269円
時価総額ランキング 1位
時価総額 92兆円
主な取引所
  • Coincheck
  • bitFlyer
  • DMM Bitcoin
  • bitbank
  • Huobi Japan
公式サイト ビットコインの公式サイト

▲参照:CoinMarketCap(2022年3月18日時点)https://coinmarketcap.com/ja/

ビットコインは、世界で最初に作られた仮想通貨で、基軸通貨として世界で最も流通量の多い銘柄です。

2008年10月にSatoshi Nakamoto(サトシナカモト)名義で書かれた「国や銀行が管理しない分散型の仮想通貨(=ビットコイン)」という論文をきっかけに、ビットコインが世の中に認知されるようになりました。

ビットコインの総発行枚数は2,100万枚とされており、2021年12月13日時点で1,889万枚が発行済みです。

発行枚数が決まっていることから、希少性が高まるため、通貨でありながら資産としての価値も持っています。

ビットコインの詳細や特徴については、「ビットコイン/仮想通貨投資の始め方を初心者にもわかりやすく解説」の記事で解説しています。より詳しく知りたい方はご覧ください。

また、これからビットコインを買ってみたい方向けに、「【初心者必見】ビットコイン(仮想通貨)の買い方を徹底解説」の記事で買い方を説明しています。

ビットコインと法定通貨や電子マネーとの違い

ビットコインと法定通貨や電子マネーの違いについて見てみましょう。

ビットコインは通貨であるため、日本円などの法定通貨や電子マネーとよく比較されます。

違いを理解すると、ビットコインの仕組みも理解しやすいため、それぞれの違いを整理しておきます。

法定通貨 日本円など、国が発行する通貨です。

日本円なら日本と、発行している国でしか使えません。

流通枚数は国が管理しており、通貨の価値は国によって保証されています。

電子マネー 法定通貨を電子化したものです。

法定通貨は硬貨や紙幣など実物がありますが、電子マネーは実体がなく、デジタル化された状態で保管されます。

ビットコイン

(仮想通貨/暗号資産)

ビットコインは、インターネット上で取引される通貨です。

通貨の管理者は不在で、構築されたシステムによって自動で発行されます。

法定通貨と電子マネーは実体があるか、ないかの違いだけで、基本的には同じものと考えて良いでしょう。

しかし、ビットコインと法定通貨・電子マネーは異なる点が多く存在する。

まとめると次の違いがあります。

ビットコイン 法定通貨・電子マネー
発行元 なし
管理体制 非中央集権 中央集権
法律 仮想通貨の法律 法定通貨の法律
利用可能な場所 世界中(インターネット通信ができる場所) 発行する国内
発行上限 2,100万枚 なし
価格変動 大きい ほとんどない

 

ビットコインの仕組み①:基礎技術

次にビットコインの仕組みを理解する上で知っておくべき基礎技術として次の3つを解説します。

  • 公開鍵暗号方式
  • ブロックチェーン
  • マイニング

それぞれ説明します。

公開鍵暗号方式

公開鍵暗号方式とは、「公開鍵」と「秘密鍵」の2つの鍵を利用して、暗号化と復号化を行う仕組みです。これにより、銀行などの中央管理者がいなくても、ビットコイン(仮想通貨)を安全に取引できます。

秘密鍵は、公開鍵を作るための鍵です。

51の英数字を組み合わせてできている、あなた専用の鍵です。他人に知られると、ハッキングされビットコインを奪われるため、絶対に他人に知られてはいけません。

公開鍵は、ビットコインのウォレットアドレスを作成するための鍵です。

秘密鍵による複雑な計算をもとに作られた鍵であるため、公開鍵を公開してもハッキングされてビットコインを失うことはありません。

ユーザーは公開鍵によって作られたアドレスを相手に教えることで、個人間でビットコインを取引できます。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、ビットコイン取引を記録するために作られた技術です。

ビットコインの取引データをトランザクションと呼びます。

トランザクションはまとめられてブロックになります。ブロックを鎖状に連ねて管理しているのがブロックチェーンです。

日本円などの法定通貨は銀行が管理していますが、ビットコインには中央集権的な管理者がいません。しかし、ビットコインはブロックチェーン技術により、取引の記録をネットワーク上に記録することで管理されています。

仮に不正が発生した場合にも、不特定多数の人がブロックチェーンを監視してるため、不正データは破棄され安全に利用できる仕組みを実現しています。

マイニング

マイニングとは、ブロックチェーンにブロックを追加し、取引を承認する作業です。

マイニングにはいくつか種類があり、ビットコインはPoW(Proof of Work)というマイニングシステムを採用しています。

PoWでは、マイナーと呼ばれるマイニングを実施する人が、ブロックに記録するトランザクションの承認作業を行っています。ビットコインを取引するときは、マイナーによる承認を経て取引が成立する仕組みです。

ビットコイン取引のマイニングには10分ほど時間がかかります。

ビットコインの仕組み②:運用方法

次にビットコインの運用される仕組みについて5つの特徴を紹介します。

  • 中央管理されていない
  • 情報が分散管理されている
  • 発行上限がある
  • 世界中の人と取引できる
  • Walletで保管される

それぞれ説明します。

中央管理されていない

ビットコインは、国や銀行によって中央管理されていません。

日本円や米ドルなどの法定通貨は、国や中央銀行が発行し、価値を保証しているため、中央管理されています。

一方、ビットコインは、開発者などシステムに関わる人はいるものの、市場を見て流通量を調整したり、取引に関わったりする中央銀行のような組織は存在しないため、中央管理されていません(非中央集権的である)。

これは、国家という権威から離れて運用・管理されるビットコインの思想を反映した姿であり、他の仮想通貨(アルトコイン)にも共通する特徴です。

国が関わっていないため、全ての国で同じ価値で利用でき、人と人が直接、ビットコインを取引できます。

情報が分散管理されている

ビットコインの取引情報は分散管理されています。

法定通貨は、中央管理者がいるため、預金額や取引履歴は銀行のサーバーに情報が記録されます。

一方、ビットコインは中央管理者がないため、ネットワーク上に存在するブロックチェーンに情報を記録する仕組みです。

ブロックチェーンで情報管理する場合は、ビットコイン取引に参加している人が相互につながることで信頼性を担保するP2Pネットワークを使用しています。

中央集権的管理体制の場合、サーバーがダウンすると通貨を取引できなくなりますが、ビットコインの場合、世界中の人のPCによって管理されているためシステムがダウンして通貨が取引できないことは起こりません。

発行上限がある

ビットコインは、2,100万枚の発行上限枚数があります。

発行枚数は、プログラムとしてビットコインに組み込まれており、上限を超えることはありません。

法定通貨の場合、国の経済政策によって流通量を変化させ景気を誘導できます。

しかし、経済政策に失敗すると、通貨の価値が下がりインフレを起こす可能性があります。

ビットコインにも、漠然と通貨が発行され、同じようにインフレを起こす心配がありました。

しかし、発行上限を設けることで、徐々に希少性が高まる仕組みを確立し、価値が下がりインフレを起こすリスクを回避しています。

世界中の人と取引できる

ビットコインは、世界中の人といつでも取引できます。

ビットコインはインターネット上で取引されるため、ネット環境が整っていれば世界中の人と24時間、365日取引が可能です。

また、10分程度で送金が完了し、管理者がいないため手数料も数円です。

法定通貨を外国の人に送金する場合は、海外送金であるため時間も手数料も高額であるため、ビットコインの仕組みは大きなメリットと言えます。

Walletで保管される

ビットコインは、Walletと呼ばれるインターネット上の財布に保管します。

仮想通貨取引所の口座を開設すると、Walletが作成され、取引所で購入したビットコインは、自動的にWalletに保管されます。

他の人への送金や、他の通貨との取引の際は、Walletからビットコインが送金可能です。

ウォレットアドレスと呼ばれる、英数字の組み合わせによってできたコードを送金相手に伝え、アドレス宛に送金してもらうと、自身のWalletに入金されます。

ビットコインの仕組みを生かした使い道

ビットコインの主な用途は次の3点です。

  • 投資
  • 決済
  • 送金

それぞれ解説します。

投資

1つ目の用途は、投資です。

ビットコインの価格は、変動しやすいため、その特徴を生かした投資ができます。

価格が下がっているときに購入して、価格が上昇したときに売却すると稼げる仕組みです。

また、ビットコインは発行上限枚数が決まっており、徐々に価値が高まるため、長期目線での投資も可能です。

ただし、ビットコインの購入時よりも価格が下がって損する場合もあるため、リスクを理解して挑戦しましょう。

決済

2つ目の用途は、決済です。

ビットコイン決済を導入しているECショップやサービスでは、ビットコインで支払いが可能です。

対応しているショップやサービスはまだ少数ですが、今後ビットコインの認知度や信頼性が高まると、決済できる機会も増える可能性があります。

ビットコイン決済が普及すると、どの国でもビットコインが使えるため、海外旅行がしやすくなります。

現在のように両替で手数料を取られることもありません。

送金

3つ目の用途は、送金です。

ビットコインは、中央管理者が不在で、ユーザー同士で取引できるため、安い手数料と短い送金時間での取引が可能です。

これは海外送金する際に、大きなメリットと言えます。

その理由は、法定通貨を送金する場合、銀行を利用した海外送金であるため、送金に時間がかかり、手数料も高いからです。

ビットコインを利用すると、世界中の人と簡単に取引できます。

ビットコインの仕組みの便利な点

ビットコインの仕組みで便利な点として、次の3つにメリットを紹介します。

  • 個人間で取引できる
  • 手数料が安い
  • 世界中で利用できる
  • セキュリティ性が高い

それぞれ解説します。

個人間で取引できる

ビットコインは個人間で取引できます。

法定通貨を取引する場合は、一般的には銀行を仲介する必要があります。

一方、ビットコインの場合は、個人のWallet同士で通貨が移動するため、相手に直接送金が可能です。

銀行を仲介する必要がないため、送金から着金までの時間が、格段に短く、10分程度で完了します。

特に海外の人に送金する場合は、法定通貨に比べて大幅に時間を削減できるため、大きなメリットと言えます。

手数料が安い

ビットコインの取引は手数料が安いです。

その理由は、銀行などを仲介する必要がないためです。

銀行送金やクレジットカード支払いなどでは、取引を管理する人がいるため手数料が取られます。

ビットコインの場合、個人間での取引で、仲介者が不要なため手数料が格安に設定されています。

ビットコインと銀行の送金時の手数料と時間の目安は次の通りです。

ビットコイン 銀行
送金額 100,000円分のビットコイン 100,000円
送金手数料 約2円※ 3,000円〜8,000円
時間 約10分 5日〜10日

※送金手数料が0.001BTCの場合。金額は取引所やビットコインの価格によって変わる。

また、ビットコイン決済が可能になると、お店が負担する手数料がほとんどなくなるため、メリットが大きいと言えます。

世界中で利用できる

ビットコインは世界中で利用できます。

法定通貨の場合、発行している国でしか利用できません。

そのため、海外旅行をするときは現地の通貨に換金する必要があるため、手間と手数料がかかります。

換金する際の手数料は、米ドルの場合、1,000ドル両替するのに3,000円ほどです。

海外旅行から帰ってきたときに、余った米ドルを日本円に戻すのにも手数料がかかります。

クレジットカード決済を利用すれば、両替の手数料はかかりませんが、支払い時の手数料が国内より割高です。

しかし、ビットコインであれば、両替の手数料はかからず、数円の手数料だけで済みます。

また、スマホとネット環境があれば取引できるため、銀行やクレジットカードが普及していない発展途上国でも利用可能です。

ビットコインの決済が普及すれば、海外旅行もしやすくなります。

セキュリティ性が高い

ビットコインはセキュリティ性が高く、安心して利用できます。

その理由は、公開鍵暗号方式とブロックチェーン技術を採用しているためです。

この2つの技術により、取引データの改ざんが困難であるため、ハッキングがほぼ不可能な状況を作っています。

過去に発生したハッキングは、仮想通貨取引所の管理体制や、ブリッジング機能の隙をついた事件であるため、ビットコインの問題ではありません。

よって、ビットコインはセキュリティの高い通貨と言えます。

ビットコインの仕組みの問題点

次にビットコインの仕組みの問題点として、デメリットを3つ紹介します。

  • 値動きが大きい
  • 即時決済の仕組みが確立していない
  • ビットコイン決済の普及率が低い

それぞれ説明します。

値動きが大きい

ビットコインは、値動きの大きさに問題があります。

問題である理由は、決済通貨として使いづらいためです。

ビットコインの価格は、1日の間に数%レベルで変化しています。

タイミングによっては、数時間で10〜20%変化することもよくあります。

言い換えると、午前中は100円で購入できたハンバーガーが、夕方に110円になってるようなことが頻発する状況です。

したがって、決済通貨には使いづらいと言えます。

一方で、投資で稼ぎたい人には、値動きの大きさはメリットです。

即時決済の仕組みが確立していない

ビットコインは即時決済の仕組みが確立していません。

ビットコインを送金する場合は、約10分で完了するため、送金においては日本円に比べると格段に早いと言えます。

しかし、決済で使用する場合は、お店のレジで10分待つことになるため、即時決済の仕組みが確立していない状況はデメリットです。

一方、クレジットカードなどの電子決済は、カード会社が料金を一度負担しているため、即時決済が成り立っています。

このような仕組みが、ビットコインにも導入されると、問題解決に繋がります。

ビットコイン決済の普及率が低い

ビットコイン決済はまだまだ普及率が低い状況です。

その理由は、前述したように、価格変動の大きさや即時決済の仕組みが確立していないためです。

ビットコイン決済は手数料が安いなどのメリットがありますが、デメリットの方が大きく普及していません。

今後、ビットコインが生活に浸透するには、解決すべき課題が残っています。

ビットコインの仕組みを理解して取引に挑戦しよう

今回はビットコインの仕組みについて解説しました。

日本銀行のような管理者のいないビットコインに対して、不安を持っている方も、仕組みを理解すれば安心して利用できるのではないでしょうか。

ただ、仮想通貨の仕組みは、まだまだ全て活かされているとは言えません。ビットコイン決済の普及率は低く、投資を目的に購入している人がほとんどだからです。

しかし、今後ビットコインをより便利に使える仕組みが整えば、今よりも多くの人が、寄り多用途で利用することになるでしょう。

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