仮想通貨FXの納税方法は?税金の計算方法や確定申告を解説

仮想通貨FXで得た収益は、課税の対象です。

もし、正しく納税申告ができていない場合には、追徴課税の恐れもあります。

しかし、仮想通貨FXはトレード頻度が多く、銘柄も多岐に渡ります。そのため、税金の計算方法が複雑です。

そこでこの記事では、仮想通貨FXにおける税金について解説します。 

※以下の情報は、全て2022年6月現在の情報です。

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仮想通貨FXにかかる税金の特徴

仮想通貨FXで発生する税金の特徴について説明します。

仮想通貨FXの課税区分は、株式投資や法定通貨FXとは異なります。そのため、仮想通貨FXをする際には、課税の仕組みを理解しなければなりません。

総合課税で雑所得に区分される

仮想通貨FXの損益は、総合課税です。

また課税区分は、雑所得に該当します。雑所得には、以下の2つの税金がかかります。

MEMO
  • 住民税・・・一律10%
  • 所得税・・・累進課税制度で5%〜最大45%

仮想通貨FXは、累進課税制度によって最大で55%の税率が課されます。

株式投資や法定通貨のFXよりも高い税率であり、税制面で大きな負担です。

サラリーマンや公務員で、雑所得の年間収益が20万円を超える場合は、確定申告の対象となります。

また、雑所得の年間収益が20万円未満のケースでは、市区町村に対して住民税の申告をしなければなりません。

損益通算ができない

仮想通貨FXでは、損益通算が適用されません。

適用通算とは、発生した損失を他の所得と相殺する処理を指します。

つまり、仮想通貨FXで赤字が発生した場合でも、給与所得など他の所得との差し引きができません。

仮想通貨FXと相殺できるのは「同一年の雑所得」で発生する利益に限定されています。

このような理由から、トレードで多額の損失が生じたとしても税負担が軽減されず、税制上の面で不利となります。

損失の繰越控除が受けられない

仮想通貨FXで損失が発生しても、翌年以降の会計に損失を繰り越せません。

株式投資では、発生した損失を翌年以降の収益と相殺させる「繰越控除」が認められています。

一方で、仮想通貨FXでは損失を単年内の会計で計上しなければなりません。

解説者

大きな損失が発生した場合であっても税制上の優遇がなく、慎重な取引が求められます。

仮想通貨FXで税金が発生するタイミング

仮想通貨FXにおける課税のタイミングを説明します。

仮想通貨FXでは、目まぐるしくトレードが行われます。そのため、課税されるタイミングの理解が重要です。

仮想通貨を売却したとき

保有する仮想通貨を売却した際に、売却益に対して課税が発生します。

仮想通貨は、含み益の状態では課税されません。仮想通貨を売却して損益が発生したタイミングで、課税対象となります。

他の銘柄とトレードしたとき

仮想通貨を他の銘柄にトレードしたタイミングで、課税対象となります。

つまり、仮想通貨を用いて他の通貨を入手すると、日本円へ現金化していない状態であっても税金がかかります

仮想通貨FXでは、このパターンにおいて税金を払えなくなる事例もあるため、注意が必要です。

具体例として、ビットコイン(BTC)の相場が高騰した状態で、マイナーなコインとトレードした場合を挙げます。

この場合、ビットコインで得た利益に対して課税されますが、交換後のマイナーなコインが暴落すると、納税資金を用意できなくなります。

実際にこの事例で税金が払えなくなる投資家も多いため、納税資金のための利益確定は忘れず行いましょう。

補足担当者

仮想通貨FXにおける税金の計算方法

仮想通貨FXにおける税金の計算方法を、パターン別に説明します。

仮想通貨FXでは、さまざまな取引パターンが存在します。トレードの際は、どの損益に対して課税が発生しているか理解しなければなりません。

仮想通貨を保有する場合

仮想通貨を所有しているだけでは、課税対象となりません。

たとえ含み益が出ている状態でも、税金の申告は不要です。

全量の利益確定をする場合

手持ちの仮想通貨を全量売却する場合は、購入時の単価との差額が課税対象となります。

課税される収益は、以下の数式の通りです。

取得時の購入価格−売却時の価格=課税対象となる収益

部分的に利益確定をする場合

部分的に利益確定をした場合には、売却した数量によって得た収益のみが課税対象となります。

そのため、手元に残っている仮想通貨銘柄は課税対象ではありません。

全量の損切りをする場合

全量の損切りをして発生した損失額には、税金はかかりません。

損失額は同一の会計年における雑所得との相殺ができます。相殺できる損失額は、以下の数式の通りです。

取得時の購入価格−売却時の価格=損失額

部分的に損切りをする場合

一部の仮想通貨のみ売却した場合でも、その損失に対して課税は発生しません。

同一の会計年において、他に雑所得の収益がある場合には、損失額分を差し引きできます。

他の銘柄とのトレードをする場合

仮想通貨を用いて他の銘柄とトレードする際は、元手となる仮想通貨が一旦、損益確定されます

つまり、A銘柄でB銘柄を入手する際は、A銘柄の売却額から取得額を引いた額が課税対象です。

課税対象となる利益は、以下の数式の通りです。

A銘柄の取得価格−A銘柄のトレード時の価格=課税対象の利益

仮想通貨FXの納税にかかる必要書類

仮想通貨FXの納税申告に必要な書類を説明します。

仮想通貨FXでは取引の回数が多くなるため、収益額の算出に時間がかかります。

確定申告に間に合うように、日頃から必要な書類やデータを用意しておきましょう。

なお、最新の情報は国税庁のホームページをご覧ください。

国税庁 所得税の確定申告

①本人確認書類

郵送や窓口申請の際には、本人確認書類が必要です。一方で、電子申告の場合では、本人確認書類は要りません。

②確定申告書

サラリーマンや公務員で、仮想通貨FXを含む雑所得の合計が年間20万円以上の場合には、確定申告をしなければなりません。

簡易版である確定申告書A、または確定申告書Bのいずれかの書式が必要です。

なお、サラリーマンや公務員で雑所得の合計が年間20万円未満のケースでは、確定申告書の提出は不要です。

その代わりに、市区町村に対して住民税申告の提出が求められます。

③仮想通貨の取引記録

確定申告書の作成において、仮想通貨の取引記録が必要です。

取引記録は、Coincheck(コインチェック)など仮想通貨取引所の取引履歴ページからダウンロードできます。

解説者

この取引記録自体は、税務署へ提出する必要はありません。しかし、確定申告書を作成するうえで、重要なデータとなります。

④暗号資産の計算書

仮想通貨FXの収益額を算出するには、国税庁の暗号資産に関する計算書が便利です。

この計算書の書式に沿って取引記録を記入すると、申告内容が表示されます。

計算書は税務署へ提出しませんが、正確な申告内容を記載するために必要です。

仮想通貨FXの納税方法

仮想通貨FXにおける税金の納税方法を説明します。

収益額や就労形態によって、収益の申告方法が変わります。

自身の状況に応じて、適切に納税を行いましょう。

なお、仮想通貨に関する確定申告の方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

仮想通貨の確定申告が必要な人は?課税のタイミングや計算方法を解説

①仮想通貨FXによる収益を算出する

まず、会計年における仮想通貨FXの収益を算出します。

Coincheck(コインチェック)など仮想通貨取引所の取引履歴から、暗号資産の計算書を作成します。

これにより、仮想通貨FXで発生した収益額を算出してください。

仮想通貨FXの性質上、取引の回数と計算項目が多くなります。正確に集計できるよう、日頃から取引記録を残しておきましょう。

補足担当者

②確定申告書にて仮想通貨FXの収益を記載する

確定申告書にて、雑所得として仮想通貨FXの収益を記載します。

個人事業主やフリーランスの場合、仮想通貨FXの収益額に関わらず、確定申告をしなければなりません。

一方で、サラリーマンや公務員では、雑所得が年間20万円未満であれば確定申告は不要です。ただし、確定申告をしない場合には、住民税の申告が必要となります。

③確定申告書を税務署へ提出する

確定申告の期日までに、税務署へ必要書類を提出してください。

郵送や窓口申請の場合には、本人確認書類が必要となります。

④金融機関へ納税する

確定申告書の納税額に従って、金融機関へ納税をします。もしくは、納税額が還付される場合には、振込が行われているかを確認しましょう。

仮想通貨FXの収益に対して正しく税金を納めよう

仮想通貨FXに関する税金について、説明しました。

仮想通貨FXの注意点として、仮想通貨同士のトレードも課税対象となる点が挙げられます。含み益のある銘柄を用いてトレードすると、たとえ日本円への現金化をしていない状態でも、課税対象となります。

過去に多くの投資家が、このルールによる多額の課税に苦しんできました。

このような理由から、仮想通貨FXでは、課税のタイミングの把握が重要となります。

課税されるタイミングを理解して、確実に納税用の資金を確保しましょう。

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