シンボル(Symbol)は、2021年3月にネム(NEM)のアップデートにより誕生した、新たなプラットフォームです。
シンボルは、プラットフォーム内で使用する通貨として、仮想通貨のシンボル(ジムと呼ばれることもある)を発行しています。
仮想通貨のシンボルを取り扱っている国内取引所が徐々に増えており、シンボルの動向が気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、シンボルの特徴・価格推移・今後の価格動向・購入できるおすすめの取引所まで詳しく解説しますので、取引する際の参考にしてください。
※以下の情報は、全て2022年2月現在の情報です。
目次
プラットフォーム・シンボルの特徴
▲出典:Symbol
https://jp.symbolplatform.com/
シンボル(Symbol)は、決済や送金のために開発されたプラットフォームのネムをカタパルト(アップデート)することで誕生した、新たなプラットフォームです。
シンボルのプロジェクトの目標は、企業とブロックチェーンを結びつけ、新たな価値を生み出す支援をすることです。2021年3月に誕生したばかりのプロジェクトですが、活躍の場を広げています。
また、シンボルは独自の仮想通貨であるXYM(シンボル/ジム)を発行しています。
そんなシンボルの特徴は次の通りです。
- ネムのアップデートにより誕生したプロジェクト
- セキュリティ性が高い
- 簡略化されたトークン発行
- プロジェクト管理ツールとして実用化
- 多様なユースケース
- DeFi市場への参入可能性
- NFT市場への参入可能性
それぞれ順番に解説します。
ネムのアップデートにより誕生したプロジェクト
シンボルは、ネムのアップデートにより誕生したプロジェクトです。
ネムは、ブロックチェーン技術を使った決済や送金のためのプラットフォームとして、個人向けに開発されました。
ネムについては、「ネム(XEM/NEM)の将来性は?今後の価格上昇ポイントを解説」の記事で解説しています。ご参考ください。
一方、シンボルは、ネムで作り上げた技術をカタパルト(アップデート)し、ブロックチェーン技術と企業を結びつける、つまり法人向けに開発されたプラットフォームです。
ネムをアップデートする形で始まったプロジェクトですが、現在はハードフォークが完了しており、ネムとは別のプラットフォームとして存在しています。
セキュリティ性が高い
シンボルは、「マルチレベルマルチシグ」と呼ばれるセキュリティシステムを導入し、高いセキュリティ性を保っています。
マルチレベルマルチシグとは、複数のマルチシグアドレスによって取引などの承認を行うシステムです。
マルチシグは、事前に取引の承認を行うための署名を決めておき、それが揃わなければ送金や決済の承認ができない仕組みです。これが、マルチレベル、つまり複数回実施されることで、より強いセキュリティを実現しています。
ネムで導入されていた、「Eigen Trust」に比べても、より強いセキュリティシステムです。
簡略化されたトークン発行
シンボルでは、より簡単にトークンの発行が可能です。
シンボルの起源であるネムには、オリジナルのトークンを発行するシステムがあります。しかし、ネームスペースと呼ばれるスペースをレンタルする必要があったため、利便性が悪い状況でした。
シンボルでは、スペースを利用せずにトークンを発行するシステムを導入しているため、より簡単にトークンを発行できます。
プロジェクト管理ツールとして実用化
シンボルは、プロジェクト管理ツールとして、すでに実用化が進んでいます。
たとえば、2022年のFIFAワールドカップに向けた、ホテル建設にシンボルが利用されています。BIMと呼ばれる建物の設計ツールにシンボルを使用しており、建設の進捗状況を分析し、効率的に作業を進めているのです。
また、廃棄物を追跡するアプリの開発も、シンボルをベースに行われています。
実用化による実績が増えることで、シンボルの需要も拡大する可能性があります。
多様なユースケース
シンボルは、2021年12月にハードフォークを完了し、今後ユースケースを拡大していくことが予想されます。
具体的には、次の内容を予定しています。
- フィンテック
- 政府・官公庁
- サプライチェーン
- エネルギー
- 不動産
- ゲーム
フィンテック
トランザクション処理の速さを生かし、決済ツールの導入を目指しています。
不正行為やコスト削減にも注力する予定です。
政府・官公庁
透明性の向上とデータ検証を行うことで、市民と政府の信頼の再構築を実施する予定です。
サプライチェーン
商品の所有権の追跡を簡略化することで、企業間の信頼を構築し、国際貿易がスムーズになります。
エネルギー
P2Pのエネルギー取引を可能にし、エネルギーのマーケットプレイスを構築する予定です。
不動産
ブロックチェーン技術により、取引完了までの時間を短縮するだけでなく、情報の透明性を上げることでユーザーの満足度を向上させます。
ゲーム
ゲーム内トークンの取引ツールを開発します。
DeFi市場への参入可能性
シンボルは、DeFi市場への参入を検討していると言われています。
シンボルは、サービス開始と同時にFantom Foundationとの提携を発表しました。
Fantomは、Dapps(分散型アプリケーション)を開発するためのプラットフォームです。そのため、シンボルがDeFi市場への参入を狙っていると予想されています。
DeFi市場は上昇傾向にあるため、DeFi関連のプロジェクトが始まると、シンボルの価格が上がる可能性があります。
NFT市場への参入可能性
シンボルは、近々NFT市場へ参入すると言われています。
現在、NEMBEAR ARTというNFTを自由に売買できるプラットフォームの開発が進められています。
NFT市場は成長産業であるため、NEMBEAR ARTで使用される通貨が仮想通貨シンボル(XYM)になると、流通量が増え、価格にも影響する可能性があります。
仮想通貨シンボル(XYM)の用途
ここでは、仮想通貨のシンボル(XYM)の用途を解説します。ここでは分かりやすいように、プラットフォームのことをシンボル、仮想通貨のことをXYMと表記します。
まず、XYMの概要を見てみましょう。(2022年2月17日時点)
通貨名 | シンボル/ジム |
シンボル | XYM(シンボル/ジム) |
価格 | 約20円 |
時価総額ランキング | 87位 |
主な取引所 |
|
公式サイト | Symbolの公式サイト |
▲引用:CoinMarketCap
https://coinmarketcap.com/ja/
XYMの用途は次の3つです。
- シンボルの手数料の支払い
- 発言権の獲得
- ハーベスティングへの参加
それぞれ解説します。
シンボルの手数料の支払い
シンボルのプラットフォームを利用する際の手数料の支払いに使用します。
企業がシンボルを利用して、Dapps(分散型アプリケーション)などを開発する際、運営に手数料を支払います。
このときの手数料を仮想通貨シンボル(XYM)で払うことで、通常よりも安価での支払いが可能です。
具体的な金額は公表されていませんが、企業としてシンボルを利用する際はXYMを使う方がお得と言えます。
発言権の獲得
仮想通貨シンボル(XYM)の保有者は、一定の条件を満たすことでプロジェクトに対する発言権を得られます。
シンボルでは、PoS+(Proof of Stake +)という独自のコンセンサスアルゴリズムを導入しています。
PoS+では、
- ステーキング量
- 取引時の手数料の総額
- ノードへの参加状況
- プラットフォーム何での活動量
などが評価され、評価に応じてプロジェクトへの発言権が与えられます。
つまり、XYMの取引やステーキング、ハーベスティングなどを実施するなどして、XYMの流動性を高めている人が対象になるということです。
よって、シンボルのプロジェクトに関わりたい方は、より多くのXYMを保有し、取引などを実施する必要があります。
ハーベスティングへの参加
仮想通貨シンボル(XYM)の保有者は、ハーベスティングに参加できます。ハーベスティングは、シンボル独自のマイニングシステムです。
通常のマイニングは、高性能PCや、それを動かすための大量の電力が必要であるため、「環境に悪い」「資金を潤沢に持っている人が有利になるため不公平である」などが言われています。
ハーベスティングの場合、XYMの保有量や取引量、取引回数などによってマイニングを決定します。
その結果、高性能PCと大量の電力が不要となり、平等さを保てるだけでなく、環境にもやさしいプラットフォームを実現しているのです。
仮想通貨シンボル(XYM)のこれまでの価格推移
仮想通貨シンボル(XYM)のこれまでの価格推移を見てみましょう。
▲出典:TradingView
https://jp.tradingview.com/
上記の画像は、2021年3月からのTether(USDT)に対する仮想通貨シンボル(XYM)の価格推移を示したチャートです。
Tetherは、米ドルと同じ価格になるようにつくられている仮想通貨(ステーブルコイン)であるため、上記のチャートは米ドルに対する価格と考えてください。
XYMは、最高値の約0.65ドルで仮想通貨取引所に上場しました。
上場と同時に最高値になった理由は、仮想通貨ネムの保有者に対して、1対1の割合でシンボルが無料配布(エアドロップ)されたためです。これにより、XYMに注目が集まり、買い注文が増加し価格が上昇しました。
その後は、XYMを手放す動きもあり、価格が減少しています。
2021年6月から10月にかけては、0.1ドルほどで推移していましたが、10月に入り約0.4ドルまで価格が上昇しています。この理由は、ビットコインの価格上昇のタイミングとネムからのハードフォークが完了したタイミングが重なったためです。
XYMを含むアルトコインの価格は、仮想通貨の基軸通貨であるビットコインの影響を受けるように作られています。
2021年10月から11月は、ビットコインブロックチェーンのアップデートにより、ビットコインの価格が過去最高値を更新しました。その影響を受けて、XYMの価格が上昇しています。
さらに、2021年12月1日に、シンボルはネムからハードフォークが完了したことを発表しています。ハードフォークの完了を受けて、XYMへの期待が集まり、価格が上昇しました。
ハードフォークとは、ブロックチェーンが分岐し、双方の互換性がなくなることです。
つまり、XYMが、ネムとは全く別のブロックチェーンになったことを示しています。
2021年12月以降は、その前の価格上昇の反動から、徐々に価格が下がっており、2022年2月現在では約0.17ドルで推移しています。
仮想通貨シンボル(XYM)の将来性が期待できる理由
仮想通貨シンボル(XYM)は、将来の価格上昇が期待されます。
その理由として、次の3点が考えられます。
- ユースケースの拡大
- 取引所への上場
- 仮想痛市場の影響
順番に解説します。
ユースケースの拡大
仮想通貨シンボル(XYM)の価格に影響する一つ目のポイントは、シンボルのプラットフォームを使った事業(ユースケース)の拡大です。
シンボルのプロジェクトの目的は、企業とブロックチェーン技術をつなぐことであるため、さまざまな事業でのシンボルの活用を目指しています。
つまり、シンボルのユースケースが増えるほど、XYMの流動性が上がるだけでなく、投資家や企業からの注目も集まるため、XYMの価格上昇が期待できるのです。
取引所への上場
仮想通貨シンボル(XYM)の価格に影響する二つ目のポイントは、仮想通貨取引所への新規上場です。
過去の事例を見てみると、多くの仮想通貨が、取引所に新規上場した際に価格が上がっています。よって、XYMも新規上場のタイミングで、価格が上昇すると期待できるのです。
XYMは、2021年3月に発行されたばかりの、比較的歴史が浅い銘柄であるため、取り扱っている取引所はまだ多くありません。
今後、世界的に有名な取引所への上場が発表されると、価格が上昇すると予想されます。
仮想通貨市場の影響
仮想通貨シンボル(XYM)の価格に影響する3つ目のポイントは、仮想通貨市場の影響です。
XYMを含むアルトコインの価格は、仮想通貨の基軸通貨であるビットコインの価格の影響を受けます。実際に、XYMの価格も、ビットコインの価格変動の影響を受けて推移している時期が少なくありません。
ビットコインは、仮想通貨市場全体の影響を受けているので、結果的に仮想通貨市場の動向が、XYMの価格にも影響すると言えます。
2021年前半は、NFTやDeFiに注目が集まり、仮想通貨市場全体の価格が上昇しました。
シンボルは、NFTやDeFiの事業への参入も検討していることから、市場の熱が再び高まることがあれば、XYMの価格にも影響すると予想されます。
仮想通貨シンボル(XYM)を購入できる取引所
この記事をここまで読んで、仮想通貨のシンボル(XYM)に興味を持った方もいるのではないでしょうか。
XYMは、国内の仮想通貨取引所で購入できます。
特におすすめの取引所は、bitbank(ビットバンク)とHuobi Japan(フォビジャパン)の2つです。
それぞれの特徴を簡単に紹介します。
bitbank(ビットバンク)
bitbank(ビットバンク)は、ビットバンク株式会社が運営する国内の仮想通貨取引所です。
bitbankは、13種類の仮想通貨の現物取引が可能で、アルトコインの取引高のシェアで国内No.1です。※一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)統計データ調べ、2021年4月末日時点
仮想通貨シンボル(XYM)を取引する際も、スムーズに取引できます。
また、セキュリティ面でも第三者機関による審査で高い評価を受けており、安心して利用できます。
無料で口座開設できますので、この機会にbitbankの口座を開設してXYMの取引に挑戦しましょう。
こちらからbitbankの口座を開設できます。
口座開設方法は、「bitbank(ビットバンク)の口座開設方法を解説|メリットや評判も紹介」の記事で解説しているので参考にしてください。
Huobi Japan(フォビジャパン)
Huobi Japan(フォビジャパン)は、世界的にサービスを展開しているHuobi Globalの日本法人です。
Huobi Japanは第三者機関による調査により、世界最高水準のセキュリティとして認定されているため、ユーザーは安心して取引できます。※2019年9月ICORating社調べ
また、取扱銘柄ペア数が、15銘柄、36ペアと、国内の取引所でNo.1です。※2021年9月14日時点、Huobi Japan調べ
仮想通貨シンボル(XYM)に限らず、さまざまな仮想通貨を取引できるので、この機会にHuobi Japanの口座開設をして取引に挑戦しましょう。
こちらからHuobi Japanの口座を開設できます。
口座開設方法は、「Huobi Japan(フォビジャパン)の評判は?特徴やメリットを徹底解説」の記事で解説しているので参考にしてください。
仮想通貨シンボル(XYM)に関するよくある質問
プラットフォームとしてのシンボルや、仮想通貨シンボル(XYM)に関するよくある質問に回答します。
シンボルとネムは何が違う?
シンボルは、ネムをアップデートする形で誕生したプラットフォームですが、現在はハードフォークが完了しているため、全く別のブロックチェーンであると考えてください。
ネムは、仮想通貨の送金や決済、トークンの発行など、ブロックチェーンの技術を個人が使いやすくするために開発されました。
一方、シンボルは、建設の進捗管理や不動産管理など、ブロックチェーン技術を企業が利用するために開発されました。
つまり、シンボルとネムは用途が異なります。
あえてシンボルとネムを比較するのであれば、トランザクション速度、使いやすさ、セキュリティ、柔軟性などの点で、シンボルはネムよりも優れています。
シンボルが公開されるとネムは使えなくなる?
シンボルが公開され、ハードフォークが完了してもネムのプラットフォームは使えます。
シンボルは、ネムをアップデートして誕生したため、シンボルが機能し始めるとネムが使えなくなるのではないかと考える人もいます。
しかし、ネムはオープンソース化されており、コミュニティの参加者によって運営が継続されているため、ハードフォークが完了した現在でも、使用可能です。
ネムデータをシンボルに移行する方法は?
ネムのデータをシンボルのプラットフォームに移行する場合は、専用の移行ツールを使います。
移行ツールを使うと、XYM、ネームスペース、マルチシグアカウントが移行できます。移行ツールはシンボルのホームページからご確認ください。
仮想通貨シンボル(XYM)の取引にチャレンジしよう
今回は、プラットフォームとしてのシンボルと、仮想通貨のシンボル(XYM)について解説しました。
シンボルは2021年に始まったばかりの、比較的新しいプラットフォームです。ネムをアップデートしたプロジェクトであり、さまざまなユースケースを持つことから、今後のXYMの価格上昇が期待されます。
XYMを取り扱っている取引所も増えているので、この機会に口座を開設して取引に挑戦しましょう。
おすすめの取引所は、アルトコインの取引量が多く、セキュリティ性が高いbitbankです。
無料で口座開設できるので、まずは口座開設から始めましょう。
[…] なお、「シンボル」についてはこちらの記事でも扱っています。 […]