不動産投資の利回り平均相場3つと考慮する際のポイント4つ|注意点は?
2020 06.4この記事はPRを含みます
不動産投資利回りとは
不動産投資を始めるにあたって気になる言葉として利回りがあります。広告などでは「利回り10%」といった表示をよく見かけますが、この低金利の時代に、信じがたい数値です。
不動産投資の「利回り」には、不動産を維持するためにかかる諸経費は考慮せず、満室を想定した数字となっている表面利回り(グロス利回り)と実質利回り(ネット利回り)の2種類があることを覚えておくことが大切です。
不動産投資における利回りの算出方法3つ
不動産投資の利回り算出方法には、満室を想定(予想)したときの年間賃料合計収入を販売価格で割った数値想定利回りと、現状の入居状況で年間賃料合計収入を算出し、その金額を販売価格で割った数値である、表面利回り(グロス利回り)があります。
年間賃料収入から固定資産税・火災保険料・賃貸管理費・建物管理費・修繕積立金・不動産会社へ支払う費用などの年間支出を引いた実際を算出し、売価格で割った数値である実質利回り(ネット利回り)と、大きく分けて3つのパターンがあります。
利回りの算出方法1:表面利回りの算出方法
不動産投資の「利回り」には二種類あると説明しました。そのうち 表面利回りとは、年間の家賃収入を不動産の購入価格で割ったものなので計算は簡単です。
しかし、不動産を維持するためにかかる諸経費は考慮されていない上に、満室を想定した数字となっていることに注意が必要です。
利回りの算出方法2:実質利回りの算出方法
不動産投資にかかる経費には、購入時の諸費用以外にも固定資産税・都市計画税、管理費・修繕積立金、不動産仲介手数料など様々な経費が必要です。
そのような不動産投資にかかる経費等を考慮して計算した利回りが「実質利回り」です。
利回りの算出方法3:想定利回りの算出方法
不動産投資における想定利回りとは、満室を想定(予想)したときの年間賃料合計収入を販売価格で割った数値です。
表面利回りとほぼ似たような内容ですが、実質利回りが文字通り「実際の入居状況」であるのに対し、想定利回りは満室になったと想定した場合の年間賃料収入であるということが重要です。
利回りの平均相場3つ
一言で相場と言っても、地方と都内によって違います。
都内では、他県からの流入超過が続いているため、空室リスクを抑制できる一方、入居者の入れ替わりが頻繁であるため、物件の原状回復等の経費負担が大きくなるなどのデメリットがある首都圏や東京23区のような立地の不動産投資物件があります。
それに対し、安く入手できローン負担も抑えられるメリットはありますが、人口が少ないことや将来的に増える見込みも少ないため空室リスクが高く、投下資本を回収できない可能性が高いというデメリットがある地方の不動産投資用物件と、都内とは違う部分が多いです。
条件が異なりますが、平均的な相場を説明します。
利回りの平均相場1:区分マンションの1室投資の平均相場
新築物件は、いわゆる「新築プレミアム」という付加価値があるので、同じ間取り、同じ立地であれば中古に比較して高値で販売される傾向があります。
新築物件の表面利回りは3〜5%ほどです、購入価格が高くなるので、中古に比較して表面利回りが低めに出る傾向があるのです。これに対して、実質利回りは2〜4%ほどです。
中古物件は新築物件に比較して販売価格が安くなります。そのため、新築に比較すると中古物件の区分投資の表面利回りは5〜8%ほど一方、実質利回りは3〜5%ほどと、利回りが高めとなります。
利回りの平均相場2:アパートの1棟投資の平均相場
アパート経営の方がマンションより利回りが大きい傾向がありますが、注意が必要です。例え表面利回り・実質利回りが大きくても、空室が発生しまえば赤字になってしまう可能性があります。アパート経営は区分マンション投資に比較してリターンが高い一方リスクも高くなるのです。
新築物件の表面利回りは5〜7%ほどです。これに対して、実質利回りは2〜5%ほどです。
次に中古物件です。インターネット上では10〜20%を超える物件も少なくありません。ただ、相場としてはそこまで高くなく、中古物件のアパート投資の表面利回りは5〜8%ほどです。一方、実質利回りは3〜5%ほどです。
これらの相場を超える物件は、購入前に空室率がどのくらいになるのかきちんとチェックしましょう。
利回りの平均相場3:戸建投資の平均相場
地方の戸建て物件は都市部の物件と比べると、平均的な購入価格が安く、利回りが10%を超えることも珍しくありません。より利回りの高い戸建て物件を探している方は、地方の物件も視野に入れてみると良いかもしれません。
しかし、こちらも中古マンションと同様、修繕費や管理費が多くかかったり入居者がなかなか決まらなかったりと、リスクもありますので利回りは高くても要注意です。
なお、戸建ての投資物件の表面利回りの相場は、新築の場合は5%~6%、初期投資費用が比較的かからない中古物件の場合は6%~8%となっています。理想の利回りは、新築の場合10%、中古物件であれば15%ほどあると良いでしょう。
不動産投資利回りを考慮する際のポイント4つ
利回りの割合が低いとその分利益率も低くなってしまいます。リスクの高い不動産投資であったとしても利益を上げるため考慮する必要のある重要なポイント4つを見ていきましょう。
考慮する際のポイント1:物件購入時には付随的な費用もかかる
不動産投資を始める場合、物件購入にかかるお金だけでなく不動産登記にかかるお金のほかに物件購入後にかかる建物管理費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税・賃貸管理会社管理費・火災保険料・税理士・司法書士などの報酬など、様々な費用が必要です。
そのことを考慮して物件購入するようにしましょう。
考慮する際のポイント2:空室を見込んで考える
表面利回りの割合が高い物件であっても、入居者が少ないと実質的な利回りの数字は低くなってしまいます。
また、空室は少ないけれどテナントの入れ替わりが激しい物件であると、入居者が入れ替わる度に発生する不動産会社への仲介手数料や広告料・住居の修復など、さまざまな費用が発生するため利回りは低くなってしまいます。
ですので、空室がなるべくなく入居者が100%、なおかつテナントの入れ替えが少ない不動産投資物件を選ぶことが高い利回りをキープするうえで重要です。
考慮する際のポイント3:借入をした場合の考え方
不動産投資用に借り入れをした場合、住宅ローンの返済期間は最長35年が一般的です。この範囲内で、自分のライフプランに合った期間を選択することになります。
その間返済を続けるため、今から家計管理をしっかり行う習慣をつけ、資金計画をたてておくことも重要です。
考慮する際のポイント4:利回りのシミュレーションをしてみる
不動産投資を行うときは、収支シミュレーションが欠かせません。不動産投資は5年以上と長期的に所有することになります。
長期的に所有するからこそ、購入後に得られる家賃収入から、物件にかかる税金、抱えている残債への返済、管理費などの諸経費から差し引いたあとに得られる利益はいくらなのか、また、所有している期間中に、築年数が古くなるにつれ家賃の減少、空室率などのリスクを考慮して、収支シミュレーションをしていくことが大切です。
不動産投資の利回りの相場とポイントを押さえよう
不動産投資における利回りは、取得した不動産投資物件の所在地などの条件が関わってきます。新築か中古か、戸建てかどうかで購入費用などの諸経費を考慮するかしないかで利回りが違うことは理解いただけたでしょうか。
そして、不動産投資には空室が出た場合や、災害などが起きた場合の賠償責任などのリスクがあるということを考慮しておくことが重要です。