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家賃収入に関わる税金の計算方法3つ|家賃収入に含まれるもの5つ

2020 06.4この記事はPRを含みます

家賃収入とは

所有する不動産の家賃収入から必要経費を差し引いたものです。

家賃収入のためにはまず不動産を購入します。自己資金だけでなく、金融機関からの融資を受けて購入することも可能です。つまり、自己資金以上の不動産を元手にはじめられます。

そして、この不動産を貸し付けて決まった金額を定期的に手にすることができます。

家賃収入から融資の返済や不動産の管理費など経費を除いたものが、家賃収入として自分のものになります。

法人での家賃収入

法人での家賃収入は会社の収入として申告でき、個人の場合に比べて大幅に節税できます。

法人の経営規模は大きくなりますが、経費や控除される種類や金額も多くなります。そして、会社の収入に対して法人税が課せられます。

個人経営は家賃収入に対して税金が課せられますが、経営する人は受け取る給与だけに課税されます。

受け取る家賃収入に対して、経営する本人の納める税金は少なくなるので、大きな節税メリットがあります。

家賃収入となるもの5つと経費として計上できるもの9つ

家賃収入を申告する場合、収入や経費として計上するものには、きまりがあります。

家賃収入となるものは、家賃以外に礼金や更新料が含まれますが、敷金や保証金は入居していた人に問題がなければ全額返金されるため、収入ではありません。

収入や経費を正しく把握することは税金の申告に役立つとともに、不動産の賃貸業務を運営するために欠かせません。

家賃収入と経費の代表的なものをご紹介します。

家賃収入1:家賃

所有する部屋や家を、自分や家族以外の個人や法人に貸し出した見返りに受け取るのが家賃です。

不動産の賃貸業では、収入の大半は家賃が占めます。家賃収入は賃貸契約が継続している間は、月ごとに発生します。

家賃は入金があったときに収入としてカウントせず、未収入金の回収として対応します。つまり家賃の滞納があっても、収入として計上されます。

家賃は賃貸契約がある限り定期的に発生するので、とても安定した収入源です。

家賃収入2:礼金

礼金は不動産を借りるときに、お礼として支払われるものです。賃貸契約の開始されるときだけに発生するので、定期的な収入ではありません。

礼金の相場は1ヵ月分がほとんどで、最近では礼金ゼロのものもあります。地域によって相場が異なることも多くあります。また管理費を含めた家賃に設定すると、礼金も比例して高くなります。

礼金は敷金と異なり、賃貸契約終了に合わせて返金する必要がないので、家賃収入として計上します。

家賃収入3:更新料

更新料は、賃貸契約を2年ごとに更新する際に発生し、相場は家賃の1ヵ月分がほとんどです。

更新料は関東地域では一般的ですが、名古屋や大阪では更新料の設定のない賃貸契約も多くあります。賃貸契約の最初に設定してあるので、更新料の滞納に対しては退去を求めることもできます。

更新料は、家賃のように月ごとに発生するものではありませんが、長期契約の場合2年ごとに必ず発生するので、安定した収入を見込めます。

家賃収入4:管理費

管理費は共益費ともいわれ、賃貸契約のマンションなどの集合住宅の共用部分の維持管理のための費用です。管理費と家賃は目的が異なりますが、家賃のように定期的な収入です。

管理費は使用目的に関して、法律で明確に決められていません。そこで管理費の金額は、経営する人の考えで決めることができ、実費とは無関係です。

同じマンションであっても入居のタイミングや部屋の広さが違えば、管理費が異なる契約も設定できます。

家賃収入5:駐車場料金

部屋を借りた人が希望する場合、駐車場の賃貸契約を結ぶことがあります。契約した駐車場料金は、収入として計上します。

賃貸契約によっては、家賃に駐車場料金をセットにすることもあります。そうすると、1ヵ月の家賃が高額になるので、礼金や更新料など家賃を基本とした料金も高くなります。

また、駐車場での違法駐車に対して、罰金の請求ができます。この罰金は雑収入で、家賃収入とは異なり税金の申告では注意が必要です。

経費で計上できるもの1:修繕費

不動産を借りた人の退去に伴う現状回復や、通常の維持管理に必要な作業の費用が、修繕費です。

修繕費は周期が3年未満で、20万円以下は費用です。ただし、修繕費が高額なときや、不動産の取得価格に対して修繕費が高額な場合は「資本的支出」です。税金の申告で間違えないようにします。

修繕費は費用として一括で計上しますが、資本的支出は賃貸のために不動産の価値を高めることになり、複数年に渡って費用として計上します。

経費で計上できるもの2:修繕積立金

修繕積立金はマンションの共用部分などの大規模改修に備えて、長期に渡って計画性をもって積み立てておくものです。

修繕積立金は、修繕のために積み立てるものですので、新しい設備や施設のために使用することはできません。修繕やメンテナンスのためだけに使用する目的を限定されたお金です。

修繕は定期的に発生する可能性は低いのですが、そのために定期的に積み立てる修繕積立金は、一定額を経費として計上することができます。

経費で計上できるもの3:管理委託費

不動産を賃貸する場合に、必要な管理業務を管理会社に委託することが一般的です。この際、管理会社に支払う料金が管理委託費です。

入居人の募集や家賃の集金だけでなく、クレーム対応や共有部分の管理など業務は多岐にわたります。管理委託費の設定は家賃の5%が多く、業務開始前の契約交渉で変わることもあります。

定期的に発生する費用ですが、管理会社によっては更新手数料が別途請求されることもあり、業務範囲も異なります。

経費で計上できるもの4:減価償却費

賃貸する不動産は、建築費用や取得費用を一括で経費として計上しません。法律で定められた年数に則って、一定期間で徐々に費用として計上します。

この費用を減価償却費と言い、一定期間同じ金額を費用として経費に算入します。

減価償却費の対象になる資産を「償却資産」と言い、修繕費の資本的支出によって価値が変わることもあります。

また、減価償却費は年々不動産の価値が減少することを意味するので、土地は対象外です。

経費で計上できるもの5:損害保険料

賃貸業務に使用する不動産は万一に備えて、損害保険に加入します。火災保険や地震保険、施設賠償保険に加入し、保険料は損害保険料として経費になります。

火災や地震保険は、担保として融資を受ける際には必ず加入します。また施設賠償保険は、賃貸業務に使用する不動産の管理不備や欠陥によるトラブルに対する補償のために加入します。

複数年の損害保険料を一括で支払っても、1年あたりの保険料だけがその年の経費になります。

経費で計上できるもの6:固定資産税・都市計画税

固定資産税は、保有する不動産など固定資産に課される税金です。

市街化区域にある不動産に対しては、固定資産に都市計画税を合わせた金額が納税通知書に記載されています。固定資産税も都市計画税も一括で納入することもできますが、年4回に分割して納めることもできます。

固定資産税は住居に対しても課税されます。家賃収入に対する経費は、賃貸用の不動産だけです。

また分割で納入するときはその年に納入した金額が経費です。

経費で計上できるもの7:その他の税金

固定資産税以外の税金も、経費として計上することができます。

賃貸用の不動産を購入したときの、不動産取得税や登録免許税も経費として計上することができる税金です。その際必要な収入印紙代も税金として経費算入できます。

経費として計上した税金の納付が遅れた際に課税される利子税も経費になる税金ですが、延滞税は経費になりません。

家賃収入を得るために納める税金は経費ですが、個人又は法人の納める税金は対象外です。

経費で計上できるもの8:借入金の支払利息

賃貸用の不動産を購入するために金融機関から融資を受けた場合、返済する借入金の支払利息は家賃収入の経費として計上します。

返済する借入金は経費として認められませんので、注意が必要です。

あくまでも家賃収入に対する経費ですので、個人の家や投資用の不動産の借入金の支払利息は経費として算入できません。

ただし、土地の購入代金に対する借入金の支払利息は、家賃収入用のものであっても経費として算入することはできません。

経費で計上できるもの9:その他の必要経費

家賃収入のために必要なものは、経費として計上することができます。

管理会社と連絡をとるための電話代は通信費、入居する人を募集するためのチラシやパンフレットの作成代金は広告宣伝費に該当します。

また、自分で賃貸用不動産を管理する際に必要なパソコンやカメラも消耗品費として算入します。そのほか不動産購入の手続きをする行政書士の費用も対象です。

家賃収入の申告を依頼する税理士の手数料も家賃収入の経費です。

家賃収入に関わる税金の計算方法3つ

不動産の賃貸の家賃収入で生活している人は、確定申告が必要です。また、会社勤めをしながら家賃収入もある場合も、確定申告をしなければなりません。

確定申告では家賃収入に関わる税金を算出します。

課税所得税額、所得税額、住民税額それぞれの計算式をわかりやすく説明します。

課税所得税額

課税所得税額は家賃収入から必要な経費を引いた不動産所得から、生命保険料控除や社会保険料控除などを引いた金額です。

家賃収入は、家賃だけでなく礼金や更新料、管理費や駐車場代など家賃にかかわるすべての収入です。経費は家賃収入のために必要な費用です。

課税所得税額の計算式は以下のとおりです。

家賃収入-必要経費=不動産所得
不動産所得-所得控除=課税所得税額

課税所得税額は所得税や住民税を算出するもとになります。

所得税額

所得税額は課税所得税額にそれぞれ設定された税額をかけて算出します。

計算式が複雑になるので、国税庁では控除額を設定してシンプルに間違いなく計算できるようにしてあります。この場合の控除額は所得の控除とは異なる数値です。

課税所得税額×税率-控除額=所得税額

所得税は累進課税制によって、所得の多い人が多く負担する税金です。

また、2037年までは所得税額に2.1%の復興特別所得税を加えた税金を納めます。

住民税額

住民税額は課税所得税額にそれぞれ自治体で設定された税額をかけて算出します。

住民税額の税率は自治体によって異なる税金ですが、多くの自治体が所得の10%を税率として設定しています。

課税所得税額×税率=住民税額

それぞれの税金の計算方法を説明してきました。

自分で計算できますが、税理士に相談すると、税金の計算だけでなく節税や経営のアドバイスも受けられます。

税額を把握したうえで今後を考えることも大切です。

家賃収入の税金の申告方法

家賃収入は申告する際に不動産所得としてではなく、事業所得として申告できます。

家賃収入が部屋数など一定の基準を満たした場合に可能で、事業所得として税金の申告をすると、個人事業主として申告することになります。

個人事業主で青色申告をすると、家族従業員の給与も必要経費になり、青色申告特別控除も適用されます。また、家賃収入の事業での赤字を繰り越すこともできます。

個人経営でも法人並みの節税効果があります。

家賃収入の税金は個人事業税や消費税がかかる可能性もある

個人事業主として家賃収入がある場合、所得税や住民税の他に税金がかかることもあり、代表的な税金は個人事業税と消費税です。

個人事業税は経費として計上することのできる税金で、自分で税額を算出して申告する必要はありません。

また、課税売上高が1,000万円を超えると、消費税がかかる場合もあります。

家賃収入は、副業としても定年後の収入の柱としても魅力があります。管理委託もできるので、リスクが少なく安心です。

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