マンション経営のリスクとは|リスク10個とリスクヘッジのポイント6つ
2020 06.4この記事はPRを含みます
マンション経営のリスクとは?
不動産投資としてマンション経営を考えている方は少なくないでしょう。不動産投資は基本的にリスクとリターンが低い投資、言い換えれば安定性の高い投資と言われています。それでも、失敗するリスクがない訳ではありません。
マンション経営では思ったように空室が埋まらなくて家賃収入が入らずローン返済が滞った結果失敗したり、家賃相場やマンションの資産価値が下がったりして失敗するリスクがあります。
マンション経営のリスク10個
ここでは、マンション経営のリスクを10個紹介します。
マンション経営でよく知られているリスクから、不動産投資に慣れていない人にはあまり馴染みのないリスクまでさまざまなリスクがあります。
リスク1:入居者が埋まらない
マンション経営のリスク1つ目は、入居者が埋まらないといういわゆる「空室リスク」と呼ばれるリスクがあります。せっかくマンション経営をはじめたのに、そもそも入居してくれる人がいなければ家賃収入が入ってきません。
まずは家賃が相場に比べて高すぎることや、マンションの利便性が悪かったり築年数や設備で人気が出ない、近くに新築で新たなマンションが建つなど、入居者が埋まらないリスクの原因はいくつも考えられます。
2:家賃下落による赤字
マンション経営の収入源となる家賃が下落して、その結果予想していただけの収入が入らず赤字に転落して失敗することがあります。
家賃は新築や築年数などの条件によって年々下落していくのが普通ですが、この下落の見積もりが甘かったという理由です。例えば新築の時だけは家賃高めに設定できても、新築の家賃がとれるのは最初の1人目の入居者だけなのです。
リスク3:ローン金利の上昇
マンション投資では投資用ローンを利用する方が多いのですが、変動金利を選択しているとローン金利の上昇があった際に支払いが増える、というリスクがあります。
投資用ローンでは固定金利と変動金利から選べることが多いのですが、変動金利の方が低い金利で設定されているためこちらを選ぶことが多くなります。しかし、変動金利では金利上昇によって支払い額が増えるリスクがあることを考慮する必要があるでしょう。
リスク4:流動性がない
マンション経営では不動産であるマンションを所有することになりますが、株などに比べると流動性が低い資産だというリスクも存在しています。
そもそも売りに出されているマンションの数がそんなに多くはありませんし、買い手も多い訳ではありません。いきなり大金が必要になったとしても、マンションの買い手を探すのは時間がかかることがほとんどであるため、すぐに換金できるような資産でもないでしょう。
リスク5:地価の下落
マンションの価格や地価というのは上昇と下落を繰り返しているため、上手く安いときに買えていればよいですが、高いときに買ってしまうと下落リスクが高くなることがあります。
特に地価については、かつてのバブル崩壊やリーマンショックの影響で下落した覚えがある方も多いのではないでしょうか。不動産投資では不況が到来したとき、地価に影響がでる可能性が高いというリスクがあることは有名でよく知られています。
リスク6:節税どころか増税
不動産投資で節税効果を狙っていたのに、政策によって増税になって負担が増えてしまうという増税リスクもあります。
2019年10月に消費税率の引き上げが行われたように、政策によって増税になり支払いに必要な額が増えてしまうというリスクです。また、マンション経営が上手くいって家賃収入が増えた場合にも増税になるというリスクです。
マンション経営による利益が増えれば増えるほど、支払う税金も増えていきます。
リスク7:想定外の出費
マンション経営では自然災害や老朽化などで突然想定外の出費が必要になる、というリスクもない訳ではありません。
老朽化に備えて修繕積立金を管理費として徴収しているところがほとんどですが、想定していたよりも修理箇所が多かったりすると足りなくなったりします。その他に台風や地震などの災害で修繕が必要となったりして、マンション管理のために想定外の出費が起こるリスクです。
リスク8:管理会社による顧客離れ
マンション経営では実際に管理を行わずに管理は管理会社に任せることがほとんどになりますが、この管理会社選びに失敗すると顧客離れを招いてしまうというリスクがあります。
管理会社といっても、全ての会社がよく管理してくれるという訳ではありません。中には共用部分の清掃をそんなにしていない、修繕を適切に行っていないなど問題のある管理会社も存在します。そのような管理会社によって、顧客が離れてしまうリスクです。
リスク9:住人の質
マンション経営をすると入居者を募集しますが、このときにあまりよくない質の住人が入ってしまうと、なかなか住人が居着かないなどの問題が起こるリスクです。
住人の質とはルールをきちんと守れているかどうか、家賃の支払いを滞りなくできているかなどで見ます。しっかり住人を見極めて入居させる会社に管理を任せていればよいですが、管理会社によっては入居した住人の質が悪くて全体の質の低下を招くリスクがあります。
リスク10:予期せぬ災害トラブル
マンションの立地や天候によって、自然災害に巻き込まれてマンションが被害を受けるという予期せぬ災害トラブルのリスクもあります。
災害といっても地震とかなら、マンションの周辺地域の古地図や歴史を調べることである程度リスクを予測することは可能でしょう。しかし、台風のように予測の難しい自然災害も存在しているため、完全に災害トラブルを予防するということはなかなか難しいところがあります。
マンション経営のリスクヘッジのポイント6つ
マンション経営にはさまざまなリスクがありますので、それぞれのリスクについてきちんとリスクヘッジをしていくことが重要になってきます。
そこで、ここからはマンション経営でできるリスクヘッジについて紹介いたします。あらかじめリスクがあることを知っているだけではなく、それに対するリスクヘッジもきちんと行っておくことがマンシヨン経営を成功に導く秘訣です。
ポイント1:工場や企業に依存しすぎない
工場や企業に依存しすぎないというのは、そこで働く人たちを対象にマンション経営をしていても、そのうち工場や企業が撤退したり倒産したりといったこともあるため依存しすぎるのは危険だということです。
工場の近くに建てれば、確かに工場に勤める人たちが入居しやすいマンションとなるでしょう。しかし、もしもその工場がなくなってしまえばどうなるでしょうか。リスクヘッジとして、工場に頼りきらない強みを持つべきです。
ポイント2:採算性についてよく検証する
マンション経営を実際にする前に、経営シミュレーションをして本当に採算がとれる物件かどうかの判断をしておくことも重要なリスクヘッジとなります。
少なくともあらかじめ家賃を想定しておき、下落率も加味しながら、その収入でやっていけるかどうかの計算だけでもしておくべきでしょう。建物の修繕計画なども事前に策定しておくこと、ギリギリではなく余裕のある運営ができるようになっているか検証しましょう。
ポイント3:万が一に備えて保険に加入する
日本は災害の多い国なので、常に想定していない災害トラブルが発生するリスクがあります。こうした万が一の事態に備えるために、火災保険や地震保険には必ず加入することを心掛けておくことが、リスクヘッジになります。
投資用ローンを利用してマンションの購入を行った場合には、たいてい団体信用生命保険(通称:団信)に加入することが条件になっています。その他に加入した方がよい保険はないか確認しておきましょう。
ポイント4:不動産投資に精通したパートナーを持つ
不動産投資がはじめての方やあまり詳しくない人におすすめなのが、不動産投資に精通したパートナー、信頼のおける不動産会社を選ぶというリスクヘッジです。
不動産会社にも当たりハズレがあります。良い不動産会社は一般的に買いを急がせず、リスクや失敗の可能性について話し、物件の良さだけでなく瑕疵についてもきちんと説明してくれる不動産会社でしょう。
ポイント5:住人との信頼関係を構築する
マンション経営を成功させるかどうかのポイントは住人なので、管理会社に任せっきりにすることなく、時にはマンションを訪れて管理の仕方を確認し住人と信頼関係を構築しましょう。
マンションを購入する際にもできるだけ足を運び、どんな住人が住んでいるのか共用部分や廊下などの見える範囲から推察しておくことが大事でしょう。
ポイント6:安心して任せられる管理会社を探す
マンション1棟に投資するような場合、慣れていない方が管理するのは難しいのでしっかりした安心できる管理会社に任せる必要があります。
管理会社がいい加減な会社であれば、修繕をろくに行わず老朽化を酷くさせたり、共用部分が汚くて入居者募集に影響を与えるなどさまざまな悪影響がでてきたりします。リスクヘッジのためにも、本当に安心して任せられる管理会社を探すことが重要になります。
マンション経営のリスクと物件選びのウソ・ホント3選
マンション経営についてさまざま言われていることがありますが、それはウソなのでしょうか、それともホントなのでしょうか。
ここでは、よく言われているマンション経営あるあるとして「地方より都心」はホントなのか、「中古より新築」や「ワンルームよりファミリー」はウソかホントなのか見ていきましょう。
1:地方より都心?
よく人口流出している地方より人口が多い都心の方がマンション経営に向いていると言われていますが、実は必ずしもそういう訳でもありません。
都心は確かに人が多く満室にしやすいのですが、競合マンションが多く利回りはかなり低くなります。地方は人が少ないという面はありますが、競合する物件は少なく利回りが高いため収益性は高くなるのです。
2:中古より新築?
中古より新築が良いともよく言われますが、これはどちらかというとホントです。
中古には中古なりのメリットがあり、不動産初心者には中古の方が価格も安く参入しやすいでしょう。しかし、耐震基準や2020年に義務化される省エネ基準など、新たな基準を満たす物件は少なくなります。
新築物件ならばそういった新たな基準に適合した物件が多く、突然の補修の必要も起こりにくいため運営計画が立てやすいです。
3:ワンルームよりファミリー?
マンション経営でワンルームよりファミリーと言われることもありますが、実は投資目的で考えればファミリーよりもワンルームの方がよかったりします。
これはワンルームの方が入居の希望者が多いこと、流動性が高く空室リスクが低くなることなどが理由です。しかしファミリーにメリットがない訳でもなく、1度入居すれば長く居続けるなどファミリー物件にはファミリーなりの良いところがあります。
マンション経営にはリスクを回避できる体制を備えておくことが大事
マンション経営にはさまざまなリスクがあるのは確かですが、リスクヘッジをしていればリスクを最小限に抑えることもできない訳ではありません。
今回の記事で紹介してきたリスクやリスクヘッジをぜひ参考にして、できるだけ余裕をもった体制で整えてマンション経営をしていきましょう。