限界マンションとは?限界マンションにならないための注意点4つ
2020 06.29この記事はPRを含みます
限界マンションとは?
「限界マンション」というのは、さまざまな理由から建物の維持管理が限界を迎えてしまって売れないマンションのことです。
マンションの老朽化を防ぐために、マンションは建てられた当初から適切な修繕をし、数十年経過すると大規模修繕を行う必要があります。
しかし、これらの修繕がなんらかの原因で行われず、維持管理ができなくなり、買い手も現れないマンションが限界マンションと呼ばれています。
犯罪が起きやすい
限界マンションは空室率が高くなり、建物の維持も管理もされておらず、人の住んでいない部屋に勝手に誰かが住みついたり、不審者が出入りするなどの犯罪が起きやすいと言われています。
建物の管理や修繕がされていない限界マンションに住みたい、という人はそう多くありません。多くの人がきちんと維持管理されているマンションに引っ越してしまうため、限界マンションからは人が減り、さらに維持管理が厳しくなっていきます。
限界マンションになってしまう理由
マンションとして建てられた当初から、限界マンションになってしまうということはありません。マンションが建ってから数十年が経過した後に、限界マンション化してしまうのです。
普通だったはずのマンションがどうして限界マンションになってしまうのか、その理由は5つほどあります。マンションを選ぶポイントとして、限界マンションになりやすい理由がないかどうかチェックしてみましょう。
居住者の高齢化
限界マンションの原因の1つには、居住者が高齢化することで修繕費の負担が厳しくなる、維持管理の負担ができなくなるなどの理由があると言われています。
日本は超高齢化社会であるため、高齢化はマンションに限った話ではありません。しかしマンションの居住者が高齢化した場合、高齢化による収入の減少によって修繕積立金の負担に耐えられない世帯が増え、管理組合の責任者がいなくなるなどの問題が出てきます。
建物の老朽化
マンションは築年数の経過によって老朽化していくため、老朽化による入居者の減少や維持管理費の増大に耐えられず、限界マンションになってしまう場合があります。
老朽化したマンションは人気がなく、新しい入居者はそうそう現れません。
入居者が減り空室が増えた上に、建物の老朽化により修繕費用が増大するため、1世帯あたりの修繕費用負担が増えてしまい、限界マンションとなってしまうのです。
建て替えに対して賛成が得られない
マンションが老朽化や災害などの原因により建て替えが必要になったとしても、入居者の4/5以上の賛成が得られず建て替えできない、ということも限界マンションになる理由の1つです。
建て替えなければ外観がよくないとか多少不便だったとしても、建て替え費用が多額ならばしたくないという入居者も多いです。建て替えできなければ新たな入居者は現れにくい一方で、マンションを建て替えるハードルはかなり高いのです。
居住者が亡くなる
居住者の高齢化により亡くなる人が増えてくると空室が増え、空室が増えることで修繕費用の負担が増大することや建て替えが困難になることから、限界マンションになりやすくなります。
居住者が亡くなってしまうと、相続人がいたとしてもその部屋に住むとは限りません。住んでいないマンションの費用を負担する人は少ないため、建て替えや修繕が困難になる理由の1つとなってしまいます。
維持管理費の不足
マンションでは大規模修繕に備えて修繕積立金を準備しておくことが多いのですが、空室率の上昇や建物の劣化などにより維持管理費が不足し、管理が行き届かなくなることで限界マンションとなってしまいます。
適切に集金していたとしても、空室が増えたり高齢化したりすると滞納が発生して維持管理費が不足することがあります。ほかの居住者の負担を増やすことは難しいため、管理が行き届かず限界マンションになってしまうのです。
いつから限界マンションになる?
いつから限界マンションと呼ばれてしまうのかについてですが、限界マンションに築何年からといった明確な定義はありません。
強いて言うならば、どう見ても建て替えが必要なのに建て替えられていないマンション、大規模修繕の時期になっても修繕が行われず放っておかれているようなマンション、見るからに管理の行き届いていないマンションは、限界マンションに該当するでしょう。
築30年〜50年は注意
マンションの築30年~50年は大規模修繕が必要となる時期であるため、この時期を境に限界マンション化することが多くなります。
築30年~50年を過ぎたのに大規模修繕をしないからといって、すぐに限界マンション化するという訳ではありません。しかし修繕が行われていませんので、さらに築年数がたつと限界マンションになってしまう可能性が高いです。
この築年数で大規模修繕や建て替えの予定がないなら要注意でしょう。
立地も重要
限界マンションになるかどうかは築年数だけでなく、立地条件も大きく影響します。
例えば駅に近かく公共交通機関が利用しやすい立地なら、古いマンションでも居住者が現れやすいです。人気の高い立地に立つマンションは空室率が高くなりにくいので、修繕費不足に陥って限界マンションになるリスクが低くなります。
逆に立地条件が悪い場合は、築年数がそんなに経っていなくても居住者が減りやすいのでリスクがあります。
限界マンションにならないようにする方法
限界マンションになってしまう理由については解説してきましたが、それをふまえて限界マンションにならないようにする方法について見ていきましょう。
限界マンションになるかどうかはマンションによって異なります。しかし、限界マンションになりやすい理由はあるので、その理由を排除していけば限界マンション化するリスクを限りなく低くすることもできるはずです。
1:前もって建て替え費用を積み立てる
限界マンションで問題になる建て替えのハードルの高さですが、前もって新築の頃から建て替え費用を積み立てることでハードルを下げることができます。
建て替え費用を前もって積み立てておけば、いざ建て替えとなった時に新たな費用負担が発生しにくいため、建て替えに反対する住民が現れにくいという理由です。しかし、マンション購入だけでなく建て替え費用積立金も負担することになるため、最初から住民負担が多くなります。
2:限界マンションにならないように長期的な視点を持つ
マンションの将来がどうなるのか、限界マンションにならないために長期的な視点をもち、かつ居住者間で共有しておくとよいでしょう。
将来に向けた建て替え費用の積み立て、大規模修繕に向けた修繕積立金など、長期的視点を持って早いうちから取り組んでいれば、いざという時に困る可能性が低くなります。マンションの将来を長期的に考えておくことは、住民に将来に対する安心感を与えることにもつながります。
3:取り壊して再建築する
都市部や立地の良い場所に建っているマンションならば、マンションを取り壊して再建築することや建て替えを検討してみるのもよいでしょう。
立地の良い都市部のマンションは、建て替えることで新たに居住者を獲得することが容易です。そのため、マンションの売却ではなく取り壊して再建築することも選択肢にあがるでしょう。住民の賛成を取り付けるハードルが高いことは難点です。
4:まちづくりを考える
マンションの立地条件も重要なため、周辺のまちづくりがどうなっているのか考えて売却または建て替えをするか検討してみましょう。
まちづくりで周辺の開発がされるようなら、建て替え費用を負担しても新たな居住者を確保しやすいです。
しかし、そうではなく立地条件が悪いようであれば、わざわざ建て替えをしても居住者が現れずマンションが売れないため、限界マンションになるリスクが依然高いままになってしまいます。
限界マンション?中古・築古マンション選びの注意点4つ
高齢化が進む現在、マンションを購入する際には限界マンションになるリスクの低い物件を選びたいものです。そのためには、どんなポイントに気をつけておけばよいのでしょうか。
ここでは、限界マンションになる可能性が高いかどうか、中古・築古マンションを選ぶときの注意点について紹介します。
1:修繕積立金に注意
中古・築古マンションを選ぶときの1つ目の注意点は、建物の状態と修繕積立金が現在どうなっているのかを確認しておくことです。建物がしっかり管理されていると同時に、修繕積立金にも余裕があることが理想です。
新築のマンション販売時には修繕積立金が安く設定していることが多いのですが、このために修繕積立金がなかなか貯まっていないマンションは、これから発生する修繕に十分に対応できない可能性があります。
2:形式上の長期間修繕計画に注意
中古や築古マンションを購入するなら、しっかりと長期修繕計画があること、またその修繕計画がしっかりした計画であるかを確認しておきましょう。
マンションの中には、長期修繕計画を立てていないマンションもあります。また修繕計画があったとしても、修繕のための積立金がいちじるしく低く、見直しもされていないなど適切でない計画の場合もありますので、注意が必要です。
3:長期保有者と短期保有者の意見対立に注意
修繕積立金の積立額が不足している場合には、マンションの長期保有者と短気保有者の間で意見の対立が起こっている可能性があります。
長期保有者にとっては、修繕積立金を適切に高く設定しておいた方が安心できます。しかし短期保有者は修繕積立金の値上げが利回りの低下につながるため、反対の人が多いです。
このような対立が起こっていないか、注意しましょう。
4:修繕計画を含めた長期的な視点を持つ
マンションの大規模修繕計画や建て替えについて、マンション管理組合が長期的な視点を持って活動しているかどうかも確認しておきましょう。
マンションが将来どうなるのか考えていない人が多く、修繕や建て替えの積立金が無いことで建て替えできないなど、さまざまなトラブルが起こってきました。購入予定のマンションの管理組合の修繕計画や視点をチェックしておきましょう。
限界マンションを選ばないように中古・築古マンション選びに気をつけよう
現在人気のタワーマンションも限界マンションになるリスクがある、と言われています。限界マンションを選ばないためには、そうなりにくいマンションを選ぶのがよいでしょう。
きちんと修繕計画があって修繕積立金の残高があるマンション、適切に管理・運営がされていて立地条件のよいマンションを選ぶようにしましょう。