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賃貸併用住宅のデメリット5つと運用する前に知っておきたいこと

2020 06.4この記事はPRを含みます

賃貸併用住宅とは

賃貸併用住宅とは、自宅と賃貸住宅を1つの建物で併用していることを言います。賃貸併用住宅が注目される背景には、この方式に様々なメリットがあるからでしょう。

そのメリットとして、まず物件を建てる際に必要となる資金の調達は、融資条件を満たせば一般的に賃貸物件の資金調達で利用するアパートローンではなく、住宅ローンを利用することができます。

そして入居後も家賃収入をローン返済に充てられるという特徴があります。一方でどのようなデメリットがあるのでしょうか。

賃貸併用住宅にデメリットはあるのか

魅力の多い賃貸併用住宅ですが、メリットだけではなくデメリットもあります。一生モノの不動産への投資です。運用前にデメリットも理解し慎重に、より多角的に見極めたいところです。

では賃貸併用住宅にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。賃貸併用住宅を運用する際にはそのデメリットをしっかり把握して、事前に対策することが必要となるでしょう。

賃貸併用住宅の5つのデメリット

賃貸併用住宅の運用に関してのデメリットを、設計段階、資金の調達、運用後など5つの項目に分けて見ていきましょう。これらを見ると、賃貸併用住宅ならではのデメリットが様々な場面に潜んでいることが分かります。

デメリットを放置して賃貸併用住宅の運用を進めてしまうと、後々大きな弊害が生まれてしまうことがあるので、これらを事前に把握することは賃貸併用住宅の運用にとっては大事なステップの1つでしょう。

デメリット1:設計次第で住み心地が損なわれる

賃貸併用住宅の大きな特徴の1つがオーナー自身も居住することです。この特徴を考慮せずに設計してしまうと、住み心地や運用で失敗する可能性があります。

例えば、マイホームはオーナー自身とその家族が物件に住むことを前提としています。一方で賃貸併用住宅は物件の一部を人に貸すわけですから、入居者の生活スタイルを想像し、通常のマイホームでは想定しない設備の充実が必要でしょう。

デメリット2:いざというとき住宅の売却がしにくくなる

長い人生においては、様々な理由からマイホームを手放すということもあるでしょう。賃貸併用住宅はその売却がしにくいというデメリットがあります。

売却を検討する際に賃借人がいた場合、退去の交渉など通常のマイホームの売却以上に複雑な手続きや交渉をしなければならないことがあるかもしれません。賃貸併用住宅は手放したい時など、いざというときに手間がかかってしまうことがあるでしょう。

デメリット3:ローンの借入額が大きくなってしまう

マイホームを建築や改修する際には、その資金調達としてローンを組むのが一般的でしょう。賃貸併用住宅は、通常のマイホームより建物が大規模になることが多いため、そのローンの借入額が大きくなるというデメリットがあります。

賃貸併用住宅のオーナーにとっては大きなデメリットとなる多額の借入額をいかにコントロールするかが重要となるでしょう。

デメリット4:入居者トラブルが起きたら?

マンションなど共同住宅において、入居者間のトラブルは切っても切れない出来事です。こうした入居者間トラブルのリスクを抱えるのも、賃貸併用住宅のオーナーにとってはデメリットとなります。

入居者間の仲裁や、入居者とオーナー自身やその家族との間でトラブルがあった場合、その解決に多大な労力やコストを費やす場合もあるでしょう。この入居者トラブルは、賃貸併用住宅を検討する際には見過ごせないデメリットとなります。

デメリット5:収益性があがりにくい

貸併用住宅のオーナーにとって安定的な家賃収入は、その経営にとって重要な要素となります。さらにその収益性は戸数が多ければその分高くなるのが一般的でしょう。

ただし賃貸併用住宅は戸数が少ないことが多く、収益性があがりにくいというデメリットがあります。つまり大規模な賃貸不動産の運用のように、収益性に関しては不利な運用であるということは認識しておきましょう。

賃貸併用住宅について知っておきたい5つ

先に述べた通り、賃貸併用住宅の所有には様々なデメリットが存在します。

デメリットを事前に把握することは非常に重要なことですが、一方でデメリット以外にも運用前に知っておくことで、より良い賃貸併用住宅の運用に役立つことがあります。

これからお伝えすることは賃貸併用住宅のデメリットと併せて理解することで、運用前の理解が更に深まることでしょう。

その1:賃貸併用住宅をマイホームにするとどうなる

実際にマイホームとして賃貸併用住宅に入居すると、どのような生活が始まるのでしょうか。オーナーにとっては当然ですが本職とは別に家賃収入を得ることになります。

通常のマイホームではローンなどお金は出る一方ですが、賃貸併用住宅ではその運用次第では安定的な収入源を確保できるでしょう。

その2:賃貸併用住宅なら自宅がタダに

賃貸併用住宅では家賃収入が安定的に入ってきた場合、ローンの返済を軽減できるでしょう。場合によっては、毎月のローン全額をその家賃収入でカバーできるケースも考えられます。

言い換えれば、賃貸併用住宅のオーナーは自宅所有に関するコストがタダになる場合があるのです。そのためには、収益と費用とのバランスを事前にシミュレーションすることが重要でしょう。

その3:アパートにするのと店舗にするのどちらがおすすめ

貸兼用住宅の賃貸部分を、アパートあるいは店舗として貸し出すのではどちらがよいのでしょうか。結論からいうと、その地域の賃貸ニーズと将来性に沿うものを選択することが大切でしょう。

物件の価値はその周辺地域と密接に関連しています。駅は近いのか、ファミリー層が多い地域なのか、学生街などでワンルームの物件が必要とされているのかなど、地域性を綿密に調査し、店舗として運用するかあるいは住居が良いのかを見極めることが重要になるでしょう。

その4:賃貸併用住宅は節税に繋がる?

建物を相続する際に、賃貸併用住宅は通常のマイホームよりも節税効果があります。これは建屋の賃貸部分がオーナー住居部分に比べて相続税の評価額が下がるため、全体をマイホームとして相続するのに比べて相続税額が下がることがあります。

特に、広い実家を相続した場合などには、賃貸併用住宅を検討・選択することは節税面からも有効と言えるでしょう。

(3) その他イ 賃貸されている土地や家屋については、権利関係に応じて評価額が調整されることになっています。ロ 相続した宅地等が事業の用や居住の用として使われている場合には、限度面積までの部分についてその評価額の一定割合を減額する相続税の特例があります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/46…

その5:物件の管理は管理会社に任せるのが吉

賃貸併用住宅を所有する際には、賃貸部分の管理は専門の管理会社に任せるのがお勧めです。賃貸併用住宅は賃貸部分が通常のアパートなどに比べて比較的小規模なことが多く、オーナー自身で管理できると考えることもあるでしょう。

しかし、物件の自主管理はそう容易いものではありません。日常の清掃から設備点検、様々な規制対応など専門知識が必要となる部分が多いため、管理はプロに任せるのがよいでしょう。

賃貸併用住宅とマンション投資の違いは

先に述べた通り賃貸併用住宅とマンション投資の大きな違いは、オーナーが自宅としてその物件に入居していることです。そこで賃貸併用住宅の投資を検討する際には、自宅としても利用することを念頭に様々な準備が必要となります。

実際にオーナーが住むとなると、自分自身の住環境としても後悔しない投資であるか、家族が同居する場合にも不動産投資に対して家族の生活環境が関わってくるので、家族の理解も必要となるでしょう。

おすすめなのはどちら

賃貸併用住宅とマンション投資ではどちらがよいのでしょうか。どちらが優位なのか一概には断言できませんが、賃貸併用住宅を選択したほうがおすすめの場合があります。

例えば住宅などを相続した場合です。特に広い実家を相続した場合、自分や家族だけでは部屋が余る場合など、あるいは広い土地を有効活用したい場合などは、先に挙げたローン金利の優遇や副収入面を考えると賃貸併用住宅にメリットがあると言えるでしょう。

賃貸併用住宅を運用するに向けて不動産について勉強する

オーナーにとって、これから賃貸併用住宅を所有する、あるいはそれを運用することに対して不安は重くのしかかるでしょう。その不安を少しでも軽くして、より良い賃貸併用住宅を所有・運用するためには、まず事前準備として十分な知識が必要となります。

不動産の所有や運用、賃貸併用住宅の特殊性など基本的なことについては十分に勉強して正確な判断に役立てましょう。

不動産の勉強方法

現在、様々なメディアを活用して専門的な不動産の知識を得ることができます。しかし、いざ勉強を始めようとしても、実際どこから手を付けるべきか迷うところではないでしょうか。ここからは一般的な不動産の勉強方法や、手軽に活用できるツールやメディアを紹介していきます。

そして自分に合った勉強方法を選択することで、効率的に不動産や賃貸併用住宅の知識を増やしていきましょう。

書籍

勉強方法としてまず挙げられるのは専門書によるものです。不動産の基本的な知識から賃貸併用住宅に関する専門書まで幅広く市販されています。これらを活用して基本的な知識を押さえましょう。

注意点としては、なるべく最新の書籍を選ぶことです。法令や不動産業界の動向は目まぐるしく変化しています。こうした中で最新の情報をピックアップできるようにしましょう。

セミナー

次に専門のセミナーに参加することも有効でしょう。最新の業界の情報やプロの知見をダイレクトに学べる貴重な機会です。さらにこうしたセミナーには賃貸併用住宅について検討している、あるいはその運用方法を学びたいという境遇を共にする人たちが参加しているでしょう。

このような人たちと共に学び、あるいはその場で情報共有などをすることは非常に有益なことです。

ブログ

現代ならではの方法として、インターネット、特に専門ブログなどを勉強に活用する方法です。

この方法では、不動産の専門家だけでなく実際に物件を運用しているオーナーの実体験を見ることができます。そのなかには生々しい失敗談などもあり参考になるでしょう。

ただし注意点としては、ブログの内容はあくまでも個人の意見や体験に基づくものです。ブログを参考に多角的な視点を持つことも、賃貸併用住宅の運用を成功させるために大切なことでしょう。

賃貸併用住宅のデメリットを把握して有効活用

これまで賃貸併用住宅の様々なデメリットを見てきました。その中には賃貸併用住宅を検討している人にとっては、不安や重圧になることもあったかもしれません。しかし、これらのデメリットを“リスク”と捉え、積極的にそのリスクをコントロールすることが必要でしょう。

そのために事前準備を怠らず、賃貸併用住宅の運用に活用していきましょう。そのデメリットを乗り越えた先にこそより良い賃貸併用住宅の運用があるのです。

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