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住宅ローンと投資ローンの違いとは|共通リスクとよくある質問7つ

2020 06.4この記事はPRを含みます

目次

住宅ローンと投資ローンの違いとは

住宅ローンは契約者が住む家のためのローンであるのに対し、投資ローンは不動産事業用の物件(マンション、アパートなど)のためのローンです。それぞれ目的が異なりますので、借入の際、審査の項目や設定されている金利も異なります。

住宅ローンと投資ローンの違い3つ

先ほどにもお伝えしましたように、住宅ローンと投資ローンでは目的が異なります。ここからは大きな3つの違いについてお伝えします。

ご自身に必要なローンは投資のためのローンなのか、あるいは住宅のためのローンなのかと、2つのローンの違いを知り、希望に沿ったローン選びの参考にしてください。

住宅ローンと投資ローンの違い1:住宅ローンは契約者の居住用

先ほども申し上げましたとおり、住宅ローンの場合は契約者が住む家のためのローンです。ご自身の自宅として不動産を購入する際に、不足している金額分をローンとして借り入れることができます。

それに対し投資ローンは、ローンで購入した物件を他人に貸し、家賃として収入を得る不動産投資を目的としたローンです。したがって、住宅ローンで投資物件を購入することは基本的に認められていません。

住宅ローンと投資ローンの違い2:住宅ローンの方が審査は緩い

住宅ローンの審査の場合、年収や勤務先、勤続年数、かつ現在の資産状況や借入状況が審査の基準になります。

一方、投資ローンの審査ではこれらの基準に加えて、どのような物件を購入するかも審査の基準になります。

したがって、住宅ローンの方が審査が緩いと言えるでしょう。住宅ローンを検討している人にとっては嬉しいことと言えるでしょう。

住宅ローンと投資ローンの違い3:住宅ローンの方が金利が安い

住宅ローンの場合、返済原資を給与としているので、貸付側は貸し倒れになるリスクは低いと考えます。そのため金利は0.5%~2.0%程度と、低く借り入れることが出来ます。

それに対し投資ローンは、返済原資を不動産投資の利回りと考えるので、貸し倒れになるリスクが高くなり、住宅ローンより金利が高くなります。

家賃収入が想定より入らなかった場合は資金繰りが悪くなり返済が難しくなる可能性があるため、金利は1.5%~4.5%程度と高くなっています。

いずれのローンも、どこで借り入れるか、金利は固定か変動かで返済額が変わるので要チェックです。

住宅ローンと投資ローンのよくある質問7つ

ここまで、住宅ローンと投資ローンの違いについてお伝えしてきました。

住宅ローンや投資ローンを組むにあたって、分からないことや知っておきたいこともあることでしょう。次に、住宅ローンと投資ローンについてよくある質問について、お答えします。

質問は7つございますので、それぞれ具体的にお答えしていきます

住宅ローンと投資ローンのよくある質問1:住宅ローンの物件を投資に使用したらどうなる?

住宅ローンで購入した物件を投資に使用するときは、契約者の居住と併用に他人に貸す場合と、一時的な転勤で居住地から離れる際に他人に貸す場合のみ認められています。それは事前に金融機関に相談の上、金融機関の承認が必要になります。

しかし、これらを金融機関に無断で行ったことが明らかになると、金融機関は「不正」と見なし、悪意があったと認められれば残債の一括返済を求められる可能性があります。

該当する場合は必ず事前に金融機関に相談をしましょう。

住宅ローンと投資ローンのよくある質問2:不正はどうやってバレてしまうのか

ローンの返済関連書類などの、「転送不可」の郵便物が届かないことで発覚することが多いです。
具体的に、金融機関に提出する住民票は新住所の物ではありませんので、住宅ローンを組み新居を購入すると住民票も一時的に新住所へ移します。

しかし、購入した物件を他人に貸すと、ローンの契約者の居住実態が無く、住民票がないため、郵便物が届かないことがあります。そこで金融機関が事実確認することで不正がバレてしまいます。

住宅ローンと投資ローンのよくある質問3:併用はできるのか

住宅ローンと投資ローンの併用は可能です。しかし、住宅ローンを組んでいる上に投資ローンを借りる場合は、通常の投資ローンのみの審査よりさらに厳しくなります。

また、住宅ローンと投資ローンでは金利が大きく違いますので、返済額の差にも注意が必要です。

この後詳しくお伝えしますが、審査の際には収益性のある物件選びが重要になります。また、投資ローンと併用するとその融資枠から住宅ローンの残額分が差し引かれますので、注意が必要です。

住宅ローンと投資ローンのよくある質問4:どっちを選ぶべきなのか

資産運用という観点から言いますと、投資ローンを選ぶ方が有利と言えます。なぜなら、ローンで購入した物件を運用すれば、毎月の家賃収入を年収として見なす金融機関が多いからです。

そして投資の実績を積むことで、金融機関によっては高額の住宅ローンでも審査が通りやすくなります。

一方で住宅ローンを契約した後で、投資ローンを組むとことになると、借入審査が厳しくなるため、ローンの併用を考えている場合は借り入れの順序を考えるとよいでしょう。

住宅ローンと投資ローンのよくある質問5:年齢制限や借入上限はあるのか

住宅ローンの年齢制限については、給与を返済原資としていますので定年に近い、65歳以上70歳未満の借入上限を設けている金融機関がほとんどです。

それに対し投資ローンは返済原資が家賃収入ですから、物件や資産状況によっては、70歳を超えていても融資がつく場合があります。そのため、高齢者の相続対策として不動産投資を活用するのには打ってつけの手段と言えます。

住宅ローンと投資ローンのよくある質問6:団体信用保険に加入できる?

確かに住宅ローンも投資ローンも、団体信用保険の審査が通れば加入は可能となります。ただし、団体信用保険の注意するべきところは、生命保険の一種ですので、持病などがある人や通院・入院歴などの審査によって加入できないことがあるという点です。

団体信用保険に加入することが住宅ローンや投資ローンの借入条件になっている場合は、保険に加入できないことを理由に審査に落ちることがあります。気を付けましょう。

住宅ローンと投資ローンのよくある質問7:法人契約できる?

住宅ローンの場合、購入する物件に契約者が居住することを目的にしていますので、名義は契約者本人になります。つまり個人契約です。したがって、住宅ローンで法人契約をすることは不可能です。

一方、投資ローンは、物件を賃貸として運用することが目的ですので、運営する法人の名義で契約することは可能です。つまり、住宅ローンは契約者名義のみで、投資ローンは賃貸事業主としての法人名義で契約することが可能ということです。

住宅ローンと投資ローンの共通リスク3つ

住宅ローンも投資ローンも、人によっては25年~35年という長い期間で返済をしていくことになります。その間には、さまざまなリスクが想定できます。そして、絶対にそれらのリスクは起こらないとも限りません。

そこで、住宅ローンと投資ローンに共通するリスクについて3つお伝えします。

住宅ローンと投資ローンの共通リスク1:正しい返済計画が必要

返済計画で特に注意したいのが、返済期間中の金利の上昇です。万が一、金利が上昇しても払えるほどの余裕は残せるように、ギリギリな返済計画は組まない方がいいと言えます。

また、天災にも対応できるように、地震保険に加入することや倒壊しない建物を選ぶなどの対策もしましょう。そして、家賃の滞納や空室が発生し、家賃収入が落ちることのリスクにも備えましょう。そのためにも、各種保険への加入や資産に余裕を残しておくことが重要です。

住宅ローンと投資ローンの共通リスク2:すぐに現金化できない

ローンで購入した不動産を売却し現金化するにも、方法によっては早いところもありますが、不動産業者に相談し、買い手を見つけ、買取価格が決まるまでの期間を考慮すると、1ヶ月~1年以上かかる場合があります。

このように、すぐに現金にすることができませんので、注意が必要です。もし早めの現金化を希望なら事前にその方法や、受け付けてもらえる不動産業者などを調べた方が良いでしょう。

住宅ローンと投資ローンの共通リスク3:物件に管理コストがかかる

物件を購入した後は、入居者募集やクレーム対応などを委託するための管理委託手数料や、家賃滞納の督促や回収、さらに修繕の手配を委託する集金代行契約手数料、修繕積立金など特に家賃収入の内から捻出される費用が発生します。

万が一、家賃の滞納や空室が発生して、契約者の収益が落ちても、それらの額は基本的に変わりませんので、どんな時でも支払えるように備える必要があります。

投資ローンの注意点

さて、ここからは主に投資ローンについての注意点をお伝えしていきます。その注意点とは主に融資枠が中心になり、2点の注意があります。

融資枠は投資物件の収益性によって上限の上がり下がりがあり、融資枠について知ることはとても重要です。ですので、それらについてより詳しくお伝えしていきます。

投資ローンの注意点1:融資枠について知ろう

融資枠は、物件の担保評価に影響を受けると言われています。物件の担保評価が低いと、本人の返済能力が高くても、その分融資枠も下がります。一方、担保評価が高ければその物件の収益性に加え、契約者の返済能力も加味されるので、融資枠も上がることがあります。

担保評価の高い物件は、すなわち収益性が高いと認められた物件ということですので、物件選びが融資枠の上限に繋がります。

投資ローンの注意点2:融資枠の上限額について知ろう

どこでローンを組むかにより大きく異なりますが、一般的には、年収の5~7倍の融資枠があると言われています。しかし、購入した物件の収益性が加われば年収が上がります。つまり、家賃収入が高ければ高いほど審査項目の年収の評価が上がるということです。

さらに家賃収入が高いことは、その物件の収益性が高いと言えるので、その点の評価も高まるります。年収が上がった分融資枠の上限額も変わることがあります。

住宅ローンで投資物件を購入する方法

「住宅ローンと投資ローンのよくある質問1」でも述べたように、契約者の居住と併用に他人に貸す場合と、一時的な転勤で離れる際に他人に貸す場合なら、住宅ローンで投資物件を購入することが認められています。

ただし、これには事前に金融機関に相談し、承認してもらう必要があります。繰り返しになりますが、これらが無ければ金融機関は調査し、悪意があったと認められれば残債一括返済を請求します。正しい手順をとりましょう。

住宅ローンと投資ローンの違いを理解して正しく活用しよう

不動産投資をするには、ローンが必要不可欠と言っても過言ではありません。収益性の高い物件選びや計画的なローンを組めば問題はありません。ですが、金融機関に無断で住宅ローンで投資に使用すると、明らかになった場合は残債の一括返済を求められることがあります。

正しい手順をとることが、正しく活用することに繋がります。今回お伝えした住宅ローンと投資ローンの違いをよく理解し、正しく活用しましょう。

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