出産に保険は適用される?かかるお金5つともらえるお金8つをチェック
2020 10.21この記事はPRを含みます
出産時に保険は適用される?
出産は結婚した夫婦にとって子供をさずかり家族が増えるという大変喜ばしいことです。その一方で、出産時には入院費や分娩費、出産後にはおむつやベビーベッドなど何かとお金がかかるものです。
そこで、注目すべきは出産時には保険が適用される場合があるということです。
出産時に適用される保険とは?
出産時には保険が適用される場合と、適用されない場合があり、保険の種類もさまざまです。
そこで、公的保険と医療保険の種類や出産時に保険が適用される場合をご紹介します。
公的保険
出産時に公的保険が適用となるのは医療行為が必要となったときです。たとえば、微弱陣痛などのための陣痛促進薬、止血のための点滴、吸引分娩、帝王切開分娩、鉗子分娩、赤ちゃんが新生児集中治療室を利用、死産など様々なものがあります。
また、病院によっては会陰切開などが保険対象外となる場合もあります。次に保険が適用にならない場合をご紹介します。
正常分娩の場合は公的保険が適用されない
公的保険が適用されない場合は、出産時の分娩が正常分娩であった場合です。
通常出産の場合は病気ではないため、公的保険適用外となります。そのため、正常出産だった場合は費用の3割を負担するのではなく、10割を支払う必要があります。
医療保険
個人が加入する医療保険についても、出産時に保険適用となる場合の考え方は公的保険と同じで、出産以前のある一定期間までに保険金を支払っていれば、医療行為がある場合に保険が適用となります。
そこで、医療保険が適用となった場合に受け取れる給付金についてご説明します。
入院給付金や手術給付金を受け取ることができる
入院給付金とは医療行為を伴う出産において入院した日数によっておりるお金のことで、手術給付金とは異常分娩で手術をした場合に給付されるお金のことです。
これらの給付金の請求ができる保険会社はいくつもありますが、たとえば、オリックス生命保険、住友生命、損保ジャパンのひまわり生命、明治安田生命などがHPなどで公表しています。
保険以外で出産時にもらえるお金8つ
出産にかかるお金は正常分娩の場合には保険でまかなえないため、保険以外で出産時にもらえるお金を8つ紹介します。
申請をすればもらえるお金も多いため、申請不足でもらえなかったということがないよう、しっかりチェックしておきましょう。
出産時にもらえるお金その1:出産育児一時金
健康保険から出産時の費用を助成するための制度が「出産育児一時金」です。日本ではすべての国民が医療保険制度に加入しているため、出産したほとんどの方に支給されます。
妊娠4ヶ月以上の人が出産した場合には、出産した子どもの人数に応じて42万円支給されます。たとえば双子の場合、42万円×2人で84万円となります。妊娠週数が22週に届かない場合や産科医療補償制度対象出産ではない場合は40万4000円が支給されます。
出産時にもらえるお金その2:妊婦健診費の助成
妊婦健診にかかる費用の助成は、地方交付税を財源として各自治体によって決められている制度であるため、住んでいる自治体によって金額が異なります。
例えば、東京の世田谷区では、妊婦届出書の提出時に妊婦健診で使用できるチケットが16枚配布され、その合計金額は8万5460円です。お住まいの市町村のホームページで、妊婦健診の助成の具体的な金額をぜひ調べてみてください。
出産時にもらえるお金その3:失業給付金
失業給付金とは、失業中に新たな仕事が見つかるまでの生活を心配することなく、できるだけ早く再就職できるよう支援するものです。しかし、給付の要件のなかに「いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があること。」とあるため、妊娠、出産、育児ですぐに就職できない場合はこの条件を満たしていません。
妊娠中に会社を退職した場合は、申請をすることで最大3年間の受給期間の延長が可能なため、申請のみ済ませておいて、失業給付金は就職できる状況になったときに受給しましょう。
出産時にもらえるお金その4:育児休業給付金
育児休業給付金は育児のために仕事ができない期間の生活をサポートするもので、育児給料が終了した後に職場復帰することを前提としています。支給される期間は、出産後8週間の産後休業期間が終了した翌日から子どもが1歳になる前日までです。
育児休業給付金の支給額は、育児休業を開始した日から6ヶ月は育児休業開始前の賃金の67%、6ヶ月経過後から育児休業終了日は50%となっています。対象となるのは育児休業開始前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上ある人のため、注意が必要です。
出産時にもらえるお金その5:傷病手当金
傷病手当金とは、被保険者が業務外の病気やケガなどの療養のために働けず、4日以上仕事を休んだ場合にもらえるお金です。1日分の金額は傷病手当金をもらい始めるより前、12ヶ月の平均標準報酬月額を30日で割った金額を2分の3することで計算できます。
病気やケガなどで仕事を休んでいる間に出産した場合には、傷病手当金の代わりに出産手当金を受給できます。出産手当金の方が少ない場合は申請することで差額が支給されます。
出産時にもらえるお金その6:出産手当金
出産手当金とは出産前後に出産のために会社を休み、会社から給与をもらわなかった場合に支給されるお金です。具体的な期間は出産日の42日前から出産日の翌日以降の56日までです。金額は傷病手当金と同じく、出産手当金をもらい始めるより前、12ヶ月の平均標準報酬月額を30日で割った金額を2分の3することで計算できます。
出産時にもらえるお金その7:医療費控除
医療費控除とは1月から12月の1年間のうちに妊娠や出産でかかった費用が、ある一定額以上になった場合に、確定申告をすることで返ってくるお金ことです。
所得によって返ってくる金額は異なりますが、医療費控除では、産婦人科に通うために使用した電車、バス、タクシー代なども対象となるため、費用の詳細はきちんと記録しておきましょう。ただし、かかった費用から出産育児一時金でもらった金額は引かなければいけないため、注意が必要です。
出産時にもらえるお金その8:高額療養費制度
高額療養費制度とは1ヶ月の間にかかった医療費が高額だった場合、自己負担限度額を超過した分の金額があとで戻ってくるというものです。ただし、自己負担限度額は年収によって異なります。
出産の場合に対象となるのは帝王切開などの自然分娩ではなかったときにかかるお金のみですが、同一世帯であれば医療費を合算した金額が対象となります。
出産時にかかるお金5つ
ここまでは保険や一時金など出産時にもらえるお金の話をしましたが、ここからは実際にどのような場面でお金がかかるのかをご紹介します。
出産時にかかるお金は購入するものなどによって様々なため、これからご紹介する出産時にかかるお金5つを見ながら、どのようなものを購入するかイメージしておきましょう。
出産時にかかるお金その1:入院
平成28年の国民健康保険中央会の集計によると、入院時の出産費用は全国平均で50万5759円と高額になっています。そのうちわけは約半分の25万4180円が分娩料で残りが入院料や新生児管理保育料、部屋をグレードアップした際の室料差額となっています。
また、入院費は出産する場所を病院、診療所、助産所のどこにするかによっても異なり、病院がもっとも平均値が高く51万1652円、診療所の平均は51万1408円、助産所がもっとも平均値が低く46万4943円となっています。
出産時にかかるお金その2:健診
妊婦健康診査とは一般的に妊婦健診とよばれ、妊娠中に胎児や妊婦の検査や診察をおこなうものです。厚生労働省は標準的な妊婦健診の回数を14回としており、妊娠初期の23週までは4週間に1回、妊娠24週から35週までは2週間に1回、妊娠36週から出産までは1週間に1回を例としてあげています。
妊婦健診は病院や検査内容によっても価格が大きく変わりますが、初診で6000円から2万円、その後の13回は5000円から1万5000円の費用が必要になります。つまり、標準的な14回の妊婦健診で合計7万6000円から21万5000円のお金がかかります。
出産時にかかるお金その3:ベビー用品
出産して、新生児を育てる準備としてそろえておくベビー用品の費用は合計で10万円以上かかります。「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」では、0歳児ひとり当たりの年間支出額のうち、おむつなどの「生活消耗品」と哺乳瓶などの「子ども用生活用品・用具」を合わせた合計は平均で15万3559円となっています。
そのうちわけを細かくご紹介すると、ベビーカーやおもちゃ、肌着やベビーウェア、ミルクを与えるための哺乳瓶、ベビーベッドや布団などの寝具、おむつやおしりふき、ベビーバスやベビー用のシャンプーなどのお風呂用品、ベビー用爪切りや温度計といった衛生用品、などがあります。
出産時にかかるお金その4:マタニティー用品
妊娠後や出産後に妊婦が着用するマタニティー用品はおもに、マタニティー用の下着と洋服があります。マタニティー用の下着とは妊娠が発覚したころから、バストが張ってくるため下着がきつくなったり、出産後に授乳する際は胸がはってブラジャーのサイズが大きくなったりということがあるため必要なものです。
マタニティー用の洋服はおなかが大きくなった際もゆったりと着られる、ワンピースやウエストがゴムになっているジーンズなどが人気で様々な商品が出ています。
マタニティー用品はメーカーによってさまざまな価格のものが販売されていますが、安い価格帯のメーカーを選べば2~3万円で準備が可能です。
出産時にかかるお金その5:出産内祝い
出産内祝いとは出産の際にいただく出産祝いのお返しとしてタオルやお菓子、カタログギフトなどを渡すことです。値段は出産祝い金やいただいたものの半額から3分の1程度がよいとされており、複数人でまとめていただいた際は、詰め合わせのお菓子などでもよいでしょう。
出産内祝いの金額は出産祝いをいただく人数や金額によって大きく変わってきますが、出産祝いの金額の相場が友人の場合が5,000円から1万円、兄弟や姉妹が1万円から3万円ですので、その半額程度で予想しておきましょう。
出産時の保険と制度を知って費用を抑えよう
出産時には自然分娩では保険が適用されないことや、給付金についても申請が必要で場合によってはもらうための条件があるなど、さまざまな制度があります。
出産は喜ばしく忙しくもあることですので、早めに制度を知って費用を抑えましょう。