NISAのロールオーバーって?メリットデメリットや注意点4つを解説
2021 06.2この記事はPRを含みます
ロールオーバーとは?
NISAのロールオーバーとはどんなものでしょうか。
NISAでは購入した株式や投資信託は5年間非課税で運用できますが、5年の期間が終了すると本来は課税対象となってしまいます。
ロールオーバーとはさらに追加で5年間非課税で資産運用できる制度の手続きの名称です。
便利なロールオーバーですが、利用するにはいくつかの条件があり、デメリットも存在します。今回は、メリット・デメリット、タイミングなどを詳しく紹介していきます。
NISAとつみたてNISAの違い
つみたてNISAは、少額投資非課税制度になっており、年間40万円までの投資元本拠出ができ、20年間の口座維持が可能です。
NISAは、年間120万円までの投資元本拠出ができますが、運用期間は5年間となります。また定期拠出を前提にしているつみたてNISAとは違い、NISAでは随時出金や定期拠出など基本的には自由度が高いのが特徴です。
ロールオーバーとはNISAでのみ利用でき、積立NISAではロールオーバー不可となっています。
ロールオーバーとは誰でもできるわけではない
前述した通り、ロールオーバーをするには条件をクリアする必要があります。だれでもいつでもできるという訳ではありません。
翌年(6年目)のNISA口座を開設する必要性が出てきます。その際は、同じ金融機関でなければなりません。違う銀行でロールオーバー用の口座を開設することはできないということです。
また、ロールオーバーをする場合には非課税期限終了までに必要な手続きを行う必要があります。金融機関によって、通知をしない場合もあるので、期日の管理はしっかりと行いましょう。
ロールオーバーのメリット
ロールオーバーとは非課税で資産運用を5年間行うことが可能です。その点は大きなメリットといえるでしょう。
折角、今後利益が出る見込みがある証券を保有していても、課税対象になってしまい利益が減ってしまいます。
上記のような方は、課税対象になってしまうよりロールオーバーをすることをおすすめします。
ロールオーバーのデメリット
デメリットは、手続きを行わなければ自動的に「課税口座」へ移ってしまうことでしょう。
ロールオーバーの手続きをするのを忘れていた、もしくは違う金融機関に口座開設してすでに移してしまった場合などには、ロールオーバーすることができなくなってしまいます。
ロールオーバーをした方がいいタイミング3つ
それでは、ロールオーバーのタイミングを紹介していきます。タイミングを間違えてしまうと、ロールオーバーを利用できないどころか、投資資産に損失が出てしまう可能性もあります。
ロールオーバーをする場合には、しっかりと準備をしてタイミングを見計らいましょう。
ロールオーバーをした方がいいタイミング1:配当の高い銘柄を保有しているとき
株式を所有することで定期的に安定した配当が得られる可能性がありますが、今所有している銘柄が今後も安定した配当金を望めるのであれば、ロールオーバーしたほうがいいでしょう。
NISAの非課税対象は、配当金に対してもなので、配当金が高額なほどお得になります。反対に、今後配当金が下がるであろう株式は売却しおいても問題はないでしょう。見極めは大切です。
ロールオーバーをした方がいいタイミング2:保有銘柄の値上がりが期待できるとき
保有している銘柄が、今後5年間の間に値上がりが期待できる場合には、その銘柄はロールオーバーしておいた方がよいでしょう。
非課税期間が終了したときに、購入した商品が値上がりしていたとします。その商品を課税口座へ移した後に額が上がった場合は、値上がりした分に課税されます。
その為、今後も値上がりが期待される商品は税金を節約するためにもロールオーバーしておいた方が得策であるといえます。
ロールオーバーをした方がいいタイミング3:保有銘柄の損失に回復見込みがあるとき
非課税期間が終了した段階で保有している商品が損失している場合、その商品が今後値上がり、回復するであろうという見込みがある場合にはロールオーバーも検討してみましょう。
損失がでた商品だからと課税口座に移した後に、もし仮に値上がりすると値上がりして増えた分に税金が課されてしまいます。損失に回復の見込みがある場合には、ロールオーバーをすることを検討したほうが賢明です。
ロールオーバーをする際の注意点4つ
ロールオーバーとは、NISAが非課税期間を満了したよく翌年からさらに継続して非課税で資産運用していける制度のことと説明してきました。ここからはロールオーバーをする際に注意すべき点を4つ紹介していきます。
自分の非課税期間がいつまでなのかなどしっかり把握しておくことが重要です。
ロールオーバーをする際の注意点1:つみたてNISAとの併用不可
前述したように、つみたてNISAとの併用はできません。NISAとつみたてNISAのどちらか一方のみ開設することができますが、ロールオーバーを利用するにはNISAでの口座開設が必要です。
よって、つみたてNISAとの併用もしくは同時開設はできないということになります。
ロールオーバーをする際の注意点2:金融機関によって手続き期間が異なる
ロールオーバーをしたいと考えたときに、まず最初に確認すべきことは「口座開設している金融機関のロールオーバー手続き期間はいつまでなのか」です。
手続きの方法は、書面かWEB上で行います。金融機関によっては、書類を送る必要があったり、WEB上ですべて完結することができなかったりする機関もあります。手続き期間が分からないという場合には、金融機関の公式サイトや直接連絡して確認を取りましょう。
ロールオーバーをする際の注意点3:金融機関の変更不可
NISAで保有している商品は、他の金融機関へ移すことはできません。つまり、NISA口座を他金融機関へ変更した場合、以前の口座で所有していた商品は新しい金融機関へ移すことができないということです。
また、ロールオーバーとはさらに5年間追加で非課税のまま運用していける制度ですが、その期間が満了した翌年から5年間再度非課税で運用していくためには、同じ金融機関の口座を開設する必要があります。
ロールオーバーをする際の注意点4:必ず手続きが必要
ロールオーバーとはさらに5年追加で非課税運営できる制度ですが、この手続きは自動で行われるものではありません。
必要な手続きを完了させないと、ロールオーバーはできません。上記でもご説明した通り、同じ金融機関であることや手続きの時期が異なるという点を考えると、早めにロールオーバーをするかどうか決めしましょう。
思っていたより手続きに時間がかかったり、Webでは完結しなくて書類の送付で日にちがかかってしまう可能性もあるので、注意しましょう。
将来に向けた節税対策5選
ロールオーバーは、非課税で資産運用できるいわゆる節税対策の一つですが、他にはどんな対策方法があるのでしょうか。ロールオーバーとは違うものも一緒に活用していくことで節税対策になります。
NISAのように非課税で資産を運用していける制度や、控除されることで節税が期待できる制度もあるので、詳しく見ていきましょう。
節税方法1:住宅ローン控除
家を買ったら確定申告をした方がいいという話をよく耳にしますが、この確定申告と住宅ローンはどのような関係がるのでしょうか。
住宅ローン控除は、住宅ローンで10年以上のローンを組んだ際に毎年1%の税金が戻ってくる制度のことです。条件はありますが、この住宅ローン控除を申告することで、残高の1%が戻る可能性があるとしたら、手続きはしておいた方が節税が期待できます。
節税方法2:iDeCo
iDeCoは、節税対策をするのに適している制度であるといえます。
大きなメリットとしては、掛け金や利益が非課税対象になることでしょう。厚生年金や社会保険と同じ扱いになるので、給与から積立という形であっても、積立金は非課税なので、積立にかかる税金は発生しません。
60歳になるまで現金化や解約はできませんが、iDeCoを活用して節税対策を今のうちにしておくことも視野に入れておきましょう。
節税方法3:ふるさと納税
ふるさと納税では、寄付した額は所得控除になるので、実質負担2,000円でそれ以上の返礼品を受け取ることができる制度です。
ただし、所得によって寄付できる金額や控除される額に制限がつくので、自分がどれくらいまで寄付できるのかをしっかりと把握しておく必要があります。
また、自動的に還付金をもらえるわけではなく、寄付した自治体から発行される「寄付金受領証明書」を持って確定申告をする必要があるので注意しましょう。
節税方法4:医療費控除
年間で支払った医療費が一定の金額以上の場合、手続きをすることで医療費控除ができ還付金として税金に一部を受け取ることができる制度です。
しかし、医療費控除の対象になる医療費と、対象にならない医療費があるので注意しておきましょう。
節税方法5:各保険料控除
生命保険控除や社会保険控除などは、保険料を払うことで節税を期待できます。
還付金を受け取る方法は、年末調整と確定申告の2種類あります。会社に勤めている方は年末調整を会社がしてくれるので、手間はかかりませんが自営業の方やフリーランスの方の場合は確定申告と一緒に所得控除を提出します。
住民税は還付金という形ではなく、確定申告や年末調整の後に住民税にかかる税額が下がる仕組みとなっています。
ロールオーバーとはNISAの非課税期間を延長する手続きのこと
ロールオーバーとは、NISAの非課税期間をさらに5年間資産を運用していける手続きの名称という事が分かりました。
ただし、ロールオーバーができるのは2023年までの制度となっており、2019年以降に新たにNISA口座を開設し、資産運用を始めた場合はロールオーバーができないという点に注意しておきましょう。
NISAのロールオーバーとは別の節税対策を同時に行って、将来に向けた対策を行っていくといいでしょう。