NISAの長期投資の魅力を解説|運用におすすめの投資手法や注意点を紹介!
2023 09.22この記事はPRを含みます
NISAとは
NISAは少額からの投資を行う方向けの非課税制度で、毎年120万円分の非課税投資枠で購入した金融商品で得た配当および譲渡益が、購入から5年間非課税となります。
たとえば、2021年に非課税投資枠で120万円分の株式や投資信託を購入し、毎年5%の利回りで運用すると、120万円×5%×5年でトータル30万円の運用益を得られます。仮に配当・譲渡益への税率を20%とすると、6万円の税金がかかります。
NISAではこの6万円が差し引かれずに、受け取ることができます。さらに、最長5年非課税となるため、長期投資におすすめの制度といえます。
つみたてNISAとは
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援する非課税制度、毎年40万円の非課税投資枠で購入した投資信託で得た分配金および譲渡益が、購入から20年間非課税となります。
つみたてNISAの対象は、長期・積立・分散投資に適していて、手数料が低く、分配金が頻繁に支払われてなくて、運用が比較的にしやすい公募株式投資信託と上場株式投資信託とされています。投資初心者が、リスクを抑えながら長期的に資産形成するのに適した制度といえます。
優待株のNISA長期投資の場合
NISA・つみたてNISAともに長期的な資産形成を始めたい投資初心者の方におすすめですが、どのような商品にNISA投資したらよいのでしょうか。
NISAの商品選びで注目してもらいたいのが、株主優待がある優待株です。株式優待を行う企業の中には、長期保有の株主に対して株主優待の優遇を行う企業があるからです。たとえば、家電量販店のビックカメラでは、保有株数に応じた優待に加え、保有期間に応じた優待があります。
ちなみに、つみたてNISAは投資信託へ投資するものですので、株主優待を受けることはできません。
優待株について
株主優待とは、保有している株式数に応じて、自社製品・サービス券・金券・お米などの商品を受け取れるものです。
株主優待の権利を得るためには、権利確定日までに株主になる必要があります。また、購入してから株主になるまで引き渡し期間が3営業日あるので、権利確定日の3営業日前までに購入する必要があります。
たとえば、優待株として人気のJTは権利確定月が12月です。2020年12月30日が利益確定日となるため、12月28日までに購入すると株主優待を受けられます。
NISA長期投資の優待株を選ぶコツ3つ
NISAで長期投資をするときにおすすめの優待株は、約500社あります。長期投資を前提に、優待株の中から商品を選ぶには、どのような点に注目したらよいのでしょうか。
NISA長期投資で優待株を選ぶときのコツを3点ご紹介します。
NISA長期投資の優待株を選ぶコツ1:買付のタイミングを把握する
株主優待を受けるためには、権利確定日の3営業日前の権利付最終売買日までに購入する必要があります。会社四季報や企業のホームページのIRページなどには、権利確定月が掲載されているので、権利確定日を確認し、優待を受けるためにはいつまでに購入するかを把握してください。
株主優待の回数は企業によって異なりますが、年1回・年2回の企業がほとんどです。せっかく投資資金を準備しても、次の利益確定日が半年も先だと、その間に投資による得られる可能性のある利益を逃すことになります。
気になる銘柄があったときは、利益確定日も合わせてチェックすることをおすすめします。
NISA長期投資の優待株を選ぶコツ2:株主優待と配当を合わせた金額で考える
優待株を選ぶときには、優待品の魅力だけでなく、配当利回りにも注目することを忘れないでください。優待品をもえらえるとうれしいものですが、配当金をもらって好きなものを買ったほうが合理的だからです。
長期投資をするうえで優待株を選ぶときには、配当利回りと株主優待利回りを足した利回りで検討することをおすすめします。
NISA長期投資の優待株を選ぶコツ3:優待品を把握する
配当利回りと株主優待利回りを足した利回りで検討したうえで、より魅力的な優待品を受け取れる優待株を見つけましょう。
優待品として人気があるのは、すかいらーく・吉野家などの飲食店、日清食品・味の素などの食品会社、ヤマダホールディングス・ビックカメラなどの優待券などです。
高配当株のNISA長期投資の場合
NISA口座で買い付けした株式を売却すると、売却した分の非課税投資枠は再利用できません。つまり、NISAでは短期的に売買して譲渡益を得るより、長期投資して定期的に配当金を受け取り、5年の非課税期間を最大限に活用するほうが資産を形成できるともいえるでしょう。
したがって、NISA枠で長期投資をするのであれば、配当金の高い銘柄へ投資することが、非課税枠の有効活用という点でおすすめです。
配当について
配当とは企業が株主に対して利益の一部を還元する制度のことです。
配当がどのくらい支払われるかは企業の方針によりますが、基本的には利益が多ければ配当が増え、少なければ配当も減配します。また、成長過程の企業は業績が好調でも配当を支払わずに、積極的に設備投資などに回すこともあります。
配当に注目して投資する場合、配当金の金額だけでなく配当利回りもチェックしてください。
たとえば、年間配当金額がA社20円とB社10円のだとA社のほうが高配当に見えます。
しかし、A社の取得価格が2,000円の場合、配当利回りは1%、一方、B社の取得価格が500円の場合、配当利回りは2%です。つまり、配当利回りで見れば、B社のほうが高配当といえるのです。
NISA長期投資の銘柄を選ぶコツ3つ
NISA口座で長期投資し、非課税期間の5年間配当金を非課税で受け取ることは、長期的な資産形成に有効ですが、NISAは年間120万円という上限があるため、この非課税枠内で購入できる銘柄を選ぶ必要があります。
年間120万円の枠内でどの銘柄を購入するのか、NISA長期投資の銘柄を選ぶコツを3つご紹介します。
NISA長期投資の銘柄を選ぶコツ1:配当利回りが高く下値が少ない銘柄を選ぶ
配当に注目して銘柄を探すときには、配当利回りをチェックしますが、一般的に高配当と位置付けられる銘柄は利回り3%以上が目安となります。
また、配当利回りは株価に対する配当金の割合なので、株価が上がれば利回りは低くなり、下がれば利回りは高くなります。
つまり、配当利回りが高いということは株価が下落しているとも考えられます。業績が原因で株価が下落していると、今後配当が引き下げられる可能性もあるため注意が必要です。
NISA長期投資銘柄を選ぶときには、配当利回りが高いだけでなく、値下がりが少ない銘柄をおすすめします。一般的には、食品・医薬品は景気による利益変動が小さく、配当利回りが高いためおすすめです。
NISA長期投資の銘柄を選ぶコツ2:権利確定日を把握する
NISA長期投資で銘柄を選ぶ際に、配当や株主優待に注目するのであれば、権利確定日の把握が欠かせません。配当や株主優待の権利を得るためには、権利確定日の3営業日前の権利付最終売買日までに購入する必要があります。
配当や株主優待の回数は企業によって異なりますが、年1回・年2回の企業がほとんどです。次の利益確定日が半年・1年も先だと、その間に投資で得られる可能性のある利益を逃すことになります。
気になる銘柄があったときは、利益確定日も合わせてチェックしてください。
NISA長期投資の銘柄を選ぶコツ3:増配を続けている企業を探す
NISAで長期投資するときに、配当に注目するのであれば、単に配当利回りを比較するのではなく、業績に伴う増配を続けている企業を見つけましょう。
配当は企業の業績に応じて支払われますので、過去に増配を続けている企業は、今後も成長に伴い配当が増える可能性が高いからです。
NISAの長期投資を低リスク・低コストで運用する為のおすすめ投資手法
NISAで長期投資をして、非課税枠を最大限に有効活用しようとしても、購入した銘柄が値下がりし続け、損失が発生してしまう可能性があります。NISA口座の損失は、他の口座との損益通算をすることができないため、可能な限り低リスクで運用したいところです。
NISAの長期投資を低リスク・低コストで運用するためのおすすめの投資手法をご紹介します。
積立投資
積立投資は、定期的に一定額を購入していく手法です。定額の積立資をすると、価格が低いときに多く買い、価格が高い時には購入口数が少なくなります。積立投資は、高い価格で購入してしまうリスクを下げられるので、平均購入単価を抑える効果を期待できます。
つみたてNISAは、非課税枠が年間40万円とNISAより少ないですが、非課税投資期間が20年あります。毎月一定額を積み立てることは、時間の分散というリスク低減につながるとともに、低コストで購入することができるのです。
インデックス投資信託
インデックス投資信託は、日経平均株価・TOPIXなど、株価指数や債券指数などに連動するように作られた投資信託ですが、保有している期間に信託報酬がかかります。
たとえば、100万円の投資信託を5年間運用し年利3%の利益があった場合、信託報酬が0.5%だとすると、資産は約113万円です。ところが、信託報酬が2%になると、資産は約105万円ですので、8万円程度の差が出てしまいます。
一般的に、インデックス投資信託は、信託報酬が比較的低く設定されているので、長期投資をする際に有利といえます。
NISAを運用する時の注意点4つ
NISA枠で投資すると、投資で得た利益が非課税になるため、非課税枠を活用して資産形成を行いたいものです。では、NISAの非課税枠を使って投資する際には、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。
NISAの非課税枠で投資を始めようとしている方は、始めた後に失敗しないよう、注意点についても理解しておいてください。
NISAを運用する時の注意点1:残った非課税枠は次の年に引き継げない
NISAおよびつみたてNISAの非課税枠は、年ごとに決められたもので、1月から12月までに使用するものです。使い切れなかった非課税枠があったとしても、翌年以降に繰り越すことはできません。
NISAの非課税枠は、可能な限りその年の12月までに使い切るようにしましょう。
また、つみたてNISAでは、毎月積立であれば40万円÷12カ月=3万3333円まで、毎日積立であればその年の営業日数によって決まります。定期積立額を設定する際に、非課税枠を全額活用できるような金額にするとよいでしょう。
NISAを運用する時の注意点2:口座を開く前に株を買ってはいけない
NISAの非課税枠で投資をする場合、一般の証券口座とは別に、NISA口座を開設する必要があり、また、すでに一般の証券口座にある株式を、NISA口座へ移すことはできません。
NISAでの長期投資を始めるのであれば、NISA口座を開設後に、NISAの非課税枠を使って購入してください。
NISAを運用する時の注意点3:損益通算が出来ない
一般口座・特定口座で運用して出た利益には税金がかかりますが、損失があった場合は利益から差し引いて、その分税金を減らす損益通算ができます。また、トータルでマイナスのときには、最長3年間にわたって損失を繰り越し控除できます。
しかし、NISA口座の損失は、ほかの口座の利益と損益通算できません。NISAで長期投資する際には、慎重に銘柄選びをすることをお勧めします。
NISAを運用する時の注意点4:ロールオーバーは忘れない
NISAの5年間の非課税期間が終了する場合、保有している商品を翌年の非課税投資枠に移す「ロールオーバー」が可能です。ロールオーバーの金額に上限はないため、120万円を超えている分もロールオーバーできます。
ロールオーバーは自動的に行われませんので、期限までに手続きが必要です。ロールオーバーを忘れると、一般の課税口座に商品が移されてしまい、あとからNISA枠へ移すことはできません。
NISAの長期投資のメリットを知ろう
NISAでの長期投資は、NISA制度の仕組みを理解し、非課税のメリットを十分に受ける商品へ投資することがポイントとなります。特に、株主優待や配当に注目して銘柄を探すことは、NISAのメリットを活かした投資をするのに適しています。
NISAの長期投資に適した銘柄を見つけて投資し、将来に向けて資産を形成していきましょう。
尚、2024年以降、NISAが見直され、非課税対象および非課税投資枠が変わる予定です。
NISAについて以下のリンク先にまとめていますので、興味がある方はご参照ください。
NISAでおすすめの投資信託14選|投資信託を選ぶ基準も解説
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