価値の下がらない不動産とは?見つけるためのポイント7つと今後の見通し
2020 06.4この記事はPRを含みます
不動産の価値を決める不動産評価の方法は?
不動産の適正な価値を知らなければ、取引で高値で買ったり安値で売ったりして損をすることがあります。不動産取引で損をしないためにも、不動産の評価方法を知っておきましょう。
基本的には不動産は時価や固定資産税評価額、公示価格や相続税路線価などから評価していくことになります。
時価
不動産評価方法の1つ、「時価」は近隣で似たような物件の実際の取引価格から不動産価値を決定する方法です。
時価のよいところは、実際に取引が成立した価格なので自分が不動産取引をするときに参考にしやすいことでしょう。しかし、物件にはそれぞれ立地条件や建物の構造など細かな違いがあるため、必ずしも同じような価格にならないことがあります。
物件の個別の情報を加味した上で、不動産価値を決めましょう。
固定資産税評価額
「固定資産税評価額」は固定資産税を決定するための評価額であるため実際の取引価格とは違ってくるのが特徴で、固定資産税評価額を0.7で割ると実際の相場に近くなると言われています。
しかし、固定資産税評価額はあくまでも固定資産税を決めるために市区町村が公表している価格です。実際の取引の際には、固定資産税評価額よりも高い価値をつけられたり、逆に低い価値になったりすることがあります。
公示価格
「公示価格」とは国土交通省が毎年公示している「地価公示」のことで、取引価格の相場の指標となることを目的として公示されている土地の価格です。不動産鑑定士の鑑定基準ともなるため、不動産価値を把握しやすいでしょう。
ただ公示価格は地価公示であり、更地での土地価格であるため、一戸建てやマンションなどの価値を評価する場合には、建物の評価も加味しなければならないでしょう。
相続税路線価
「相続税路線価」とはその名前のとおり、相続税を決定する際に使用する不動産の評価方法となります。そのため毎年国税局・税務署で公表されています。
相続税路線価は、公示価格のおよそ8割程度の価格になっていることが特徴でしょう。
価値が下がらない不動産を見つける7つのポイント
不動産の価値というのは、新築した後は築年数が経つごとにどんどん下がっていくのが基本です。しかし不動産投資をするからには、なるべく不動産価値が下がらない物件、資産価値を維持することのできる物件を探すことが重要でしょう。
そこで、価値が下がらない不動産、価値が下がりにくい不動産を選ぶにはどんなポイントに気をつければよいのか紹介いたします。
価値が下がらない不動産を見つけるポイント1:人気エリア・治安の良いエリアを選ぶ
その地域に住みたい人が多い人気エリアは、治安も良く、年数が経っても不動産価値が下がらない物件となりやすいでしょう。例えば、「住みたい街ランキング」などが参考になるでしょう。
住みたい人が多いエリアは入居希望者の数も多いため、不動産価値が落ちにくくなり、家賃相場などが安定しやすい傾向にあります。
ただ注意点としては、人気のエリア・治安の良いエリアは激戦区であるため競争が激しいとも言えます。
価値が下がらない不動産を見つけるポイント2:駅から近いこと
不動産賃貸などでよく「駅から〇分」と表示されているように、駅から近ければ近いほど不動産の人気が高くなり価値が下がりにくくなる傾向があります。
駅から遠い物件では、その1点だけで敬遠されてしまうことがあります。駅から近い物件は駅近であることをアピールすることができるため入居希望者にも人気が高く、不動産価値が下がりにくくなることでしょう。
価値が下がらない不動産を見つけるポイント3:公共交通機関の利便性が良いこと
とくに首都圏では自家用車を持たず公共交通機関を利用している人が多いため、公共交通機関に近かったり利便性の高い地域の不動産は価値が下がりにくくなったりします。
便利で暮らしやすい地域なら、そこに住みたいという人は少なくありません。都心の駅にアクセスしやすい駅があると、複数の路線を利用できるため人気が高くなります。駅に近いというだけでなく、その駅がもつ利便性にも注目してみましょう。
価値が下がらない不動産を見つけるポイント4:利用しやすい土地を選ぶ
不動産の価値のうち土地は比較的に資産価値が減少しにくいのですが、やはり利用しやすい土地かどうかでは不動産の価値に大きく影響してきてしまいます。
利用しやすい土地ならば建物とは違い、不動産価値が上昇することすらあります。土地の価値はその土地の形状や広さ・道路への接道がどうなっているのか、建築制限があるかなどで変わってきますので、それぞれ見ていきましょう。
形状・広さ・接道
土地の形状や広さ・道路への接道がどうなっているのかは土地の価値に直結する問題であり、広くてもいびつな形をした土地や大きな道につながっていない土地は価値が低くなりやすいです。
とくに接道は「接道義務」が課されているため、幅員4メートル以上の道路との設置義務が果たされていないと土地の利用できる範囲が狭くなったりする制限があります。他に工事車両の出入りなどにも影響を与えるため、重要です。
建築制限の有無
とくに昔の建築基準法がなかった頃に立てられたような物件や土地を購入する際には、建築制限を受けるかどうかをしっかり確認しておかないと不動産価値に影響します。
当然ながら、なんらかの建築制限を受けている土地や建物の不動産価値は下落しやすいです。とくに再建築不可の物件を購入してしまったら、新たな建物を建てることができないという制約を負うことになるため要注意です。
価値が下がらない不動産を見つけるポイント5:過疎化・少子化が進んでいる地域を選ばない
日本は少子高齢化が進んできており、残念ですが過疎化・少子化が進んでいる地域の不動産価値は下がりやすいのでそういった地域の不動産を選ばない、ということも重要なポイントでしょう。
都道府県別の人口流出・流入のデータを見て、人口の流入が続いている県の人気エリアを選ぶことをおすすめします。具体的にいうと、近畿圏以外ではやはり東京を中心とした首都圏の不動産となるでしょう。
価値が下がらない不動産を見つけるポイント6:生活利便性の高さ
周辺に大規模な商業施設があるとか学校が近い、公共交通機関が利用しやすいなど生活していくうえで利便性の高い不動産は、不動産価値が下落しにくい傾向にあります。
暮らしていく上で便利なエリアは人気が高いため、売却価格が買値よりも高くなるといったケースもあるでしょう。不動産価値が上昇することはそんなに多くはないのですが、まれに上がるケースがあります。
価値が下がらない不動産を見つけるポイント7:再開発などの計画がないかチェック
価値が下がらない、下がりにくい不動産を探すには、再開発が計画されているかどうかもチェックして計画が予定されている地域の不動産を選ぶ、などすることもおすすめです。
市街地や駅周辺の再開発などが行われることがありますが、再開発があるとその周辺の不動産の人気が上がりやすいです。不動産価値が下がらないどころか上がる可能性もあるので、そういった再開発エリアを狙ってみるのもよいでしょう。
不動産の価値|今後の見通し
現在(2020年1月)のところ、不動産価格は上昇しつつも停滞気味であり不動産価値もそれに伴い上がってきていましたが、今後の見通しとしては価格の下落と共に徐々に価値も下がるだろうと言われています。
これには多く分けて3つの要因、消費税増税による影響や需要よりも供給過多になっているという現状、また東京オリンピックの影響があると言われています。
消費税増税による不動産需要の落ち込み
2019年10月に消費税の増税が行われたことにより、増税前に駆け込みでかなりの需要を満たしてしまったため、2020年以降の不動産需要はしばらく落ち込むと言われています。
これは過去にも消費税増税によって増税後しばらくの間不動産需要が落ち込んだ、という実績に基づいての予想なのでおそらく需要の落ち込みは発生することでしょう。
不動産の供給過多
続いての問題は現在マンションが供給過多になっているということで、今後の不動産価格や不動産価値の低下が見込まれています。
とくに都心のマンションは値上がりを期待してたくさん買われていますが、実際のところマンションを必要としている需要よりも供給過多な現状があります。このことから新築したばかりのマンションでもなかなか空きが埋まらず、中古市場に多く売り出されていたりします。
2020年東京オリンピックの影響
東京オリンピックが決まった2013年頃から東京を中心とした不動産価格は上昇を続けてきたのですが、東京オリンピックが終われば不動産価格の上昇が止まり低下するだろうと言われています。
そもそも東京の不動産価格が上昇してきたのは、オリンピックに向けて多数のインフラ工事などが行われ、工事費が値上がりしたことが影響しています。それらの工事がなくなるのですから、不動産価格が下落していくのは当然といえるでしょう。
戸建てとマンションでは違う不動産価値の考え方
不動産投資では戸建てかマンションを選ぶことが多いのですが、この2つではそれぞれに不動産価値の考え方に違いがありますので、その点を押さえておきましょう。
利便性や駅に近いなどは戸建てもマンションも共通しているのですが、土地と建物については戸建てとマンションでかなり違ったりします。
戸建ての不動産価値
戸建てとは一戸建て住宅のことであり、不動産の価値としては土地と建物の合計額が不動産価格になるなどの特徴があります。
戸建ての場合は、基本的には建物と共に土地を取得することがほとんどです。借地に建てるという場合もない訳ではないのですが、ここでは土地も建物も取得するパターンで考えていますのでご了承ください。
建物より土地を重視する
戸建ての不動産価値は建物よりも土地重視、建物の資産価値が低下しても土地の価値があるためそこまで不動産価値としては下がらないという特徴があります。
いわゆる上物、土地に建てた建物の方は築年数が経つごとに老朽化して資産価値が低下していきます。しかし、土地の部分は老朽化などがないためあまり資産価値が変わりません。周辺環境の変化によっては、土地価格が上昇することもない訳ではありません。
マンションの不動産価値
戸建てが土地と建物の合計で不動産価格となるのに対して、マンションの場合は土地よりも建物の割合が高くなる、という特徴があります。
マンションは1棟購入しているなら土地もありますが、区分投資のように1部屋~数部屋を所有しているなら土地の割合は極めて低く、その資産価値は建物がほとんどです。
リセールバリューも参考に
マンションへの投資ではその不動産価値が土地はほとんどなく建物がほとんどであるため、資産価値が下がりやすくリセールバリューを参考にした投資を行う必要があるでしょう。
リセールバリューは、購入したマンションを再び売りに出すときの価値になります。マンションは資産価値が下がりやすい建物の割合が高く安定的な土地の割合が低いため、築年数がたった後の売却は難しくなることが多いです。
不動産は資産価値が下がらないことを意識して購入しよう
不動産については2020年問題や2030年問題など、将来的に不安定な部分があります。そんな中でも安定した不動産投資をするには、比較的に資産価値の下がりにくい不動産を購入することです。
紹介している価値が下がらない不動産の特徴を参考に、将来の価値を維持しやすい不動産を購入してみましょう。