kinple金融(kinyu-)の世界をsimpleに

不動産投資のローン審査|ローン審査の申し込みの流れとローン審査基準8つ

2020 06.4この記事はPRを含みます

不動産投資ローンとは

不動産投資ローンとは、自己の居住用ではなく投資のために不動産を購入する際に利用できるローンのことです。

不動産でローンというと住宅ローンをイメージする方が多いのですが、住宅ローンが居住に要する住宅でのローンであるのに対して、不動産投資ローンは投資用として違うローンとなっているので注意が必要です。

不動産投資ローンと住宅ローンの違い

同じ不動産のローンである不動産投資ローンと住宅ローンには、購入目的の違いや返済原資、ローン審査の違いや金利、審査難易度などさまざまな違いがあります。

不動産投資ローンと住宅ローンについて、どのような違いがあるのかについて見ていきましょう。

購入目的

上記で紹介した通り、不動産投資ローンと住宅ローンでは不動産の購入目的に違いがあります。

住宅ローンは自分が居住するための不動産購入のために組むローンであり、不動産投資ローンは自分が居住しない、投資目的で購入する不動産について組むローンになります。不動産のローンとしては似ているのですが、購入目的がまったく違います。

そして購入の目的が違うために、ローン審査や金利などでも差がつくことになります。

返済原資

住宅ローンと不動産投資ローンの違いの「返済原資」ですが、住宅ローンでは借りた人の年収が返済原資になるのに対して、不動産投資ローンでは借りた人の年収に加えて投資した不動産から得られる家賃収入などが返済原資に加わります。

不動産投資ローンの人の返済原資の方が年収プラス不動産での収入で大きくなるため、そもそもローンとして貸し出してもらえる金額も住宅ローンより高くなる、という特徴を持っています。

ローン審査の判断材料

住宅ローンは返済原資が借りた人の年収であるため、返済能力を重視したローン審査が行われるのですが、不動産投資ローンのローン審査では本人の返済能力に加えて、投資する不動産の収益性もまた判断材料に加わる、という違いがあります。

不動産の収益が不動産投資ローンの返済原資ともなるため、本当に収益を生む不動産であるのかどうかをローン審査時に行うことになります。単純に、住宅ローンよりも審査される内容が増えます。

金利

不動産では多額が動くので金利も馬鹿にできないところがあるのですが、住宅ローンと不動産投資ローンでは平均的な金利でも違いがでてきます。

住宅ローンは借りた人の年収などの収入から返済を行っていくことになるため、安定的な職業についていれば安い金利で借りることも可能です。

しかし、不動産投資ローンは投資である以上損をすることもあるため、住宅ローンよりも高めの金利設定になっているのが一般的です。

審査難易度

住宅ローンと比較した場合、ローン審査の審査難易度についても不動産投資ローンの方が数段厳しくなるという違いがあります。

住宅ローンのローン審査では、借りる人の年収や返済能力を見ています。しかし不動産投資ローンのローン審査では、本人の返済能力以外に投資する不動産の収益性も審査されることになるため難易度が上がります。

返済能力があっても収益性が低いと判断された場合、審査落ちもありえるでしょう。

不動産投資のローン審査の基準8つ

住宅ローンよりもローン審査の難易度が高い不動産投資ローン、その審査ではどのようなことを重視して審査されているのかについてご紹介します。

これから不動産投資ローンを受けるという方、申し込んだけどローン審査に落ちたことがあるという方は、どのようなことに気をつけた方がよいのかぜひ参考にしてみてください。

ここで紹介する基準のほとんどは、住宅ローンとも共通のローン審査となっています。

ローン審査の基準1:年収

他のローン審査などでも大事なことなのですが「借りる人、本人の年収」というのは大きな審査基準になります。不動産投資ローンにおいても、基本的にはローン審査を受ける人の年収が高ければ高いほど審査が有利になります。

しかし、年収が高い年と低い年が混在しているような人の場合、安定した年収ではないと見なされて審査が厳しくなったりします。そのため安定的で借入額に見合った年収があることが大切です。

ローン審査の基準2:勤務先

勤務先で公務員や大手上場企業に勤務している人、またサラリーマンなどでも安定した勤務先があると判断される人の場合は、ローン審査で有利になります。

自営業の方の場合は、勤務先が安定しているとはみなされない場合が多く、不動産投資ローンでもローン審査が難しいでしょう。その他、中小企業や零細企業にお勤めの場合もローン審査は厳しくなりがちです。

ローン審査の基準3:勤続年数

年収・勤務先とともにローン審査で基準となるのがその勤務先にどの位の期間勤めているのかを示す、勤続年数です。当然ながら勤続年数が長ければ長いほど不動産投資ローンでも審査に通りやすくなり、勤続年数が短かったり転職が多いと不利になりやすいです。

一般的には、不動産投資のローン審査の基準は3年以上、と言われています。20代で不動産投資ローンを組もうとしている方は特に勤続年数がローン審査で引っかかりやすいです。

ローン審査の基準4:自己資金

不動産投資ローンを行っている金融機関のほとんどが頭金を必要としているため、ある程度の自己資金があるのとないのとではローン審査にも影響があります。

不動産投資ローンは住宅ローンよりも貸付額が大きくなりやすいと紹介しましたが、たくさん貸してもらえるということは、それだけ頭金が必要になるということでもあります。必要となる頭金は一般的には、不動産(物件)価格の10%~20%と言われています。

ローン審査の基準5:借入金の有無

借入金の有無の借入金とは、簡単に言えば他のローン、借金のことを言います。ローン審査の基準として、他の借入金がない人、大きな借金がない人が有利になります。

他に大きな借入金のある人がローン審査で不利になるのは、借入金が多く返済が大変になるためです。不動産投資ローンでさらに多額のローンを新たに借りることがしにくくなります。少額でも、借入先が多いと不利でしょう。

ローン審査の基準6:物件の資産価値

不動産投資ローンでは返済原資に投資した不動産からの収益も含まれるため、投資する物件の資産価値についても厳しいローン審査の基準となります。

金融機関は万が一のことを考えて、物件の資産価値を算出します。新築と中古では新築の方が資産価値が高いですが、「他に駅に近い利便性の高い立地であるか」「人気の高いエリアの物件であるかどうか」「分譲会社がどこなのか」なども加味して資産価値を判断します。

ローン審査の基準7:物件の担保評価

物件の担保評価とは、万が一返済不能になったときに担保となるのかどうかを判断するための評価です。不動産投資ローンを組むにあたって、本当にそれだけのお金を出しても損にならないかどうか、担保評価をします。

資産価値の高い物件であることや、空室率が低く安定的な家賃収入が見込めることなどが、物件の担保評価として行われるでしょう。

ローン審査の基準8:金融事故の有無

金融事故とは、過去に借入金の返済を滞ったことがあるとか、支払い遅延をしたことがあるなどの個人の信用情報のことになります。

ローン審査のポイントとして、過去に金融事故を起こした人は審査が不利になります。一方で、逆に前の借入金をしっかり返済した返済実績のある人は有利になったりします。

ただし、金融事故の記載にはそれぞれの信用情報機関によって持効がありますので、いつまでも記録が残る訳ではありません。

不動産投資のローン審査の申し込みの流れ

不動産投資ローンを申し込む時の申し込みの流れを紹介しますので見ていきましょう。

不動産投資ローンを申し込む前に、不動産会社を選んだり購入する物件の選定、購入する物件を見つけたら買い付けとして購入申し込みを入れることになります。

1:ローンについて事前相談

まずは、不動産投資ローンを申し込みたい金融機関にローンを受けられるかどうか事前相談を行います。

不動産投資ローンは仮審査と本審査があるのが一般的で、仮審査に合格した人のみが本審査に申し込むことができます。ローンについて事前相談することで、ローン審査の本審査前の仮審査に申し込みすることができます。

事前相談のコツは、金融機関によって審査基準にも違いがあるため、1つの金融機関に断られても諦めないことです。

2:ローン申し込み

不動産投資ローンについて事前相談し、仮審査に合格したらいよいよ正式な借り入れの申し込みを行います。これにより、正式な不動産投資ローン審査がはじまります。

ローンについて事前相談した時点で仮審査が行われ、ローン審査の合否結果について金融機関から連絡がくることでしょう。連絡を受けたら、本審査に向けて不動産投資ローンの申し込みを行います。

3:契約書発行申請

不動産投資ローンの申し込みでは必要書類が多いため、あらかじめ必要な書類を聞いて用意しておくとよいでしょう。

ここで必要となる契約書とは、「売買契約書」のことです。売り主と買い主(不動産投資ローンの借り主)との間で交わされた契約書です。契約を実際に結ぶ前に、「重要事項説明書」で物件の重要な内容を見逃さないよう、よく確認しておきましょう。

4:不動産売買契約・手付金支払い

売り主と買い主の間で不動産取引について合意が成立した段階で「不動産売買契約」を行い、合わせて手付金の支払いを行います。

契約時には融資利用の特約(ローン特約)について要確認です。もしもローンが受けられなかった場合に契約を解除する、ローンが受けられないという理由で契約解除する場合は手付金を返金するなどの特約が付いているかどうか確認し、もし付いていなければ交渉しましょう。

5:ローン審査

不動産投資ローンを申し込んだ金融機関によりローン審査が行われることになります。この間は借りる側は必要書類を提出すること以外、特にやることはないでしょう。

気をつけておきたいポイントとして、不動産投資ローンの本審査のローン審査は時間がかかることが多く、少なくとも2週間から4週間程度の時間がかかります。

6:ローン契約の実行

金融機関で不動産投資の審査が終わったら、その金融機関とローン契約(金銭消費貸借契約)を結びます。物件の決済前にローン契約を行うことが、一般的な流れです。

審査の合格を告げられてからローン契約を実行するまでに、契約内容について十分に吟味しておくことをおすすめします。ここで定めた融資の条件については、契約を結んだあとは変更できません。あらかじめ条件についてしっかり確認しておきましょう。

7:決済・融資実行

金融機関との不動産投資ローンのローン契約を受けて融資が実行されたら、その融資されたお金を元に物件の売り主との決済を行います。

物件の購入に必要な残額を売り主に払い込み、決済を完了させるとともに、登記費用などの諸費用が必要になるので、そちらの登録や費用の支払いも行う必要があるでしょう。

不動産取引ではさまざまな手続きが必要になるため、場合によっては司法書士に依頼してもよいでしょう。

8:引き渡し

金融機関からの融資を受けて不動産の決済を終えたら、物件の鍵と「不動産引渡確認証」の発行後、引き渡しを実行して終了です。

新築の場合は物件が完成していないことが多いので、引き渡しを受ける前に内覧会を行って物件の最終確認を行います。中古の住宅では、仲介した不動産会社と依頼していれば司法書士などが立会い、購入する住宅の契約内容を最終確認し、引き渡しを実行することになります。

不動産投資ローン審査に通らなった場合の対処

売り主と不動産の売買契約を結んだあとに不動産投資ローンの審査に通らず落ちてしまった場合は、どういった対処が必要になるのか確認しておきましょう。

不動産投資ローン審査に落ちたからといって、それでそのまま不動産取引が解除になる訳ではありません。自動的に解除になるような契約を結んでいればよいのですが、そうでなければ早めに解除の手続きをした方がよいでしょう。

契約解除事由に明示しておく

物件の売り主との売買契約を解除することになりますので、契約解除事由に「融資未承認」が解除事由であることを明示しておきましょう。

のちにトラブルを招かないために、媒介業者に契約解除を伝えると共に売り主にも直接「内容証明郵便」で契約解除について連絡を入れるのがおすすめです。

ローン審査落ちが解除事由であった場合、売買契約にローン特約がついていれば手付金を返金してもらうことができるでしょう。

不動産投資のローン審査基準を理解して購入・申し込みを検討しよう

不動産投資ローンについての詳しい内容や住宅ローンとの違い、ローン審査の基準や申し込みの流れについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

不動産投資のローンは住宅ローンよりも審査が厳しく、審査に落ちる場合があります。今回ご紹介した審査基準のポイントを押さえて、どのような物件なら審査に通りやすくなるのか検討して不動産の購入・申し込みを行っていきましょう。

\ お金の勉強をしよう/
ページの先頭へ