不動産投資の今後|要因別11個の見通しと東京圏の投資用マンションについて
2020 06.4この記事はPRを含みます
不動産投資市場の現状
2008年のリーマンショックで一時的に下落した不動産価格は順調に回復し、不動産投資市場も好調です。現在、国内外から投資資金が流入しており、不動産の争奪戦が繰り広げられています。
不動産投資市場では、賃貸マンションやアパートは特に好調で、オフィスはそれほどまでではありませんが、良い調子をキープしています。また現状では、大都市圏だけでなく地方でもJ-REITや私募ファンド市場が拡大している状況です。
不動産投資の今後の見通し要因別11個
日本の不動産投資市場は現在、国内外から注目されていて好調と言われていますが、その状態を今後もキープできるのかということに疑問を感じる人は多いでしょう。
不動産投資市場が不調に陥ってしまうようなことが起きるのか、事前に予測されていることがあるのなら知りたいものです。
ここからは、不動産投資の今後の見通しを要因別に見ていきたいと思います。
東京オリンピック後
2020年は、東京オリンピックの年です。東京オリンピックが決まった2013年9月ですが、その時期から不動産市場は上昇傾向にあり、好調に転じました。東京オリンピックに向けて東京近郊の開発が進み、東京、神奈川、千葉、埼玉を中心に地価が上昇しています。
オリンピック成功への期待感もあり地価が上昇していましたが、東京オリンピックが終わると不動産投資市場がどうなるのかということが注目されています。
1:湾岸の埋め立てエリアは地価が上昇
東日本大震災で海辺や埋立地で液状化現象が発生し、その危険性が認識され一時的に人気が落ちてしまうことがありました。
しかしオリンピックの競技施設が次々に作られることが決まってから、タワーマンションの建設も相次ぐようになりました。
オリンピック後は過剰供給になるという指摘もありますが、もともと交通の便がいいことや眺望の良さで人気のエリアでしたから、地価が著しく下落することはなく人気を維持できるでしょう。
2:オリンピック終了後の景気の影響
オリンピック開催後、景気が悪くなったという過去の開催国は多くあります。
現在の景気を押し上げているのは、オリンピックに向けたインフラ整備などの公共事業です。この公共事業がなくなれば雇用がなくなり、不景気になり不動産価格も暴落するという説を立てることができます。
しかし、オリンピックが景気に影響を与えるのは限定的だという見込みもあり、一概に終了後の景気の影響で不動産価格が暴落する言いきれません。
3:インフラ整備の効果
オリンピック開催に向けて競技場や選手村が新しく建設され、そこへアクセスするための道路などインフラが整備されました。
選手や大会関係者、観客のアクセスを容易にするために整備されているインフラですが、それまで交通アクセスに優れていなかった地域でも整備されることで地域の価値があり不動産価格が上昇しているケースもあります。
一度インフラが整備されれば周辺はある程度の価値を維持でき、投資に向くエリアでしょう。
農地の宅地化
1991年に生産緑地法が変更され、市街化区域内の農地は生産緑地か否かに区分され、生産緑地に指定された農地は農業以外に使えないという行為制限が付く代わりに税金が低く抑えられるようになりました。
これによって生産緑地に指定されなかった農地は宅地並みに税を課されることになり、多くがその時に転用されました。
生産緑地の税金が抑えられている期間は30年と決められ、指定後30年を経過する2022年が迫っています。
1:農地を買い取れない自治体
生産緑地に指定された農地を、30年が経過した2022年に自治体が買い取るというのが本来、約束として決められたことでした。しかし、多くの自治体が少子高齢化の影響などで財政難を抱えています。
そのため財政難を抱えている自治体は、農地を買い取ることができないことが予測されています。これによって生産緑地の指定を解除し、処分されることが考えられるでしょう。
大量の元生産緑地が売り出されたら、価格にも大きな影響を与えてしまいます。
2:都市周辺の環境の変化の影響
2022年以降、期限が切れた農地は宅地として多くが転用されてしまうことが考えられるでしょう。宅地が増えることで供給が増え、不動産価格が下落してしまうということが、不動産をこれから買おうとしている人にはいい方向に働きます。
しかし、すでにその周辺に不動産を所有している人にとっては、農地の宅地化が価格に影響し、資産価値が下がってしまう恐れがある不安が出てきます。
3:住宅ストックや空き家増加の影響
日本の人口は、2004年をピークにその後急激に減少しています。単身世帯が増え、今後は世帯数の減少も見込まれます。世帯数が減れば住宅の需要も減り、住宅ストックが増えるばかりか、住む人をなくした空き家も増加するでしょう。
2022年以降、農地の宅地化されることでますます住宅ストックが増え、空き家問題が深刻になることが予測されています。また、不動産が供給過剰になり、不動産投資にも影響する恐れもあります。
4:田園住居地域の影響
田園住居地域は、生産緑地法が終了することを見越して作られたものです。
これは第1種低層住居専用地域とほぼ変わらぬ建築制限内容です。田園住居地域は、小規模な店舗や飲食店の建築が認められていますし、学校や診療所など生活に必要なものが建てられるので、第1種低層住居専用地域よりも現段階では利便性が高いと言われています。
しかし、今後、制限内容が変更されれば利便性が悪くなることも考えられます。
人口減少
2019年の日本における出生数は推計よりも2年早く90万人を割るというショッキングなニュースが流れました。2014年をピークに日本の人口は減少を続け、今後はますます少子高齢化が進んでいくと言われています。
人口減少は今後の不動産価格に影響を与える大きな懸念材料とされ、不動産投資にも今後影響を与える恐れがあり、警戒されています。
1:二極化が進む
今後、日本で人口が減少していくといっても、どこの地域も一斉に減っていくというわけではありません。人口が減っていく人気の無い土地と人口が増えていく人気のある土地に二極化すると言われており、今後も分かれていきます。
これからの不動産投資では、人気がある土地では現状維持や価格の上昇を期待できますが、人気がない土地は価格が下落すると予測されています。
2:人手不足の影響
15歳から64歳までの労働人口は全人口の6割に満たない数となっており、今後、人口減少が進むと人手不足が深刻化すると言われています。
建築業界ではオリンピック需要もありここ数年、人手不足が深刻化していました。人手が不足することで人件費が上がり、建築費が高騰してしまったことが不動産価格にも影響を与えていました。
今後もこの状況は続くと言われており、不動産投資にも影響するでしょう。
3:地方への影響
都市部で人手不足が深刻化している影響から、地方から都市部へと人口が流出するという現象が起きています。今後、都市部への流出が続けば地方では人口が減少し、不動産価格や賃料の下落も考えられ、投資に悪影響を及ぼすことでしょう。
また、地方でも人口が流入する地域と流出する地域の2つに分かれ、人口が減少する地域のほうでは投資がしづらくなることが考えられます。
4:外国人受け入れによる外国人居住地の需要
人手不足が深刻化するなかで、外国から人手を受け入れ、確保しようという流れができつつあります。今までの入管法では、外国人が長期就労しにくい厳しい規定が設けられましたが、今後は政府主導で積極的に外国人労働者を受け入れようとする動きがあるのです。
就労しやすくなれば外国人労働者による賃貸需要の増加が期待でき、外国人の需要を取り込むことで投資を成功させることができるでしょう。
東京圏の不動産投資用マンションの今後は?
東京オリンピック後だけでなく、人口が地方よりも減少しにくいなどさまざまな要因はありますが、これからの不動産投資は地方よりも東京圏の方がいいと言われます。
東京圏がいいと言われても、今後不動産投資が好調をキープできるのか疑問です。今後の東京圏の投資用マンションの需要などの動向を見ていきましょう。
東京圏で投資用マンション需要が増えると見込まれる理由3つ
東京圏ではオリンピックを契機に建設ラッシュが起こり、多くのマンションが建設されています。多くのマンションが建設されるということで、供給過剰になるのではという懸念もあります。
しかし懸念は杞憂であり、東京圏の不動産投資用マンションは、今後も需要が増えると見込めると予測されています。
では、どうして今後も東京圏で投資用マンション需要が増えると見込まれているのでしょう。
1:東京圏の人口は増え続けている
東京圏で投資用マンション需要の増加が見込まれる理由として、東京圏の人口は増え続けているというものがあります。
人口減少が今後はもっと進んでいくと予測されている日本でも、東京圏は人口が増加しています。東京圏での人手不足を解消するために地方から人口が流入しているだけでなく、これからは海外から流入することも考えられるので、賃貸マンションの需要も増加するといえます。
2:単身者世帯は引き続き増加傾向
近年、世帯のあり方が変化し単身者世帯は増加傾向にあります。特にその現象が顕著にみられているのが東京圏で、今後も単身者世帯は増えると見込まれています。
単身者世帯が引き続き増加傾向にあるということはワンルームマンションの需要を期待できるでしょう。
東京圏で投資用マンションを探すのであれば、ワンルームマンションを狙ってみてください。
3:東京の魅力は変わらない
東京圏で投資用マンション需要が増えると見込まれる理由として、東京の魅力はこれからも変わらないということも挙げられます。
東京圏は政治や経済が集中する日本の中心であり、交通アクセスの良さなどから高い人気を誇ってきましたし、今後この魅力がなくなることはありません。
東京の魅力が変わらなければ、東京圏への人口流入が止まることはなく、不動産投資マンションの需要の増加も見込むことができます。
不動産投資をするうえで今後の展望を見ておこう
人口減少など今後日本ではさまざまな変化が起こると言われており、不動産投資市場にも大きな影響を与えてしまうと考えられます。
これから不動産投資をスタートさせる場合でも現在不動産投資を行っている場合でも、今後の展望を見て、しっかりと動向を見極める必要があります。