中国不動産の状況と不動産投資について|新築住宅価格動向の3つ
2020 06.4この記事はPRを含みます
中国の不動産について
中国の不動産は、有望な投資先のひとつです。
リーマン・ショックに対する経済政策が功を奏し、中国の不動産価格は2009年から上昇し続けています。かつての日本と同じくバブルの状態にあると言われていますが、いまだに崩壊の兆しは見えていません。
もちろん一時期の急激な伸び率はなくなりましたが、ゆるやかな上昇は続いており、投資先としては有望であると言えるでしょう。
地方政府が権限を持っている
中国は共産党国家であり、中央政府が莫大な権限を握っています。しかし、不動産については地方政府が権限を持っています。
中国不動産はリーマン・ショック後、4兆元にのぼる資金投入で一気にバブルに突入しました。不動産価格を上昇させるだけでなく、バブル崩壊を防ぐために様々な政策で価格上昇を抑制し、管理しているのは地方政府なのです。
中国の不動産の状況
中国の不動産価格は安定しています。
中国の不動産価格については、国家統計局が定期的に主要70都市の住宅販売価格変動状況を発表しています。2019年8月の発表では、大都市の住宅価格の伸び率は横ばいか低下が多く、地方都市になるほど伸び率は上昇している傾向がみられました。
中国の不動産の状況1:バブル崩壊を防いできた地方政府
中国の不動産バブル崩壊を防いできたのは、地方政府の力によるものです。
中国はリーマン・ショックで甚大な被害を受け、対策として4兆元にのぼる資金を市場に投入しました。それにより中国の経済は急激に回復し、不動産市場に流入した莫大な資金が、不動産バブルを生みだしたのです。
上海・北京といった大都市では住宅価格の伸び率は横ばいか低下が多く、不動産バブルが終わりを迎えつつあるようにみえます。ところが一方で、辺境の地方都市に行くほど伸び率は上昇しているのです。
つまり、地方都市のおかげで中国全体の不動産価格が安定して上昇しており、バブル崩壊が防がれているというわけです。
中国の不動産の状況2:限購令とは
中国の不動産について知る上で欠かせないのが、限購令です。限購令とは簡単に言えば不動産の購入に制限をつける法令です。
中国の経済回復を助けた不動産バブルですが、あまりに価格の高騰が激しすぎたため、過熱する不動産市場に危機感を覚えた中国政府は、限購令により不動産の購入を制限し、価格上昇の抑制を図ったのです。
限購令では、保有できる不動産を1人2軒までとし、その土地に戸籍がなければ不動産を購入できないよう制限を設けました。その他の詳細な内容は各都市によって異なります。
中国の不動産の状況3:固定資産税がない
日本の不動産との大きな違いは、中国には固定資産税がないということです。固定資産税とは、自分が所有する土地・物件などの不動産にかかる税金のことです。
固定資産税がないというのは不思議なように思えますが、中国は土地・物件といった財産を個人で所有することができないため、当たり前のことと言えます。
中国の不動産の状況4:中国の不動産は限界
バブル状態にある中国の不動産ですが、まもなく限界を迎えるのではないかと考えられています。
日本がかつてそうであったように、実体のないまま膨らんだバブルはいつか崩壊します。
中国の不動産市場の限界が近いという説は、2010年に上海万博を終えた頃からずっと唱えられ続けてきました。2019年現在、いまだに中国の不動産バブルは崩壊していませんが、この先10年でどうなるかは予測がつかないところです。
中国の不動産投資について
中国で不動産投資をするためには重要なことが2つあります。中国独自の制度を理解することと、最新の価格をチェックすることです。
日本やアメリカと違い、中国は共産主義国家です。不動産を購入しても、使用する権利が得られるだけであり、所有権は中央政府にあります。また、日本では土地と建物の所有権がわかれていますが、中国ではまとめて扱われることにも注意が必要です。
そして、中国の不動産は世界中から投資先としてみられているため、価格変動が激しい傾向があります。常に最新の動向をチェックしましょう。
2019年9月の前年比などの状況
中国の不動産価格は、2019年時点ではゆるやかに上昇傾向にあります。
国家統計局の発表による都市ごとの新築住宅販売価格の上昇指数については以下の通りです。なお、一線都市は、北京・上海・広州・深圳の4都市で、二線都市は、省都・副省都都市を含む31都市、三線都市は、主要70都市から一線都市、二線都市を除いた都市です。
2019年9月時点の上昇指数 | 前年同月比 | |
---|---|---|
一線都市 | 4.7% | △0.1% |
二線都市 | 7.7% | ▼0.6% |
三線都市 | 8.7% | ▼0.7% |
中国不動産の2019年新築住宅価格動向
中国の不動産の新築住宅価格動向については、国家統計局が発表する70大中都市商品住宅販売価格変動状況で知ることができます。
毎月発表される情報なので、常に新しいデータを確認しておきましょう。もっとも上昇率が高い時期は毎年20%以上の価格上昇がありましたが、現在は落ち着いてきています。
なお、不動産投資については2019年9月時点で前年同月と比べると10.5%増であり、中国の不動産が投資家にとって魅力的な市場であることが分かります。
中国不動産の新築住宅価格動向1:前月との比較
2019年10月時点の中国不動産の新築住宅について、前月との比較で価格が上がった都市は50都市、下がった都市は17都市、横ばいの都市が3都市でした。
中国の不動産の新築住宅価格はいまだに上昇傾向にあると言えるでしょう。
上昇都市が2か月連続で減少
全体としては上昇を続けている中国の新築不動産価格ですが、価格が上昇した都市は5か月連続で減少しています。
大都市である一線都市や発展がめざましい沿岸地域において住宅価格の大幅な下落はみられません。需要に供給が追い付かず、住宅価格が高止まりしていることが原因と考えられます。
中国不動産の新築住宅価格動向2:下落都市が増加傾向
新築住宅価格が下落する都市は、特に内陸部の都市において増加傾向にあります。
一線都市や沿岸の都市とは逆に、内陸部の都市では住宅が余り、価格が下落しています。鬼城と呼ばれる中国のゴーストタウンが増え、社会問題となっています。
共産党中央政治局の影響
新築住宅価格が下落する都市が増加傾向にある裏には、不動産市場に介入してきている共産党中央政治局の存在があります。
中央政治局は、過熱する不動産市場を危険視し、幾度となく警告を発しており、2019年6月には銀行に対し住宅ローンの金利を下げないように求めるなど、市場への介入を進めてきています。
中国不動産の新築住宅価格動向3:マンション価格
中国のマンション価格も上昇を続けており、投資先としては有望であると言えます。特に一線都市などの大都市や、発展がめざましい沿岸地域などのマンション価格は今後も上昇が続くとみられています。
ただし、中国のマンションは完成前に決済することが通例であるため、購入には注意が必要です。完成前に建設会社が倒産したり、手抜き工事によって住宅価格が下落したりといったリスクがあるからです。
中国不動産のバブル崩壊対策に注目しよう!
上昇を続ける中国不動産ですが、バブルはいつか崩壊すると言われています。中国のバブルが崩壊したときのための対策を今からたてておくことが必要です。
中国の不動産投資をするならば、長期的な投資は危険であることを理解し、常に政府や市場の動向をチェックしましょう。
また、中国のバブルが崩壊すれば、2008年のリーマン・ショックと同様に日本経済にも影響が出ると考えられます。中国の不動産をもっていないからといって油断せず、備えをしておきましょう。