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不動産投資をするなら知っておこう!デッドクロスを避ける為の8つの対策

2020 06.4この記事はPRを含みます

不動産投資で起きるデッドクロスとは?

不動産投資で発生するデッドクロスは、減価償却費と元本返済額が逆転する状態を意味します。

一般的にデッドクロスとは、株価や為替といった金融商品の価格が上昇した後に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けて交差する現象を指す言葉です。また、デッドクロスは売りのサインだと言われています。

不動産投資におけるデッドクロスも、金融商品と同じくグラフが交差する状態であることからそう呼ばれています。

減価償却費とは?

減価償却費とは、経年劣化による価値の減少を費用として計上した値です。

不動産とは土地と建物、さらに建物付随設備によって構成されていますが、土地は時間が経っても価値の減らないものなので、減価償却の対象にはなりません。

しかし建物や建物付随設備は劣化していくため、たとえば木骨モルタルの住宅なら20年間、鉄骨鉄筋コンクリート造の住宅なら47年で減価償却を行うというように、建物の構造や用途で定められています。

デッドクロスが起きる原因

デッドクロスは「住宅設備の減価償却費の減少」と「ローンの利息部分の減少」により発生します。

建物の耐用年数まで減価償却費は一定になりますが、中古物件は新築より耐用年数が少ないため、減価償却費として計上できる年数も早く終了します。

さらに、元利均等返済の場合はローンの利息部分が減少し、返済金額に含まれる元本の割合は年々増えていきます。そのため、減価償却費と元本返済額が逆転する可能性が発生します。

1:減価償却に関する帳簿上の経費

減価償却は実際の支出がなくても経費として計上できます。

建物や建物付随設備は購入時に一括で経費に計上できないため、それぞれ耐用年数に振り分けて経費を計上できます。実際の支出は購入時に行っているため支出のない帳簿上の費用ですが、必要経費として認められるため、節税効果が得られます。

しかし、耐用年数の期間を過ぎてしまうと経費として計上できなくなるため、節税効果が得られなくなってしまいます。

2:ローン返済に関する元本の返金

ローン返済に関する元本返金は、実際には支出がある場合も経費に計上できません。

ローンの返済は毎月実際に支出がありますが、最初に借りたお金を返しているだけなので、経費としては計上できません。仮に経費として計上すれば二重計上になってしまいます。

そのため、減価償却費が減ってローンの元本が増加すればデッドクロスが発生し、経費計上できない現金支出が増えるため、手元の現金が減っていく現象が発生します。

デッドクロスが発生すると何が起きるのか?

デッドクロスが発生すると知らないうちに現金支出が増えて資金が減っていきます。

デッドクロス状態になると元本などの現金支出が増加するため、手元にある資金が減っていきます。さらに減価償却費が減って帳簿上の黒字が拡大するため所得税が増えることで、より利益が少なくなってしまいます。

そのため、帳簿上は黒字経営になっているにもかかわらず、経営が苦しい状態になります。

資金繰りの悪化

デッドクロスが発生すると資金繰りが悪化します。

不動産投資でアパートやマンションの経営をはじめる場合、最初は減価償却費として支出のない費用を経費として計上できるため、問題なく経営できるでしょう。

しかし年数が経過するにつれて徐々に減価償却費が減り、元本返済の額が増加してデッドクロスが発生すると、帳簿上は利益が出ていても実際は資金不足という状態になります。そのため、資金繰りが悪化しやすくなります。

デッドクロスを避ける8つの対策

デッドクロスを回避するには8つの方法があります。

不動産投資は、長期にわたり収益物件を管理することになるため、どうしてもデッドクロスの可能性はあります。

デッドクロスが発生してもローンの返済が終了すれば、返済していた額が手元に残るようになるため、完済まで乗り切ることができれば問題ありません。

また、上記以外にもデッドクロスを避ける方法はあります。ここではデッドクロスを避ける8つの対策を紹介します。

デッドクロスを避ける対策1:購入時に頭金を入れる

不動産購入時の自己資金を多く用意し、頭金を入れましょう。

収益不動産購入時に頭金を入れておけば、その分借入金額も少なくなります。また、借入額が少なくなれば月々のローンの返済額を少なくしたり、ローンの借入期間を短縮したりすることができるため、デッドクロスに陥るリスクを減らせます。

そのためには不動産購入時から無理な借り入れをせず、余裕を持って購入できるように前もって自己資金の準備をしておく必要があるでしょう。

デッドクロスを避ける対策2:所得税の資金を準備する

黒字の所得税に対する資金を準備しておきましょう。

事前に黒字の所得税分の資金など、納税資金を貯蓄しておきましょう。あらかじめしっかりと貯めておくことで、いざというときに払えなくなるリスクを回避することが可能です。

デッドクロスを避ける対策3:中古物件より新築物件

減価償却できる期間の少ない中古物件ではなく新築物件を購入しましょう。

前述のとおり、建物の耐久年数は一定になっているため、中古物件は新築よりも減価償却できる年数が少ないです。中古物件は購入費用が抑えられるメリットもありますが、反面デッドクロスに陥る可能性が高いため注意が必要です。

そのため、デッドクロスのリスクを考慮すると、中古より長期間の減価償却が可能な新築物件を購入する方が安全だと言えるでしょう。

デッドクロスを避ける対策4:ローンの借り換え

ローンの借り換えを行い、利息を減らしましょう。

デッドクロスにおける問題点は手元の資金が不足してしまうことです。そのため、収支をコントロールすることで現金支出を抑えることが大切です。

ローンの返済額が多く、資金繰りが苦しい場合には、ローンの利率の見直しを行いましょう。見直しをした結果、利息を減らせる場合はローンの借り換えを行うのも1つの方法です。また、ローンを借り換えれば借入期間を延長できるでしょう。

デッドクロスを避ける対策5:物件の売却

減価償却額が計上できなくなった物件を売却しましょう。

所有している不動産の減価償却期間が終わってしまい、減価償却額が経費として計上できなくなった場合は、物件を売却してしまうのも一つの手段です。

賃貸として人に貸し出している場合、すぐに売却するのは難しいケースもありますが、物件売却後、新しく不動産を購入することで、新たに減価償却費を経費として計上することができるようになります。

デッドクロスを避ける対策6:ローン借入期間を延長

ローンの借入期間を延長しましょう。

どのような返済プランになっているかにも寄りますが、融資を受けている金融機関に相談してみることで、ローンの借入期間は伸ばすことも可能です。借入期間を延長することにより、毎月の現金支出を減らすことが可能です。

また、月々のローン返済額を減らすことができれば、負担の軽減に繋げることができます。

デッドクロスを避ける対策7:ローンの繰り上げ返済

資金に余裕がある場合は、ローンの繰り上げ返済を行いましょう。

ローンの繰り上げ返済を行えば、毎月の返済負担を減らすことができます。また、ローンを完済すれば、それまで返済に使われていた現金が手元に残るようになるため、納税額が増えても利益を維持した状態を保ちやすくなり、デッドクロスのリスクを減らせるでしょう。

また、ローンの残債がなくなった物件を担保にすることで、有利な条件で融資を受けやすくなります。

デッドクロスを避ける対策8:ローンを元金均等にする

ローンの返済方法を「元金均等返済方式」にしましょう。

一般的に、ローンの返済方法は「元利均等返済方式」を選択することが多いです。この方式は、毎月の返済額は一定ですが、支払利息分と元金返済分の割合が変わっていくため、デッドクロスの原因になります。

一方、元金均等返済方式は支払利息分の返済方法はそのままで、元金返済分も変わりません。初年度の返済額は高いですが、元金返済額は変わらないため、負担を軽くできます。

デッドクロスのシミュレーション例

デッドクロスを回避するためには事前のシミュレーションが重要です。

デッドクロスについて把握していなければ、将来的にいくらの資金が必要になるか予想することができません。そのため、事前に購入する不動産の残存耐久年数から限償却できる期間を計上し、さらに償還表を参考にしてローンの返済期間や返済額をシミューレションしてみましょう。

他には、不動産管理のための維持費や、将来の家賃などはある程度の予測が必要です。

不動産投資をする前に

不動産投資をしたい場合には、しっかりとした事前準備が重要です。

将来のために不動産を所有し、不動産投資を行いたいと考えている方は多いでしょう。実際に、本業を別に持ちながら、副業として不動産を人に貸し出して不動産収入を得ている人もいます。

しかし初心者の場合、まずはしっかりとした知識を身につけて、不動産投資のための準備をすることが重要です。ここでは不動産投資をする前に必要なことについて紹介します。

リスクをよく理解しておくこと

不動産投資をする場合は、リスクについてもよく理解しておきましょう。

不動産は決して安い買い物ではありません。購入には多額の資金が必要になり、さらに購入した後では後戻りはできません。実際に賃貸をはじめても、空室などが発生して思ったような家賃収入を得られない場合や、滞納されてトラブルになる可能性もあります。

そういったさまざまなリスクについては念頭に置いた上で、不動産投資を行う決断するようにしましょう。

綿密すぎるシミュレーションを!

不動産投資をする場合は、十分なシミュレーションを行いましょう。

不動産投資では、購入を検討している物件の運用シミュレーションを行うことが重要です。物件の価格や年間の家賃収入だけでなく、仲介手数料や購入時の諸費用、物件の管理費や固定資産税など、さまざまな経費を踏まえて実質的な利回りでシミュレーションすることが重要です。

また、家賃が減少していくケースやローンの金利上昇などもシミュレーションしましょう。

不動産投資をする際はデッドクロスの対策も頭に入れておこう

不動産投資ではデッドクロスを避けることが重要です。

不動産投資のリスクの1つであるデッドクロスに陥った場合、帳簿上では黒字にもかかわらず、現金が少ない状態が続きます。最悪の場合、黒字にもかかわらず倒産しかねません。

しかしデッドクロスは事前に回避することで、致命的な資金繰りの悪化を避けることが可能です。そのため、不動産投資を失敗しないためにもデッドクロスの対策についてはしっかりと理解しておきましょう。

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