不動産の売却の流れを知る|不動産の売却時にあると良い書類13種
2020 06.4この記事はPRを含みます
不動産の売却の流れを知っておこう
所有している不動産を売却する場合、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。
さまざまな理由で所有している不動産の売却を考えることもあるでしょう。しかしいざ不動産を売却しようと考えても、手順について知らなければ用意に手間取ってしまいます。ここでは不動産の売却の流れについて解説していきます。
ステップ1:売却の相場を調べて売値の目安を決める
不動産を売却する場合は、不動産相場を調べて売値の目安を決めましょう。
不動産には定価がありません。そのため、まずは売却の相場を知り、どの程度の値段で売れるのかを把握し、適正な価格を理解しておきましょう。
知らないまま希望価格で売り出してしまうと、高すぎて売れない場合や、安すぎて損をするといったケースも発生しかねません。また、大体の目安の価格を知っておけば、売却活動や交渉もしやすくなるでしょう。
ステップ2:売却先の不動産会社を探す
不動産を売却する場合は、信頼できる不動産会社を探しましょう。
大切な資産である不動産をスムーズに売却するためには、良いパートナーとなれる不動産会社を見つけることが重要です。そのため、売値の目安を決めたら不動産会社の情報を収集して不動産会社を探しましょう。
ステップ3:売却の査定を依頼する
不動産を売却する場合は、物件価格の査定を依頼しましょう。
最適な不動産会社を見つけたら、物件価格の査定を依頼するところから、不動産売却に関する不動産会社との付き合いがスタートします。
物件に関するプロである不動産会社に、売却する不動産の価格を査定してもらいます。また、この時点では1つの不動産会社に絞らず、複数の不動産会社に一括で査定の依頼をして、良さそうな不動産会社を選ぶのも良いでしょう。
ステップ4:不動産会社と媒介契約する
不動産を売却する場合は、不動産会社に仲介を依頼して媒介契約を結びましょう。
不動産会社へ不動産の売買の仲介を依頼する場合には、正式に媒介契約を結ぶことになります。媒介契約の形態には主に3種類あるため、自分の希望する売却方法などを踏まえてどの契約を結ぶか決めるようにしましょう。
ステップ5:不動産を売り出す
不動産を売却する場合は、実際に不動産を売り出しましょう。
不動産の売り出し価格はその後の売却活動に大きな影響を与えるものです。そのため、希望売却価格だけでなく、不動産会社の査定価格や周辺の売却事例、市場の動向などを踏まえて慎重に決めるようにしましょう。
ステップ6:購入希望者との交渉
不動産を売却する場合、購入希望者が現れたら交渉を行いましょう。
不動産の購入希望者とは売却条件の交渉を行うことになります。売却価格の条件はもちろん重要ですが、その他の条件についても譲歩できる点やできない点を明確にし、交渉を進めるようにしましょう。
ステップ7:売買契約を結ぶ
不動産を売却する場合、売却条件の合意を得たら買主と売買契約を結びましょう。
買主との売買契約を結ぶ場合、一般的には物件価格の1割から2割程度の金額を手付金として受け取ることになります。売買契約の内容に関しては、売主買主ともにしっかりと内容を確認するようにしましょう。
ステップ8:物件の引き渡し
不動産を売却する場合、最後に不動産の引き渡し手続きを行いましょう。
引渡しの手続きの際には、買主から売買代金を受け取るのと同時に所有権の移転などの登記申請を行います。引渡しでは、設備や備品などについても買主と共にしっかりと確認を行いましょう。
また、無事に不動産の引渡しを行った後も税務申告などの手続きが必要ですので、忘れないようにしましょう。
不動産売却の必要書類11種
不動産を売却する場合には、さまざまな必要書類を用意する必要があります。
所有している不動産を売却する際には、不動産の権利に関する書類や物件の間取り図や測量図などの資料を用意しましょう。必要書類の種類も多いため、必要なときになって慌てないように事前に準備してください。
以下から、不動産売却の必要書類11種について紹介していきます。
必要書類1:登記済権利証
不動産売却の必要書類である登記済権利証は、登記名義人がその物件の真の所有者であることを証明する書類です。
登記済権利証は法務局が登記名義人に対して交付するもので、2005年3月に不動産登記法が改正されたことによりインターネットでの登記申請ができるようになりました。
そのため、現在では登記済権利書の代わりに登記識別情報が書面申請もしくはオンライン申請で通知されるようになっています。
一 法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法
必要書類2:間取り図
不動産売却の必要書類である間取り図は、物件の間取りや設備の状況などについて確認できる書類です。間取り図は売却する物件の図面や設備などの仕様書になるため、用意しておく必要があります。
必要書類3:測量図
不動産売却の必要書類である測量図は、一戸建てや土地の売買で必要になる書類です。
測量図には土地の面積や境界線の位置などが記載されています。隣接地との境界線が明確になっていないと、あとで隣接地の所有者とのトラブルになる可能性があります。
そのため、仮に境界線が未確認の場合は隣接地の所有者と話し合い、了承を得てから実際に測って測量図を作成するようにしましょう。
必要書類4:固定資産税納税通知書
不動産売却の必要書類である固定資産税納税通知書は、固定資産税評価額がわかる書類です。
固有資産税は1月1日時点の所有者に対して課税されるため、不動産を売却しても固定資産税の清算を行わなければ、1年分の固定資産税を売主が全額負担することになってしまいます。
そのため、納付通知書で固定資産税評価額がわかるため、売却日までを売主が、それ以降の分を買主が固定資産税を負担する日割り計算を行うことになります。
必要書類5:印鑑証明書
不動産売却の必要書類である印鑑証明書は、実印であることを証明する書類です。
登記関係の書類へは実印を捺印する必要があるため、発行から3ヶ月以内の印鑑証明書を用意しましょう。また、実印の登録をしていない場合は、先に登録を済ませておく必要があるため注意が必要です。
印鑑証明書は基本的には役所で取得するものですが、マイナンバーカードを持っている場合はコンビニエンスストアで取得できる場合もあります。
必要書類6:身分証明書
不動産売却の必要書類である身分証明書は、売主本人であることを確認するために本人確認書類です。
本人確認書類は、売主本人と確認できる写真付きの住所、氏名、生年月日などが記載されている書類になります。身分証明書としては運転免許証が一般的ですが、パスポートや各種健康保険証など公的機関が発行した書類なら問題ありません。
また、不動産に共有持ち分がある場合は全員分の身分証明書が必要です。
必要書類7:建築確認済証
不動産売却の必要書類である建築確認済証は、その建物が新築時の建築基準法に基づいて建築されたことを証明する書類です。
建築確認済証は建築時に施工会社から渡され、途中で売買されたものであれば売買時に売主から買主へ渡っているものです。建築確認済証が見つからない場合は、施工会社か売買を担当した不動産会社の担当者へ問い合わせてみましょう。
必要書類8:検査済証
不動産売却の必要書類である検査済証は、その建物が新築時の建築基準法に基づいて建築されたことを証明する書類です。
検査済証も、建築確認済証と同じく建築時に施工会社から渡され、途中で売買されたものであれば売買時に売主から買主へ渡っている必要書類です。
検査済証が見つからない場合は、施工会社か売買を担当した不動産会社の担当者へ問い合わせてください。
必要書類9:地積測量図
不動産売却の必要書類である地積測量図は、境界を確定するために必要な書類です。
不動産の売買契約は、一般的に隣接地との境界が確定していないと成立しません。隣地との境界が確定しているか、しているとしたら現地に目印はあるか、ない場合は地積測量図を作成するかを検討する必要があります。
また、地積測量図は法務局で取得でき、境界確定費用や測量費用は売主が負担することになります。
必要書類10:境界確認書
不動産売却の必要書類である境界確認書は、境界を確定するために必要な書類です。境界確認書も地積測量図と同じ意味合いを持ちます。不動産の売買契約は、隣接地との境界が確定していないと成立しないため、境界確認書類を用意する必要があります。
必要書類11:物件の利用規約
不動産売却の必要書類である物件の利用規約は、マンションであればペットの飼育の可否や駐車場の有無、管理費用など明確にした書類です。
物件に関する利用規約について書かれたもので、通常はマンションの所有者全員に冊子として配られます。売却する物件に住むためのルールが書かれているものなので、売却が始まるまでの間に必ず用意しておくようにしましょう。
また、見つからない場合は管理組合に問い合わせると良いでしょう。
不動産売却時にあると良い書類13種
必要書類ではありませんが、売却時には用意しておくと良い書類もあります。
ここまで不動産売却時の必要書類を紹介しましたが、必要書類ではなくでも、多くの場合に必要となったり、手元にあると売却が有利に進んだりするものも存在します。
ここでは、不動産売却時にあると良いとされる書類13種を紹介します。
あると良い書類1:固定資産税評価証明書
必要書類ではなくても、価格交渉に役立つ固定資産税評価証明書は用意しておきましょう。
売却する不動産の移転登記を行う際に、買主が納める登録免許税の計算には、固定資産税評価証明書と固定資産税の納付通知書が必要になります。
主に登記に必要な書類ですが、固定資産税評価額は不動産の価値を示す指標でもあるため、価格交渉用に用意しておくようにしましょう。
あると良い書類2:住民票
必要書類ではなくても、登記の際に住民票が必要になる場合があるため確認しておくと良いでしょう。
先に司法書士や不動産会社の担当者に連絡してみて、住民票が必要であれば用意しておきましょう。住民票が必要な場合には、発行から3カ月以内のものになりますので、用意するタイミングには注意してください。
また、住民票は市区町村町役場にて取得でき、取得手数料は300円が一般的です。
あると良い書類3:建築設計図書
必要書類ではなくても、建物の形状を確認するために建築設計図書は用意しておくと良いでしょう。
建築設計図書は工事を実施するために必要な建物の設計の内容を示す図書で、地積測量図などと同じく法務局で取得することができます。
あると良い書類4:ローン残高証明書
必要書類ではなくても、ローン残高証明書はその額を確認するためにもあると良いでしょう。
売却する不動産にローンの残高がある場合は、ローン残高証明書を用意しておくようにしましょう。そもそも、不動産の売却代金と自己資金とを合わせてもローンの完済ができない場合は、ローンの残った不動産を売却することはできません。
とりあえずローン残高証明書が手元にない場合は、借り入れをしている金融機関に連絡をして、発行してもらいましょう。
あると良い書類5:工事記録書
必要書類ではなくても、工事記録書はどのような工事が行われたかの確認ができるため、用意しておくと良いでしょう。
工事記録書では工事の内容について確認できるため、いずれリフォームをするときに役立つ情報源となります。
あると良い書類6:物件の使用細則や維持費についての書類
必要書類ではなくても、物件の使用細則や維持費についての書類はマンションなどの売却に必要になるため用意しましょう。
マンションの管理規約や使用細則、維持費関連の書類は、どのような管理規約になっているか、例えばペットの飼育は可能なのかなど、その物件で暮らす場合に必要になる情報を得ることができる書類です。
さらに、管理費や修繕積立金など、買主が入居後に負担する費用の確認にもなります。
あると良い書類7:耐震診断報告書
必要書類ではなくても、調査を受けていることを示すために耐震診断報告書は用意しておくと良いでしょう。
新耐震基準が導入される前の中古物件を売買する際、耐震診断を受けている場合には、耐震診断報告書を提示するようにしましょう。
昭和56年以降に建てられた建物は新耐震基準が導入されているため不要ですが、それより前に建てられた建物については耐震診断を受けて、耐震診断報告書を提示した方が売却しやすくなるでしょう。
あると良い書類8:アスベスト使用調査報告書
必要書類ではなくても、調査を受けていることを示すために、アスベスト使用調査報告書を用意しておくと良いでしょう。
耐震診断報告書と同じく、アスベストに関する調査を受けている場合はアスベスト使用調査報告書を提示すると良いです。
近年建築された物件ではアスベストは使われていませんが、古い家の場合は使われていることもあります。必要に応じてアスベスト使用調査は依頼するようにしましょう。
あると良い書類9:地盤調査報告書
必要書類ではなくても、地盤調査報告書は調査を受けていることを示すために用意しておくと良いでしょう。
耐震診断報告書と同じく、建物を建てる前に地盤に問題がないかどうか調査を受けている場合は、地盤調査報告書を提示すると良いです。
近年の日本では巨大地震が続いているため、建物の耐震性や安全性を気にする人も多くなってきています。そのため、必要書類ではありませんが調査を受けているなら用意しておきましょう。
あると良い書類10:住宅性能評価書
必要書類ではなくても、住宅性能評価書は建築的な視点で専門家が住宅の性能を評価する書類となっているため、用意しておくと良いです。
登録住宅性能評価機関に依頼して新築住宅の住宅性能評価書を取得している場合は、手元に用意しておきましょう。
また、取得していても書類が見つからない場合は、自分で依頼して作成していれば依頼先に、住宅購入の際に受け取ったのであれば不動産会社の担当者に問い合わせてみましょう。
あると良い書類11:既存住宅性能評価書
必要書類ではなくても、既存住宅性能評価書は建築的な視点で専門家が住宅の性能を評価する書類となっているため、用意しておくと良いでしょう。
登録住宅性能評価機関に依頼して既存住宅性能評価書を取得している場合は、手元に用意してください。新築住宅に関する住宅性能評価書と異なり、こちらは既存住宅に関するものです。
評価項目は「現況検査により認められる劣化等の状況」と「個別性能に関すること」の2種類です。
あると良い書類12:購入時の契約書や重要事項説明書
必要書類ではなくても、購入時の契約書や重要事項説明書は用意しておくと良いでしょう。
不動産を売却した場合、その利益に対して譲渡所得税が課されますが、売却した不動産を購入した時の金額を取得費として差し引くことができます。そのため、購入時の契約書は重要です。
また、他にも購入時に支払った仲介手数料や登記費用なども取得費として計上できるため、領収書などがあれば用意しておきましょう。
あると良い書類13:ローン返済予定表
必要書類ではなくても、不動産にローンが残っている場合はローン返済予定表を用意しておきましょう。
ローン残高証明書と同じく、売却する不動産にローンの残高がある場合はローン返済予定表用意しておくようにしましょう。ローン残高証明書もしくはローン返済予定表のどちらかで問題ありません。
手元にない場合は、ローン残高証明書と同じく借り入れをしている金融機関に連絡をして、発行してもらいましょう。
売却時には多くの書類が必要になる
不動産売却を行う場合には必要書類をしっかり準備しておくことが重要です。
不動産を売却する場合、契約に関わるさまざまな必要書類を用意する必要があります。中には準備するために時間がかかる場合もありますが、必要書類ではなくても専門機関に調査を依頼して用意することで売却に有利に働く書類もあります。
いざ不動産を売却するという時に困らないように、事前にどのような必要書類があるのかチェックしておくようにしましょう。