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3C分析を不動産投資に応用するメリット5つ|事例からみるポイント

2020 06.4この記事はPRを含みます

3C分析とは

3C分析とは、外部環境である市場と顧客、競合と内部環境である自社をそれぞれにリサーチし、戦略に活かす分析をするためのツールであり、フレームワークのことを言います。

3Cとは、Customer・Competitor、Companyの頭文字をとったものになります。これらの単語はそれぞれ、Customerは市場と顧客、Competitorは競合、Companyは自社を意味します。

3C分析3つの軸

3C分析を行うには、3つのCについて理解しておく必要があります。ここからは、3C分析の3つの軸であるCustomer(市場と顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)について、詳しくご説明します。

ここから3C分析の詳細を理解して、3C分析を活用することで自社を取り巻く環境を詳細に知ることにつながります。ただ自社の環境を知るのではなく、成功事例を含めた3C分析を活用しましょう。

市場と顧客・Customer

3C分析の3Cの1つ目は、Customerです。市場と顧客(Customer)では、潜在顧客の数や該当地域の年齢構成といった市場規模や今後の成長性、自社製品やサービスのニーズ、購買につながるプロセスや実際の購買者について分析します。

ターゲットとなる市場で顧客となり得る方を把握し、顧客が必要としているもの、顧客の要求を満たせるものを知ることがCustomer分析で、ここから3C分析が始まります。

競合・Competitor

3C分析の3Cの2つ目は、Competitorです。競合(Competitor)では、ターゲットとなる市場における競合他社を把握し、競争・競合相手の状況を十分に分析します。

市場で競合に奪われる立場か、市場を奪う立場なのかによって対策は変ります。彼を知り己を知れば百戦あやうからずで、シェア拡大の障壁や新規参入の障壁、シェアの縮小を防ぐための戦略を練ります。他社とのベンチマーキングが重要です。

自社・Company

3C分析の3Cの3つ目は、Companyです。自社(Company)では、改めて自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)について、定性的・定量的に把握し、分析します。

売上高や市場シェアの推移や商品やサービスの収益性やブランド力、といった会社の置かれている状況をつかむことが重要となります。最終的には、競合他社と比べて自社の強みは何か、弱みは何かを把握します。3C分析で最後に行う重要な分析です。

3C分析を不動産投資に応用するメリット5つ

不動産投資は闇雲に行っても成果は得られません。確実に利益がでるような戦略が必要となります。その戦略ツールとして3C分析が有益です。

3C分析を不動産投資に応用することで、市場や顧客のニーズを把握し、競合物件などと比較し、自社の強みを活かした不動産投資ができ、収益を上げることが可能となります。

ここからは、3C分析を不動産投資に応用した場合の5つのメリットについて、ご紹介します。

応用するメリット1:貸借ニーズを的確に掴む

3C分析を不動産投資に応用するメリットの1つ目は、貸借ニーズを的確に掴むことです。これは、Customer分析に該当する内容で、市場や顧客がどのような貸借ニーズをもっているのかを分析します。

この分析により、不動産投資を行うエリアには、安定的な貸借ニーズが存在するのか、また、どのような物件や土地、建物にニーズがあるのかなどを把握します。該当エリアの人口動態のトレンドを掴むことが重要となります。

応用するメリット2:競合物件との差別化ポイントを見つけられる

3C分析を不動産投資に応用するメリットの2つ目は、競合物件との差別化ポイントを見つけられることです。これは、Competitor分析に該当するもので、Customer分析で不動産投資を行うエリアが決定したら、そのエリアの競合を分析します。

この分析をしっかり行うことで自社の物件と競合他社の物件の相違が把握でき、自社物件の優位性が明確になります。その優位性こそ、その物件の強みです。

応用するメリット3:自分の強みを最大限に活かせる

3C分析を不動産投資に応用するメリットの3つ目は、自分の強みを活かせることです。これは、Company分析に該当するもので、さまざまな分析から得た自社の強みをまとめ、戦略的に活かしていきます。

3C分析では、3つのCを徹底的に分析することになりますので、その1つのCである自社のことも多角的に分析していきます。その分析から得たさまざまな状況やデータから、自社の強みを整理していきます。

応用するメリット4:クロス3C分析によりKFSが導きされる

ここまでは、3C分析のCを個別に捉えることが前提でした。しかし、自社の強みが明確になっても、競合他社の強みを上回っていないと意味がありません。

そこで、3つのCをクロスさせてKFS(Key Factor for Success)を導き出します。市場と顧客×競合、市場と顧客×自社、自社×競合と掛け合わせることで、単体では見つけられなかった競合他社の課題などの把握が可能になります。

応用するメリット5:繰り返し分析を行い精度が高められる

3C分析は、1回の分析で結果が出ない場合があります。また、出た結果が最善かどうかの判断に迷うことがあります。他社や他の方の分析事例を研究し、3C分析に慣れることが重要です。

3C分析は、繰り返し使用できるフレームワークですので、何回も分析を行うことで分析結果の精度が上がっていきます。

モリスの丘の3C分析事例からみるポイント5つ

3C分析を不動産投資に応用した具体例としてモリスの丘における分析事例があります。モリスの丘は、埼玉県上尾市仲町の2003年に建てられたマンション群のことをいいます。高崎線の上尾駅まで徒歩圏にある立地の事例です。

このモリスの丘で不動産投資をする際の分析事例をご紹介します。この事例では、不動産投資の前提となるマーケティング戦略を考えるときに3C分析を活用しています。

モリスの丘

Customer軸を考えるポイント

Customer軸を考えるポイントは、全体の不動産に関する市場の動きを調査した上で、このモリスの丘における市場を把握することです。具体例としては、その地域における現在の状況、年齢層や家族構成など、どのような顧客に響いているのかを把握します。

また、モリスの丘という木だけを把握するのではなく、周辺環境などの森をも把握した上で、この地域の市場と顧客を把握していきます。

事例からみるポイント1:市場や周辺環境について記す

モリスの丘の事例では、市場や周辺環境についての記載があります。記載のポイントは、事実のみを記載し、決して想像や推測で記載しないことが重要です。感覚は人それぞれですので、間違ったイメージを植え付けることにもつながりますので注意が必要です。

なおこの事例では、人口動態、交通、公共施設というカテゴリーで分析されていて、自動車を利用した交通網が整備されてきています。

Competitor軸を考えるポイント

Competitor軸を考えるポイントは、周辺にどのような物件が増えているのか、その物件のスペックはどうなのかといった競合他社の状況を把握することです。

具体例としては、エリアごとの建物の種類である戸建て・賃貸・分譲といった状況の把握や家賃や物件の装備や築年数といったことを把握します。

モリスの丘だけではなく、周辺地域の特色などを踏まえて、競合他社がどのようなところに力を入れているのかを含めて把握します。

事例からみるポイント2:どんな物件が増えているか

モリスの丘の事例では、上尾駅前には2LDK以上の分譲マンションが乱立といって良いほど建っていて、賃貸マンションは、ワンルームを中心に新築で建っています。

マンション以外にも、西口エリアには新築戸建て、北エリア・伊奈エリアには、建売戸建てが増加してきています。一方、東口エリアは住民の高齢化に伴い、空き家が増加してきています。

事例では、賃貸物件のみをターゲットにするのではなく、分譲や戸建ても競合します。

事例からみるポイント3:物件のスペックはどうか

モリスの丘の事例では、上尾駅近くの2LDKの家賃相場が約8万円から約9万円ほどで、55から60㎡の大きさのものが主流です。

ワンルームマンションは新築が多いものの、それ以外の大きさの賃貸マンションは築年数が古くなってきています。そのためか、外壁を修繕中である物件が増加しています。

装備では、ほぼオートロックを完備しているものの、駐車場の台数が少ないことやペット可のマンションが少ないという具体例があります。

オートロック・モニター付インターフォン・セキュリティカメラなどの機能面に加えて、アンティーク調のデザイン・四季を感じさせる植栽など最適な住居環境で素敵な時間を過ごしていただくための工夫を施しております。

https://www.yamakobld.info/morrisnooka-gallery

Company軸を考えるポイント

Company軸を考えるポイントは、CustomerとCompetitorで把握したものを基に自社の強みと弱みの事実を考察することです。この考察の具体例では、自社や自分の理想や要望など、根拠のない事実は控えるようにしましょう。

自社の強みと弱みが把握できると競合他社との差別化要素が明確になります。その事実を基にした自社分析を通して最終的なマーケティング戦略を立てていくことになります。

事例からみるポイント4:事実を基に強みと弱みを考察

Customer分析で市場や顧客のニーズを把握し、Competitor分析で競合他社の市場ニーズへの対応などを把握した上で、自社の強みと弱みをCompany分析し考察します。

自社がどのような戦略で進めていくと、競合他社をおさえて顧客の支持を集め市場内での優位性を保てるのかという理想が浮かび上がってきます。3C分析を活用して成功したモリスの丘などの好事例を参考にしていきましょう。

事例からみるポイント5:自分の理想や要望は控える

Company分析で把握できた自社の強みと弱みを活用して戦略的なマーケティング活動を行っていく上で、事実とかけ離れた理想や要望などを取り入れてしまうと正確な立案ができなくなってしまうので注意が必要です。

ここでは、確実な事実のみを基に自社が投入できる経営資源などを分析し、理想と現実のギャップをも的確に把握する必要があります。できもしない理想などで競合他社に挑むのは、大変危険なことです。

3C分析を活用する際の注意点

3C分析を活用する際に注意することは、3つあります。

1つ目は、市場や顧客分析において、自社の理想に顧客を当てはめようとすることです。とにかく、先入観ではなく事実を基にした具体例を集めます。2つ目は、競合分析において、狭い地域だけの競合のみに視点を向けないことです。

いまや、商売は遠方からでも仕掛けられます。そして、最後は、自社分析において、自社評価が甘くならないようにすることです。

事例をもとに3C分析をしてみよう

3C分析は、自社の戦略立案のためのフレームワークです。目的は、このフレームワークを活用して単に情報収集をするのではなく、収集した情報の分析をして適切な戦略を創造することにあります。

3C分析に慣れないうちは、他社の成功例や具体例を参考に練習することも必要です。事例を基に例を自社に置き換えて展開していくことで、実際の自社の分析ができるようになります。

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