マンション大規模修繕工事の時期はいつ?必要性4つや注意点3つ
2020 06.4この記事はPRを含みます
マンション大規模修繕工事の時期に決まりはある?
新築マンションを購入すると、どんなに綺麗に見えるマンションでも避けることができないのがマンションの大規模修繕工事です。
一般的にマンションの大規模修繕工事は築12~13年程で行うところが多いですが、正確にどのタイミングで工事をしなければならない、という決まりはありません。
あくまでもそのくらいの時期になると工事が必要になるマンションが多いということです。では大規模修繕工事のタイミングはどのように決めたらよいのでしょうか、必要性や注意点を紹介していきましょう。
第八条 建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
マンション大規模修繕工事の必要性4つ
マンションの大規模修繕工事には多額の費用がかかるため、新築時から修繕費を積み立て、長期修繕計画を予定していることが多いでしょう。しかし、なぜ大規模修繕工事はしなければならないのでしょうか。
ここでは、そもそもどうしてマンションの大規模修繕工事をしなければならないのか、その理由を紹介いたします。
必要性1:マンションの資産価値を守る
大規模修繕工事をする目的の1つは、老朽化や劣化したマンションの修繕を行うことで新築に近い姿まで復元し、それによって資産価値を守ることです。
資産価値とは、その物件の市場価値に等しいです。資産価値が下がったマンションは人気が下がり、売却しようとしたときの価格が下がるでしょう。適切な時期に大規模修繕工事を行うことで、資産価値の低下を防いでいます。
必要性2:経年劣化のスピードを抑制できる
人が住んでいてもマンションは築年数が経つにつれて劣化するものですが、大規模修繕工事をすることで経年劣化のスピードを遅らせることができるでしょう。
時間が経つと外観の汚れや、建造に使われた鉄やコンクリートの劣化、共用部分の美観やエレベーターなどの設備の劣化が起こります。しっかりと点検をして早めに大規模修繕工事をしておくことで、経年劣化のスピードを抑制しましょう。
必要性3:隠れていた欠陥箇所を見つけることができる
マンションの経年劣化は、なにも目に見える範囲のみで起こっている訳ではありません。大規模修繕工事をすることで、ふだん住人の目には触れない配管などの設備を改めて点検し、欠陥がないかチェックすることができるというメリットもあります。
マンションの外観や共用部分などは多くの人の目に触れて分かりやすいのですが、目には見えない部分も経年劣化は避けられません。大規模修繕工事はそういった箇所の修繕も目的にしています。
必要性4:安全に住むことができる
どうして多大な費用をかけてマンションの大規模工事をするのか、それは経年劣化をなるべく防いで欠陥箇所の修繕をし、住民が安全に暮らしていくためです。
大規模修繕工事を必要な時期にしていないマンションは、どこに欠陥がひそんでいるか分かりません。いつ何が故障するか、場合によっては建物自体がもろくなってしまっている可能性もあります。修繕をすることでそういったリスクを未然に防ぎ、安全に住めるでしょう。
マンション大規模修繕工事の時期とタイミング4つ
マンションの資産価値を守るため、また住民が安心安全に暮らしていくために大規模修繕工事は必要なことです。
ここからは、マンション大規模修繕工事はどのような時期に行えばよいのか、時期の判断には何を検討する必要があるのか紹介します。
時期とタイミング1:基本的に決まりはない
マンションの大規模修繕工事の適切な時期はマンションごとに違いがあるため、基本的にはマンションを調べて修繕時期を決定することになります。
工事の時期は築12~13年程と、よく言われていると紹介しました。しかしこれはあくまでも一般的な話であり、必ずしも12年経たないと修繕してはいけないという訳ではありません。年数に関わらず、修繕が必要と判断されたときには行うようにしましょう。
時期とタイミング2:マンションの傷み具合による
ではどうやってマンションの大規模修繕工事の時期を決めるかというと、それはマンションそれぞれの傷み具合によるでしょう。
思ったよりも経年劣化が激しく、傷みが進んでしまったようなマンションは、早い時期に大規模修繕工事が必要になることがあります。
逆に、マンションがたいして傷んでおらず、劣化しにくい建材を使っていたような場合は、12年以上経ってもまだ大規模修繕工事が必要ないこともあるでしょう。
時期とタイミング3:気候や環境によっても異なる
マンションの立地場所によっては、気候や周囲の環境によって大規模修繕工事の時期に影響を与えることがあります。例えば、寒冷地や海に近い地方などがこれにあたるでしょう。
海に近いとどうしても海風を受けてしまい、その海風による塩害でマンションの建材や外壁がさびやすくなるなどの影響を受けます。また寒冷地は、寒冷地ゆえの劣化や不具合が起こりやすいと言われており、どちらも修繕時期を早める可能性があるでしょう。
時期とタイミング4:使用されている塗料の種類にもよる
建物の外壁は大規模修繕工事の目安になることが多いのですが、外壁の塗装に使われている塗料によっても修繕時期に影響を与えることになります。
塗装に使われている塗料には「耐候年数」があります。古い塗料ではウレタン樹脂などが使われていることがあります。塗料を性能のよいフッ素樹脂などに変えると耐候年数が伸びると言われているため、塗料の選択も重要になってくるでしょう。
マンション大規模修繕工事の費用目安と業者の選び方
マンションの大規模修繕工事を適切な時期に行う場合、必要となる費用は一般的にはマンションの戸あたりで100万円前後と言われています。
施工業者を選ぶ際にはマンション管理会社の関連会社や、ゼネコン・修繕工事を専門としている業者を選ぶなどの方法があります。
これまでの修繕実績やサポート体制、信頼のおける業者かどうかをしっかり確認する必要があるでしょう。
大規模修繕工事の戸あたり75万円~100万円は30.6%、戸あたり100万円~125万円は24.7%、戸あたり50万円~75万円は13.8%となっている。
マンション大規模修繕工事の注意点3つ
ここからは、マンションの大規模修繕工事を行う上で気をつけておきたいポイントについて見ていきましょう。
マンションの大規模修繕工事は、住民にとって大変なことですが必ずしも住民の思った通り、希望の通りに行われる訳ではありません。工事を依頼する段階でトラブルが起こることもありますので、なるべく早くから計画を立てておきましょう。
注意点1:すぐに工事はできない
大規模修繕工事を決断し、すぐ施工業者に依頼したとしても、実際の工事に取り掛かるまで時間がかかる可能性があります。
とくに春や秋は他のマンションの大規模修繕工事も集中しやすいでしょう。早く修繕して欲しくても、施工業者側のスケジュールによってはすぐには行えません。余裕をもって早めに計画し、依頼する必要があるでしょう。
注意点2:放置することで余計に費用がかかる
大規模修繕工事が必要な時期になったけれど費用がかかりすぎる、などの理由から大規模修繕工事の時期を遅らせてしまう、あるいはやらないという判断をする場合がありますが、放置するとさらに劣化が進みますので注意しましょう。
マンションの大規模修繕工事は、しなければ費用はかかりません。しかし、修繕をしなければ経年劣化は早いスピードで進みますし思わぬ故障などに遭遇しやすくなります。放置はあまり得策ではないでしょう。
注意点3:住居者だけで工事目安を判断するのは危険
大規模修繕工事をする前に工事の目安として専門家に見積もりを出してもらう、専門家にチェックをしてもらうことが重要です。
住民たちもさまざまな要望があるでしょうが、住居者だけでどれだけの工事をするのか判断するのは危険です。マンションについて専門的な知識を持った人に依頼して、目に見えるところから目に見えない場所の欠陥チェックまでしてもらう必要があるでしょう。
必要なタイミングやサインをチェックしてマンション大規模修繕工事を検討しよう
今回の記事ではマンションの大規模修繕工事の必要性、いつ工事をするのか、時期について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
多くの費用はかかりますが、マンションの大規模修繕工事はマンションの資産価値を守るため、住民が安心して安全に生活するために欠かせないことです。修繕が必要なサインを見逃さず、適切な時期に大規模修繕工事を行っていきましょう。