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マンションにかかる贈与税についての要点6つ|支払いのポイントは?

2020 06.4この記事はPRを含みます

贈与税とは

贈与税とは、贈与によって受け取った財産に関して課せられる税金です。

相続による財産の取得を除き、個人から不動産などの財産を受け取った場合に課せられる国税を、贈与税と言います。また、会社などの法人から贈与を受けた場合、贈与税はかかりませんが所得税もしくは法人税が課せられます。

たとえば、自身が保険料を支払っていない生命保険金を受け取った場合などが該当します。この記事では贈与税について紹介していきます。

マンションに関連する贈与税

マンションに関する贈与税にはどのような特徴があるのでしょうか。

贈与税は個人の間の場合、110万円以上の譲渡によって課せられる税金です。金銭や不動産などが課税対象になるため、マンションを贈与された場合やマンション取得資金を贈与された場合にも課せられます。しかし、贈与内容が不動産なのか金銭なのかで異なる面もあります。

ここではマンションに関連する贈与税について紹介します。

マンションを贈与された場合

マンションを贈与された場合には贈与税が課せられます。

贈与税は1年間でいくらの贈与を受けたかで税額が算出されます。税金を抑えられるさまざまな制度はありますが、それを除けば、基礎控除の110万円を引いた残りの額に対して贈与税がかかることになります。

マンションの場合、土地と建物それぞれの評価額に対して贈与税額を計算することになります。

マンション取得資金を贈与された場合

マンション取得資金を贈与された場合には、贈与税を非課税にすることができます。

マンションを贈与された場合には贈与税がかかりますが、親から取得資金を贈与された場合は「直系尊属からの住宅取得資金贈与の非課税特例」を利用することで非課税にすることが可能です。

贈与される側が贈与者の子もしくは孫であり、1月1日時点で20歳以上であり、贈与額は2,000万円以下となっています。

マンションにかかる贈与税についての要点6つ

マンションにかかる贈与税について押さえる要点は6つあります。マンションなどの不動産は高額な資産であるため、法律によってさまざまな規定がされています。

マンションが贈与され、所有権が移転した場合にかかる贈与税もその中の1つですが、誰から誰への贈与かによって金額は大きく変わります。

ここではマンションにかかる贈与税についての要点を6つ紹介していきます。また、所有期間によって税率が変わるため、押さえておきましょう。

贈与税についての要点1:特例税率の適用範囲

マンションにかかる贈与税の税率や控除額に関しては、直系尊属から20歳以上の子や孫への贈与の場合は特例税率が適用されます。

特例税率は父母や祖父母などから20歳以上の子や孫への贈与に適用されるもので、一般税率よりも税率が低く設定されています。

たとえば特別税率で700万円の譲渡を受けた場合、590万円が課税対象額になります。590万円×税率30%-(控除額90万円)となり、贈与税は87万円になります。

贈与税についての要点2:一般税率の適用範囲

マンションにかかる贈与税の税率や控除額に関しては、特例税率の適用範囲外の場合は一般税率が適用されます。

一般税率は特例税率よりも税率が高いです。控除額は1000万円までは特例税率よりも高いですが、それ以上になると特例税率より低いです。

たとえば一般税率で700万円の譲渡を受けた場合、590万円が課税対象額になります。590万円×税率40%-(控除額125万円)となり、贈与税は111万円になります。

贈与税についての要点3:相続時精算課税制度の利用

マンションにかかる贈与税は、相続時精算課税制度を利用することで大幅に軽減することが可能です。

相続時精算課税制度は65歳以上の親から20歳以上の子への生前贈与で贈与税を下げることができる制度です。贈与時点では2,500万円まで贈与税が発生せず、相続の際に他の財産と一緒に課税されます。

ただし一度でも利用すると、それ以降贈与された財産には110万の基礎控除が受けられなくなり相続税の対象となります。

相続時精算課税の制度とは、原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/41…

贈与税についての要点4:配偶者控除の適用

マンションにかかる贈与税は、夫婦間なら配偶者控除を適用することにより大幅に控除することができます。

配偶者控除は婚姻期間が20年以上の夫婦間の贈与税を軽減することができる制度です。基本控除の加えて、最大で2,000万円まで課税される金額を控除することが可能です。

たとえば2,100万円のマンションを夫から妻へ譲渡する場合、配偶者控除により2,000万円差し引くことで課税対象は100万円だけになります。

贈与税についての要点5:配偶者は特に優遇される

マンションにかかる贈与税に関する特例税率や控除の中では、特に配偶者が優遇されます。

マンションにかかる贈与税の計算には、贈与税が低い特例税率や、贈与時点では2,500万円まで贈与税が発生しない相続時精算課税制度などがあります。

しかしその中でも配偶者控除は基礎控除に加え最高2,000万円まで控除され、さらに1度利用しても基礎控除が受けられなくなるなどの規定がないため、優遇されていると言えます。

贈与税についての要点6:長期所有で有利になる

贈与されたマンションを売却する場合、長期間所有することで課せられる税金を下げることができます。

マンションを売却する場合、発生した譲渡所得に対してかかる所得税や、住民税を支払う必要が発生します。また、この税金は所有期間により金額が変わります。

たとえば所有期間が5年以下なら短期譲渡所得になり、5年以上の場合は長期譲渡所得になります。短期譲渡の場合は税金が高くなる仕組みになっているため、注意しましょう。

マンション贈与税の計算で使われる評価額の種類5つ

マンションの贈与税の計算で利用する評価額には5つの種類があります。

マンションや土地などの不動産には定価がないため、不動産の評価額に対して税金が課せられます。評価額には「時価(実勢価格)」、「公示価格」、「基準地価」、「路線価」、「固定資産評価額」の5種類があり、それぞれ用途によって評価方法が選択されることになります。

ここではマンション贈与税の計算で使われる評価額の種類5つについて紹介します。

評価額の種類1:時価

時価とは実際に売買で取引される価格です。

いつでもその価格で売買可能な市場価格を時価と呼びます。ただし、不動産の場合は市場価格が成立しないため、時価に対する明確な定義はありません。

不動産における時価は「実勢価格」と呼ばれ、需要と供給が釣り合う価格のことを指します。過去に取引があれば取引金額が実勢価格になり、取引がない場合には周辺エリアの取引事例や公示価格、固定資産税評価額、路線価から算出します。

評価額の種類2:公示価格

公示価格とは国土交通省の土地鑑定委員会によって決められる価格です。

「地価公示」と呼ばれる地価公示法にもとづいて1㎡当たりの1月1日時点の価格を調査する制度があり、その際に公表される価格が公示価格になります。

公示価格は不動産鑑定士が分析した、その土地を更地として評価した場合の価格です。また、公示価格は客観的な視点で適正な価格を算出するため、土地取引を行う際の指標になります。

地価公示法

評価額の種類3:基準地価

基準地価とは都道府県によって判定される基準地の1㎡当たりの価格です。

国土利用計画法にもとづいて都道府県が7月1日時点での価格を判定し、9月下旬ごろに公表します。1月1日に算出される公示価格の補完として利用される役割もあります。

また、公示価格とは評価方法も似ていますが、公示価格が都市計画区域内外の住宅地や商業地が対象になり、基準地価は工業地や林地なども含まれるといった違いがあります。

評価額の種類4:路線価

基準地価とは国税庁が公表している主要道路に面する宅地1㎡あたりの価格です。

毎年1月1日時点の価格を評価し、7月1日に公表しています。路線価には国税局が決定する「相続税路線価」と、各市町村が決定する「固定資産税路線価」の2種類があります。

相続税路線価は相続税や贈与税の算出に利用され、固定資産税路線価は固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税の算出に利用されるという違いがあります。

評価額の種類5:固定資産評価額

固定資産評価額とは各自治体が個別に決定する価格です。

固定資産税を算出する際の基準となるもので、土地や建物などをどのように評価するか定めた「固定資産評価基準」にもとづいて、各市町村が個別に決定しています。

固定資産評価額は、土地の場合は時価の70%が目安となり、さらに立地や面積などの条件で変わってきます。建物なら新築の場合は工事金額の50%~60%と言われており、築年数や規模によって変わってきます。

贈与税を支払いする際のポイント2つ

贈与税を支払うことになった場合、気をつけるべきポイントがあります。

人から財産を贈与された場合には申告をする必要があり、金額に応じた贈与税を納める必要があります。しかし贈与税の支払いの際には、精算前にチェックしておくべきポイントがあるため、事前に知っておきましょう。

ここでは贈与税を支払いする際のポイント2つを紹介します。

延納を選択するための条件を確認

贈与税の支払いをする際には、延納を選択するための条件を確認しておきましょう。

国に治める税金は一時に納付するのが基本ですが、相続税や贈与税の金額が10万円を超えており、納付期限までに収めることが難しい場合は延納申請書を提出することによって年賦で収めることが可能です。

ただし、延納税額が100万以上だったり、延納期間が3年以上の場合は担保として財産を提出する必要があります。

分割納付が可能

贈与税の支払いをする際には、分割納付ができることを確認しておきましょう。

贈与税の納付は一括納付の他に、年賦による分割納付が可能です。原則としては現金一括で納付することになりますが、財産状況や収入などを踏まえて一括納付が難しい場合は、一定の要件の元、分割納付ができます。

期間は課税相続財産に占める不動産などの割合に応じて5年から20年になりますが、贈与税の場合、期間は5年以内と定められています。

マンションにかかる贈与税を理解しよう

マンションの贈与を受けた場合は、贈与税に関する要点について確認しましょう。

マンションを譲渡された場合、価値に応じて贈与税を納付する必要があります。しかし贈与税に関わる制度には特例税率や配偶者控除などがあり、さらに長期間保有することにより税金を軽減することも可能です。

ぜひ贈与税の仕組みについてきちんと理解し、税金を抑えるようにしましょう。

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