火災保険の補償額とは?支払い対象の範囲や対象物と補償額のポイント5つ
2020 06.4この記事はPRを含みます
火災保険の補償額とは
火災保険の補償額といえば、多くの人が「家が火災にあったときに補償してもらえる金額」と漠然と認識しているかと思います。「火災保険」という名称であることから、保険対象が火災のみだと理解している人が多いのかもしれません。
火災保険は「火災」という名称ではありますが、保険対象は火災だけでなく、地震などの自然災害も対象になる商品があります。
また、対象物も住宅だけでなく、家財道具などの動産を対象とするものもあるので、補償内容もしっかりと確認していきましょう。
火災保険の補償額と基礎知識3つ
火災保険の対象は、保険会社や加入した時期で変わってきますが、ほとんどの火災保険が、火災だけなく自然災害も対象になります。どこまでの災害が対象になるのかは、契約内容によって異なります。
当然、補償額もどの範囲の財産を対象とするかによって異なるので、契約の際は十分に検討しなければなりません。
ここでは、火災保険の補償額を検討するうえで、知っておきたい基礎知識を3つ紹介します。
火災保険の補償額と基礎知識1:保険価額とは
火災保険だけでなく、保険商品を調べていると「保険価額」という表示を目にします。保険価額とは、保険をかける建物や動産などを金額に換算し評価した値のことを指します。
保険価額には新価と時価の2つがあります。
保険をかける建物と同等のものを再び建てるためにかかる金額が新価、新価から、築何年経ったなどの状況を加味して、消耗分を差し引いたものが、時価になります。
火災保険の補償額と基礎知識2:保険金額とは
火災保険の補償額を検討する際に、「保険価額」とは別に「保険金額」という用語も使われます。保険金額は「保険金が〇〇円おりる」といった使われ方がする「保険金」にあたる金額で、保険契約としての契約金額のことを指しています。
火災保険などの損害保険については、受けられる補償額の支払限度額が「保険金額」です。損害の程度によっては、契約した保険金額よりも少ない金額しか支払われない可能性もあります。
火災保険の補償額と基礎知識3:損害保険金とは
火災保険の補償額の中には「保険金額」とは別に「損害保険金」という言葉も見受けられます。損害保険金は、保険契約の中で補償対象とした「事故」により、損害が発生したときに補償を受けることができる金額のことです。
火災保険においては、契約時の損害保険金を支払限度額として、損害の程度に応じた金額の支払いが行われます。
火災保険の補償額のポイント5つ
火災保険を契約する際に、補償額を中心に保険商品の検討をする場合は、保険商品によって補償額をどのように設定しているのかを比較してみることが必要になります。火災保険も保険会社や商品によって、補償額の設定基準が異なるからです。
ここでは、火災保険の補償額を検討する際にポイントとなる5つの事項について紹介します。
ポイント1:新価で契約したときの補償額
火災保険を契約する際の保険価額の考え方には、「新価」と「時価」という2つの考え方があります。「新価」では、火災保険の対象物と同等のものを新たに建築・購入するために必要となる金額が保険価額になります。
建物が火災により滅失した場合、滅失時の評価価格が800万円でも、同等の建物の再建に1,500万円かかる場合は、1,500万円が補償額になります。火災保険では、新価による保険価額の設定がおすすめです。
ポイント2:時価で契約したときの補償額
火災保険の「時価」という考え方では、火災保険の対象物が滅失した時点での評価額が保険価額になります。建物が火災により滅失した場合、滅失時の評価価格が800万円なら、再建に1,500万円かかる場合でも補償額としては800万円しか支払われません。
時価による保険価額の設定で火災保険を契約する場合は、新価による契約に比べ、支払う保険料は少額で済みます。
ポイント3:一部保険で支払われる損害の範囲
火災保険の保険金額の設定には、「新価」と「時価」という保険価額の考え方のほか、保険金額の設定の仕方によっても補償額が異なります。保険金額の設定には、「一部保険」「超過保険」「全部保険」の3パターンがあります。
一部保険とは、新価よりも保険金額を低く設定する保険契約です。補償額の上限値である保険金額が新価よりも少ないので、保険対象物が滅失した場合も、新価すべてを補償額として受け取ることができません。
ポイント4:全部保険で支払われる損害の範囲
火災保険の保険金額の設定として、「新価」と「保険金額」を同額に設定しておけば、保険対象物が滅失したときに、新価と同等の価額が補償されます。
新価と保険金額を同額になるように設定する保険契約のことを全部保険と呼びます。必要な金額が補償額で賄われることになるので、無駄がなく安心な契約形態といえるでしょう。
ポイント5:超過保険とは
火災保険の契約として、「新価」よりも高い「保険金額」を契約することも可能です。新価よりも保険金額の方が高い保険契約を「超過保険」と呼びます。
保険対象物が滅失したときにプラスαの支払いがされる保険のように見えますが、補償額の支払いは、契約保険金額が上限とならず、新価が上限となってしまうので、超過している保険金額分の保険料は無駄になります。
火災保険の注意点
火災保険では、火災だけでなく自然災害による損害も補償対象になります。しかし、補償に関しては細かな条件や制限が付けられることが多いので、加入する火災保険の内容についてきちんと把握しておく必要があります。
ここで紹介する火災保険の注意点を理解し、火災保険に加入する際にきちんと確認するようにしましょう。すでに火災保険に加入しているのなら、自分が加入している火災保険について再確認しましょう。
地震による火災や重大な過失があった場合は補償の対象外
火災保険のほとんどが地震による火災は補償対象外とされており、地震による火災を補償するためには地震保険に加入する必要があります。
火災による滅失であっても、その火災が保険加入者の故意や重大な過失を原因とする場合は、補償の対象外となります。
故意による火災が補償対象外であることは理解できていると考えられますが、失火であっても重大な過失があると補償されないと肝に銘じておきましょう。
契約期間は最長10年(以前は最長36年)
火災保険の契約期間には、最長10年という制限があります。2015年より前の火災保険では最長36年間の契約が可能でしたが、2015年以降損害保険会社により最長契約期間を短縮することが発表されました。
火災保険の契約を最長期間にするか、1年ごとの短期契約にして毎年保険内容を見直すか、それぞれのメリットとデメリットを比較し検討しましょう。
長期契約の方が保険料の総支払額は安くなり、短期契約の方が最新の補償内容で補償を受けることができます。
火災保険の補償額や補償内容に迷ったときの対処法3つ
火災保険含め、保険契約を検討している場合、補償内容が理解しづらく、自分の状況に応じた保険商品を決めきれないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、火災保険の補償額や補償金額で迷ってしまう場合の対処方法を紹介します。
対処法1:ネットを利用してプロに相談する
まだ全く保険商品も保険会社も絞り込んでおらず、補償対象や補償額についても自分では決めきれないという状態なら、ネットを利用してプロへの無料相談を試してみましょう。
保険会社やファイナンシャルプランナーなどが、ネット上に相談窓口を設けて無料相談にも乗っています。ファーストステップとして無料相談で方向性を決めるとよいでしょう。
対処法2:加入予定の保険担当者に相談する
すでに保険会社は決めているものの、保険商品や補償内容を決めきれないというときには、加入予定の保険会社の担当者に相談しましょう。
加入希望者の実状をヒアリングし、フィットする保険商品や補償内容を紹介してくれるはずです。
対処法3:最寄りの保険相談店舗へ行く
加入する保険会社は決まっておらず、これから保険会社を選定しようという段階で、ネット相談にも信用がおけないという人は、店舗を構えている保険相談の窓口へ行ってみてはいかがでしょうか。
複数の保険会社の保険商品を扱う保険代理店などで、対面相談をしてみてはいかがでしょうか。
火災保険の補償額や補償範囲をしっかりと理解しておくことが必要
火災保険に新たに加入する際は、補償額はもちろんのこと、補償範囲や補償対象となる条件などの補償内容をきちんと理解・把握したうえで契約しましょう。
契約後に、思っていたよりも補償内容が狭いという事態に陥らないよう、契約前に詳細をきちんと理解することが必要です。