kinple金融(kinyu-)の世界をsimpleに

解約返戻金とは?解約返戻金の3つの種類と7つの注意事項をチェック

2020 10.21この記事はPRを含みます

解約返戻金とは?

解約返戻金(かいやくへんれいきん)とは、何らかの理由で保険を契約途中で解約した時、払い戻されるお金の事です。

保険に加入している期間が長いほど解約返戻金の額も高くなる傾向がありますが、それまでに払い込んだ全ての保険料が払い戻されるわけではありません。

また、全ての保険に解約返戻金があるのではなく、解約返戻金の無い保険もあります。保険の種類や契約内容等により、解約返戻率や金額にも差が出てくるのです。

解約返戻金がある保険の主な5つ

まず、解約返戻金のある主な保険の中から、学資保険・養老保険・終身保険・個人年金保険・医療保険の5つの種類の保険について説明いたします。

それぞれの保険の種類によって保障の内容も、解約返戻金額や返戻率も違いますので、保険の契約や解約をする前にきちんと確認しておきましょう。

解約返戻金がある保険1:学資保険

学資保険とは、世帯主の万が一の際に備えながら同時に子供の将来に必要となる教育資金を準備する為の貯蓄型の保険です。

万が一、契約者(保護者)が契約途中で亡くなった場合でも以後の保険料は免除され、あらかじめ設定しておいた学資金が被保険者に給付金として支払われる仕組みになっています。

学資保険の途中解約の場合、解約返戻金はそれまでに払い込んだ保険料の合計よりも少ない場合がほとんどで、また、早期に解約した場合に返戻金はあってもごくわずかな場合が多いといわれています。

解約返戻金がある保険2:養老保険

養老保険とは、将来に向けての資産形成と、万が一の際に残された家族の為に備える貯蓄性の高い保険です。

契約期間を自由に設定する事が出来る為、契約期間内に被保険者が亡くなった場合でも、無事に満期を迎えた場合でも、どちらでも同額の満期保険金が支払われる仕組みとなっています。ただ、そのぶん保険料は割高に設定されています。

満期まで継続することを前提としている保険の為、もし途中で解約した場合、解約返戻金はそれまでの払込保険料の合計より少なくなる場合が多いといわれています。

解約返戻金がある保険3:終身保険

終身保険とは、保障が一生涯にわたって続く貯蓄性を備えた保険です。保険料が一定の金額になっているので、途中で保障や条件の変更をしない限り、月々の支払額が変わる事はありません。

解約返戻金は多めで、保険の加入期間が長くなるにつれて徐々に増えていきます。また、保険料の払込期間満了後の解約では、実際に払い込んだ保険料と同じくらい、場合によってはそれよりも多い解約返戻金を受け取ることができるといわれています。

解約返戻金がある保険4:個人年金保険

個人年金保険とは、退職金や公的年金だけでは不安な老後資金を自分で準備することのできる、いわば私的年金の事です。

途中で解約した場合、それまでの積立金の一定の割合を解約返戻金として受け取ることは出来ますが、加入してから短期間で解約した場合の解約返戻率は、払込保険料の合計より著しく低くなる事があります。

しかし、加入後10年以上経過していれば9割くらいの返戻率で解約返戻金を受け取る事ができるようになります。

解約返戻金がある保険5:医療保険

医療保険とは、病気やケガなどによる入院や手術などの医療費の支出に備えて加入する保険で、一定期間の保障になりますが、その分通常の終身保険と比べて保険料は割安になっています。

医療保険は解約返戻金の無い「掛け捨て」型と、「積み立て」型の2つのタイプに分けられますが、そのほとんどが「掛け捨て」型となっています。ゆえに、解約返戻金は無いか、あってもごくわずかなことがほとんどです。

解約返戻金の3つの種類

解約返戻金には3つの種類があります。無解約返戻金型と低解約返戻金型と従来型に分けられます。

この3つのタイプのそれぞれの特徴を理解し、どの型に支払われる解約返戻金が一番多いのか、逆に少ないのはどの型なのかを把握しておきましょう。

解約返戻金の種類1:無解約返戻金型

無解約返戻金型の保険とは、解約返戻金が全く無いタイプの保険です。

定期保険や医療保険に多く見られる、いわゆる「掛け捨て」と呼ばれる保険で、解約返戻金が無い分、低い保険料で高額な医療などの保障を可能にしています。

解約返戻金の種類2:低解約返戻金型

低解約返戻金型の保険は、保険料の払込満了時までの解約返戻金を低く(約70%)設定することで月々の保険料が通常の保険よりも割安になっています。

途中解約すればもちろん損をしますが、満期まで加入していれば解約返戻率が100%を超える事も多く、満期まで加入し続けた場合にはとてもお得な保険といえるでしょう。

解約返戻金の種類3:従来型

従来型の解約返戻金は、払い込んだ保険料に比例して解約返戻金も増えていき、満期に近づけば近づくほど返戻率が高くなるという特徴があります。

従来型は、終身保険や養老保険に多くみられます。

解約返戻金の受け取りで注意すべき点7つ

では、解約返戻金を受け取る際に、どのような点に注意すべきなのでしょうか。

保険の解約や受け取りのタイミング、かかる税金の種類や計算方法、確定申告の有無などの注意点を正しく理解して損をしないようにしましょう。

解約返戻金の受け取りで注意すべき点1:税金

解約返戻金を受け取った際、保険契約者と受取人が同一である場合は所得税の対象となりますが、保険契約者と受取人が別である場合は贈与税の対象となります。

所得税対象の場合でそれまでの払込保険料の合計金額に対し、受け取った解約返戻金の額が50万円を上回った場合、50万円を超えた部分に所得税がかります。

逆に利益が50万を超えない場合や、それまでの払込保険料の合計金額が解約返戻金よりも多い場合には、所得税はかかりません。

また、贈与税対象の場合、保険料をどれだけ支払ったかではなく、受け取った解約返戻金の全額が課税対象となります。しかし、贈与税には年間110万円の基礎控除がある為、贈与金額が併せて110万円を超える部分に対して、課税される事となります。

解約返戻金の受け取りで注意すべき点2:確定申告

解約返戻金は一時所得となります。ただし、本来確定申告の必要の無い給料所得者の場合、解約返戻金の額が20万円を超えた場合は確定申告が必要ですが、20万円以下の場合は、確定申告は不要です。

また、一時所得には特別控除が50万円ありますので、解約返戻金で得た利益が50万円以下の場合についても、確定申告は不要です。

解約返戻金の受け取りで注意すべき点3:タイミング

保険を解約するタイミングによっても、解約返戻金に差が出ます。

解約返戻金のあるタイプの保険でも契約してすぐに解約した場合、解約返戻金がゼロになるかごくわずかになりますが、契約期間が長ければ長いほど返戻率も徐々に高くなっていく傾向があります。

また、養老保険や終身保険などの貯蓄性の高い保険を契約途中で解約した場合、元本割れになる可能性が高い為、できれば保険の契約中にまず現時点での解約返戻金額を確認してみてから、できるだけ損をしないタイミングを見計らって保険の解約をすることが大切だと言えるでしょう。

解約返戻金の受け取りで注意すべき点4:保障内容

保険を解約した場合、それまでの保障は無くなります。また、保険料をまとめて年払いにしている場合、年度途中の解約では、残りの期間の保障と既払保険料が無駄になる事もあります。

また、高額な保障を付ければ、月々支払う保険料も高くなりますが、それが負担になって解約してしまうという事態は避けたいものです。

まずは自分にとって最適な保険の必要保障額を知り、その上で社会保障がどのくらい受けられるのかも含め、最適な保障への見直しを行うことが大切だといえるのではないでしょうか。

解約返戻金の受け取りで注意すべき点5:手続きの順序

ライフスタイルの変化などでそれまでの保険を解約し、新しい保険に入り直す事もあると思いますが、ここで気をつけなければならない事は、保険は申し込みと同時に保障が始まるという訳ではありません。

生命保険は、申し込み・診査または告知・第1回保険料の払い込みのすべてが完了した日から責任開始となります。ほとんどのガン保険には更に3ヶ月の待機期間が設定されています。

なお待機期間は、申し込み・診査または告知・第1回保険料の払い込みが完了した日から、さらに3か月間経過した翌日が責任開始日になります。

旧保険から新保険に乗り換える際、保険の空白期間に万が一の事が起こった場合、どちらからも保障が受けられないなんてことが起きないように、必ず新しい保険の保障が開始されるのを待ってから旧保険を解約しましょう。

解約返戻金の受け取りで注意すべき点6:借入金の相殺

生命保険には「契約者貸付け」という制度があり、解約返戻金の一定の範囲内(通常は8~9割)であれば、保険会社からお金を借り入れることができます。借入金には利息が付きますが、保障はそのまま継続することができます。

また、契約者貸付けでお金を借り入れたまま保険を解約した場合、解約返戻金は借入金額とその利息を相殺した分が支払われる事になります。

解約返戻金の受け取りで注意すべき点7:解約返戻金の金額

解約返戻金の利益が50万円を超えた場合、税金がかかります。また、解約返戻金の使いみちやタイミングが決まっている場合、解約を申し出てから実際に解約されるまでは時間がかかるので、ある程度日程に余裕をもって解約手続きを取るのが良いでしょう。

また、予期せぬ税金の支払いは負担になりますので、保険を解約する際は事前に解約返戻金が全部でいくらになるのか、いつ振り込まれるのかなど受け取り方をあらかじめ確認しておくのが良いでしょう。

解約返戻金についてしっかり確認しよう

解約返戻金は保険を解約した場合に受け取る事の出来るお金ですが、加入している保険の種類によって、解約返戻金の無いタイプもあります。保険を解約すればそれまでの契約は消滅し、保障も受けられなくなります。

また、保険の種類や契約していた期間によって金額や解約返戻率もさまざまですので、保険を解約する時は損をしないタイミング等、よく考えてから決める必要があるでしょう。

\ お金の勉強をしよう/
ページの先頭へ