奨学金の返還と貯金を両立するためのコツ6つ|返還が難しいときの対処法とは
2020 10.21この記事はPRを含みます
奨学金とは
日本の教育支援として存在するのが、奨学金です。高校や大学の学業に関することで利用できる制度の給付、貸付制度の一つです。現在は大学でも、奨学金制度を独自に行なっているところも増えています。
2020年に制度が大幅に変わったことで、話題になりました。この記事では、奨学金についての詳細や、貯金と併用して奨学金を返還する方法について紹介します。
教育ローンとの違い
奨学金と合わせて聞くのが「教育ローン」です。なぜ、名称を分けているのでしょうか。教育ローンは学校にかかる費用だけではなく、学生が一人で生活するための費用なども借り入れの理由に含まれます。
そして、大きな違いがもう一つあり、教育ローンは満20歳以上の人が契約者となります。現役で大学生になるのであれば、学生本人ではなく、成人した家族が対象になるのです。学生生活を終えたあとは、名義を自分自身に変更することも可能です。
奨学金の対象者
では、奨学金の対象者はどんな人が当てはまるのでしょうか。まず、先程の教育ローンとの大きな違いで、契約者は学生本人になります。基本的には経済的な理由で、進学を諦めないように出来た制度です。
世帯収入の基準、成績を基準に本人にやる気があるかどうかで、支援を受けることが可能です。今では奨学金制度を利用しているのは2.6人に1人と、結構な人が奨学金制度を利用しています。
奨学金の種類
奨学金の制度は大きく分けて「貸与型」と「給付型」に分かれています。貸与型は、第一種(無利子)と第二種(利子付き)があり、第一種は特に優れた成績を収めており、経済的理由で修学が困難な生徒が対象になります。
第二種は第一種よりはゆるやかな基準によって、選考されます。
給付型とは返済不要の奨学金となり、基準が高くなります。奨学金を受け取っている約9割は貸与型の奨学金を受給しているのが、日本の奨学金制度の現状です。
給付型奨学金
給付型奨学金とは、返還不要の奨学金です。2020年4月より大きく変更が加わりました。
増額した給付型奨学金は、授業料・入学金の免除や減額にプラスして支給される様になります。対象が非課税世帯とそれに準ずる世帯になり、経済的理由で進学を諦めない事をめざしています。
すでに貸与型の奨学金を受けている人も、切り替えが可能な場合もあるので、問い合わせしてみましょう。世帯の構成や、大学、高校によって支給額が異なります。
貸与型奨学金
貸与型給付金は、借りている資金となるため返還する義務が出てきます。在学中ではなく、卒業してから返還は始まります。貸与型は第一種奨学金と第二種奨学金に分かれ、第一種奨学金は無利子で借りられ、第二種奨学金は利子が付きます。
給付型の奨学金と組み合わせることも可能ですが、その際は上限額があるので注意が必要です。返済計画の基本となるシミュレーションも、日本学生支援機構のHPで行えるので参考にしてみましょう。
奨学金の返還と貯金を両立するためのコツ6つ
ここからは具体的に貸与型で奨学金を利用した時に、貯金と一緒にやりくりする方法について考えてみましょう。すでに、大学を卒業されて、新たな生活に進んでいる人も多いでしょう。
奨学金の返還と貯金を、上手にやりくりにするには計画性が必要です。
奨学金の返還と貯金を両立するコツ1:家計のイメージを明確にする
奨学金の返還と貯金を同時にするには、計画性が必要だと前述しました。具体的にどうしたら良いのか悩むところです。まずは、すでに働いていると仮定すると、収入と支出をしっかりと把握する必要があります。
固定費や家賃など、毎月引かれるお金を認識しておきましょう。自分が毎月いくら奨学金の返還をするのか忘れずに、しっかり確認しておくことが大事です。
家計簿をつける
具体的にどうしたら、家計のイメージを付けることが出来るでしょうか。有効なのは、家計簿をつけることです。しかし、毎日家計簿を記す暇がない人もいます。
今はスマートフォンを持っている人も多いので、家計簿アプリを利用しても良いでしょう。簡単に管理できる家計簿アプリも様々な物があります。記録する癖をつけることが大事です。しっかりと、自分の1ヶ月の収入と支出を知ることを心がけましょう。
奨学金の返還と貯金を両立するコツ2:貯金が可能な金額を把握する
家計の見直しが終われば、自然と貯金額が出てくるでしょう。もし、この部分で赤字になってしまうようであれば、支出の見直しをしなくてはなりません。
どうしてもギリギリになってしまうとか、少ししか残らないとうことであれば、支出を減らすのではなく、収入を副業でまかなうことも検討してみましょう。
実は、貯金額を把握することが、結構大事なのです。
奨学金の返還と貯金を両立するコツ3:返済開始日を確認する
貯金額を把握できたら次に確認することは、いつから返還しなくてはいけないのか確認することです。給料日と光熱費などの引き落とし日に関係して、返済開始日はとても重要になります。
すべてを把握することで意識が高まるので、貯金をする癖も奨学金を返す癖もついてきます。奨学金の返済開始日は10月です。ちなみに日本学生支援機構の口座振替の場合は、毎月原則として27日が返済日となります。
奨学金の返還と貯金を両立するコツ4:黒字が出ても油断しない
奨学金をコンスタントに返還出来ると、少しづつ出てくる余裕がいきなり足を引っ張ることに繋がる可能性があります。もちろん数千円でも貯金出来ているのであれば、黒字の家計簿になるでしょう。
働いている期間が増えれば、ボーナスや臨時収入があります。しかし、黒字になったからと言って油断してはいけません。社会人2年目になると給与から天引きになる項目が増えるので、不足の事態に備えることも必要です。
奨学金の返還と貯金を両立するコツ5:口座の残高を確認する
奨学金の返済と貯金を両立していくのに欠かせないのが、モチベーションです。どうして貯金も一緒にしたほうが良いのかわかるでしょうか。もちろん急な出費に備えるためでもあります。
人はとても単純に出来ており、口座の残高を確認して少しづつでも残高が増えていくと、やる気が起きる傾向にあります。収入の残りをすべて奨学金の返済に当ててしまったら、自分の資産はすべてなくなってしまい、働くことへの意欲も減ってしまうでしょう。
奨学金の返還と貯金を両立するコツ6:奨学金繰上げ返還も可能
もし、ボーナスや臨時収入があった時は、なるべく早くに奨学金の返還を終わらせたいと考えることもあるでしょう。奨学金は、早くに返還したほうが良い場合もあります。
奨学金の繰上返還の申し込みは、スカラネット・パーソナルや郵送、FAX、電話での受付が可能です。日本学生支援機構以外で奨学金を利用している人は、ホームページで確認してみましょう。
繰上返還のメリット
繰上返還のメリットは、もちろん早く返し終わることが大前提にあります。貸与型の奨学金には利子付きの第二種奨学金があります。
利子がつく第二種奨学金を繰上返還することで、期限の来ていない返還金額の利子を減らすことが出来ます。もちろん総支給額も伴って、減っていきますので、余裕がある人は繰上返還も検討してみましょう。
繰上返還時期の貯金額
繰上返還を検討するには、ある程度の貯金が溜まっていることを前提に考えないといけません。たとえば、体調を崩してしまった、冠婚葬祭があった等、色々なトラブルはあるものです。
可能な限り、貯金をしておくのが理想です。何かあった時の備えはかならず必要なので、貯金が年収の半分まで来たら繰上返還を考えていきましょう。
繰上返還をするときの注意点
繰上返還をしたことで、返還期間が短くなり、精神的にも楽になります。
しかし注意しなければならないのが、支払った後に生活できるかどうかです。奨学金を繰越返還したことで貯金がなくなり、他でローンを組んでしまっては本末転倒です。
また、もう一つの注意点として利息が挙げられます。勉学を対象にした日本学生支援機構では、利息が年3%までと決まっています。これはかなり安い金利だということを、念頭に置いておきましょう。
奨学金の返還が難しいときの対処法
長い奨学金返還の時間の中で、不安に思うのは返還ができなかったらどうすれば良いのかということでしょう。長い人で20年かけて返還する人もいるなか、家族の中で問題が起きたり、自分の体調が悪くなることもあるかもしれません。
返済できなくなった時に、どうすれば良いのか把握するのはとても大事なことです。どうすれば良いのか一緒に見ていきましょう。
日本学生支援機構の奨学金の場合
奨学金の返還は届け出をしっかりすることで、猶予する制度を受けられる可能性があります。すべて申請が必要となり、却下されることもあるので注意が必要です。
日本学生支援機構の場合は、減額返還や返還期限猶予、返還免除があります。
減額返還制度を利用する
減額返還制度は。災害や傷病などでどうしても規定の返還金額を返せない時に利用できる制度です。割賦金を減額して返還可能であるかどうかが判断材料となります。
返還総額金額は変わりませんが、延長してもその分の利息がつかないのが大きな利点です。無理なく返還出来ることを目的とした制度ですが、一定の証明書などが必要になるので、しっかりと用意をしておきましょう。
返還期限猶予制度を利用する
返還が難しい場合は返還期間猶予制度があります。災害や、傷病、失業など予測できなかった事態になった時に、返還期限の猶予を申請できます。審査制になっており、承認されたらその期間については支払い猶予されます。
しかし、返還金額も利子も消失するわけではありません。一定期間待ってもらう一般猶予と、一定の収入を得られるようになるまで期間を延長する、猶予年限特例などがあります。
貯金をしながら奨学金を返還しよう
ここまで、奨学金の返還についての紹介と貯金の割合やコツについて紹介してきました。この記事を読んでいるということは、どうやって奨学金の返還に向き合っていくか、悩んでいる人もいるかもしれません。
しかし、そんなに考えずに、注意事項だけしっかり守れば問題はありません。負担にならないために出来た制度です。不安なところがあれば、ぜひ自分の奨学金制度の会社に問い合わせてみましょう。